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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第三章
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今後の方針2


 マタメンテエルフの問題は解決したが、まだ問題は残っている。次は……現実世界に帰る方法だ。


「えっと、ライルさん。重ね重ね申し訳ないのですが、ライルさんの力で俺達を現実世界に帰して貰う事は出来るのでしょうか??」


 ライルさんは少し黙った後、なぜか言葉を選びながら返答をくれた。


「その事なんですが……出来る限り神の力は使わない様にと言われております。っとまぁ、ぶっちゃけ……こう言わせて頂くのは建前でして……」


「んっ? どういう事ですか??」


「同僚達……いえ、ペルソナ達にですね、ゲームの楽しみを奪ってはいけないと釘を刺されているんです。本人達でクリアして貰うべきであると……」


「ゲームの楽しみを??」


「はい」


 同僚達って事は……ペルソナさんは神様で、しかも複数人で役を演じていたという事か。

 ただ、ペルソナさん達はここがゲーム世界だから気を遣ってくれたのだろうけど、正直……そんな気遣いはいらない。


「俺……恋愛ゲームとかあまり興味なかったですし、付き合いでここに来たので気を遣って貰わなくて大丈夫なんですが……」


 そう言うとライルさんは焦り始めた。なんだか言いにくい事でもあるのか??


「まぁ、あの……とりあえずですね。ペルソナ達から差し入れを預かっているので、まずはこれを受け取って下さい」


「あっ、ありがとうございます」


 俺はライルさんから茶色の包み紙の荷物を預かった。ペルソナさん達から??一体……何が入っているんだろう??


「とりあえずですね。現実世界に帰る為には……やはりゲームをクリアする必要があるんです」


「そうなんですか……わかりました」


 ちょっと腑に落ちない部分はあるけど、ライルさんが言うからにはゲームをクリアしないとダメなのだろう。

 ライルさんは引き続き話を続ける。


「それでですね。この恋愛ゲーム、アップデートがあって追加要素が増えたんですよ。ゲームクリアに必要になると思うので説明しておきます」


「おぉ……ありがとうございます」


 知らぬ間にアップデートなんてあったのか。まぁ……基本興味のないコンテンツだし、通常の俺ならスルーしているだろう。ライルさんが説明してくれるなら助かる。


「まずはメインキャラ、サポートキャラの親密度を深める事が出来る様になりました」


「ふむふむ」


 俺と地雷さんの親密度って事か。要はプレイヤー同志でカップルになれるって事だな。


「後ですね。『恋人end』の他に『結婚end』っていうのも追加されたそうです」


「へぇ〜……そうなんだ」


 地雷さんも言ってたけど……結婚って恋愛ゲームの最大のハッピーエンドだもんね。まぁ、実際は結婚ってただのスタートラインだけども……。


「ちなみに……クリア要素は色々ある様です。一番最初にクリアして頂いたのは『シナリオend』ですね。これはキャラの親密度などはあまり関係ありません」


「確かに親密度はあまり上げてないな。クリス様とちょっと仲良くなった位か」


「そうでしょう? ただ、この『シナリオend』は一度クリアしたものなので今回は使えません。なので親密度に関係するゲームクリアを目指して貰う形になります」


「なるほど」


 一度クリアした手は使えないって事だ。まぁ……もう問題解決した後だしな。


「そうなると『恋人end』『結婚end』『bad end』のどれかを目指して貰う形になります」


「…………」


 メインキャラは地雷さんだからな。地雷さんが誰かとカップルになるか、誰かと結婚するか、もしくは破局するって事か。


「僕が言えるのはここまでです。では……ゲームクリア頑張って下さい。あっ、お茶……ご馳走様でした」


 ライルさんは席を立つと、すれ違いざまに俺の肩を叩きながら言った。


「あの……頑張って下さいね」


「…………」


 何、何、何!?今の肩ポン……どういう意味!?!?何だか凄く凄く嫌な予感がする……。

 ライルさんが部屋の扉を開けると、丁度、地雷さんとチャカさんが戻って来た様で話を始めた。


「あれっ? ライルン帰っちゃうの?? ゆっくりしていけばいいのに〜!!」


「申し訳ないですが、色々仕事が立て込んでまして……」


「そうなんだ〜。神様も大変だね〜。バイビー!!」


 そう言うと地雷さんはブンブン手を振って笑っていた。なんていうか……神様とタメ口で話せるって凄いな。やっぱり聖剣の持ち主だからって部分もあるんだろうか?

 そんな事思っていたら、地雷さんの背後からチャカさんが顔を出した。


「チート殿!! マタメンテエルフ殿を知らないか??」


 マタメンテエルフは、地雷さんが来た瞬間にはもう……机の中に隠れていた。


「知らないなぁ。一緒だったんじゃないのか?」


「それが……はぐれてしまって」


「もう、疲れて錬金釜の中で寝てるんじゃない?」


「そうか〜……それは残念」


 さすがに今日は疲れてるだろうし、これ以上撃ち合いはちょっと可哀想だ。


「じゃあ、みんなおやすみ〜!」


「おやすみなさーい」


「おやすみ〜」


 挨拶を終えて扉を閉めた後、マタメンテエルフが机の中から顔を出した。


「マジ、焦った〜。チート、サンキュー!!」


「さすがに今日はお前も疲れただろ? 色々思う事はあるけどさ……今日は寝ようぜ」


「賛成〜。じゃあおやすみ〜」


「あぁ、また明日〜。おやすみ〜」


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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