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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第一章
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夢から覚める


 目が覚めたら、コントローラーを持ちながら寝落ちしていた。まぁ……いつもの事だ。テレビ画面には『ログアウトしました』の文字が表示されている。

 それにしても、妙にリアリティのある夢だった……。


「今、何時だろ??」


 時計を見たらもう昼だった。地雷には……あまり時間という概念がなかったけど、今日からは、違う気がする。


「髪を切りに行こう……」


 かれこれ二ヶ月は家の外に出ていないので、前髪がのれんみたいになっている。一発ギャグとかは出来そうだがこのままでは世間的にいただけない。


 髪を切ってのれんから現代人にレベルアップして、近くの本屋で履歴書の書き方の本と、履歴書の用紙を買った。

これでいつでも履歴書を書ける!!

 夜に、いつもみたいにゲームに入って遊んだ後、そるとちゃんに宣言した。


「明日は履歴書を書くからログイン出来ないかも」


「……えっ?」


 そるとちゃんはびっくりしていた。そりゃそうだ……今までタブーみたいになってて、そんな話はあまり出ないからだ。気を遣ってくれていたのだろう。

 後、そるとちゃんに宣言したのは自分的に追い討ちをかける為に言った。そるとちゃんに宣言する事でちゃんと履歴書を書く覚悟を作る為だ。


「そう。あまり無理しない様にね」


 そるとちゃんは笑いながら言ってくれた。


 

 朝になって履歴書とにらめっこをした。とりあえず穴埋め形式で埋められる所から埋めていく……。まぁ、なんというか……比較的白い履歴書だ。黒歴史たる地雷戦士なので当たり前といえば当たり前かも知れない。

 だいぶ前に、ハローワークの人に真っ白な履歴書を提出したら『出来るだけ空白を埋めて下さい』って冷めた目で言われて心が折れた事がある。

 だが、今回はここで折れてしまったら前回と同じなのでなんとか打開していく。先生の為!そるとちゃんの為!頑張るのだ!!

 

 そうそう!そういえば社会というのはグレーで出来ている。全部白!とか全部黒!とかはない。

 人の感情も一緒で『友愛』『恋愛』『家族愛』この間のメーターを行ったり来たりしている。(ダメンズは除く)

しかも日によって、その時によって、変わったりする。相手が今メーターのどの辺りか予想して、相手のメーターと同じ位置に合わせるとよい関係になれる。

 自分のメーターが『友愛』『家族愛』の時はいいが、『恋愛』の時が少し厄介だ。相手のメーターが『恋愛』じゃなかったりすると合わせるのが辛いのだ。

 でも、安心してくれたまえ!!実は解決策がある!!どんなにどんなに相手が好きでも、メーターがずっと『恋愛』にいる事はないのだ。いつか『友愛』か『家族愛』になっていく。

 だから恋がもし辛い時は『相手をもっとよく知る為に好きになっている』……と考えて、その気持ちを大事にすると良い!!辛すぎる時は、一旦相手から離れて心が落ち着くのを待つのも手だ!!

 まぁ、偉そうに力説したが……だてに『ダメ男製造機』ではないっ!!大体、魔法使いみたいにテンポズレぎみに反復横跳びしてて相手に合っていない!!


「ぶふっ……」


 何故か二人の魔法使いが『カバディ! カバディ!』とか言いながら対面でテンポズレぎみで反復横跳びしている場面を想像してしまった……。二人共見事にテンポがズレズレだっ!!


 ……だいぶ話が脱線してしまったぁ!!要するに……真っ白な履歴書!黒歴史な地雷戦士!混ぜ合わさってグレーな履歴書!が完成した。

 なんだこの得意な事『整理整頓』って……。嘘つけ!!三段ボックスに物を詰め込む位しか脳がないだろっ!!

 ……だが、それで良いのだ。本音と建前は必要!!


 後日、履歴書を持って、ハローワークに凸した。今回は真面目に書いたから大丈夫らしい!!よかった、よかった!!

 コミュ障でも大丈夫そうな求人を探し、ハローワークの人に面接の電話をして貰った。こうなればあとはもう当たって砕けろだ!!砕けたら心折れるかもだけど……。


 いよいよ面接の日になった。ちなみに、お掃除の仕事を選んだ。志望動機は『整理整頓が得意だから』って事にした。とても『コミュ障だから』とは言えない。

 眼鏡の優しそうな男性が面接官だった。順調に質問に的確な答えで返答していく。いい感じ!!

 だがしかし、かいしんの一撃をくらう……。


「この、空白の期間は何をしていたんですか?」


 やばい!!マジで何も考えてなかった!!


「あっ、えっと……家の手伝いをしていました」


 嘘じゃない!!嘘じゃないけど……これ以上突っ込まれたらアウトだっ!!


「あっ、そうなんですね〜」


 それ以上は聞かれなかった。


「あっ、そうそう! 血液型は何型ですか?」


 けっ……血液型!?!?


「えっ……Aですけど……」


「あっ、そうなんだ〜。僕もA!!」


 謎の血液型質問で面接は幕を閉じた。結果は一、二週間後に郵送で送ってくるらしい。

 自分的には頑張った!!仕事が決まれば今までみたいにゲーム出来なくなるので合否がわかるまで全力で遊んだ!


「よく、頑張ったね!」


 そるとちゃんも嬉しそうに褒めてくれた。


 後日、待ちかねた合否結果の手紙が届いた!

 結果は……『採用』だった!!

読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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