《単話版》俺のことを好きな女の子が俺好みにセルフ調教してくる
*作品を読むにあたって
作品内にてメッセージのやりとりをする場面がありますが「○〜」がヒロイン、「●〜」が主人公のセリフとなります。
本作は半年程前に書いたまま放置してた作品を再構築する為の前段階として単話版にしたものです。
トークルーム[圭]
○私先輩のこと好きなんですけど
先輩の好みのタイプを教えてくれませんか?
人生初の告白?はスマホのメッセージから来た。
●ちょっと学校で話そうか
***
俺、有木佳はとても憂鬱な週明けを迎え登校していた。その理由は月曜日だからではない。
昨日のメッセージを思い出す。
(好き、って言われてもなあ)
メッセージトークの相手は岩崎圭。部活の後輩で、素直で可愛らしい子だ。
普段から仲良くしていたし、告白してくれるのはもちろん嬉しいことだ。
しかし一つ疑問がある。好きな人にその人のタイプを聞くといった極めて典型的な告白フラグはよくある話だが、告白した後にタイプを聞いてくるケースは見たことも聞いたこともない。どんな意味があったのだろうか。結局考えても検討すらつかぬまま朝が来てしまい、寝不足かつ憂鬱な朝を迎えてしまった。決して告白されて興奮していたからではない。…いや本当にマジで
そんなことを考えていると、問題の子が後ろから来た。
「先輩どーん!おはようございます!」
突然背中を押され危うく転びかけた。
「グフッ…おはよう圭ちゃん…朝から元気だね…」
「そりゃあもう!朝から先輩にも会えましたしね!」
ニッコニコでとんでもないことを口走ってくる。
「お、おう…そんなド直球で言ってくるとは思わなかったよ。」
「それが私ですからね。ところで先輩、好きな髪型とかってあります?あ、色も教えて欲しいです!」
「それ本当に聞いてくるんだ。」
「それが私ですから。」
それが私って言われても、俺にゃもう分からんよ。
「それで好きな髪型と色、早く教えてくださいよ」
「うーん…とは言ってもなあ」
白状するが、俺は好きになった人がタイプになる人間だから今の俺には好みの見た目なんてものはないのだ。
ふと、思いついたことがある。
今現在圭ちゃんは茶髪のロングヘアなのだが、その状態からかけ離れてる見た目が好みと言ったらどんな反応をするだろうか。悪趣味なことを考えているなと自分でも思った。
「俺の好みの見た目はね、黒髪のショートボブかな。」
「私の見た目とは全然違いますね。」
「生憎ね。」
そう言うと圭ちゃんはだんまりしてしまった。
「あ、いや、圭ちゃんの見た目が好みじゃないとかそういう訳じゃないからね。」
何か地雷を踏んでしまったかも知れない。意地悪なことをするんじゃなかったと軽く後悔していると、
「んー、分かりました。また今度連絡しますね。じゃあお先に失礼します。」
「あぁ…またね…」
そう言って走って行ってしまった。今の俺にはまた今度の連絡を待つことしかできない。
結果としてはこの一抹の不安は杞憂に終わる。
***
あれから三日間、圭ちゃんとは一度も話していない。やはり気に触ることを言ってしまったのだろう。日に日に積もる後悔もメッセージが来ないことにはどうしようもなかった。
刹那、俺が今一番聞きたかった通知音が自室で響いた。予想通り、圭ちゃんからのメッセージだ。
どんな内容なのか。恐る恐る開いてみると…
トークルーム[圭]
○一通の写真
○どうすか先輩
「は…え…」
絶句した。
写真の内訳は黒髪ショートボブの女の子。それも———圭ちゃんの。
●どうすかじゃないよ
●俺の言ったことを本当にやるなんて…
○私は先輩の好みの人になりたいんですよ
○だから見た目も性格も全部、先輩の好きな人間に
自分で勝手に調教するんですよ。
○で、先輩どうですか?可愛いでしょ?
俺はどうやらとんでもない子に目をつけられてしまったらしい。
「と、とりあえず返信しよう」
●まあ… 可愛いよ。似合ってる
○嬉しいです♡
○じゃあ次は性格も矯正しないとですね
○先輩が好きな性格も教えてくださいね
神は俺に受難を与えた。
ここからどうプロットを仕立てるか…未来の私に期待ですね




