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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第一章
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アフターズパーティー


「なぁなぁ! 最近デビューした即席レンジャーの総選挙、誰に投票した?? やっぱりピンク!?」


 楽しそうに冒険者が仲間達と話している。


「俺はブルーかな?? あの強そうな女王様感がたまらない!! しっかりしてて気の強そうな所もいいね!!」


「いやいや!! セレブアイドルのイエローでしょ?? あのゴージャス感がアイドルって感じじゃんか!!」


「グリーンも、守ってあげたくなる感じで可愛いよね!!少女感が残ってて、見ていると癒されるよ〜」


 ワイワイ話している所に、一人の男性がちょっと怒り気味に彼らに言った。


「ねぇねぇ……、一人忘れてない??」

 

 冒険者の一人がポカーンとしながら言った。


「……誰かいたっけ?」


 男性は余計プリプリしながら彼らに言う。


「レッドがいるでしょーが!!」


「あ〜……。いたね! そんな人〜!」


「なっ、何だとぉ〜!!」


 男性が冒険者のほっぺたをつねった。


「イダダダダ……。何すんだよぉーー!!」


「僕はレッド推しなんだ」


「えぇっ!!」


 冒険者達はびっくりしながら男性を見る。


「なんて言うか……意外とマニアックなんだな」

 

「……そうさ!! 僕はマニアックさ」


 先生はニヒヒッと笑いながら答えた。




 

 『壊れかけのRadio』を準備しつつ、ハセフォは一人の男を不憫そうに見つめていた。


「やっ、やめろっ!! そんな目で俺を見るなっ!!」


 チムリは震えながら叫んだ。泣いていたかもしれない。

即席レンジャー総選挙で見事一位を獲得したチムリは強制的にイベントに参加させられた。しかも一人で!!


 

「今日は特大イベントだからメイクも衣装も張り切っていきましょーー!!」


 例の如くミユキさんがメイクと衣装を担当する。今回はラブリーなピンクのラメラメキラキラロングドレスだ!!

ツインテールの部分にはハートのティアラが輝き、腰の部分には長いロングリボンがなびいている。


 今回の即席レンジャー総選挙、他のメンバーに差をつけぶっちぎりでピンクが一位だった。その後、ブルー、イエロー、グリーンが同じ位の票数……そしてレッドは安定のビリだった。


「✳︎✳︎✳︎に負けるなんて私もまだまだね……」


「お願いヤメテ!! その言い方!!」


 ミユキさんに泣き言を言うチムリ。チムリの気持ちとは裏腹に、イベントは大喝采で幕を開ける。

 ミユキさんが貸し切った城みたいな建物の窓からチムリを乗せた飛竜が高く円を描く様に飛び回った。


「さぁ、皆様!! お待たせ致しました!! ハセフォの『壊れかけのRadio』始めていきましょう!! 今回のスペシャルなゲストは即席レンジャー総選挙!! 堂々第一位の✳︎✳︎✳︎だ〜!!」


 ハセフォがチムリを紹介すると、ファンの叫び声が空に響いた。

 

「うぉおおおー!! ピンクの聖女キター!!」


「可愛いっ!! 可愛いすぎるーー!!」


「聖女ヤベー!! 俺の心が癒されるーー!!」


 口々にチムリを褒めたたえる。飛竜が低空飛行になるとチムリが営業スマイルでファンにファンサービスした。口元がピクピクしてて苦笑いだ!!

 近々、ストロングパープルのヒトミちゃんも入隊する予定で楽しみだ!!ヒトミちゃんもノリノリでつけ爪を強化して磨いているらしい。

 地雷はというと、ビリでもうアイドルとは言えないので裏方で、レッド応援団長を務める。


「レッドって主役なのに人気ないわね」


「グサッ!!」


 隣にいたそるとちゃんにかいしんの一撃をくらう!!気を取り直して全力でチムリを応援し始めた。


「✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!」


「✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!」


 地雷の応援に合わせて、他のファン達も一斉に応援を始める。そして世界に美しい花畑が広がっていく……。


✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!

✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!

✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!

✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!

✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!✳︎✳︎✳︎!


 それと同時に、ハセフォが叫んだ!!


「皆様絶好調ですね! 『もう棺桶運びたくない』さん!見ていますでしょうか?? フラグ回収!! フラグ回収ですぅ〜!!」


 空から『フラグ回収』というビラが沢山落ちてきた。ファンはますます大騒ぎだ!!


 

 魔法使いはドンチャン騒ぎしながらお花を撒き散らしているイベント会場を見てつぶやいた。


「なんて……なんて汚い花畑……」


 下を向いて軽くため息をつく。


「はぁ〜……」


でも魔法使いは、ちょっと笑いながら続けて言った。


「……でも、まぁ、悪くはないですけどネ」


 笑ってたかどうかは、顔は見えないから多分だけど!!


〜第一章 完〜

読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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