第47話 結婚報告
「えりか。実は私……結婚することになりました!」
早矢香からそう報告を受けたのは、ちょうど彼と再会したことを伝えようと思い、久々に会ったときだった。
仕事終わり。2人で軽く食事をしようと入ったレストランで、注文を終えた直後に飛び出たビッグなサプライズ。
「え!おめでとう!!式はするの?」
最近は式をしない人も多くて、したとしても予算やら何やらで身内でのひっそりとした式を好む人も多い。
「うん。大学時代のみんなを集めて開こうかと思ってる。えりかも来てくれる?」
「もちろん!何よりも優先して行くわ!」
「じゃあまた近々招待状送るね。絶対来てね!
あと……。」
彼女は少し言いづらそうにしながら、こう続けた。
「夕さんもお誘いしたの。」
あぁ、そういうことね。
「まぁ、大学時代のってなったら呼ばないわけにはいかないでしょ。別に、私は気にしないわ。何ならこの間偶然会ったし。」
「収録だよね。オンエアは観れなかったんだけど、人伝に聞いて……。久々に話せた?」
「そうそう。
久々っていうか、7年ぶり。一応話せたわ、楽屋でね。一言二言だけど。」
「それでも良かったじゃない!そっかー、もう7年になるのね。一言二言でも、長い間会えてなかったことを思うとほんと良かった。何喋った……は無粋か、今のなしで。
それとごめん。夕さんが五島に引っ越したこと私知ってた。何ならこっちを発つ日、私送っていったの。
あのときの夕さん、何だか元気なくってね。心配してたんだけど向こうの環境もいいのか、五島に行ってからは前の元気な夕さんに戻ってた。
最近も、夕さんと私と彼の三人でZoom飲みしたの。謎の会でしょ(笑)」
「引っ越しの件は、もういいのよ。共通で今も仲良くしてるのなんてあなたしかいないし。むしろ申し訳なく思ってるわ。私が話したことも、彼には黙っていてくれてると思うから。
夕のこと、見守ってくれててありがとうね。新婦さんに頼むようなことじゃないんだけど、これからも彼のこと、たまには見てあげてほしい。」
「それは全然いいんだけど。
でも、あなたたちももうそろそろ幸せになってもいいんじゃない?本当は、あなたが見守るべきなんだからね。彼のこと。」
幸せ……か。それにあなたたちって。彼は案外、幸せにやっているような気がするけど。
たぶん東京よりも自然豊かな今の場所の方が、彼には似つかわしいんだと思う。




