表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闘神の子Ⅱ  作者: ありり
40/40

闘神の子

数年後――


春の風が、花園を静かに揺らしていた。


城の奥にあるその場所には、二つの墓がある。


先代の闘神。

そしてその妻。


花に囲まれたその墓の前に、一人の男が立っていた。


ルークだ。


かつて闘神の騎士だった男。


そして今は――


この土地を治める初代大統領。


同時に騎士団団長でもある。


ルークはしばらく墓を見つめていた。


やがて小さく笑う。


「……平和ですよ」


風が吹く。


花が揺れる。


まるで返事のようだった。


後ろから声がする。


「あなた」


振り向くと、セリアが立っていた。


この国の軍師。


そして――


初代大統領の妻。


セリアは墓に軽く頭を下げる。


「国の会議、もうすぐですよ」


ルークが肩をすくめる。


「わかってる」


セリアが空を見上げる。


「不思議ね」


「神のいない世界なのに」


「ちゃんと回っている」


ルークは静かに言う。


「俺たちが回してるからな」


そのとき――


大きな足音が聞こえる。


ガルドだった。


重い鎧を着たまま歩いてくる。


今は軍を率いる将軍。


人々は彼をこう呼んでいる。


鉄壁将軍。


ガルドは笑う。


「おい大統領」


ルークが振り向く。


「なんだ」


ガルドは肩をすくめる。


「鍛冶場が騒いでる」


セリアが呆れた顔をする。


「また防具作ってるんですか?」


ガルドが豪快に笑う。


「戦がなくても盾は必要だろ?」


「世界一の盾を作るんだ」


三人は少し笑う。


花園の空気は穏やかだった。


神々はもういない。


それでも世界は続いている。


人の手で。


人の意志で。


その頃――


遠く離れた街道。


三人の旅人が歩いていた。


ホープ。


サフィ。


そしてシャイン。


荷物を背負い、ゆっくりと道を進んでいる。


サフィが空を見上げる。


「いい天気」


ホープが笑う。


「次はどこ行く?」


シャインは肩をすくめる。


「さあね」


少し皮肉な顔。


「退屈しなければどこでもいい」


サフィが笑う。


「シャインってほんと素直じゃないよね」


ホープも笑う。


「まあ」


「それもシャインだからな」


三人は歩き続ける。


遠くには新しい街。


まだ見たことのない土地。


まだ知らない人々。


神のいない世界。


それでも――


この世界は続いていく。


三人の背中が、ゆっくりと遠ざかっていく。


風が吹く。


空はどこまでも青かった。


そしてこの物語は――


まだ終わらない。


なぜなら、世界はいつだって、これからも続いていくのだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