表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

インダス文字(6.ネット/ウェブサイトの印章、その他)

作者: 板堂研究所(Bando Research Corporation)

7月17日、ネットの印章(8)に関し、「II」をHASI(橋)とする読み換えを適用しました。同時に、逆さに見て登場する、漫画を発見。


6月18日、印章(31)の解読を見直し、詳細な説明を加えつつ、加筆修正。

 印章の番号は、A.パルポラ(Asko Parpola)等編纂の、インダス印章の写真集「Corpus of Indus Seals and Inscriptions」に依る。


(1)「木娘に酔う」:A.パルポラ(第1巻:インド)の77頁、M-309A。


 Mukul Banerjee掲載の「Seal -12, Harappan Civilization, C- 2700-2000 BC」として検索可能。ドラヴィ-ラ出土の四角い印章。トラが振り返りつつ、すぐ傍の木の上を見上げ、その先には女性が木に隠れ、腕を枝の様に伸ばしている。


(ア)試し読み


 先ず、左端の記号をMASUMEと単純化して解読すれば、右から左へ、

 I TA ZO U NO RA MASUME (いたぞう、野良娘)


(イ)音価


 次に、上部の記号に、左から右へ、①から⑦までの番号を付し、音価を当てはめれば、次の通り。


 ①左端:「目」の四方に「升」なので、ME+4(MASUME)。MEが5つと見做せば、(GO/TE)- MASUME。


 ②短い縦2本棒:NI/RA/ HASI/ 2(I/YA/SI/NO)。


 ③分離した「イ」の様な記号:NO。あるいは2(I/YA/SI/NO)。


 ④ 牛の頭の記号:U/ USENI。


 ⑤「す」の横棒を省略した記号:左に突き出た「目」の中に、短い横線が入っているので、(SU/ZO)-(I/YA/SI/NO)。


 ⑥「魚」の記号:TA/ [ME-(SI/YO)]。


 ⑦縦棒:I/YA/SI/NO。


(ウ)解読


(右から左へ)


 I/YA/SI/NO  TA/ [ME-(SI/YO)]  (SU/ZO)-(I/YA/SI/NO)  U/ USENI NO/ 2(I/YA/SI/NO)

  NI/ RA/ HASI/ 2(I/YA/SI/NO)   ①


 〇 I TA ZOYA USENI NO/ RA/ II ①=MASUMETE

 いたぞ。失せに/背に、野良娘/良い娘で。


 〇 I TA ZOYA USENI SIYA HASI/ NI ①=MASUME-(SI/YO)-ME

 いたぞ、失せに/背にしや。端に、嫁、娘。

 いたぞ、失せに/背にしや。端に、升飯 (の)目。


(左から右へ)


 ①  NI/ RA/ HASI/ 2(I/YA/SI/NO)  NO/ 2(I/YA/SI/NO) U/ USENI (SU/ZO)-(I/YA/SI/NO) 

  TA/ [ME-(SI/YO)]  I/YA/SI/NO


 ①=MASUME-(SI/YO)+ME NI/ RA/ HASI/ 2(I/YA/SI/NO) NO/ 2(I/YA/SI/NO)  U/ USENI

 (SU/ZO)-(I/YA/SI/NO)  TA/ [ME-(SI/YO)]  I/YA/SI/NO


 〇 娘よ、目に良い、失せに。その目に酔い/良い。

 〇 夜目、増す。目にシワ。やや失せに。休め、しや。


 〇 嫁・妻、目に良い/しや。失せに。しすったの。

 〇 升飯、目に良い、失せに。しすったの。


(エ)まとめ


 以上を合わせ、解釈すれば、次の通り。


(a) 野良娘の失踪


「娘よ、目に良い、失せに。その目に酔い/良い」。

「夜目、増す。目にシワ。やや失せに。休め、しや」。

「いたぞ。背に、失せに、野良娘/良い娘で」。


(b) 嫁の失踪


「嫁・妻、目に良い/しや。失せに。しすったの」。

「夜目、増す。目にシワ。やや失せに。休め、しや」。

「いたぞ、背にしや。端に、嫁、娘」。


(c) 弁当の捜索


「升飯、目に良い、失せに。しすったの」。

「夜目、増す。目にシワ。やや失せに。休め、しや」。

「いたぞ、背にしや。端に、升飯 (の)目」。


(ウ)読み換え


 女性の伸ばした手先が、上に突出しているので、すぐ上の記号③につき、女性の手先と合わせ、一種の平行四辺形に見立てて、WOと読み換える。


(右から左へ)


