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超創機大戦  作者: 馗昭丹
表裏陰世界
33/77

裏に表と陰~出撃

…輪廻から流されてきた情報により、光牙達は各々の機体を隠している場所に集合。


集合場所にて…光牙達は戦闘前の作戦会議を行っていた。


其処に…小雪のSK・ヤタガラスと綾乃のハニーフライトが帰還し、小雪達は会議場に向かう。


「裏日本に衛星連合軍の降下部隊と例の精鋭部隊が迫っています」


偵察から戻った小雪は手に持った端末機から映像を投射しながら言う。


「衛星連合軍の主力はZWが中心、それが多数…裏日本の四国へと集結しつつあり、九州独立戦線と山陰・山陽のレジスタンス達と四国反政府連盟は警戒を強めているとのことです」



「ハニーちゃんが傍受した通信によると、衛星連合軍精鋭部隊の指揮を執っているのはハルツィス・アーシュ・永戸中佐で…、降下部隊の指揮を執っているのはスライ・コーティス中尉他数名…、い…何れも歴戦の猛者ばかりですよ」



綾乃はハニーフライトのデータを映し出して言う。


「この戦い、衛連の降下部隊及びハルツィスの部隊を全て撃退すれば俺達の勝ち、レジスタンス達が壊滅したり、ハルツィス達が裏日本の拠点を確保すると俺達の負けになる。…ぐずぐずしてると増援もあり得るだろうね」


綾一は映像から敵進路を割り出し、敵増援予想図も展開しながら言う。


「調べてみたが、ハルツィス・アーシュ・永戸は漆黒大戦と前大戦を戦い抜いた生え抜きの猛者だと聞く、迂闊に突出すれば痛い目を見るかもしれんな」


斑鳩先生は調べた情報と映像を睨みながら言う。


「…作戦だが、一つは全員で迎撃する事、二つは少数精鋭でハルツィスを叩く事、三つは降下部隊に急襲を仕掛ける事、四つはハルツィスと降下部隊の両方に攻撃を仕掛ける事だ」


