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闘神の子Ⅱ  作者: ありり
本編
39/50

神のいない世界へ

朝の光が、城の庭を静かに照らしていた。


城の奥にある花園。


色とりどりの花が風に揺れている。


その中央には、二つの墓があった。


先代の闘神。


そして、その妻、時の神。


ホープはその前に立っていた。


手を合わせる。


しばらく何も言わなかった。


やがて小さく笑う。


「……終わったよ」


風が吹く。


花が揺れる。


まるで返事のようだった。


ホープは空を見上げる。


「神はいなくなった」


「でも――」


静かに言う。


「この世界は残った」


「みんなが守ってくれたから」


そのとき、後ろから声がする。


「ホープ」


振り向くと、サフィが立っていた。


水色の髪が朝日に揺れている。


その後ろには


ルーク。

セリア。

ガルド。


そして少し離れた場所に――


シャイン。


ホープは笑う。


「待たせた?」


ルークが肩をすくめる。


「長い墓参りだな」


ガルドが笑う。


「親父さんたちも喜んでるだろ」


セリアが花園を見つめる。


「きっと」


「見守っている」


サフィは墓を見て、静かに頭を下げた。


そしてホープを見る。


「……これからどうするの?」


ホープは少し考える。


それから笑った。


「旅に出ようと思う」


サフィの目が少し大きくなる。


「この世界」


ホープは言う。


「父さんたちが守った世界」


「ちゃんと見てみたい」


ルークが笑う。


「闘神が旅人か」


ガルドが言う。


「悪くないな」


セリアが静かに言う。


「きっと面白い世界が待ってる」


ホープはシャインを見る。


「シャイン」


シャインは少し肩をすくめた。


「……僕は」


「別に行く場所もない」


少し間を置く。


「退屈そうな旅なら付き合ってあげてもいい」


皮肉っぽい言い方だった。


だがその目は、どこか穏やかだった。


サフィが笑う。


「じゃあ決まりね」


ホープが言う。


「行こう!」


「この世界を見に」


ホープが歩き出す。


サフィが並ぶ。


シャインが少し遅れてついてくる。


ルークたちは花園に残り、その背中を見送った。


ルークが言う。


「行っちまったな」


ガルドが笑う。


「闘神って感じじゃないな」


セリアは空を見上げる。


「でも」


「きっとあれが――」


風が吹く。


花が揺れる。


遠くで三人の背中が小さくなっていく。


セリアは微笑む。


「新しい時代」


空には、もう神の姿はない。


だが世界は静かに続いていく。


花園の花が、優しく揺れていた。


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