転生しても地雷だった件
あぁ!またこのパターンですね!!ごくたまにあるヤツだよ!!夢の中で夢を見ていると自覚するやつ!!明晰夢というらしい。
……それにしても。凄いリアリティのある夢だ!!
「転生しても地雷だった件!! うぉおお〜い!!」
一人でツッコミを入れる!!こんな事なら✳︎✳︎✳︎✳︎ぷるんぷるんのお姉様キャラにすればよかった!ちくしょうめぃ!!
あまりにもリアリティすぎる夢の為、流石の地雷も動揺した。家の中を左右に行ったり来たりして。
「……あんた、大丈夫?」
気付いたら隣に住んでるそるとちゃんが来てくれていた。動揺しすぎていて気付かなかった。
「そるとちゃん! そるとちゃん! 転生しても地雷だった件!!」
いや、まじで何を言ってるんだろう。そるとちゃんは地雷を見ると抱きしめてくれた。
「大丈夫よ。とりあえず落ち着いて。今、現実にここにいるのはあなただけじゃないわ。このゲームをプレイしているみんながここにいるのよ」
「……はっ!?」
「とりあえず座りなさい」
「はい」
そるとちゃんから衝撃の話を聞いた。冒険者が現実世界にいるみたいにゲームの世界にいる事、ぽたんちゃんが心配して様子を見に来た事、街が大変で私達冒険者が大ピンチって事……。なんかもうお腹一杯になってきた。
家の外に出たら見慣れたゲーム画面がフルスクリーンみたいな感覚で広がってて、そるとちゃんの話が現実味を帯びていく……。
「お……おっふ」
「とりあえず私達も街に行って戦いましょう! 装備、スキル、準備をして!!」
「わかった!」
街に着いたら着いたで冒険者が混乱していた。沢山の叫び声が聞こえてくる。
「一体、何なんだ! 何なんだこの状態はっ!!」
「キャーッ!! なんか生えてるっ!!」
「俺のっ!! 俺の✳︎✳︎✳︎がないっ!! 俺の✳︎✳︎✳︎がっ!! 大事な息子がっ!!」
叫びながら敵と戦う人、下半身をまさぐる人、胸をモミモミしている人……様々だ!!
地雷の戦力なんて、焼け石に鼻水みないなものだが、とりあえず頑張って敵を倒してみる!!こちとらレベル上げは得意だ!!
でも、倒しても倒してもブラックホールみたいな穴からモンスターが沢山出てくる。……なんだありゃ??
「あれはきっとバグね」
そるとちゃんが言う。
「バグってどういう事??」
「現実世界で起こってるバグを、私達は体験しているのよ」
つまり現実世界ではきっと今、運営が緊急メンテをかけているはずだ。きっと多分おそらく……。
「いつ、現実世界の緊急メンテ終わるのかな?」
「……さぁ? いつもの調子なら半日〜丸一日かしら?」
「それまでこの状況か……」
つまり持久戦という事だ。冒険者の持久力が勝つか、モンスターバグの持久力が勝つか……。
正直、敵は一向に減らない。明らかに向こうの勢いが強い気がする……。生身の人間には正直、キツい。
敵の多さに弱気になっていたその時!!
「シャイニング レイン!!」
美しい光が天から降り注ぎ、敵を直撃した!!
「ミミちゃん!!」
「お待たせしましたっ! 助太刀いたします!!」
続々と援軍が到着する。
「さぁ、寄っておいで! シメサバのセクシーショーの始まりよっ!!」
シメサバはラメラメの紙吹雪を散らしながら、ミラーボールの服をチカチカ照らし、爆音でBGMを流した。腰をクネクネさせて扇を振って、ノリノリで踊りだす。
「さぁ、あなたもっ! あなたもっ! ご一緒に!」
……なんと!敵がつられて踊り出した!!これはいい戦法かも知れない!!なにげにミミちゃんのシャイニングレインと相性が良くて、光が当たると更に演出が派手になった。
「キャアッ!! 敵が沢山いるわっ!!」
「ヒトミちゃん! 僕の後ろに下がって!!」
ヒトミちゃんは彼ピと来たみたい。彼ピは果敢に戦っているようだ。ヒトミちゃんは爪で応戦していたが、埒が明かなくなったみたいで蹴り技を使う様になっていく……。
「……でぇいやぁああ!!」
悪い予感が的中して、壁に跳ね返ったモンスターが彼ピに直撃する。
「ぐぁああぁああああ〜〜〜!!」
「かっ……彼ピッ!!」
彼ピを優しく抱きしめるヒトミちゃん。両目から大粒の涙が溢れる……。
「だっ、誰がっ!! 誰がっ!! こんな酷いこと……」
……えっと。あなたです。
「もう全員! ボコボコに564てやるわっ!!」
敵を蹴り飛ばしながら叫び、敵を敵で攻撃していく。順調に敵を倒し、そして味方も倒して……。本当に全員ボコボコにしていた。ヒトミちゃん強っ……。
「うぉおおーっ!! ……ブラストっ!!」
風の様に走る少年が現れた。Now loadingだ!!止まる事を知らない疾風の少年は魔法を詠唱中も足踏みをしていた。まるで急いでいるのに信号待ちで捕まっているサラリーマンの様だ。詠唱中ぐらいは立ち止まっても良いものだと思うが彼にとってはそれも許せないのだろう。
「さぁ、ご褒美タイムの時間よ!」
ミユキさんが牛みたいな頭をしたモンスターのケツを叩きながら札束をバラまき始めた。金に群がるモンスター。どうやらマネーパワーはモンスターにも有効らしい。
牛モンスターとボディーガードは仲良く交互にケツを出して並び身悶えていた。叫び声も交互だ。
「モーゥ! ガマンデキナーイ!」
「グゥレイト!!」
しばらくすると空からビラが落ちて来た!!何々??『ドッキリ大成功』!?まさかドッキリだったのか!!
ちょっと悪質なイタズラかもだけど、ドッキリで良かったぁ〜。周りの冒険者も、なんだか少し緊張が解けたみたい。
「冒険者の皆様! いつもありがとうございます! 運営警察です! この度はドッキリイベントに参加して頂いてありがとうございます!」
運営警察の放送が入る。なんだか少し、リュウさんの声に似ている気がする。
放送が入ると、冒険者のブーイングが始まった。
「運営め! 実は不具合だろっ!!」
「どうせ人件費なくてプレイヤーにテストプレイさせてたくせに!!」
「きっとそのうちいつものマタメンテさ!」
「私が賢者でないのも不具合だー!!」
ちょっと待て!!最後のは不具合じゃねーだろ!!
運営警察の話はまだ続いた。
「なぉ、こちらはバーチャルバージョンとなっておりまして月額一万円を予定しております。皆様を騙してしまったお詫びと言ってはなんですがしばらくバーチャルな世界観をお楽しみください」
冒険者の反応が変わる。
「なんだとっ!! 運営神っ!!」
「確かにこの感覚はリアルだっ! 三ヶ月に一回位なら課金してもいい……」
「実際に現実世界かと思ったぜ!! やるな運営!!」
「うぉおおおーー!! 神ッ!!」
月額一万円を体験出来ていると知ると、みんなお祭り騒ぎだ!!ミコトも楽しそう……。お前も戦えよ!!……何しに来たんだコイツ。
横にいた冒険者がアヘ顔で✳︎✳︎✳︎✳︎がポロリしそうな勢いで胸を揉んでいた。
「こっ、この✳︎✳︎✳︎✳︎なら月額一万円の価値あるっ!!」
ゲームの楽しみ方は人それぞれだけど……。なんだかゲスぃなぁ〜。
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