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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第三章
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新生活開始!!


「今日は転校生を紹介します! 地雷さんとチートさんです! 皆さん、仲良くして下さいね!!」


 学院の先生が俺達に挨拶を促す。


「はじめましてーー!! 地雷でっす!! イケメン募集中でーす!! よろしく!!」


「チートです。よろしく……」


 元気一杯の地雷さんとの挨拶の温度差が凄い……。沢山の生徒が俺達に声をかけてくれる。そういえば、なんで俺の名前、チートに変換されてんだ??


「二人共、めっちゃ可愛い!! よろしくね!!」


「困った事があったらなんでも聞いて!!」


「ねぇねぇ!! 今度一緒に遊ぼ〜」


 正直、誰が攻略対象なのか、モブキャラなのか、一般プレイヤーなのか判断がつかない……。沢山の疑問を抱えたまま、学院生活が始まっていった。


「さぁ、授業が始まりますよ! 席について!」


 学院の先生の声が響く。こうして机に座って授業を受けるのは何年ぶりだろう……。授業の内容はゲームに関する技だったり、魔法だったりの話だった。


「学院生活ーー!! 楽しいぃぃー!!」


 地雷さんは毎日、楽しそうに授業を受けていた。だいたい寝ているか、隠れて小説を書いているか、落書きをしていたりしている。


「あれっ? そういえばマタメンテエルフさんは??」


「さぁ……? いつもどこかにフラフラ飛んでって、どっかにいってしまうんだ」


 地雷さんに聞かれて心配になった俺は、休み時間にマタメンテエルフを探しにいった。どこからかマタメンテエルフの声が聞こえる……。


「ねぇねぇ!! 君どこのクラス??」


「えっ……??」


 一人の可愛い学院生がキョロキョロとまわりを見て声の出所を探している。


「ここだよ〜!! ここ!! ここ!!」


 俺は無意識に錬金釜を呼び出した。基本的に錬金釜は自分の部屋にあるが、必要であればいつでもどこでも呼び出す事が出来る。とても便利だ。


「……ナイス、錬金釜」


 俺は錬金釜のフタを開けると中からスリッパを取り出した。部屋にあった可愛らしいスリッパだ。俺はスリッパを持つと、ある所を目掛けて振り下ろした。


――スッパーン!!


「いってぇ!!!」


「えっ??」


 可愛い学院生が俺の方を向いた。


「あっ……ごめんなさい!! ちょっと虫がいたから成敗してやったの!!」


「虫……??」


「うんうん!! なんかブンブン飛んでたから……」


「そうなんだ。ありがとう!! でも、そのスリッパどこから持ってきたの??」


「えっ!? えっと……コレ、携帯用スリッパ!!」


「可愛らしいスリッパね」


 彼女は笑いながら去っていった。俺は彼女を見送ると、ある人物に向かって問いかけた。


「おい、お前……何をしている??」


「何って……ナンパだよ!!」


「お前、その身体で人間と恋愛出来る訳ないだろう!?」


「そっ、そんな事ねーよ!! 多分……。そんな事よりアレを野放しにしていいのか??」


 マタメンテエルフが指差した方を見ると、地雷さんが何かを目掛けて走りながら叫んでいた。


「すいません!! 一枚でいいんです!! 一枚でいいから写真撮らせて下さい!! お願いぃぃ!!」


 可愛い感じの美青年が地雷さんに追いかけられて困っている様だ。


「ちょっ……地雷さん!! それある種、ストーカーだからぁああああ!!」


 慌てて地雷さんを追いかけ始めた。なんだってこんな役ばっかりなんだよ!!地雷さんとマタメンテエルフはちょっと似ている所がある気がする。困ったやつらだけど憎めないんだよなぁ……。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


「あれっ!? チートさんどうしたの?? 呼んだ??」


 地雷さんが俺に気をとられている間に、美青年は無事に逃げられた様だ。


「あぁああああーー!! 写真!!」


「コラコラ!! 写真撮られるの苦手な人もいるんだからそんなに追いかけちゃだめだよ!!」


「そっかーー!! 写真、苦手だったのかなぁああ??」


 どちらかというと、地雷さんが怖くて逃げてたんじゃないかと思うけど。まぁ、結果オーライだ!!とりあえず走りすぎて喉がカラカラになってしまった。教室に戻って飲み物を飲もう。


「地雷さん、教室に戻ろう!!」


「おういえ!!」


 こうして、地雷さんを引き連れて教室に戻った。やれやれ……一安心だ。そう思っていたのに、また不安要素が発生してしまう。冷たいお茶を飲んでいると、突然館内放送がかかったのだ。


『転校生の地雷さん、地雷さんは……至急、職員室に来てください』


「あれっ? 何だろう??」


 不安な顔でつぶやく地雷さん。心当たりはない様だ。もしかして、イベント発生!?なんだか嫌な予感がする。


「不安なら一緒に付いて行くけど?」


「お願い!! 一緒に来て〜〜」


 こうして職員室まで地雷さんと一緒にいって、彼女を職員室の中に送り出した。そして……扉に耳をあてて、こっそりと聞き耳をたてる。中から中年の男性の声が聞こえてきた。


「正直、なぜ学院長が君を推薦したのかがわからない!! この学院は素晴らしい人材が集まる学院なのだ!! 君の様な者はふさわしくない!!」


「ふさわしくない?? 何か悪い事、しましたっけ??」


「存在自体が許せないのだ!!」


「あぁ!! 美しさは罪!! 的な??」


 なぜそうなるんだ!!絶対、ノリ的な感じで言ったんだろうけど……そんなギャグ言える雰囲気じゃないぞ!!


「とにかく!! 君を試させてもらう!! 夏の韋駄天大会で君の実力を見せて貰おうじゃないか!! もし、私の目から見て君が実力不足だと判断したら……」


「したら??」


「君をこの学院から退学させる!!」


「ええぇえ〜〜!!」


 ……なんだと!?このゲームのメインプレイヤーは地雷さんなんだぞ!?シナリオ攻略出来なかったら俺はどうなるんだ!?


「そんなーー!! イケメンとの青春ライフがっ!!」


 地雷さんが職員室で叫んでるけど、こっちはそれどころじゃねぇ!!ここの学院の生徒として、嫁の姿で一生を送るのか??


「……そんなのは絶対に嫌だ」


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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