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第14話 太陽と月

「お二人は卒業後もよく会ったりしてるんですか?」


「いや、私たちもちょうど7年ぶりくらいかな。」


「そうですか。」

 先生と思い出話に花を咲かせたかったけど、何だか私の楽屋はすっかり二人の空間になっていた。



「じゃあ、僕はそろそろ。今日は本当にありがとう。無理はくれぐれも禁物で。」


「こちらこそありがとうございました。先生、連絡先交換してもらえませんか?」


「あ、さっきマネージャーさんと交換した。だから、何かあったら連絡取れるよ。」

 先生はそう微笑んで、部屋を出ていった。


 マネージャーさんと目が合うと、ウインクされた。

 マネージャーさん!グッジョブ!


「それにしても、先輩と先生がお知り合いだったなんてびっくりし過ぎてまだうまく飲み込めていません。」


「私もご無沙汰だったし、それに後輩ちゃんの担任だったなんて私こそびっくり。改めて若いんだなーと思っちゃった。」


「卒業後は連絡取ったりしてなかったんですか?」


「そうね……取らなかったというか取れなかったというか。まぁ、学生時代の先輩って得てしてそういうものじゃない?」

 たしかにそうかもしれない。脳裏に、卒業以来会っていない先輩たちの顔が浮かんだ。


「それじゃ、またご飯行こーね。さっきは邪魔しちゃってごめんなさい。私も彼と話したくなっちゃって。」


「全然です。またご飯行ったとき、大学時代の先生の話聞かせてください。」


「ええ、なーんでも答えるわ。その代わり、担任時代の話、私も興味あるから。」


 そう言って先輩も出ていった。楽屋には、私とマネージャーさんだけ。目まぐるしい展開が嘘であったかのように、いつも通りの静かな部屋に戻った。


「ただの先輩後輩の間柄だと思います?」

 覚えた違和感をマネージャーにぶつけてみる。彼女は私よりちょっぴりお姉さんで、いつも悩みや気になることをぶん投げてはきれいに打ち返してもらっていた。


「そもそも男女でただの先輩後輩なんて、私の周りにはあんまりいないですね。

 それに徳山さん、7年ぶりに友だちと突然会ったらどうなります?現に、先生ですけどさっきどうなりましたか?」


「うれしさが爆発して、泣きそうになるし何も考えられなくなります。」


「ですよね、私もそうなると思います。だからあの二人はおかしいんですよ。

 妙に落ち着いていたし、まるでお互いの世界の中にいないかのような。それこそ太陽と月みたいな。」


 太陽と月。

 一緒に見えることはあっても、両方が美しく見えることはない。

 先生、先輩。お二人はどんな関係なんですか?

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