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超創機大戦  作者: 馗昭丹
序章
17/77

極阿の残党達

今回は裏日本編になります。


裏日本京都上空…




-キュゥゥン-


-ボォォッ-


-シュゥゥ-


「ふう…此方神威、思念波駆動システム良好、テイロンと白鷹の交戦区を突破した」


「此方加賀崎、周辺に敵影無し」


「此方ヴァッセル、擬装鏡面を解除する」


-サァァァ-


三機の夜刀集弐型が擬装鏡面を解除して機体の姿を露わにする。


「…思念波駆動システムによる擬装鏡面の効果は確実みたいだ…」


綾一は夜刀集弐型のステルス性の高さに感嘆の声を上げる。


「やっぱりブレイドクラネオンⅢに乗ってたのは光牙だったな…」


統弥はブレイドクラネオンⅢの戦いぶりを思い出して言う。


「やはり、鳳氏は光牙達を戦力の中枢に組み込む気の様だな…、何を企んでいるのやら…」


綾一は一人呟く…。


「しかし…光牙のブレイドクラネオンⅢの刃が眼前に迫った時はヒヤヒヤしたぞ!」


クナトはNEエクスオーブレイドの白刃が迫った時の事を思い出して冷や汗を流す。


「…お前は女パイロットの声に反応し過ぎだ…」


「ったくよ…、俺が牽引してなかったら真っ二つになってたぞ」


クナトの言に綾一は笑いを堪えながら言い、統弥は呆れながら言う。


「だってよ…、女の子の声を聞いたらつい反応しちまうのが男だろ?な?統弥?綾一?」


クナトは自らの行為を思い出して赤面しつつ、統弥と綾一に同意を求める。



「…ク…ク…、だからって…お前の…あの反応は…無いだろ…ク…ク…!」


クナトの苦し紛れの言がツボに入ったらしい…、綾一は必死に笑いを堪えて涙目になっている。


「…男なら皆反応して然るべきだがよ…、時と場合ってもんがあるだろうが!」


統弥は同意しつつ、クナトの反応で自分もブレイドクラネオンⅢの刃で斬られそうになった事から、クナトに怒鳴る。


「くあ…耳が痛ぇ…」


-ジッ-


「クナト!…ちっ、切りやがったな…!」


-ピシュゥン-

-ヴゥゥン-

-シャン-


「コイツでぶった斬ってやらぁ!」


統弥の怒鳴り声にクナトは思わず回線を切り、それに怒った統弥は何時もの如く極阿製HCS・ヤトガタナⅢを抜刀して実力行使に出る。


「おいおいおいおいおい!!待て!待てって統弥!!落ち着け!!」


「いっぺんバラバラになりやがれ!!」


-ピシュッ-

-ヴゥゥン-


「うわっとぉ!?危ねぇ!落ち着け統弥!」


統弥の夜刀集弐型のヤトガタナⅢを器用に避け、統弥に鎮静を促すクナトだが…、回線を切っているので統弥には聞こえない。


「オラァ!!」


-ヴゥゥン-

-シュッ-

-ヴゥゥン-


「うわっ!?うおぉっ!?」

クナトの言も虚しく、ひたすらクナトの夜刀集弐型に切りかかる統弥機…。


普段の遣り取りで癖を見切っているクナトは、本能的に統弥の繰り出す斬撃を全て回避する。


「………」


笑いを堪え過ぎて腹筋に痙攣を起こしている綾一は、一人悶絶しつつ二人の遣り取りを冷静に見ており、敢えて止めないでいる…。


「…ドタマに来たぜ…!加賀崎二刀流・前の牙…」


-シャン-

-ガォォォン-


「コラコラコラコラ!!こんな事で加賀崎二刀流を使うんじゃねえよ!?」


避けられている事に怒りを増幅させた統弥は、もう一本のヤトガタナⅢを抜刀し、加賀崎二刀流独特の構えを見せる。

対するクナトはこの事で怒りを露わにしている統弥に言うが、回線を切っているので統弥の耳には聞こえていない。



-チャク-


「咀嚼!」


「いきなり大技かよ!?やられる!!」


統弥機が持つ二本のヤトガタナⅢが猛獣の牙の如くクナト機に襲いかかる。


-ピシュッ-


「統…」


「はい、其処まで」


「統弥さん、クナト君を虐めちゃ駄目ですよ?」


「…!!」


-ピタッ-


