極阿残党
旧極阿シティ…
此処は…前のベヘモス戦争で極阿軍とベヘモス軍、政府軍が激突した地である。
激戦に次ぐ激戦で甚大な被害を受け、今では廃墟ばかりが並ぶ…巨大海上都市である…。
此処には…元々住んでいた極阿の民や兵士達が離れる事無く在住し続け、復興の為に力を注いでいる。
旧極阿シティは、極阿残党達の本拠地であり、故郷でもある…。
故に極阿の民や兵士達は結束力が強く、皆が一丸となって懸命に生きていた…。
其処へ…
極阿の残党狩りの為に政府機構fleeceのZWの大部隊が旧極阿シティの上空に集結する…。
極阿の民や兵士達は瞬く間に戦闘配置につき、極阿の街に潜む…。
-ジッ-
「各機、配置に着きました」
ネオンプラス4型のパイロット達が報告する。
「よし、奴らが現れたら一斉に攻撃開始するぞ」
指揮官らしき人物が言う。
「篠原、相良、前篠は初陣だ、仁科…お前がサポートしてやれ」
「やなこった」
「何ぃ?」
仁科という銀髪のパイロットが命令を拒否する。
「俺は人の命令聞ける程人間出来てねえからよ、好きにやらせてもらう」
-ジッ-
「仁科!」
-ゴォォ-
仁科暁は一方的に通信を切り、隊列を無視して前に出る。
「…ならテラン、この三人の面倒を頼む」
「…了解しました」
指揮官らしき人物は、茶髪と無表情が特徴的なパイロット…テランに三人の面倒を押し付ける。
「私はテラン、テラン・ノウバールと言います。先ずは三人の官姓名を問う」
「はい、僕は篠原理都、階級は准尉です」
「私はアイリ・イズ・相良です、同じく階級は准尉」
「ぼ僕は前篠勇治、階級は准尉です!」
テランに続き、理都、アイリ、勇治の三人は自己紹介を済ませる。
-ギュゥゥン-
「なら篠原准尉、相良准尉、前篠准尉は私の後ろでフォーメーションを組んで待機。出現する敵に備えます」
-ガシャ-
テランは三人に指示してライフルを構える。
「「了解!」」
-ゴォォ-
理都、アイリ、勇治の三人は、搭乗機のネオンプラス4型を操縦し、テランの後方で三角形のフォーメーションを組む。
「…来るなら来れば良い…神威綾一…」
テランは無表情のまま虚空を見て呟く。
「アイリ、勇治、敵は何処から来ると思う?」
「さあね…」
「僕にも分かりません」
三人は周囲を索敵・警戒しつつ遣り取りする。
-ジッ-
「…んなもん、真正面からに決まってんだろうが」
「「…!?」」
突然、暁が三人に回線を開いて言い、三人は驚く。
「戦闘中に余計な事考えてる奴は真っ先に死ぬぞ、じゃあな」
-ジッ-
暁は言うだけ言うと、一方的に回線を切る。
「え、あっ…切っちゃった…」
「先輩、何だったんだ…?」
「………」
-ガシャ-
三人は少しの間だけ唖然としていたが、即座に頭を切り替えてライフルを構える。
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-バシュゥ-
「うおぉぉ!!?」
-ボォォン-
前衛のネオンプラス4型が一機両断され、爆発する。
-ジッ-
「この馬鹿!早過ぎんだよ!」
「喧嘩も死合いも先手必勝だろうが!」
「だからってな…!」
-ズガァン-
-バキィィン-
-ドゴォォォン-
遣り取りをしつつ、クナトが慌てて統弥のフォローに回って言う。
「クナト、統弥、其処までだ、こうなったら速攻で片付けるぞ」
「分かってるじゃねえか、綾一」
「へいへい、分かりましたよ」
見かねた綾一が二人を抑え、統弥とクナトは遣り取りを中断する。
