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闘神の子Ⅱ  作者: ありり
本編
16/50

竜の神の咆哮が大地を震わせる。


黒い巨体が暴れ、炎が空へ噴き上がる。


ホープは再び剣を構えた。


闘神の剣。


父から受け継いだ剣を握りしめる。


「竜の神!」


炎の向こうへ声を張る。


「聞こえるか!」


剣を振るい、鱗へ斬りかかる。


だが――


竜の神の目は濁ったままだった。


理性の色はない。


怒りだけが渦巻いている。


ホープの声は、届いていない。


その瞬間ホープの脳裏に、ある光景がよみがえった。


血の匂い。


崩れた神殿。


自分の剣。


そして――


母。


剣を突き立てた、あの瞬間。


胸の奥が締め付けられる。


今でも忘れていない。


あの時の感触も。


母の微笑みも。


だがホープは強く剣を握る。


「……次は」


小さく呟く。


「守る」


決意が宿る。


その瞬間闘神の剣が、淡く光り始めた。


炎の神の加護が呼応する。


ホープの体を炎が包む。


だがそれは、竜の神の炎とは違う。


守るための炎だった。


ホープは走る。


激しい炎の中へ。


ゴォォォォ!!


炎が襲いかかる。


だがホープは止まらない。


一直線に竜の神へ向かう。


「ホープ!」


ルークが叫ぶ。


だが次の瞬間。


雷が走る。


ルークの剣が竜の神の翼を斬る。


「行け!」


セリアの矢が風をまとって飛ぶ。


竜の神の視線を逸らす。


ガルドが前へ出る。


盾を構え、炎を受け止める。


「俺が防ぐ!」


そしてサフィも動いた。


水の力が溢れる。


炎を押し返す蒸気が立ち上る。


「ホープ!」


仲間たちの支援。


その中でホープは竜の神へ辿り着いた。


巨大な爪が振り下ろされる。


ホープは剣を構える。


ガァァァン!!


爪と剣がぶつかる。


凄まじい衝撃。


だが――


拮抗する。


闘神の剣と、竜の神の爪。


二つの力がぶつかり合う。


竜の神の瞳が揺れる。


そして――


一瞬だけ正気が戻った。


「……」


竜の神の目が、ホープを見る。


苦しそうな声が漏れる。


「……影」


ホープの目が見開かれる。


その瞬間竜の神の体が震えた。


炎が暴れる。


怒りが噴き出す。


グォォォォォ!!


咆哮。


炎が爆発する。


ホープの体が弾き飛ばされた。


「ホープ!」


ガルドが飛び出す。


盾を構える。


炎が襲う。


ドォォォ!!


盾が炎を受け止める。


ルークとセリアが動く。


「こっちだ!」


ルークが雷の剣を振るう。


セリアの矢が風を裂く。


二人が竜の神の注意を引く。


その間にサフィがホープの元へ駆け寄る。


「ホープ!」


水の力を手に集める。


傷へ流し込む。


冷たい水が、熱を抑える。


ホープはゆっくり体を起こした。


「……ありがとう」


サフィは真剣な顔で言う。


「大丈夫?」


ホープは息を整えながら言った。


「竜の神が」


サフィを見る。


「さっき影って言った」


サフィの目が動く。


「影?」


ホープはうなずく。


「一瞬だけ正気に戻った」


サフィは竜の神を見る。


炎に包まれた巨体。


その足元。


黒い影が揺れている。


サフィは小さく呟いた。


「……影」


そしてホープを見る。


「もしかして」


少し考えながら言う。


「竜の神の影に何かあるんじゃない?」

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