光牙は四つの作戦を立てて言う。


「堅実に迎撃するか、機先を制して攻撃するか…どちらかだな」


クナトは頭を掻きながら言う。


「迎撃する場合は全員で万全の態勢を整える事になる、攻撃する場合は強力なジャミング機能を持つハニーフライト…綾乃さんと指揮官に斑鳩先生には必ず出てもらわないとね」


「は…はい!」


「良いだろう、臨むところだ」


綾一は綾乃と斑鳩先生を見て言い、綾乃と斑鳩先生は応える。


「…つかよ、どれを選ぶんだ?俺様難しい四択は苦手なんだよな」


「俺も苦手、テンション下がるし…」


「う~ん、私も苦手かな…」


勢気は早くも頭の中がこんがらがった様子でお手上げ状態になっており、史彦と芙蓉も頭を悩ませていた。


「………」


…オーバーロードした惇に至ってはそのまま硬直している。


「…栗坂、敷島、小林、大橋、考える気が無いなら後で補習授業に出ろ、私がみっちりと鍛えてやる」


「うおっ!?そりゃガチで勘弁!!」


「じ…冗談です、はい…」


「すいません…」


「………」



斑鳩先生の言と威圧感に恐れをなした勢気達は、頭を切り替えてそれなりに考え始める。


「光牙はどの作戦が良いと思う?」


「俺はどの作戦でも良いと思ってる、ノリで言えば両方に仕掛けておきたいがな」


光牙は不敵に微笑みながら言う。


「大人しく待つのは性に合わないか、お前らしいな」


「そう言う綾一も同じ考えだろう?」


「御名答、俺も待つのは好きじゃない質でね」


光牙の言に綾一は満足そうに答える。


「統弥は?」




「喧嘩も死合も先手必勝だろうが、来るなら先に喧嘩売ってぶった斬る」


-ブン-


統弥は振り下ろした木刀を寸止めして言う。


「クナトは?」


「ん?俺は…迎撃に一票だ、近付く奴は片っ端から狙い撃つ…ってね」


クナトは愛用の可変銃の手入れをしつつ、狙撃の構えをしながら言う。


「俺達の意見はほぼ機先を制する側だが…綾乃さんと、ステルマリアさんと、小雪さんはどうする?」

「…どうしようかな」


「…う~ん」


「………」


光牙の問いに三人は暫し考える。


-スッ-


「…私は先に仕掛けるべきだと思うな、敵に時間を与えては此方が不利になる」




暫しの沈黙を破る様にステルマリアは口を開く。


「う~ん、私は強そうな方を避けて降下部隊を叩くかな…?」


綾乃は少し考えつつ、敵の予想進路と地形図を確認しながら言う。


「…安全策でいくなら其方で良いかも知れませんが…、敵増援が気になりますね」


小雪はヤタガラスのバックアップデータを基に各作戦の流れを予想しながら言う。


「なんつかよ、ハルチス何たらとかいう奴を放置してたらヤバいんじゃね?」


勢気は挙手をして言う。


「あの…栗坂さん、ハルツィス・アーシュ・永戸ですが…?」


「良いんだよ沢田小百合、細かい事は気にすんなって!」


「…私は沢…」


-ビシィッ-


「ぐおっ!?」


「済まんな沢野、この馬鹿には後でキツく言っておく」


「は…はあ…」


見かねた斑鳩先生が勢気の脳天をど突き、小雪は斑鳩先生の早技と勢気の扱いに少々引く。



「むぅ…、確かにそっちの懸念もあるかも…」


綾乃は思案顔になって呟く。


「いっそのこと、全員で強敵を片づけちゃう?」


芙蓉が明るい口調で言う。


「いや、戦力に余裕があるなら、両方を叩くべきよ」


ステルマリアははっきりと言い切る。


「ふっふん、敵キャラが強いなら複数で包囲して怒涛の一斉攻撃が基本だね、つまりは全員で袋叩きにしてさっさと片付ければ万事丸く収まるということだ」



廣斗はズレた眼鏡を直し、人差し指を立てて言う。


「わかってるじゃねえか廣斗、ちまちま相手して面倒な事をするよか喧嘩両成敗の方が良いよな!」


「俺もそっちが良いと思うぜ」


惇は拳を握り締めながら言い、史彦は相槌を打つ。


「…機先を制すなら…先に此方を…」


小雪達は思案の後、少し間を置いてからヤタガラスの端末をいじりだす。


「…よく考えれば裏日本の皆さんが居ますし、私達には光牙さんや綾一さん、小雪ちゃんにステルマリアさん、斑鳩先生に栗坂君に天郷さん、その他諸々の心強い味方が居ますから…機先を制しましょう!…さてと、アッチはどうなったかな~?」


綾乃はドリンクを飲みつつ、電子戦に参加しながら言う。


「…姉上と斑鳩先生はどうしますか?」


光牙は弓菜と朱花に意見を聞く。


「アタシは先に殴り込みをかける、先手必勝さね」


「ふ、私も先攻に一票だな、…向こうは既に鳥羽達が戦況を握っている様だ」


弓菜は不敵に微笑みながら言い、斑鳩先生は電子戦の状況を見ながら言う。


-シュン-


「…(うわ…輪廻さんも結依菜ちゃんも侵攻はやいなぁ、小雪ちゃん援護して…掌握、あの海豚の子と烏賊の子も凄いなぁ…あのブロックは…?)」


電子戦に参加した綾乃は、小雪を援護しつつ激しい攻防戦の真っ只中にあるブロックのプロテクトを解除する。



-ピーン-


『みっくみくにしてやんよ~♪』


-バン-


「ヴォイドさん!?アンタ敵艦隊のシステム相手に何を無双やってんですか!?」


綾乃は見慣れたアイコンが合成音声で歌いながら敵艦隊のシステム相手に破壊の限りを尽くしているのを捉えるや、ハニーフライトの装甲を叩きながら叫ぶ。


『さあ、凡愚どもよ!我が暗黒の力に侵されるがいい!』


ヴォイドは合成音声を響かせながらプロテクトを破り、敵艦隊のシステムを次々と侵食していく。


『ヴォイド、そろそろ引いとけ、コッチも始まったぞ…!』


『そうか…綾乃、また会おう』


交戦中の猛がヴォイドに戦況を教え、二人は姿を消す。


『ちょっ!?ヴォイドさんに猛さ…!…切れちゃった…』


綾乃は呟く。


『綾乃さん、此処は私達に任せて貴女達は実を入れてきて下さいね』


-シュン-


メビウスの輪のアイコンが綾乃に言い、綾乃は強制的に戻される。


「…あれ…えっ!?て…敵艦隊の乗っ取り秒読み段階!?あっ!?敵艦隊が電源をカット!?…敵が電子戦諦めちゃったよ…、ヴォイドさんも…輪廻さんも…結依菜ちゃんも…他の方々も仕事はやいなぁ…」