「それよりだ、久々にアレをやろうかと思ってる、極阿の三馬鹿⊿フォーメーションをね」
綾一は満面の笑みと拒否権無しのオーラを浮かべながら言う。
「その名称は何とかならないのかよ…」
「やめとけクナト、名称よか突破が優先だぜ!」
「決まりだな、極阿の三馬鹿⊿フォーメーション!」
「………」
「やってやんぜ!!」
-ゴォォ-
綾一の言と同時に三人は独特のフォーメーションを組んで極阿シティ上空にいる政府軍の防衛部隊に向かう。
「へっ!来なすったぜ!」
「…来たか、撃て!」
「「!!?」」
暁は即座に突撃し、テラン達は一斉に射撃を始める。
-シュン-
-カキン-
-カカカカカキィィン-
「この加賀崎統弥様を舐めんじゃねえ」
前衛の統弥の夜刀集弐型が弾丸を全て切り払う。
「…!?…弾丸を切り払っている…?」
「レールガンが通用しない…!?」
「弾幕を密に!接近を許すな!」
統弥の夜刀集弐型の神業的剣捌きにテラン達は戦慄する。
-シュシュン-
-タタタタタタ-
「この程度の弾幕、クナト…神業を披露してやれ」
「良し、先ずは其処と其処と其処、行ってこい!」
-ズガァン-
-ズガァン-
-ズガァン-
クナトの夜刀集弐型のヤトガタナⅢが火を吹く。
-ヒュンヒュン-
-タタタタタタ-
-ヒュゴォォォ-
クナトの放ったヤトガタナⅢの弾丸が空を裂き、弾幕をすり抜けて対象へと向かう。
-バキィィン-
-ズゴォォン-
-ドゴォォォン-
「「!?!?!?」」
-チュドォォォン-
弾丸が三機のネオンプラス4型を綺麗に貫き通し、ネオンプラス4型が爆砕する。
「…ありえん…!」
「一発でネオンプラス4型を三機撃墜…?馬鹿な…!?」
指揮官らしき人物はその神業を見て唖然とし、テランは驚きの余りポーカーフェイスが崩れる。
-ピコ-
「ほう、一機…クナトの射撃を回避して此方に向かってるな、統弥、クナト、極阿の三馬鹿⊿Fで奴を落とすぞ」
「F?フォーメーションの略か?」
「此処じゃFはフルボッコの略だよ、…了解」
-ゴォォ-
綾一達は先程とは逆のフォーメーションを組んで暁のネオンプラス4型に向かう。
「先ずはこれだ」
-ズガァン-
-ズガァン-
綾一の夜刀集弐型がヤトガタナⅢを放つ。
-シュシュン-
-ゴォォ-
-シャン-
「オラァァ!」
「チッ!」
綾一の射撃に続いて統弥の夜刀集弐型が突進し、暁のネオンプラス4型CTに斬りかかる。
-ガキィィン-
-パァァン-
-ガシッ-
「そらよ」
-ズガァン-
-バキィィン-
「何…!?」
統弥が離れると同時にクナトの射撃が暁のネオンプラス4型CTのプラズマ・シュナイダーを弾き飛ばす。
「…クナトの射撃を受け流しやがった…!」
「いや、今のは威嚇だ、次は撃ち貫くけどな…」
クナトの射撃を間一髪で回避した暁に驚きつつ、統弥とクナトは攻撃の手を緩めない。
「チッ、この仁科暁様を他の雑魚と一緒にすんじゃねえ!」
-ズガァン-
-ズガァン-
統弥とクナトの夜刀集弐型の攻撃をすり抜ける様に回避した暁のネオンプラス4型CTは、86式ハイブリッドライフルを放つ。
-シュシュン-
「へぇ、居るじゃないか、政府軍にも腕の立つ奴がさ…」
「感心してる場合か、綾一」
「お遊びは程々にしてくれよ」
綾一は暁の腕前に感心するが、統弥とクナトに突っ込まれてしまう。
-シャン-
-ゴォォォ-
「おらぁ!」
-スガァァン-
「…今のは少し危なかったか」
