第28話 韓国みやげ
結局、数日考えても答えは出なかった。
家族や周りのメンバーにも聞いてみたけど、当たり前だが自分のことだから自分で決めなきゃいけない。
普通のオファーなら迷わず飛び込んでみていたんじゃないかと思うが、予想の斜め上をいくオファーだったし、いざやり始めてから結局筆を折る結果になったら夏井さんたちに多大なる迷惑をかけてしまうので、それも頭にちらついてしまった。
そんなもやもやが続いていた日、先輩から連絡がきた。
内容はシンプルで、『お茶しない?』だけだった。先輩らしいというか、そういうところもかっこいい。
ご飯に1回連れて行ってもらったけど何だか夢みたいで、2回目があるとは思っていなかった。だから、余計にうれしかった。
返信しようとしてふと、先輩と先生のことを小説風に書いてみたいなと……本当にふと思いついた。それだったら、小説初心者の私でも書けそうな気がする。過去の話から今の話まで時間軸も長めにあるし、処女作であっても連載するだけの文量を書ける気がする。
どういうお茶会になるかは分からないけど、折角のチャンスだから、先輩がもしモデルになってくれるのであれば出版社さんにOKの返事を出そうと決めた。もちろんプライベートなことだし、世間にも秘密というかトップシークレットな内容だから、断られるのを前提に聞く。
断られたら残念だけどこの話は断って、もし他に書きたいメンバーがいたらそちらに打診してもらおうと思った。
「行きたいです!」
私もシンプルに、近々で空いている日をお伝えしたらわりとすぐにお会いできることになった。
「オレンマニヤ〜」
久々の先輩は何かがすっきりしたような晴れやかな表情で、いつもよりテンションも少し高い印象を受けた。
「なんですかそれ(笑)」
「韓国語で『久しぶり〜』って意味なの。この前話してた韓国での撮影が終わったから、おみやげ渡そうと思って。はいこれ。」
以前の食事の際、先輩は近々韓国で撮影の仕事があると言っていた。おそらく、そのとき私が韓国行ったことがないと言って羨ましがっていたから、気を利かせて買ってきてくださったんだろう。
おみやげは、パックや化粧水など韓国の美容グッズだった。日本でも、コリアンタウンとかに行けば色んなアイテムは手に入るけど、憧れのきれいな先輩からの美容グッズは段違いでテンションが上がる。
「ありがとうございます!!すごいうれしいです!早速、今日帰って使わせてもらいます!」