電子戦から戻された綾乃は、状況確認をしつつ苦笑いを浮かべる。


「…私は戦艦一隻に護衛艦三隻にガロツⅡ六機掌握、まずまずの成果でした。…輪廻さんや他の方々には及びませんが…」


「いや…十分凄いと思うよ、結依菜ちゃん…」


結依菜は眼鏡を直しながら言い、綾乃は苦笑を浮かべながら言う。


「…流石は結依菜と輪廻さね、後は実を入れるだけ…さね」


弓菜は結依菜を誉めつつ、黒い微笑みを浮かべる輪廻を思い出しながら呟く。


「ふふ、意見は出揃ったみたいだね、これはもう多数決で決定だ」



「…作戦は決まったな、では…皆出撃だ!」


「「応!」」


作戦が決まるや、光牙は皆に出撃の合図を送り、各々自分の機体に搭乗し、基地施設跡から順次発進しようとする。


「来い、蟒蛇!」



-ヴゥゥゥン-


-ギショォォン-


「…斑鳩朱花、蟒蛇弐式及び」


「はっは!倭弓菜!/ネオンプラス4型!出るよ!」


-ドォォォォン-


斑鳩先生の蟒蛇弐式と弓菜の/ネオンプラス4型が真っ先に発進する。


-ガシッ-


-ズゥゥン-


「えと…辻村綾乃、ハニーフライト、行きます!」


「ステルマリア・ハーニッシュ、ハウンド、出る!」


「オッシャァァ!!栗坂勢気!!陽炎零式!ぶっ込むぜぇぇ!!!」


-ゴォォォォ-


続いて綾乃のハニーフライトとステルマリアのハウンド、勢気の陽炎零式が発進し…


「装着!鉱!」


-キュゥゥゥン-


「鉄展開!装着!」



-ズゥゥン-


「柳楽瞑緒、弐世鉱参式、出ます!」


「鳳凰院寧音、弐世鉄参式、いきますわよ!」


-ゴォォォォ-


瞑緒の弐世鉱参式と寧音の弐世鉄参式が発進し…


-ズゥゥン-


-ガシッ-


「わかってんだろうな光牙、俺らの連携でさっさと片付けんぞ、加賀崎統弥、夜刀集弐型!切り開くぜ!」


-ドォォォォン-


「…わかっている、団結は力、疾さは強さなり、浅野光牙、ブレイドクラネオンⅢ、出るぞ!」


-ゴォォォォ-


続いて統弥の夜刀集弐型と光牙のブレイドクラネオンⅢが発進し…


「クナト、敵さんには早い目にお引き取り願うとするか、神威綾一、夜刀集弐型、出陣する!」




「同感、パパッと狙って片付けちまおう、クナト・S・ヴァッセル、夜刀集弐型、狙い撃ちにいくぜ!」


-ゴォォォォ-


続けて綾一とクナトの夜刀集弐型が発進する。


-ズゥゥン-


「…僕だって、姉さんや兄さん達の支援くらいは…!浅野雫石、ネオンプラス4型、行きます!」


-ギショォォン-


-ゴォォォォ-


-ズゥゥン-


「…(雫石…焦ってるわね…、私がサポートしないと)…浅野結依菜、ネオンプラス4型、発進します」


-ゴォォォォ-


光牙達に続き、雫石と結依菜も発進する。


「装着!紅炎灰燼!!」



-シュゥゥン-


-ギショォォン-


-ズゥゥン-


「うう、先に行くなんてあんまりだよ勢気…、敷島芙蓉、紅炎灰燼、行きます!」


「沢野小雪、SKヤタガラス、出ます!」


「あの女に遅れをとるもんですか…!神庭美結、鉄初式、出るよ!」


続いて芙蓉の紅炎灰燼と小雪のヤタガラス、更に美結の鉄初式が発進する。



「ユミル!」


-シュゥゥン-


-ポォォォン-


-ギショォォン-


「天郷暦、コヨミ・ユミル、飛翔する!」


-ドォォォォン-


続けて暦は召喚したコヨミ・ユミルで飛翔し…


「くそ、出遅れた!小林史彦、蟒蛇弐式ぃ!出て行くぜ!」


「この大橋惇様が敷島さんをサポートするぜ!いざ!」


-ドォォォォン-


トイレから帰ってきた史彦と惇が蟒蛇弐式を慌てて装着・展開し、若葉マークを付けて発進する。


-ギショォォォン-


「お嬢…補給係を忘れては困ります、斯堂苅藻、HU-X、行きます」


「同じく、黒田命、HU-X、出る!」


-ゴォォォォ-


苅藻と命は暦の支援の為に調達しておいた人工ユミルに搭乗し、それぞれ発進する。



___________________


-ギュゥン-


-ウゥゥゥゥゥン-


