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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第一章
15/125

類友


 『難易度レベルSSクラス隠しダンジョン樹海』を何日も何日も何日もかけて攻略中だ。

 無駄に難易度レベルが高いのはミコト(もはや呼び捨て)がせっかくまとめたゴミ袋をまた開けて物を物色するからだ。これをやめさせる説得をするのに時間がかかる。

 やっと物を手放す覚悟が出来たと思ったら、今度は高く売れる場所でバザーに出したい!とか言う……はぁ。

 彼女の根本的な考え方を変える必要があるので、肝心な事を復唱させてみた。

 

「いいか? 時は金なり! お金より時間の方が大事!! はい、言って!!」


「いいか? 時は金なり! お金より時間の方が大事!! はい、言って!!」


 全部、復唱してどうすんだ!!肝心な所だけ言え〜!!

 ダンジョンを攻略してたらそるとちゃんからお誘いが入った。


「なんか最近ずっと同じ家にいるけど、あんた何してんの? フレとレベル上げ行くけど来る?そっちも二人だし」

 

「行く行く! 気分転換したい!」


 このままずっとやっていたら気がどうにかなりそうだ。攻略を中断してミコトも連れて、そるとちゃんの元に急いだ。


 そるとちゃんの所に行くとギラギラした鏡を貼り付けたようなドレスを着たアフロヘアの踊り子がいた。頭にはエラがついてる様なカチューシャ、手には羽根のついた扇を持っている。


「こんにちは! 世界一、魅力的な魚、シメサバです!!お魚ネームなフレンド大募集です!! よろしく!!」


「こんにちは! 世界一、魅力的な黒歴史、地雷です!!イケメンなフレンド大募集です!! よろしく!!」


「こんにちは! 世界一、魅力的な賢者、ミコトです!!

樹海攻略可能フレンド大募集です!! よろしく!!」


 三人の息ピッタリな自己紹介を聞いてそるとちゃんの顔が歪んだ。


「こんにちは……。そるとです」


 だんだん話してたら誰が一番魅力的なのか!?という部分で議論に発展した。三人が三人、世界一を名乗っているので無理はない。


「踊り子でアフロなシメサバが一番魅力的だよ!」


「いやいや、花火みたいに電光石火な地雷が一番だよ!」


「なにを言っている! ヒスイの塔の主が一番でしょ!」


 三人でハモりながらそるとちゃんに聞いてみた。


「ねぇ!! 誰が一番魅力的??」


 そるとちゃんが吐き捨てるように言った。


「全員、醜い……」


 そるとちゃんは安定の塩対応だったので実際に敵で検証する事になった。敵が完全に魅了状態になってから攻撃するというルールにした。


「……ずっと攻撃出来なさそう」


 なんだかそるとちゃんがうなだれている様に見えるのはきっと気のせいだ。

 今回のレベル上げの場所は暗闇にいるモンスターみたいで、ランタンが必要だからってそるとちゃんがあらかじめ用意してくれた。

 洞窟みたいな場所になっていて地下にどんどん降りて行く様なダンジョンだ。そるとちゃんのランタンを頼りにだいぶ下まで降りて目当てのモンスターがいるエリアに来た。

 先手必勝で地雷が叫ぶ!


「エントリーナンバー1番! 地雷戦士! 行きまーす!」


 我流の踊りを披露する。剣の舞だ。

 

「チャチャチャチャチャチャチャチャチャラチャチャチャラチャチャチャラチャラチャラチャラチャ〜チャ〜ラ〜」


 敵は不意をつかれた。


「エントリーナンバー2番! ミコト! 行きまーす!」


 敵をナンパし始めた。


「ねぇ、彼女?俺とお茶しない?? 見てよこのカバンに

詰まったビッシリのお守り! 一ミリの隙もないぜ!!」


 敵は混乱している。


「エントリーナンバー3番! シメサバ! 行きまーす!」


 敵の前でバブリーダンスを踊った。


「スイッチ!オーン!!」


 彼女が叫ぶと服がミラーボールになって辺りを派手派手に照らした。エラのカチューシャからBGMが流れる。持ってる扇を左右に振って踊り出した。この演出は卑怯だ〜!


 敵が逃げ出した。


 なんだか三人共楽しくなってきた!!シメサバちゃんの派手派手ミラーボールとBGMでノリノリダンスだ!!

 レベルは上がらないけど!!凄い勢いでテンションは上がっていく!!今ならどんな敵とも渡り合える気がする!!

 ……まぁ、敵いないけどな!!


「……アホらし、帰ろ。」


 そるとちゃんが急用みたいでパーティーから抜けた。

 それから30分位ドンチャンやってたんだけど、シメサバちゃんが腕時計を見て突然叫んだ。


「おったまげ〜!!」


 いきなり叫ばれたからちょっとびっくりした。


「いきなりどうしたの??」


「シメサバ!! 18時からネルトンパーティ!! ケツカッチンなんでお先にドロンしまーす!! ごめんなチャイナ!!」


 そう叫ぶと颯爽とパーティーを抜けて帰って行った。ケツカッチン?ネルトンパーティ?って何だろう??とか思ってたら暗闇だった。


「……あっ」


 ミコトと二人、暗闇に取り残された。地雷、たいまつとかランタンないや……。


「ミコト、なんか灯り持ってる?」


「ないっ!!」


 元気一杯にミコトが答えた。あぁ……。コイツのカバン一ミリの隙間もない位、全部お守りだったわ。ミコトに聞いた地雷が馬鹿だった……。


「おーい!! 誰か助けて〜!!」


 地雷の声が洞窟に響いた。

 

 



読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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