暁のネオンプラス4型CTが両刃型プラズマ・シュナイダーを抜刀して綾一の夜刀集弐型に切りかかり、綾一は絶妙なタイミングで切り払いつつ呟く。
「「綾一!」」
-ズガァン-
クナトは賺さず援護射撃を放ち、統弥はヤトガタナⅢで暁に切りかかる。
-ヴゥン-
-ヒュン-
「へっ!」
-ズガァン-
-ズガァン-
「ふっ」
「ちぃ!」
-カキィン-
-ゴォォォ-
暁のネオンプラス4型CTはクナトの射撃と統弥の斬撃を回避し、綾一と統弥の夜刀集弐型に86式ハイブリッドライフルを放ち、クナトの夜刀集弐型に突進する。
「ちぃ!」
-カシャン-
「おらぁ!」
-ヒュゥゥン-
-ガッキョォォン-
「ぐあっ!?」
「ちっ!?」
-シュシュン-
暁のネオンプラス4型CTは斬ると見せかけてクナトの夜刀集弐型を蹴り飛ばし、追撃しようとするが、綾一の射撃に気付いて回避する。
「…確かに腕の立つパイロットの様だが、それ故に自信家でやり過ぎるものさ」
綾一は暁の腕前を見て不敵に笑い、敵陣を見やる。
-バチュゥゥゥ-
-ビビッ-
「…ちぃ、何やってんだよ…!」
-カァァン-
-ヴゥゥゥン-
-ゴォォォ-
暁は味方部隊の殆どが壊滅している情報を捉え、綾一の夜刀集弐型の斬撃を回避して苦戦中の新入り達の元に向かう。
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旧極阿シティに展開していた政府機構fleeceのZW隊は極阿残党の迎撃を受けて殆どが壊滅。
残りはテラン、理都、アイリ、勇治のネオンプラス4型のみであり、既に退却に移っては追撃を受けていた。
-バキィィン-
「うぁぁ!?」
「勇治!」
-ギショォン-
勇治のネオンプラス4型のシールドと飛行ユニットが砕け、理都のネオンプラス4型が勇治の機体を回収して飛行する。
-シュンシュン-
「しつこいわよ!」
-ガシッ-
-ズガァン-
-ズガァン-
-ズガァン-
-シュンシュン-
-バキィィン-
「うお!?」
-ボォン-
-ヒュゥゥ-
アイリは86式ハイブリッド・ライフルを連射し、最後の一発が夜光の飛行ユニットに命中し、夜光は海へ墜落していく。
-シュンシュン-
「何…!?」
「まんまと罠に嵌ったな」
「政府の鼠どもめ、一匹たりとも逃がさん」
「新手か…!綾一め…!」
テランはリニア弾を回避し、新手に対応する。
-ヒュゥゥン-
-ギショォン-
「オラァァ!!」
-バキィィン-
-バシュゥ-
-ガッキョォォン-
-チュドォォォン-
暁のネオンプラス4型CTが肉迫し、三機の夜光を瞬く間に撃破する。
「ったく、どんくせえな、逃げる時くらいさっさとしろって」
「く…済まない…」
暁はだるそうな口調で言い、四人を撤退させる。
「このルートを突っ切る、付いて来いよ新入り共!」
「は…はい!」
「了解…」
暁は暗号回線を通じて撤退ルートを送信し、理都やアイリ達を誘導する。
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「行ったか…」
「綾一、追撃するか?」
統弥とクナトが言う。
「いや、そんな事をしていたら父上の出迎えに間に合わない、全軍に通達、直ちに帰投し、整備にかかれ」
「「了解!」」
綾一は微笑みながら言い、次の瞬間には真顔になって全軍に通達する。
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