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キミに決めた

 獣人コボルト種のゴールデン・レトリバー族にも対応しているアメリカンバイクまで案内してもらってから少し見て回ってから、僕は一つのバイクの前で棒立ちしてる。


 そのバイクは『レブル250』。


 中古車だから元々の持ち主のカスタマイズがそのまま残ってる。


 ボディーには傷がなくてマフラーにちょびっとだけかすった程度の傷がある、そして走った距離もたったの3000キロちょっと。


 モデルは2024年の去年の真新しいやつ。


 肝心のカスタマイズなんだけど、シンプルで車体のリアタイア横に革製のサイドバックが付いているんだ。


 僕もバイクを買ったらサイドバックは付けたいんだよね。


 それで車体の色なんだけどマットな鉄紺色で深みがあって目がすっごく惹きつけられて離せないんだ。


 多分、これが運命の出会いってやつなんだね。


「…君に決めたよ」


 僕はその一言を周りには誰もいないけど聞こえない様にぼそっと口にして心の中で目の前にあるバイクをパートナーにする事って決めた。


 バイクに興味がない人からしたらどれも同じ様にようなものに見えちゃうのかもね。


 でもね違うんだよ。


 新車のバイクを買う時、メーカーか店舗にお願いして細かな設定を自分に合わせてもらったり、カラーオーダーで自分だけの色にしてもらう事が出来る。


 購入して納車してからは自分でカスタムしてさらに個性を磨いてあげる事が出来るんだ。


 中古車だってそお。


 以前の持ち主のカスタムがそのまま残ってたり、傷なんかもあったりもするけど。


 それはもおそのバイクの個性になってるんだと思う。


 中古で安いから買うんじゃない、そのバイクにしかない個性に惚れ込んで買う人だっている。


 カラーオーダーの色や残ったカスタム、デザインやモデルの年代。


 時には残ってる傷が良い味を出してる時だってある。


 一期一会ってたまに言うでしょう?


 人や車、色んなものに一期一会があってバイクの出会いだってそおなんだよ。


 今僕がこれだって感じて見ているバイクだってそお。


「空。決まったか?」


 僕は父さんが隣にいる事に気づかなくて変な声を店に響かせて驚いた。


「うぇ!?びっくりしたなもぉ!」


 それを見て父さんは笑ってる。


 僕はびっくりして早くなった動悸をちょっと落ち着かせて、今さっきまで見ていたバイクの方を向いて言う。


「決まったよ。このバイクにする」


                continue…


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