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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第三章
71/125

クリス様


クリス様といい雰囲気の地雷さんを見守っていると、近くでチャカさんの叫び声が聞こえた。

 

「探したぞ!! マタメンテエルフ殿!!」


「うわっ!! もう見つかった!!」


 凄い勢いでマタメンテエルフに向かって来るチャカさん。その目つきはやはり鋭い!!正直……地雷さんとマタメンテエルフの二人を俺一人で追いかけまわすのは大変だった為、ある意味助かっている。


「いってら〜」


「てめーー!! 他人事だと思って!!」


 俺に叫びながら逃亡して行った。マタメンテエルフの俊敏性も上がってきた気がする。地雷さんはクリス様に両手を握られて顔を赤くしていた。クリス様が熱視線を地雷さんに向けたまま話し続ける。

 

「本当に色々ありがとう!! 同じ女として……とても励みになった」


「……同じ女、として??」


「あぁ!! 女性でここまで私と戦える者はなかなかいない!!」


「……」


 地雷さんが両手を握られたまま、ピシッと固まった様な気がした。クリス様……女性だったのか!!


「また、手合わせ願おう!! それでは!!」


「あっ、はい……」


 笑顔で手を振りながら、クリス様は訓練所から退出していった。地雷さんの背中が……なんだか寂しそうに見える。まぁ〜同じ性別の人を好きになる人も世の中にはいるけど、地雷さんは生粋のイケメン好きだ。女性が恋愛対象になる事はないんだろう。


「地雷……さん?」


「……」


 地雷さんは何を思ったのか、無言で訓練所を出た。そのままズンズンと歩き続ける。


「あっ……ちょっと!?」


「……」


 どうやら俺の声は届いていないらしい。どうしようもないのでそのまま地雷さんの後を追う事にした。10分位歩いた所で、地雷さんは足を止めた。そこは海岸だった。


「……」


 無言のまま、地雷さんはポケットから巾着を取り出した。チャカさんに巾着をあげた後、どうやら新しい巾着を自分で用意したらしい。彼女は巾着から石を取り出すと、叫びながら海に石を投げ始めた。


「サンダーストーン!! サンダーストーン!! サンダーストォォオオオーン!!」


「じっ……地雷さん!?」


 サンダーストーンってなんだ!?そんな呪文あったか??むしろ技名か!?……いや、この際そんな事どうでもいい!!


「地雷さん、落ち着いて……」


「うぅ……っ……」


 俺の声はやっと届いたらしい。大泣きしながら、鼻水をたらしながら、俺の方を見た。


「試合に勝って勝負に負けた……」


「まぁ、使い方あってるかはわかんないけど……言いたい事はわかるよ」


「ふぇええぇえ〜……」


 地雷さんは俺の制服に鼻水をこすりつけながら泣きついてきた。……まぁ、後で洗濯すればいいか。


「これ……ハンカチ」


「ありがどゔ!!」


 彼女は俺のハンカチを受け取ると両目の涙を拭いて、そして……鼻をかんだ。まぁ……いいけど。


「まぁ、今日は思いっきり泣いて、叫んで……石を投げればいいと思うよ」


「……そうする」


 今日ぐらいはそうやって泣いて気持ちを落ち着かせた方がいい。失恋の痛みはダメージが大きいからなぁ。


「サンダーストーン!! サンダーストーン!! サンダーストーン!!」


 地雷さんが闇雲に石を海に向かって投げていると、馴染みのある声が聞こえてきた。


「待つのだ!! マタメンテエルフ殿ーー!!」


「誰が待つか!!」


 どうやらマタメンテエルフとチャカさんが近くで追いかけっこをしているらしい。チャカさんは凄い勢いで石を撃っているし、マタメンテエルフは凄い勢いでそれをかわしている。


「あいつら……凄いな」


 チャカさんの命中率も上がっている感じもするし、マタメンテエルフのみかわし率もなかなかだ。感心して見ていると、地雷さんが石を投げている海の方にマタメンテエルフが飛んでいった。


「あっ……あぶな……」


「サンダーストーン!! サンダーストーン!! サンダーストォオオォーン!!」


――ゴッ!!


「いってぇええぇ!!」


 地雷さんの投げた石がマタメンテエルフに当たった様で、マタメンテエルフは海に落ちていった。


「あぁああぁああぁあーー!! マタメンテエルフさーん!! 当たっちゃったー!!」


 地雷さんは慌てている。そんな地雷さんをチャカさんは羨望の眼差しで見つめていた。


「さすが地雷殿!! 凄腕だ!! チェックメイトォオオォ!!」


「えっ、そうかな??」


 どうやら褒められた事で、マタメンテエルフに石を当てた事を忘れたらしい。そのまま、チャカさんと楽しくおしゃべりを始めた。


「まっ……まぐれだよ〜」 


「サンダーストーンとはまじないの言葉か何かか??」


「友達がよく言ってるんだけど、実は地雷にもよくわかんなくて〜」


「ほうほう!!」


 よくわからんセリフ使ってるんかい!!……まぁ、いいけどさ!!

 しばらく様子を見ていたら、波に乗ってマタメンテエルフが浜辺に打ち上げられた。俺は白目になっているマタメンテエルフを指で摘んで救出した。


「おいっ!! 大丈夫か??」


「……」


 うん、完璧に意識飛んでんなコレ。チャカさんと地雷さんは気付かずおしゃべりしている様なので、邪魔しない様にその場から離れた。

 

読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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