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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第三章
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チート、一分クッキング2


「えっと、じゃあ次はそうね……。唐揚げとフライドポテトを作ってくれないかしら??」


「わかりました」


 女の人は呆然と俺を見つめたままつぶやく。なんだかその視線に耐えられなくて、俺はそそくさと地雷さん達の元に戻ってしまった。

 なんだか盛り付け作業の手を止めてしまってちょっと申し訳ない……。


「なんだって??」


「えっと……唐揚げとフライドポテトをお願いしたいって言われた」


 マタメンテエルフの問いに答えると、なんとなくボーっとしながら材料を取りにいく。


「鶏肉とじゃがいもと……あとは調味料とかかな??」


「それで大丈夫だと思う〜!!」


 ニコニコしながら地雷さんが返事を返してくれたけど、作り方わかっているのかな??


「地雷さん、作り方知ってる??」


「だいたいわかるよ〜!! 片栗粉とか小麦粉をまぶして揚げればいいんでしょ??」


「うん!! 正解!!」


 地雷さんは意外と料理については大丈夫みたいだ。少し手つきが危なっかしい所はあるけれど……。

 地雷さんはじゃがいもを洗うと包丁を手にしてじゃがいもの皮を剥き始めた。


「私、包丁で材料を切るのが苦手なんだよね〜。作り方とかはなんとなくわかってたりするけど……料理はそこがネックになるっていうか……」


「あぁ〜……なんとなくわかるよ!! 細かく微塵切りにしたり、魚を捌いたりとかちょっと難しいよね!?」


 地雷さんの包丁苦手宣言の話はなんとなくわかる気がするなぁ。材料を切ったりするのって人によっては凄く怖かったりするし、ハードルが高く感じられるかもしれない。


「あぁ〜あ!! 材料を切らなくても料理が出来たらいいのになぁ〜……」


「材料を切らなくても……料理が出来たら……??」


 なぜか俺の中にある可能性が生まれた。試してみる価値は……あるかもしれない。

 俺は錬金釜の中に洗ったじゃがいもをそのまま入れると、少量の油を入れて小麦粉と塩をふりかけた。


「おまっ……何やって!?」


「いや……ちょっとした実験っていうか」


「実験!?」


 顔をしかめるマタメンテエルフを放置して、俺は錬金釜の蓋を閉める。


「フライドポテトを作りたい」


 錬金釜に語りかけてしばらくすると、中から何かを揚げている様な音が聞こえてきた。どうやら調理が始まったようだ。


――ピピピピピピピ!!


「もしかして……調理が終わったのか!?」


「あぁ。そうみたいだ」


 例のごとく一分くらいで調理は完了になった。おそるおそる錬金釜の中を覗いてみると、そこには予想通りの光景が広がっている。


「美味しそう!!」


「……嘘だろ。フライドポテトだ」


「嘘だろ!? って、お前がやったんじゃん……」


 念の為フライドポテトを摘んで食べてみたけど、普通に美味しいフライドポテトだった。


「美味いな……普通に問題ない美味さだ」


「すごーい!! 包丁も使わずに料理出来ちゃったの!? 地雷も錬金釜欲しいーー!!」


 確かに材料入れるだけで料理が出来てしまうならそれはそれで便利で俺だって欲しいけど……はたしてそれは料理って言えるのだろうか??


「とりあえず……唐揚げも作るか」


「おういえ!!」


 蓋をしてフライドポテトを錬金釜の中にストックすると、空になった錬金釜に鶏肉と少量の油を入れた。続けて片栗粉をふりかけて調味料を入れた後、蓋をして錬金釜に語りかける。


「唐揚げを作りたい」


 調理が始まったようで、中から鶏肉を揚げている音が聞こえてきた。ほどなくして錬金釜は調理完了になり、自動的に蓋が開いた。


――ピピピピピピピ!!


「唐揚げも美味そうだな……」


「揚げたておいし〜い!!」


「……」


 あまりにも料理が出来るのが早すぎて……拍子抜けしてしまう。……まぁ、早いに越した事はないけど。


「じゃあ……料理出来たって伝えてくるよ」


「いてら〜!!」


 俺は盛り付け作業の女の人の所に向かった。彼女は真剣な眼差しで盛り付け作業に集中している。正直話しかけずらい……。


「忙しい所、ごめんなさい。あの……料理出来ました」


「……はっ??」


 目を丸くして俺を見つめ返してくる。まぁ……普通に考えたらありえないよな……。


「いやいや!! スープの時より早くない!?」


「あっ、まぁ……早いですね」


 口で説明するよりも見て貰う方が早いと思い、錬金釜の中にある唐揚げを見て貰った。彼女は錬金釜の中の唐揚げを摘むと口に放りこんだ。


「……唐揚げだわ」


「はい、唐揚げです」


 一瞬の沈黙の後、彼女はこちらを向くと俺につぶやく。


「フライドポテトは??」


「出来てます」


 錬金釜の蓋を一旦閉めてフライドポテトを出すと、彼女は持っていた盛り付け用の箸を落としてしまった。


「唐揚げが入ってたのに!! フライドポテトになった!? どういう事!?」


「あっ……えっと。なんていうかこの錬金が……いや、鍋に料理をストック出来るんです」


「はぁあああぁ!? 一体、どんな魔法を使ったらそんな事が出来るのよ!!」


「あはは!! えっと……企業秘密です……」


 まさか剣と魔法の世界で向こうの世界の人にびっくりされる事があるなんて思いもしなかったな……。

 俺はフライドポテトの入った錬金釜を彼女の方に向けて味見をして貰った。

 

「フライドポテトね」


「はい。フライドポテトです」


「……」


「……」


 多分、ますます理解出来なくて頭が追いつかないんだろうな……。なんだか沈黙が辛い。

 俺は沈黙に耐えられず、彼女に声をかけた。


「あの……次は何を作ればいいですか?」


「あっ。じゃあ……えっと……」


 こうして俺達はチート一分クッキングで頼まれた料理を作り続けた。高速で料理が出来上がっていくので予定されていた時間よりだいぶ早く作業を終える事が出来た。


「ありがとう。あとは盛り付け作業とかだけだから私達だけで大丈夫!! またなにかあったらよろしくね!!」


「あっ、はい!! 良かったです」


「そうそう!! お礼といってはなんだけど……余った食材は良かったら持っていって!!」


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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