表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闘神の子Ⅱ  作者: ありり
本編
10/50

竜との戦い

焼け焦げた森の上空。


黒い雲のような影が、ゆっくりと近づいてきていた。


次の瞬間――


グォオオオオオオオ!!


空を裂くような咆哮が響いた。


巨大な影が急降下する。


赤い鱗。


巨大な翼。


燃えるような体。


炎の竜だった。


「来るぞ!」


ルークが叫ぶ。


竜はそのまま上空で翼を広げた。


そして――


口を大きく開く。


「炎だ!」


ホープが叫んだ瞬間。


ゴォォォォォォォ!!


巨大な炎が、空から一直線に吐き出された。


炎の奔流がホープたちへ降り注ぐ。


その瞬間ガルドが前に飛び出した。


「下がれ!!」


巨大な盾を構える。


土の神の加護。


盾の表面に岩のような力が宿る。


炎がぶつかる。


ゴォォォォォ!!


炎が盾を包む。


だが――


炎は突破できない。


ガルドの足が地面にめり込む。


それでも盾は揺るがなかった。


その背後セリアが静かに弓を引く。


風が集まる。


風の神の加護。


矢が放たれた。


シュッ――!


矢は風に乗り、まっすぐ竜へ飛ぶ。


竜の翼に突き刺さる。


竜が咆哮する。


グォォォ!!


ルークが剣を構える。


そして振り返る。


「姫さま!」


サフィを見る。


「水で援護を!」


だがサフィは動けなかった。


その場に立ったまま、震えている。


「……っ」


目の前の竜。


巨大な炎。


恐怖が体を縛りつけていた。


ホープがすぐに判断する。


「ルーク!」


ルークが振り向く。


「サフィの側にいてくれ!」


ルークが叫ぶ。


「おい!」


「危ない!」


だがその前にホープは走り出していた。


炎の中へ。


ゴォォォォ!!


炎が迫る。


その瞬間ホープの体から炎が立ち上がった。


炎の神の加護。


自らを炎で包む。


竜の炎がホープの体を飲み込む。


だが――


ホープは止まらない。


炎の中を、まっすぐ走る。


ルークが目を見開く。


「……あいつ!」


ホープは剣を抜く。


闘神の剣。


炎を裂くように振り上げる。


「来い!」


竜が咆哮する。


巨大な爪が振り下ろされる。


その瞬間。


セリアの声。


「ホープ!」


風が吹き抜ける。


風の神の加護。


風がホープの体を押し出す。


速度が上がる。


ホープの剣が竜の鱗を切り裂く。


ギィン!!


火花が散る。


竜が怒りの炎を吐く。


炎がさらに強くなる。


そのとき――


ガルドが飛び出した。


「任せろ!!」


ホープの前に立つ。


巨大な盾。


炎を受け止める。


ゴォォォォォ!!


竜の目がガルドを捉える。


次の瞬間巨大な爪が振り下ろされる。


「来るぞ!」


ガルドが叫ぶ。


ホープが前へ出る。


闘神の剣を構える。


ガァァァン!!


爪と剣がぶつかる。


圧倒的な力。


ホープの体が押し込まれる。


地面が割れる。


「ぐっ……!」


竜の力が押し寄せる。


その瞬間――


閃光が走った。


ルークだった。


雷の神の加護。


体に雷が走る。


「はぁぁぁぁ!!」


雷の速度。


剣が光る。


シュッ!!


竜の体を切り裂く。


稲妻のような一撃。


竜の鱗が裂ける。


竜が大きくのけぞる。


グォォォォォォ!!


最後の雄叫び。


そして――


巨大な体が崩れ落ちた。


ドォォォン!!


地面が揺れる。


竜は動かない。


静寂が戻る。


ルークが息を吐く。


「……倒した」


ガルドが盾を下ろす。


「なんとかなったな」


セリアも弓を下げた。


ホープはゆっくり剣を納める。


そして振り返る。


サフィの方へ歩く。


「サフィ」


優しく声をかける。


「大丈夫か?」


サフィはうつむいたままだった。


小さく言う。


「……」


拳を握る。


「私」


声が震える。


「何もできなかった」


サフィは顔を上げないまま、立ち尽くしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