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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第三章
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韋駄天大会


 そういえば俺、何で海岸にいるんだっけ??確か少年に連れられて……。


「あぁあああぁあああ〜〜!!」


「えっ!? チートさん??」


 今度は俺が叫び声を上げた。突っ伏していた地雷さんが顔を上げる。


「なんだなんだ?? チェックメイトか??」


「ちげーよ!! どんだけチェックメイトするねん!!」


 なんか関西弁になっちゃった。いや、そんな事はどうだっていい!!韋駄天大会だ!!


「韋駄天大会は?? 今から間に合う??」


「……もう、とっくの昔に終わってるよね」


「マジ??」


 どうしよう……俺、韋駄天大会やらないと現実世界に帰れないんじゃない??地雷さんが退学になったらイベント自体が成立しないぞ……。


「あぁあああ〜〜!! チートさ……いや、イケメン美男子との恋愛イベントライフがぁあああ〜〜!!」


 地雷さんも事の重大さに気付いたらしい。方向性は俺とはだいぶ違うけど……。


「なぁ、チート。むしろもう……こっちでよろしくやったら?? こっちの世界も楽しいだろ??」 


「ふざけんなよ!! そんな事出来るかっ!! 嫁と子どもどうすんだ!!」


 俺がそう言うとマタメンテエルフは一瞬寂しそうな表情になった気がした。


「だよね〜……。とりあえず、錬金釜出せる??」


「えっ? 錬金釜?? あっ、うん……出せるよ」


 錬金釜を出すと、マタメンテエルフは錬金釜の中に入っていった。一体どうするんだろう??そう思っている内に足早にまた戻ってきた。


「あったあった。ほいこれスマホ!」


「スマホなんてどうすんだ?」


「韋駄天大会を撮ってる動画配信者だっているだろ。大きい大会だし!! この間の動画配信者も撮ってる」


 マタメンテエルフは慣れた様子でスマホを操作すると俺にスマホの画面を見せた。


「ほらっ! あったぞ! トマっちゃんねる!!」


「あれっ? なんか動画の数多くなってるし、再生数伸びてない?? 登録してる人もいっぱい……」


「なんか超常現象を解明する為に装備を一切つけずにパーティー組んで強敵に挑んでいるらしーよ」


「それ……超常現象関係なくね?? なんで装備つけないで戦ってんだ??」


「さぁ?」


 試しに動画を再生してみると、確かに装備をつけず強敵と戦っている様子が映りはじめた。少年と仮面の人のプレイヤースキルが凄い!!少年はやっぱり優れたヒーラーだったんだなぁ。トーマさんのプレイヤースキルは正直そんなにないけど、強敵にやられるたびに『超常現象を解明する為に……ここでやられる訳にはいかない!!』とか言いながらリベンジしていた。


「おっと……こんな事してる場合じゃなかった!! 知りたいのは韋駄天大会の様子だ!!」


 俺は最新の動画になっている『韋駄天大会にて、少年の超常現象解明なるか!?』の動画をスタートした。


「でもこのタイトル、おかしくないか? だって少年も韋駄天大会に参加してないだろ??」


「おい!! チート!! よく見ろ!!」


「うん??」


 マタメンテエルフが指差す方を見るとパンツ一丁の少年の姿が映っている。


「……どういう事だ??」


「わからん」


 画面が変わりトーマさんの姿が映し出される。しばらくすると少年が画面に向かって走ってきた。


「あっ……こっ、こんにちは! 今日は韋駄天大会みたいです。今日はいつものメンツじゃなくて、恩人の友達とパーティー組みますね〜」


 なんという事だ!!少年そっくりじゃないか!!どっちが本物かわからない位だぞ!!でも……なんでここに少年がいるんだ??


「もしかして、ペルソナかなぁ……??」


 地雷さんがスマホを見ながら呟く。……なるほど、確かにコスプレイヤー(?)のペルソナさんだとしたら辻褄があう。


「あっ、来た来た!! おーい!! こっちこっち!!」


 少年が誰かを呼んでいる。動画を見続けていると、ぞろぞろと見知った顔がカメラに向かって歩いてきた。地雷さん、チャカさん、後は……俺!?


「えっ!? 撮影するの?? 聞いてないんだけど!?」


「撮影?? 撮影してるの!? こんにちはー!! もしもーし!! イケメン美男子フレンド募集中でーす!! あっ、地雷でーす!! よろしく〜!!」


「なんだ?? カメラをブチ抜けばいいのか??」


「チャカさん!! カメラは高いからブチ抜いちゃだめだっ!!」


 少年だけじゃなく、他のメンツも本人そっくりだぞ!?一体、韋駄天大会で何が起こっているんだ??


「ドッ……ドッペルゲンガーが、たっ……沢山!! 鏡の世界から抜け出してきたのか!?」


「じっ、地雷さん落ち着いて!! 鏡の世界って何!?」


 動画を見た地雷さんは困惑している。無理もない。ここに映っている少年、俺、地雷さん、チャカさんは一体誰なんだ??


「なぁ、地雷ちゃん。地雷ちゃんはさ、ペルソナがどういうアバターしているか知らないんだよね??」


「ペルソナ?? うん!! 見た事ないよ!! いつも変装している姿だし」


「……」


 マタメンテエルフは地雷さんに質問した後、少し考えた後つぶやいた。


「ペルソナさんは……一人じゃなくて、複数人いるんじゃないか??」


「えっ!? ペルソナって一人じゃないの!?」


「まぁ……あくまで憶測だけど」


 確かにペルソナさんが複数人いるならこの状況も納得出来るけど……そうだとしたらペルソナさんって何人いるんだ??そしてペルソナさんは何の為に韋駄天大会に参加しているんだ??


「謎だ……謎すぎる」


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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