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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第二章
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バラの使い手


 ローズさんはバックに薔薇を背負っていた。


「こんにちは皆さん! 初めまして! ローズです!」


 ローズさんは背景ではなく、本当に薔薇を背負っていた。綺麗な制服の肩パッドから薔薇が生えている。


「趣味はガーデニングです」


 ガーデニングが趣味だからって、肩パッドから薔薇を生やしている人を地雷は初めて見た!!顔を動かしたら棘が顔に刺さりそうだ!!


「私の家族を紹介します。メガネと、トラと、ハルです」


 眼鏡をかけた冒険者と、虎のモンスターが二匹仲良くじゃれあって遊んでいた。とても仲が良さそうだ。


 

「では、実際にモンスターと戦って頂き、観客にアピールして頂きます!!」


 司会のお姉さんが叫ぶと、会場の床が開いてモンスターが出てきた!!大きい巨人みたいなモンスターだ!!


「では! 始めっ!!」


 モンスターが棍棒を振り回して来た!!ローズさんは華麗に攻撃をよける!!さりげなく顔の横にある棘もよける!!


「すっ……凄い!! 顔の横にある棘にあたらない!!」


「注目する所はそこなのか?」


 ぽたんちゃんのツッコミが入る。


「うわぁあああ!!」


 メガネさんが敵の攻撃を受けて倒れ込んだ。ローズさんはすかさず彼の前に出ると、叫んだ!!


「くらえっ!! 豚バラ肉スライス!! 653円!!」


 ローズさんの周りに竜巻が起きて、豚バラスライスが飛び散っていく!! 凄い勿体ない!!

 飛び散った豚バラスライスが大きい巨人モンスターに張り付いた!!


「行きなさい!! トラッ!! ハルッ!!」


 張り付いた豚バラスライスめがけて二匹の虎が巨人モンスターに食いついていく!!


「ウヲォオオオウ!!」


 モンスターが悲鳴を上げた!効果はバツグンだ!!

 ローズさんの勢いは止まらない!!


「豚ローズ厚切り!! 698円!!」


 豚ローズじゃなくて豚ロースだよね?……という、地雷の思いはきっとローズさんには届かない!!

 彼は豚ロースを手裏剣みたいに投げてモンスターに張り付けた!!


「トラッ!! ハルッ!! 今日はご馳走よっ!!」


 二匹の虎は尻尾を振り、豚ロースめがけてモンスターに突撃していく!!


「ギャオォウオォ〜」


 モンスターは相当なダメージを受けている。ローズさんは一気に畳み掛ける!!


「さぁっ!! メインディッシュ!! 行くわよ!!」


 ローズさんは重い塊みたいなのをモンスターに投げつけながら叫んだ!!


「豚バラブロック!! 1980円!!」


 豚バラブロックがモンスターに当たり、重さでモンスターが倒れた!!モンスターに乗っかった豚バラブロックを目掛けて二匹の虎が飛びついた!!

 ……その内、豚バラブロックの取り合いになってモンスターの上で喧嘩を始めた!!


「コラッ!! トラッ!! ハルッ!! 喧嘩はよしなさい!!」


 ご主人に怒られて、二匹の虎は喧嘩するのをやめた。モンスターは見事に力尽きていた。

 ちなみに、床に飛び散った豚バラスライスは、虎達がしっかり食べて片付けたようだ。

 

「勝者!! ローズ!!」


 司会のお姉さんが手を上げながら、ローズさんの勝利を観客に伝えた。

 観客に向かってローズさんは笑顔で叫ぶ!


「火曜、土曜は、牛乳と卵の日!! 主婦の力を見せつけてやったわ!!」


 『主婦』という単語を聞いて、男性スタッフが動き出した。男性スタッフがローズさんに尋ねる。


「ローズさん……あの、もしかして女性の方ですか?」


「……そうだけど?」


「あの……すみませんが。プリンスコンテストは男性のみの参加です」


「はぁああぁあ〜??」


 横にいたメガネさんがローズさんに話しかけた。


「ほらっ! やっぱりダメだったじゃないか! 僕は女だからきっとダメだって反対したろ?」


 メガネさんにローズさんは対抗する。


「顔だけのイケメンより、いつも頑張ってる主婦の方が、よっぽどイケメンじゃない!?」


「いやまぁ……それはそうだけど」 


 有無を言わさず、ローズさんは男性スタッフ二名に引きずらる形で会場を後にした。


「いつも家が綺麗で、美味しい料理が出てくる事を、当たり前と思うな!! バカヤロー!!」


 ローズさんは失格になってしまったけれど、多くの主婦を味方につけたと思う!!主婦(主夫)は、当たり前に思われがちな仕事だけど、そんな事はない!!

 全国の主婦(主夫)はイケメンだっ!!間違いない!!


 

「ローズさんも楽しい人だったね! 今度料理教えて貰おうかなぁー!!」


 地雷が楽しそうに言うと、ぽたんちゃんは何だか複雑な表情でつぶやいた。


「うちのチームは本当に変わっている奴が多い……もしかして、私も……変わっている……のか??」


 思い悩んでいるぽたんちゃんをよそに、地雷はローズさんの真似をしていた。


「豚バラ肉!! 698円!!」


 自分の腹の肉を摘みながら、ラスボスに言ったらラスボスが吹き出した。


「創造主様!! さすがにそれは食べられません!!」


 三人はこんな感じで平常運転だったが、ライルンはだいぶヤバい状態になっていた。会場裏の隅の方で体育座りをして、床を見ながらなにやらブツブツつぶやいている。


「僕は雷神……僕は雷神……大丈夫……大丈夫……僕は雷神……」


「えっ? ライ人??」


 地雷の声も届いていない様だ。凄い緊張してる……。大丈夫かなぁ??


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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