ミィナと椿の声が回線に割り込み、統弥はクナト機を切り裂く直前にヤトガタナⅢを寸止めする。


「………」


「つ…椿ちゃん!?こここここれは…加賀崎二刀流に伝わる剣舞!剣舞なんだ!!」


「よ…よせ!うわっとぉ!?」



「まあ、そうでしたか…、私はてっきり統弥さんがクナト君を虐めてるとばかり…」


椿の登場に過剰反応を示した統弥は、ヤトガタナⅢを持ったままクナトを巻き込んでの無理矢理な剣舞をやってみせ、統弥の無理矢理な弁解を鵜呑みにした椿は手出しを止める。


-ピーン-


「アンタ…加賀崎二刀流の剣舞はそうじゃないっしょ、無理矢理過ぎるって…」


「う…頼むミィナ、やり過ごさせてくれ!」


「ハァ…、先が思いやられるわ…こりゃ…」


加賀崎二刀流の剣舞を知るミィナは、暗号回線で統弥にツッコミをいれ、明らかに動揺している統弥はミィナに合わせを頼み込むが、ミィナに呆れられる。


-ピーン-


「神威、今戻ったぞ」


「…クレス、柊は大丈夫だったか?」


椿達が遣り取りしている中、クレスは綾一に報告し、綾一は懸念していた事を口に出す。


「…話を聞かせた処…大分不安がられていたが、お前と統弥、姫様と私を信頼して付いて来てくれた…、だが…神威、姫様を連れてくる必要はあったのか…?」


内心複雑なクレスは、綾一に問う。


「…何処も彼処も…、柊一人を置いていくには危険過ぎる。…俺のエゴかも知れないが、どうせなら目の届く場所に置いていた方が良いだろ…」


綾一も内で複雑な心境になっているのか、後悔とも悟りとも怒りとも悲しみともつかない複雑な口調でクレスに言う。


「…そうか」


綾一の言と複雑な口調で心境を察したのか、クレスは此以上言うのを控える。


「…クレス、お前…将来良い嫁になるな…」


-ガクン-


「い…いい…いきなり何を…い言うのだ…!?神威…!」


綾一の思いもよらない言にクレスは明らかに動揺し、頬を少し赤く染めてしまう。


「………」


「か…神威、わ…私がよ…嫁になななるとは…い、一体…?」


綾一の口調は至って真面目な為、意味深発言にも捉えられる…。


クレスは激しく動揺し、徐々に熱暴走する一方…様々な妄想を膨らませては内心でツッコミを繰り返している…。


「…」


「か、神威…」


綾一は真剣に何かを考えている素振りを見せている為、クレスの動揺と期待と暴走に拍車がかかる…。


「やれやれっと…クレス、ちょっとどいてて、例の症状みたいだからさ…」


「ミィナ…?」


焦るクレスを遮る様に顔をひきつらせたミィナが、綾一に近付く…。


「…?」


「綾一…起きろ夢遊馬鹿!!」


-ガン-


-ガスッ-


-ドウッ-


-ドサッ-


「ぐっ!?ぶっ!」


ミィナ機が綾一機の胴体に蹴りを数発ぶち込み、激しい衝撃で綾一は前後に激しく揺さぶられて目を覚ます。


「…ぐ…痛ぅ……相変わらず乱暴な起こし方をするな…ミィナ…」


ミィナの乱暴極まりない起こし方で目を覚ました綾一は、呻きつつふらつく頭を整理する。


-ピシュゥン-


-ストッ-


「神威、大丈夫か!?」


見かねたクレスが綾一機のコクピットを開けて綾一に近付く。


「…クレス…、お前の婿のミィナを止めてくれ…婿を止めるのは嫁しか居ない…」


「……そう言う事か…なら神威、もう一度眠っていろ」


-ガスッ-


綾一の言で一気に冷静になったクレスは、強力な一撃をお見舞いして綾一を気絶させる。


「「こ…怖ぇ…」」


「あらあら、仲の良いこと…」


「クレス御姉様…」


クールな表情で綾一をグゥで殴るクレスにクナトと統弥は震え、椿は微笑み、柊は心配そうに呟く。


「大丈夫ですよ姫様、神威はああ見えて百戦錬磨の兵、心配無用です」


「そうそう、綾一ってば結構タフだから気にしないの」


「あぅ…」


クレスとミィナは柊に言い、柊は気まずそうに視線を泳がせる。




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