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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第三章
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プロローグ


 現実世界での生活も安定してきた。仕事も順調だ。地雷も年数を経て、中堅からベテランになった。そうすると、新しく入ってきた新人さんに教える立場になっていく。

 人間のタイプは様々だ。A子ちゃんはこう教えて出来る様になったから、B子ちゃんに教える時も同じでいいとは限らない。


「メモを取って、話を聞いて」


 そう言ってもメモを取らない子がいた。見た感じやる気がない様な感じでもない……。なんとなく、この子は地雷と同じタイプなのかもしれないと思った。きっと、メモ帳に何を書けばいいのかがわからないのだと思う。


「箇条書きで教えるね」


 1、2、3……って数字を書いて重要な項目を短い文章で書かせた。


「お客様にその順番で説明すれば大丈夫。頭が真っ白になったら『そちらの用紙に記入をお願いします』って伝えて落ち着くといいよ。わからない事があれば遠慮なく聞いて〜」


 自分が沢山つまづいてきたので、相手がどこでつまづくか手に取るようにわかった。つまづく箇所が多くて、情けなくて自分が嫌な時もあったけど、無駄じゃなかったんだな……と思う。

 

「ねぇ、あんた。あんたって自分の事好きでしょ??」


 会社の先輩が地雷に声をかけた。地雷は会社の天井を見ながら、少し考えると先輩に返事をした。


「そうですねぇ……まぁ、嫌いじゃないです」


 昔なら考えられない様な返答だった。昔は弱くて何も出来なくて、ただ息をしているだけって感覚だったから自分が嫌いだった。

 でも、少しずつでも自分を好きになる努力をしてきたからか、ちょっとずつ自分を認められる様になった。

 大好き!!……までとはいかないが、ちょっと好きって感じだ。


「ねぇねぇ、会社の男性の中で誰がタイプ??」


「う〜ん。そうですねぇ〜……」


 会社にいる男性の面々を思い出して考えると先輩に伝えた。


「新しく入って来てくれた上司がタイプです!!」


 その上司は他県から新しく入ってきてくれた上司だった。会社の偉い人と、私達部下のイザコザを収める潤滑油みたいな感じの人だった。


「君はアホだけど、文章をまとめる能力があるなぁ〜」


 新人さんに教えるために、自分が昔とっていたノートを持ってきていた。そのノートを見て褒めてくれたのが凄く嬉しかった。なんだか……頑張りを認めてくれた様な気がしたからだ。


「なんだか懐かしいなぁ〜……」


 地雷が過去を思い出して独り言を言っていると、先輩が噂の上司に地雷のタイプの話をそのまま伝えた。


「なんかタイプだそうですよ!!」


 上司は困った顔をしながら……地雷の前で言った。


「すまん!! 俺、嫁がいるんだ!! ホント、ごめんな!!」


「いやいや……知ってますよ!!」


 またこのパターンか!!なんで告白もしてないのに、一方的にフラれた!!……みたいになってるん!?!?

 先輩はその様子を見て、ゲラゲラと笑っている。


「いや、なんか……告白してないのに、フラれる! みたいなこの状況! 虚しいんでやめて貰えますかぁぁ!!」


 あれ??でもこのパターン。前もどっかであったはずなんだけど……いつあったっけ??


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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