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第16話 初めて

「お疲れ様です。」「お疲れ様。」


 あの収録から数週間後、約束どおり私は先輩と初めての食事に来ていた。


「ずっと先輩とご飯行きたいなと思っていて、ようやく叶ってうれしいです。撮影期間もなかなか二人でっていうのは無理でしたし。」


「そうだね。やっぱりみんないるときの話題と二人きりでの話題ってちょっと変わってくるしね。

 それで、私に何か聞きたいことでもおありかな?後輩ちゃんよ。」


「やだな先輩、もう忘れちゃったんですか?先生の学生時代の話聞かせてくれるって言ってたじゃないですか!」


「えー。こんな素敵な先輩を独り占めできてるのに、後輩ちゃんの頭の中には先生しかいないんですか〜?あーぁ、かわいそうな私。」


「ちょっとやめてください。でも、真面目に言うと先輩の話も聞きたいですよ、そりぁ。」


「お、何が聞きたい?」


「そりゃあ色々聞きたいですよ。化粧品何使ってますか?とか好きな映画は?とか休みの日何してますか?とか。」


「化粧品はね、最近はわりと資生堂推しかも。でも年齢にもよるし、後輩ちゃんはまだまだ若いからね。30になると肌質とかも変わるからさ、そのタイミングで色々変えてみるのはオススメだよ。

 私は今の化粧品が自分に合ってると思うんだけど、どう?触ってみる?」


 身を乗り出してくる先輩のほっぺたを触らせてもらう。

「プルンプルンだ!かわいい〜!」


「でしょ?次は好きな映画か……あんまり観ないのよね。休みの日は、アウトとイン半々くらいかな。トレッキングとかも好きだし、家でネトフリ観るのも好き。

 後輩ちゃんは?休みの日何してる?」


「友だちと出かけることが多いですかね。ご飯行ったり買い物したり。」


「友だちは、芸能界の?それとも学生時代からの?」


「学生時代からの友だちが多いですかね。それこそこの前収録のときにも話した高校時代からの親友は、ほんと一番に何でも話せる存在です。

 逆に芸能界の友だちはあんまりいなくて……。友だちっていうのはおこがましいですけど、今日はこうやってご飯に来られてうれしいです。」


「仲直りできてて良かったね。この業界入る前の友だちで間柄が変わらない人って貴重だから、私もそういう友だちは大事にしてる。

 あと、私たちもう友だちでいいよ?顔広そうに見えるかもしれないけど、一対一でご飯とかはなかなか行かないから。私はもう友だちだと思ってるし。」


「めっっちゃうれしいです!仲良くなってお出かけとかもしたいです!」


「いいね。仲良くなったら旅行とかもしよっか。」

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