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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第四章
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プリンセスコンテスト開始


「それでは皆さん!! お待たせいたしました!! プリンセスコンテスト!! 始めさせて頂きます!!」


 司会のお姉さんの声が響き渡る。まったくなにが起こるか予想がつかない……偽りのプリンセスコンテストが始まった。


「ローズさん、順番……何番目??」


「私は8番目だ」


「ローズさんの後かぁ……私はケツから二番目だよ」


 ローズさん、一体どんなパフォーマンスをするんだろうか??個人的にそこもちょっと楽しみにしている。


「では、エントリーナンバー1番の方から紹介していきましょう!! どうぞ!!」


 緑色のドレスに身を包んだ綺麗なお姉さんが舞台の方に移動していった。……しばらくすると、美しい歌声が響いてくる。


「凄い綺麗な歌声だねぇ……」


「あぁ……心が、浄化されていく様だ……」


 こんな中で、私……参加しちゃって大丈夫なんだろうか?まぁもう後にもひけないし、やるしかないけど。美しい歌声に聴き入っていたら、予想していなかった声が聞こえてきた。


「きゃあああああぁあああ!!」


 舞台の方から悲鳴が聞こえてきたけど……何!?何かのアクシデント!?!?


「えっ!? 何かあったの??」


「声からして先ほど歌っていた女性の様だが……」


「あたし、ちょっと様子見てくる!!」


 舞台裏から舞台を覗いて見ると、緑色のドレスを着た綺麗なお姉さんはいなくなっていて、ポカンとしてる司会の人と、ざわついている観客達……。


「……んっ? どういう事??」


 私の他にもコンテストに参加する予定の綺麗なお姉さん達が舞台の方を不思議そうに見ている。頭の上をハテナでいっぱいにしていると、手首から声が聞こえてきた。


『地雷さん! 地雷さん! 聞こえる??』


『……んっ!? チートさん??』


 お姉さん方が沢山いる場所を離れて、チートさんの話に耳を傾ける。


『凄い綺麗な歌を歌っていたお姉さんなんだけど……』


『うんうん』


『途中でおばさんになって、最後にはおばあちゃんになっちゃったんだよ』


『……はぁっ?』


 途中でおばさんになって、最後にはおばあちゃんって一体どう言う事なの?訳わかんないよ!!


『えっ、チートさん……何、言ってるの?』


『俺にもよくわからなかったんだけど、ホント見た通りでさ……舞台のお姉さん、顔を隠して逃げちゃったんだよ』


『……はぁ??』


 会場はざわつき、司会のお姉さんが慌てながら会場のフォローをする。


『皆さーん!! どうやらアクシデントがあった様です!! ちょっとびっくりしてしまいましたね!!』


 ざわついていた会場が落ち着きを取り戻した。ピンク色のドレスを着た女の人が舞台の近くに急いで移動していく。


『では、気を取り直して参りましょう!! エントリーナンバー2番の方どうぞ!!』


 ピンクの可愛いらしいドレスに身を包んだ可愛げのある女性が扇を手に持って舞台の方にあがっていった。


「皆さーん! よろしくお願いしまぁす!!」


 なんとなく心配になって、私は黒マントの能力を使って透明化をはかった。

 こそこそと女性についていくと彼女の後ろにまわって様子を見る事にした。目の前には大きなモニターがあり、綺麗な女の人達が映る様になっていた。


(……あれっ? 大丈夫そう)


 そのまま様子を見ていくと、可愛らしかった女性の顔がだんだん変化してきた。

 モニターにシワのあるおばさんが、お婆さんに変わっていく様子が映し出される。


「嫌ァアアアア!! 何!? なんなの!?」


 黒マントの能力を使って、女性を助けようとしてみたけど全然元にもどらない。


(……どうして? 一体、どういう事なの??)


 呆然としているとピンクのドレスを着た女性もステージから逃げる様に去っていった。


『地雷さん……、状況わかった?』


 腕輪からチートさんの声がする。なるほど、そう言う事か!!理解したぞ!!ゆっくりとした足取りで舞台裏に戻り、透明化を解いた。


「あれっ? あれっ? えーっと……」


 さすがに司会のお姉さんも呆然と立ち尽くし、会場がまたガヤガヤとざわつく。


「あっ……あっ……あたしやめる!!」


 騒ぎを見ていた3番目のお姉さんが舞台裏からドレスの裾をつまんで逃げていった。

 騒めく会場に、立ちすくむ司会のお姉さん。3番目のお姉さんもいなくなっちゃったし、私もどうしたらいいのかわかんない。


「……なんだ? 誰も行かないのか??」


 地雷が悩んでいると、キリッとした目のローズさんが颯爽とした足取りで舞台に移動していく。


「エントリーナンバー3番! ローズ!!」


 美しい剣を空にかかげてローズさんは声をあげた。


「女性の美しさは若さだけではない、花の様に咲いて散るまでが美しさだ!!」


 透き通る声が会場に響き渡る。会場の目が一斉にローズさんに釘付けになった。


「ローズさん! いいね!! のった!!」


 私は黒マントの能力を使って、ローズさんの演出を手助けする事にした。なんとかいい具合にローズさんを盛り上げる事が出来たらいいんだけど。


「ローズさん! 何かあれば助太刀します!!」


「んっ? 本当か!? 助かるぞ!!」


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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