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明日は檜になろう  作者: 夜空雷流
第三章
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地雷さんだけが使える聖剣2


 黒い何かは倒れている地雷さんの近くに降りると、地雷さんに向けて話を始めた。


「ちょっと!! いつまで寝ているんですか!? この状況どうにかして下さいよ!!」


 この声は間違いなく死神だ。深く帽子を被っているから顔は見えない。魂を取られる心配はなさそうだ。


「あっ、こんばんは」


 死神はこちらに気付くと俺達にも声をかけてくれた。ここは挨拶をして様子を見る事にしよう。


「……こんばんは」


 下手な事は言えない。怒りを買って魂を抜かれる可能性だってあるからな。

 死神は警戒している俺達に向けて話を続ける。


「あの、誤解を解きたいのですが。この剣を見てもらってもよろしいでしょうか?」


 誤解?どういう事だ??それにしてもさっきと雰囲気がずいぶんと違う様な……。

 俺は死神から地雷さんが持っていた聖剣を受け取った。


「あれっ? なんかボタンがついてる」


「押してみて下さい」


言われた通りボタンを押してみると、なんと音声が流れ始めた。


『名は死神としておこう。君達の魂を管理している者だ。間違っても私の顔を見ようなどとは考えない方が良い。魂を吸い取ってしまうぞ? ハハハハ!!』


「…………」


「…………」


 あれっ?このセリフどっかで聞いたぞ!?俺は違うボタンも押してみた。


『今、隠された力が暴走している!! ぐぁああぁああ!!』


「…………」


「わかって頂けましたか? これ、おもちゃなんです。武器の持ち込みがダメなのでこうなったのでしょう」


「……はっ?」


「ちなみになぜ僕の声なのか?……という点については話が長くなるので省略させて頂きますね」


「…………」


 えっ!?この人……死神じゃないって事??もしかしてただの普通の人!?!?


「あのっ!! でも……魔法陣が光ったり、突風が出てきたり、地震が起きたりしたんですけど!?」


「それはこの黒いマントの性能だと思います」


「黒いマント!? 地雷さんが身につけてるやつ??」


「はい」


 死神さん(仮)は、倒れている地雷さんの黒マントを剥ぎ取ると手に持った。


「これは着ている人が表現したい演出が実際起こる様になっているマントです。錬金者のあなたにもわからなかったみたいですが……」


「えっ? でもさっき魂も抜かれそうに……」


「それは彼女と目があうと睡眠作用が起こる様になっていたのかと……」


「…………」 


 睡眠作用!?あの黒マント……そんな性能まで表現出来る訳!?じゃあ俺、何の為に石を投げられたの??


「ほらっ! いい加減起きたらどうですか!?」


 死神さん(仮)が地雷さんに声をかけると地雷さんはモゾモゾと起き出した。


「えへへっ! 面白かった?? ドッキリ大成功!!」


「…………」


「ぶははははっ!! なんか悩んでるの馬鹿馬鹿しくなってきた!!」


 マタメンテエルフはなんかウケてるけど、こっちはマジで4ぬかと思ったし笑えなかったよ……。


「ちなみに彼女は『らいるんバー、たちゅけてー!!』って個人メッセを僕に送ってきただけです」


「えっ……メッセ送っただけ?? じゃあ、一週間待った意味は……」


「ありませんね」


「…………」


 なんて事だ!!一週間心配しながら待っていたあの時間は……一体何だったんだ??朝、昼、晩……ご飯を届けたあの日々は……。


「気にしない方がいいですよ……あぁいう人ですから。いちいち気にしてたらこちらがもちません」


死神さん(仮)は俺の様子を察してかフォローを始めた。

 

「ただ彼女、悪気はないんです。むしろあなた達が喜ぶと思って部屋で一生懸命練習したのでしょう。ですから……大目に見てやって下さい」


 そう言うと哀愁を漂わせて……地雷さんをちょっと遠目で見る様な感じで話を続けた。


「あの人は病気なんです。もう一生治らないでしょうね。むしろ4んでも治らないかもしれません。困ったものですね……中二病ってやつは」


「…………」


 地雷さん……病気は病気でも中二病だったか。それならもうほっとくしかないな。治せない病気だし。

 一連の流れを聞いていたチャカさんは、地雷さんに駆け寄ると声をかける。


「素晴らしい演技だったぞ! 地雷殿!!」


「本当!? ありがとう!! じゃあ……黒いマントはチャカさんにあげるよ!! もう満足したし」


 地雷さんは死神さん(仮)から黒いマントを強奪するとチャカさんにプレゼントした。チャカさんはそれをノリノリで身につける。


「聞いたか!? マタメンテエルフ殿!! バージョンアップしたぞ!!」


「ふざけんなそんなバージョンアップいらねぇ!!」


 こうして二人はお決まりの撃ち合いを始め、気付いたらこの場にいなくなってしまった。


「あの二人……どこ行っちゃったのかなぁ??」


「わからないね。もう、放っておこう」


 追いついても止める自信ないしな。もう石にあたりたくない……痛いし。


「ねぇ!! あれ見て!!」


「……んっ?」


 地雷さんが指を差した方向を見ると、満月に照らされながら撃ち合いをしている二人の陰が見えた。


「なにあれ!? 空を飛んでるの!? 凄ーい!!」


「空中戦か。どんどん凄くなるな」


 まるでピーターパンだな。それにしてもチャカさん……俺が錬金したアイテムをことごとくゲットしている。ちゃっかりしてるよ……チャカだけに。

 これからも暇になったら無自覚に俺達を釣り上げるんだろうか?……ダメだ、ゾッとしてきた。


「凄い! かっこいいっ!! チャカさん待って〜!!」


「……あっ」


 くだらない事を考えていたら地雷さんがこの場を離れていってしまった。大失態だ!!チャカさんを追いかけて行ったから……しばらくは戻って来なさそう。

 どうしよう……初対面の死神さん(仮)と二人きりになってしまった。ちょっと緊張するなぁ。

 それにしても地雷さんはなぜ死神さん(仮)を呼んだんだ?見た感じ普通の人だけど……。


「あっ、自己紹介が遅れてすみません。僕はライルと言います。ちなみに……死神ではなく、雷神です。よろしくお願いします」


「…………」


 普通の人じゃなかったぁあぁああ!!種族(?)が違ったぁあああぁあ!!


読んで頂いてありがとうございます!!楽しい作品になるよう頑張っています!!良かったら、評価とブックマークよろしくお願いします!

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