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知らないから好きなもの
好きなことってとことん詳しくなる。
知りたくなるから。
だけど、人生で一つ大きな発見をした。
好きだからしらなくていいこと、しらないから好きでいられることがる事。
私は達也の音楽が好き。
多分、バンドの雰囲気も好きだし歌詞も好きだし、演奏も好き。
もっと言うなら、達也の指が多分一番好き。
練習のし過ぎで指の腹がすごく硬いのも好き。
本当は数え切れないほどの好きが重なっているけど、私は知らないフリをする。
これ以上知ろうとしない。
どれだけ音楽を好きになっても、達也のバンドを好きになっても、
達也の「好き」と私の「好き」は別の世界線で生きていて混じり合うことがないってわかってるから。
明確な理由を見つけて付けたら多分「好き」じゃなくなると思うから。
知ってしまえば、知りたくないことも知ることになって余計悲しくなるから。
理由はわからないけど、なんか良い、すごく良い。
という感覚を今は大事に持っておく。