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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第一章
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はじめまして!地雷戦士です!


 街に入ると沢山の冒険者達で賑わっていた。綺麗なスタイル抜群のお姉さん!!キリッとした目がカッコいいお兄さん!!あぁ〜壁ドンされてみたい!!

 ……じゃなかった!!えぇ〜っと、私の目的は!!


 街に入ってすぐそばにある教会で、ある人物を探す。相方のそるとちゃんだ!!長い間面倒をみてもらっていて、もう十年位一緒にいる。

 なにがあってもそるとちゃんがいれば安心で、地雷はもう立派な腰巾着だ!!


「そるとちゃ〜ん!!」


「やっと来たわね。あんたはいつも遅いのよ」


「ごめんごめん! ちょっと昼寝してたから」


 待ち合わせ場所で落ち合った後、街を並んで歩く。そるとちゃんは歩く美術品みたいに美しくて、いつも輝いて見えた。


「ねぇ……その、装備なんだけどさ……」


「かっこいいでしょ!! 色んな職業で使える装備なんだって!! マジ経済的!!」


 自分的カッコいいポーズ!!そしてドヤ顔でそるとちゃんに披露する。

 

「だっ、だっせぇええ……」


 よくよく考えたら地味な系統の防具になるのかも知れない。でも強そうな防具は防具に着られている感じがして、気後れしまうのだ。


「この装備、なんか凄く親近感わくの!!」


「装備に親近感求めないでください!! はぁ〜もう、いいわ。恥ずかしいので私じゃないし」


「今日はBOSSを倒すって言ってたよね?」


 初心者向けのBOSSみたいなんだけど、氷を吐いて攻撃してくる龍らしい。それなりに強いからちゃんとスキルをとっておきなさい!……って言われたっけ。

 

「それでちゃんとスキルはとってきたんでしょうね?」


「うん!! 底上げスキルバッチリとってきたよ!!」


「武器スキルは?」


「武器スキル???」


「……」


「……」


 崩れ落ちるそるとちゃん。なんかもうコントみたいになってて、綺麗な人なのに台無しだ!!


「スキルとりなおして来なさい!!」


「いや、それがね!! 装備強化しちゃったらお金なくなっちゃって……」


 頭をぽりぽりかいてバツが悪そうに地雷がつぶやく。


「くそだせぇ装備強化すんなよぉおおおーー!!」


 そるとちゃんの叫びが響いた。


 そるとちゃんをなだめ(?)ながら酒場を目指して歩く。教会からわりと近い場所に酒場はあった。扉の近くに行くとなんだか楽しそうな音楽が聞こえくる。

 扉を開けると冒険者達が美味しそうに料理やお酒を堪能していた。


「お腹すいたなぁ〜。なんか食べてきていい?」


「今からBOSS倒すんだよね?」


「あっ、うん」


 そるとちゃんが地雷をにらむ。

 酒場ではお金を払って冒険者を雇う事が出来るらしく、手慣れたそるとちゃんが手続きをしてくれる。さわやかイケメン戦士と可愛い回復職の方が来てくれた。


「よろしくね!」


「よろしくな!」


「よろしくお願いします」


「よろしくです!!」


 事務的な挨拶をすませ、BOSSのいる場所に急ぐ。最近は移動魔法があるから遠くの場所までひとっ飛びだ。なんて便利な世の中だろう。


「すみません、この子は悪い子じゃないのですが……まだ初心者で迷惑をかけるかもしれません。よろしくお願いします」


 二人のメンバーに深々と頭を下げる。なんか保護者みたいになってるな……。

 ……いや、なってるわ!!だいぶ前から!!


「全然、大丈夫!! オッケー!! オッケー!! 俺が倒してあげるから安心しな!!」


「ピンチの時は私が回復するから安心してね!!」


 なんて優しい人達なんだろう!!私もちゃんと感謝の気持ちを伝えないと!!


「ありがとう!! 僕、悪い地雷じゃないよ!!」


「……」


「……」


 なんかちょっと沈黙になった。


 そんなこんなでいよいよBOSSと対峙する事になった。体当たりしてきたり、地面を揺らしてきたり、氷の魔法を口から吐いてきたりした。

 

 とりあえず地雷がどこまで戦えるか試してみよう!!通常攻撃を龍に仕掛ける。


ガチン!!


 鈍い音が響く……。イケメン戦士さんとそるとちゃんはザクッ、ザクってなんか美味しそうな音がしているのに。私はガチンガチンだ!!


 めっちゃはじいてるぅううう〜!!砥石とかで砥いだらちょっと違うのかな?でも戦闘中、包丁砥ぐみたいに正座で砥ぎ出したらきっと怒られるよね??


 仕方ないのでMP回復薬(小)を味方にまきまくった。金欠で高いMP回復薬がないんです。ちょっとそるとちゃんが怒ってるような気がするが。気のせいだよね……??うん、きっとそうだ……。

 そんな感じで暇を持て余してたら龍が口から氷を吐こうとしていた。そるとちゃんが地雷に向かって叫ぶ。


「龍にアタックして行動キャンセルよ!!」


「わかった!!」


 龍に近寄り攻撃キャンセルを仕掛けようとしたその時だ!!となりからめっちゃいい匂いが……。

 イケメンのフェロモンの匂いだった。自然とイケメンの匂いを嗅いでしまう……。スーハースーハースーハー!!もっと嗅がないと!!もっとぉおおお!!!

 

 地雷はアタックを成功させ、行動キャンセルに見事成功したのである。そう……イケメン戦士の行動を。

 イケメン戦士はよろめき、地雷と一緒に敵の氷の攻撃をモロにくらう!!


「グハッ!!」


「ギャッ!!」

 

 ダメージを受けて、ゆがむイケメンの顔は最高だった。イケメンはどんな顔しててもイケメンなんだな。

 その後、BOSSはなんとか無事倒す事が出来たのだが……微妙な雰囲気がパーティ内で漂っていた。


「いや〜……味方に魅了されるなんて思ってなかったよ!! まさか味方にやられるなんてぇ!!」


――スパコーン!!


 そるとちゃんに凄い勢いで頭をはたかれた。


「あんたが言うんじゃないわよ!! あんたがっ!!」


 その後、パーティを組んだ人にめっちゃ謝りながら、その後BOSSより怖いそるとちゃんにめちゃくちゃ怒られたのだった。

 


 

 


 





 

 

読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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