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第37話 連載スタート

 いくつか話数を重ねた頃、夏井さんからマネージャーさんに連絡が入った。

 原稿の関係で普段からやり取りはあったので特に気にしていなかったが、そのときは少し様子が違った。


「はい、ありがとうございます。徳山に代わりますね。」

と言ったからだ。

 マネージャーさんの電話を私が取ることはほとんどなかったから、また何かしたのかなとも思ったが、マネージャーさんがとっても笑顔だったのでついにきたかと思った。


「もしもし。お電話代わりました、徳山です。」


「お疲れのところごめんなさい。早速なんだけど、ついに決まったわ!第1話の連載日!」

 そう。1話目が完成したときから、この時をずっと楽しみにしていた。


 色んな人に読んでほしいし、何よりモデルとなったお二人のもとへ早く届けたかった。

 どんな気持ちで読んでくださるだろうか。


「早速、来月号から掲載されることになりました。反響楽しみですね!」



 すぐさま先輩に連絡し、先生にもマネージャーさんから伝えてもらった。


 雑誌の発売日はあっという間にやって来て、家族やメンバーなど、身近な人から『読んだよ』っていう声をたくさんもらった。2話目以降も、引き続き読んでもらえるよう執筆の方頑張ろうと思った。

 マネージャーさんが特に何も言わなかったのでたぶん先生からは感想とか届かなかったんだろうけど、先輩からは『続き、楽しみにしてるね。』と、シンプルだけどうれしいメッセージが届いた。



 さらに話数を重ねる中で、筆が進まず夏井さんたち出版社の方々にご迷惑をおかけすることも少なくなかったが、徐々に編集段階で指摘されることも減っていった。

 反響も回を追うごとに多くなっていき、そうした声にも精神的にかなり支えられた。


 先輩はマメな人で、毎月の出版後には必ず連絡をくれた。そしてそれが、一番の励みになったことは言うまでもない。


 今日も連絡をくれたのだが、今回はいつもの感想ではなかった。メッセージにはただ一言、こう記されていた。

『そろそろ、私たちの別れについて、話しておこうと思うのだけれど。』


 二人の別れ。それはずっと気になっていたことだった。そもそも私の大好きな二人が、たぶん今でもお互いに想う気持ちがあるのに別々の道を歩んでいるのがどうしても納得できなかった。

 推し同士の恋愛を応援するみたいな感覚で、変なバイアスがかかっているのもあるんだろうけど。

 そしてそれは、今書いている小説の核心に迫る内容にもなってくる。


 私はおそるおそる、

『聞かせてください。』

と返事をした。

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