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超創機大戦  作者: 馗昭丹
表裏陰世界
32/77

裏道のミィナ達


____________________


「く…くそ!話が違うぞ話が!」


光牙達に散々に蹴散らされた暴漢達が裏道を駆け抜ける。


-ジッ-


『ミィナ、クレス、俺達を襲撃した賊は其方へ逃げた、後始末を頼む』


-ジッ-


「………」


「了解した、賊は一人たりとも逃さん!」


暴漢達との戦いを終えた綾一がミィナ達に暴漢達の逃走ルートを知らせ、クレスはトンファーを構えて応える。


『ミィナ、こっちに光牙が居るんだが…、会わないのか?』


「………」


-ギリッ-


綾一の言にミィナは俯いたまま…無言で歯軋りして答える。


『…余計な御世話だったか、…時は有限だ、早めに決意表明した方が良いぞ』


-ジッ-


「………」


ミィナは無言で通信機を切る。


「ミィナ…?」


「…ごめん、今…奴に会ったら自分を見失う」


クレスの言に対し、ミィナは怒りとも悲しみともつかない口調で呟きつつ、長い後ろ髪を一本に束ね、深呼吸をして戦闘態勢を整えていく。


-ダダッ-


-ザシッ-


「………」


「逃げられるとでも思ったか?」


先回りしていたミィナ達が暴漢達の前に立ちふさがる。


「たかが二人、止められるか!」


暴漢達は相手が二人と見るや立ち止まらずに突破を試みる。


-シュシュン-


-トトスッ-


「!?」


-ドサァッ-


ミィナの投げた何かが暴漢達に刺さり、何かが刺さった暴漢達は倒れる。



「ハアッ!」


-ガッゴッ-


-ドゴォ-


「グハッ!」


「ぐぉぉ…」


続いてトンファーを構えたクレスが突っ込み、三人の暴漢を叩きのめす。


「せい!」


-ゴッ-


「やあ!」


-ドゴォッ-


「はっ!」


-ガスッ-


続いて刀を構えたミィナが恐るべき疾さで間合いを詰めて暴漢達を倒していき、暴漢達は何が起きているのか分からずに次々と倒れていく。


「はっ!疾い!うわぁぁぁ!!」


-ガッ-


-ドサァッ-


残った暴漢が夜空に舞う緑色の揺らめきを見た瞬間、ミィナの刀が一閃し、気絶した暴漢は地面に倒れる。


「…ふう」


-シュッ-


-カチン-


ミィナは刀身に付いた脂汚れを拭い、刀を鞘に収める。


「峰打ちか、相変わらずの腕前だな、ミィナ」


-カシャン-


賊を片付けたクレスがトンファーを収めながら言う。


「うーん…、そうでもないよ」


ミィナは白眼を剥いて気絶している暴漢達を見て唸る。


「…そうか、…姫様、もう大丈夫です」


「あう…」


クレスはビルの隙間に隠れていた柊に言い、柊は恐る恐る姿を表す。


「ミィナさん…」


-シュル-


-バサァ-


-スッ-


「柊、そんな目でアタシを見ない。今は無理だけど…時が経てば解決するよ」



ミィナは結っていた後ろ髪を解き、柊の口元にココアシュガーを差し出しながら言う。


-ポリポリ-


「………」


柊はココアシュガーを食べつつ、身を案じる様な目でミィナを見る。


「…行きましょうか姫様、…加賀崎が待っていますよ」


「…はい」


ミィナの複雑な心情を読んだのか、クレスは柊の手を丁寧に引きながら言い、柊は二人の目を見た後に頷いてクレスと共に去っていく。


「…ミィナ、22:00に出口付近で再び落ち合おう」


「わかった」


クレスは通信機を使ってミィナに言い、ミィナは簡潔に返答した後、クレス達とは逆の道を移動する。



「………」


-ササッ-


暫く移動したミィナは、身を隠しつつ廃墟ビルの屋上へと移動する。


-カシン-


「…ふう」


ミィナは廃墟ビルの屋上で刀を少しだけ抜き、刀身に映る己の顔を見て溜め息をつく。


「…(…柊にはああ言ったけど、…時が経って…光牙に会って…果たしてアタシは彼奴を許せるのだろうか…?)」


ミィナは目を閉じて思案しつつ座る。


「…(…光牙を斬りたくない…けど…光牙を斬らないと…この気持ちは収まらない…)」



ミィナは刀の柄を握り締めて思う。


「………」


-ギリッ-


ミィナはベヘモス戦争当時の鮮烈な記憶を遡り、歯噛みして震える。


「…(…光牙…せめて…謝ってくれたら…アタシは……)」


-スッ-


ミィナは震えながら身を起こす。


-キィィィン-


-トスッ-


「…泣く子も黙る凛々しい少女がこんな所で何してんだよ」


-カシッ-


「…芦屋…、ベヘモスの残党が何の用だ…!」


芦屋の苦無を切り払ったミィナは、芦屋に対して刀を構える。


「そう恐い顔をするなよ、禮静」


「………」




芦屋は言うが、ミィナは強烈な殺気を向けたまま動かない。


「よせよせ、俺がお前らを襲うつもりなら一人で来るわけないだろうが」


-スッ-


「………、…用件は何?」


芦屋は身動ぎ一つせずに言い、ミィナは刀の構えを解く。


「九州独立戦線から各レジスタンス宛に共同防衛の檄が来てる、近い内に諸外国と衛連がまた裏日本に仕掛けて来るんだとよ。…鳥羽ならもう掴んでるだろうが、一応奴に流しといてくれや。じゃあな」


芦屋はミィナに電子版武士道編書の欠片を投げ渡しながら言い、瞬く間に廃墟ビルから去っていく。


-ヴゥゥン-


「………」



ミィナは受け取った欠片に専用のケーブルを繋いで情報を抜き取り、予備の端末を使って輪廻達に情報を流す。


-シュン-


「ミィナとクレスと柊は予定通り集合場所へ、明朝には其方にZWが届く手筈になっています」


「あ~…了解、一休みしたら向かいます」


情報を流した直後に輪廻からの通信が入り、ミィナはZW運搬予定地を確認しながら言う。


「輪廻姉、アタシらは頭脳馬鹿の援護にいくの?」


「外は綾一達に任せておけば十分でしょう、私達は内を乱す賊と門徒衆に備えます」


ミィナの質問に輪廻は、地図上に賊と門徒衆の動きを記しながら言う。


「了解、また同時蜂起されちゃたまらないもんね」



「ええ、未然防止に努めましょう」


ミィナは示された地図を見て言い、輪廻は不敵に微笑みながら言う。


言い終えた直後…輪廻は表情を元に戻して軽く咳払いをし…。


「…私が留守の間、極阿をよく守ってくれましたね、有り難う…ミィナ」


輪廻は少し照れくさそうに礼を言う。


「あ…まあ、大した事はなかったし、礼なんかいいよ、輪廻姉…」


輪廻から極阿守備の礼を言われ、ミィナはも少々照れくさそうに答える。


「…ふふ、此からも貴女の働きに期待していますよ、ミィナ・C・禮静」


「はい!」


輪廻は微笑みながら言い、ミィナは力強く返事する。



…輪廻との遣り取りを終え、一休みしたミィナとクレスと柊は再び合流。


輪廻の示すルートに従い、密かに集合場所へと向かっていったという。



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