「電源回復!各システム復旧開始!…完了、冷や冷やしましたぜ…」


白鷹のクルーが冷や汗を拭いながら言う。


「あーやっと回復した、緊急回避用のアレとバックアップ取っといて正解でしたねー」


シリングが棒飴をくわえながら言う。


「痛たた…、敵にも凄いのが居るよね~、あんな猛攻初めて受けたよ~…」


ルーシャが吊った指をマッサージしながら言う。


「…恐らく鳥羽輪廻と高坂瑠璃亜、石田重成に神崎博士…そしてヴォイドだろう、多勢に無勢が祟ったなルーシャ…」


「いや~、面目ないです~…」


ハルツィスは微動だにせずに言い、ルーシャは申し訳なさそうに謝る。


-ビビッ-


「敵影!…ZW多数、裏日本勢だと思われます」


「…ZWだけではないな、思念波に巨大な渦を感じる」


報告を受けたハルツィスは、流れ込む思念波を感じ取りながら呟く。


「中佐、いかがしますか?」


「…上からの命を受けた以上は出撃する」


アルマの言にハルツィスは表情一つ変えずに言う。


「…はい、グルアス達には無理しないように伝えておきます」


ハルツィスの言から大凡の見当がついたのか、アルマは微笑みながら言う。


「アルマ、グルアス達の指揮は任せる」


「ハッ!では…アルマ隊、出撃します!」




ハルツィスの言にアルマは若干高揚した口調で言い、ZW発進口で待機していたグルアス達を始めとするZW部隊が次々と発進していく。


「永戸中佐、本州より政府軍のZW部隊も此方の迎撃に向かっている様です」


「…やはりな、ルーシャ、シリング、汚名返上の機会だ、政府軍は任せるぞ」


「了ー解、念のためにもう一つダミーやっときますー」


「了解です、今度は負けませんよ」


ハルツィスは二人に言い、二人は再び向こう側の戦いを開始する。


「…俺もイズロツで出る、それと移動中の降下部隊に伝えろ、警戒を怠るなとな…」


「ハッ!」


ハルツィスは副長に言い、自らは白鷹の格納庫に移動する。



「…(電子戦は敗北して戦力の半数近くが喪失、来るはずだった増援も期待できん…、対外工作にも失敗した…、これから更に苦しくなるか…)」


ハルツィスはイズロツのコクピット内で思案し、忙しく動き回る整備士達に目を向ける。


「もうミョウドウを出すんですか!?まだ組み立てが済んでませんよ!?」


「ええい!中佐専用のミョウドウは最優先だと言ったろうが!」


「無茶言わんで下さいよ、これでも急いで組み立てたんです!」


「言い訳はいい!組み立てを急げ!…中佐、申し訳ありません…、今回はミョウドウを諦めて下さい」


整備士達が忙しなく働く中で怒鳴り声が飛び交い…整備士長がハルツィスのイズロツに回線を繋いで言う。


「…受け取りの段階で無理を通したからな、仕方があるまい」


ハルツィスは先日の激戦を思い出しながら呟く。


「すいません、次の出撃には間に合わせますんで!御武運を!」


「中佐、イズロツの発進…どうぞ!」


「ハルツィス・アーシュ・永戸、イズロツ、出るぞ!」


-バチュゥゥン-


-ゴォォォォ-


「親衛隊もガロツⅢで出るぞ!」


ハルツィス専用イズロツが白鷹のZW発進口から発進し、ハルツィスの親衛隊もガロツⅢで発進していく。



「ガフ隊、リマナ隊は裏日本勢、ベーラ隊、リウム隊は政府軍に当たれ、アルマ隊、ラッカス隊は遊撃、ベリフ隊、リュッカ隊は降下部隊の援護、残りの隊は正面と側面から来る敵を迎撃、…無理はするなよ」


「「了解!」」


ハルツィスは各隊に指示を送り、陣形を整えていく。


-ゴォォォォ-


「オラオラ!裏日本の雑魚共!この衛星連合軍のエース!スライ・コーティス様が相手だ!イヤァホォォォ!!!」


-ゴォォォォ-


金色の専用ガロツⅢに搭乗したスライは、降下部隊を率いて突出する。


「ヒャハハ!また隊長の一人芝居が始まりましたぜ!」


「あの馬鹿、まだ懲りんのか…!」


ハイテンションのスライに追従しつつ、ラッセンと王孫はガロツⅢを操縦しつつ呟く。


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