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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第四章
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若さを求めた訳


「では、未来のライルさんを呼びますね」


 そう言うと、鍵の形をしたチャームが段々と大きくなり、パステルちゃんと同じぐらいの背丈のあるステッキに変わっていった。


「では、力を解放するので皆さん下がっていて下さい!!」

 

 パステルちゃんはステッキで魔法陣を描き、天にかざすと大声で叫んだ。

 

「生と死を司る我らが神よ!! 聖剣……ライルンバーの名の元に……我に力を与えたまへ」


 魔法陣が光だし、突風が吹き荒れる。


「いでよ!! Death god Prince!!」


 ――ガラガラピッシャーン!!


 沢山の稲妻の光が何通りも起こり、何十人ものライルンが上空に召喚された。その姿はまちまちで、呆然としているライルン、箸を持っていてご飯を食べようとしていたライルン、パジャマを着ているライルン、パンツ一丁で多分これからお風呂だったライルン……沢山のライルンが集まった。


「あぁ、未来の僕って……一体何回、この場に駆り出されるのでしょうか……」


「あの……ライルさん、これ使って下さい」


 チートさんがライルンにハンカチを渡す。ライルンはハンカチを受け取ると、お礼をいってハンカチで目元を拭いていた。


「よしっ! いきますよ!! 未来の僕達!!」


 ライルンは上空にいる未来の自分自身に向かって言うと、未来のライルン達はうなずいた。

 神の力により、女性の影の敵はいなくなり……残りは綺麗なお姉さんだけになった。けれどお姉さんは上空に飛んでいき、ライルン達の攻撃を巧みにかわしていく。


「なんで、攻撃が当たらないの??」


「あの女性……すばしっこいんですよ!」


 あぁ……敵がすばしっこいというより、どのライルンも攻撃のテンポがズレ気味で当たらないんだよね。そういう所は、今も昔も変わらない。


「なんとかしないと……」


 私がそう思った瞬間!!今まで地味な剣だった聖剣が傘の形に変わった。


「えっ!? 聖剣が変形した……今、このタイミングでなんで??」


 そう思った瞬間!!一つの名案が浮かんできた。


「ねぇ、チートさん!! 錬金釜のフタって大きくならない?? 私が乗るぐらいの大きさに……」


「えっ? 錬金釜のフタァ??」


 私が言うと、なんと錬金釜のフタだけが姿を現した。凄い大きいフタになり、私が乗れるくらいの大きさだ。私は錬金釜のフタの上に乗るとチートさんにお願いした。


「チートさん!! フリスビーみたいにして、私を上空に飛ばしてくれない??」


「フリスビーみたいに!? 地雷さん重いんだし……そんな事出来るはずが……」


 半信半疑で錬金釜のフタを持つチートさん。もちろん、地雷は錬金釜のフタに乗ったままだ。


「嘘だ……凄い、軽い。これなら上空に飛ばせそう」


「さすがチートさん!! 上空に飛ばして!!」


 チートさんは思いっきり力を入れてフリスビーみたいにして地雷を上空に飛ばした。普通なら考えられない軌道で上空に上がっていく。すんごい勢いでグルグルして目がまわるけど、三半規管は鍛えてあるから大丈夫!!

 誰よりも高い所まで上空に上がると傘を上にブン投げて叫んだ!!


「ほらっ! お望み通り!! 聖剣だよっ!!」


 聖剣を投げた瞬間、女の人が凄い勢いで聖剣を取りに行き、そして……聖剣を手に取った。


「今だ! ライルン!!」


「サンダーボルト!!」


 今までテンポズレ気味だった雷が、丁度いい感じで傘になった聖剣に集まってくる。

 なんだか、集まっていく所が凄く綺麗で、思わず見惚れてしまった。夜空に流れる雷の流れ星みたいだ。


「キャアアアアァアア!!」


 綺麗なお姉さんは雷の攻撃をくらい、気を失った。落下していく私とお姉さんを、未来のライルンが受け止めてくれる。


「大丈夫ですか??」


 そして私は見てしまったのだ……。ライルンの素顔を……見て……しまった。


「ぐはっ!!」


 思わず鼻血が出てしまい、貧血になって私も気を失ってしまった。あぁ……せっかく見れたイケメンの顔だというのに、ぼんやりとした記憶しか残らない……。


「あぁ……イケメンが……」


 未来のライルンが私を地上に降ろした時、私の鼻血を見てチートさんとパステルちゃんが駆けつけた。


「どうしたんだ!? 敵にやられたのか!?」


「お姉ちゃん!! どうしたの??」


 薄れゆく意識の中で、二人の言葉だけが響いてくる。チートさん……敵ではなく、味方にやられました。



 ◇



「永遠の……若さが欲しかった。ただそれだけだった。だって若さがないと選んで貰えないんだもの」


 綺麗なお姉さんはポツリとつぶやいた。話を聞くと、結婚したいけど選んで貰えずに歳をとってしまった。若い子はドンドン結婚していくのに、自分だけおいていかれる様な気持ちになったという事だった。


「私も遅かったよ。凄い焦ってたから気持ちわかる。でも、凄いわかったんだけど……卑屈になったり、嫉妬心出したりした方が上手くいかなくて余計にダメなんだよね」


 そうなのだ。そういう時ほど自分を大事にしなくてはいけない。周りを見るんじゃなくて、自分を見る……そうする事が大事だなと思う。そうしたら、私みたいに拾ってくれる人もいるんじゃないかなと思う。


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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