 I/YA/SI/NO  TA/ [ME-(SI/YO)]  (SU/ZO)-(I/YA/SI/NO)  U/ USENI WO  NI/ RA/ HASI/ 2(I/YA/SI/NO)   ①=MASUME-(SI/YO)-ME

「いたぞや、上に。升飯/夜娘の目」。


(左から右へ)


 ①=MASUME-(SI/YO)+ME NI/ RA/ HASI/ 2(I/YA/SI/NO) WO U/ USENI (SU/ZO)-(I/YA/SI/NO)

  TA/ [ME-(SI/YO)]  I/YA/SI/NO

           「升飯、匂うぞ、飯屋台」。


(オ)表題


 左端の記号、また中央の「牛」の記号だけ、突出して大きいので、左から単純に読めば、MASUME-NI-YO-U(娘に酔う)。さしずめ「木/生娘に酔う」だろう。多様な読み換えの出来る、エンタメ目的の印章。



(2)A. パルポラ(第1巻:インド)、196頁のH-129Abis。


「Cracking the Indus Script: A Potential Breakthrough」で検索可能。横長の印章に、約9個の記号が刻まれている。


 〇 左端の記号はNO/WO。

 〇 左から2番目:RAKUの変形。中央の縦線をI/YA/SI/NOとして加える。

 〇 右端の「穂先」記号:羽4本なら(YO/SI)-SE。5本なら(GO/TE/YOYA)-SE。 


(ア)右端の「穂先」(4本)記号=(YO/SI)-SE


(右から左へ)YOSE NO U RI TA SI II MASUME RAKUYA NO

 寄席の売り出し、良い娘、楽屋の/楽やの


(左から右へ)WONO RAKUSI MASUME NI I TA RI U I-YA SEYO

 音楽師、娘に至りうる。癒せよ


 繋げて解釈すれば「寄席の売り出しは、楽屋の良い娘で、楽しい。音楽師は、この娘に限ります。癒せよ」。


(イ)右端の「穂先」(5本)記号=(GO/TE)-SE


(右から左へ)YOYA-SE NO U RI TA SI II MASUME RAKUYA NO

 寄席屋の売り出し、良い娘、楽やの


(左から右へ)WONO RAKUSI MASUME NI I TA RI U I-YA (GO/TE)-SE

 音楽師、娘に至りうる。癒しの御殿


 繋げて解釈すれば「寄席屋の売り出しは、良い娘で、楽しい。音楽師は、この娘に限ります。癒しの御殿」。


(ウ)まとめ


 若い女性音楽師が売りの、観客を癒す「寄席」(演芸ホール)を宣伝する印章。この文脈で、印章を漫画と捉えれば、左側が寄席の屋内で、真ん中にいるのが、歌手。印章の右側に並ぶのが、観客だろう。



(3)A.パルポラ(第2巻:パキスタン)、133頁のM-1159A。


「Animals of the Indus Seals, The Friday Times」のサイトで、上から4つ目の、四角い印章。左を向くゾウが、目を細めて表情が緩み、顔に沢山のシワがある。


(ア)記号の音価


 上部の記号に、左から右へ、番号を付せば、次の通り。


 ①左端の縦棒2本: NI/RA/HASI。あるいは2(I/YA/SI/NO)。上部が繋がっていると見做せば、TUTU。


 ②RYOの記号が、中央で折れたもの:SENIの記号が支えている。

 左右にぶら下がる「目」を読み込めば、ORE-RYO-SENI-ME。


 ③上部の短い縦棒2本:NI/RA/HASI。


 ④長い縦棒2本:NI/RA/HASI。


 上記③+④を束ねて、縦棒4本と見做した場合、YO-(I/YA/SI/NO)。


 ⑤「魚」記号: TA。あるいは「目」+4本の支線で、ME-(SI/YO)。更には、SAKANA。


 ⑥上下、一直線上に並ぶ、2本の短い縦棒:2(I/YA/SI/NO)。あるいは「点間」と捉えて、TENMA。


 ⑦ 「魚」記号に縦の「たすき」:基本は、上記⑤と同様に、TA/ [ME-(YO/SI)]、あるいは、SAKANA。中央部分の「たすき」を、I/YA/SI/NO、と読み込む。


 ⑧右端。下方に縦棒:右上隅が破損しているが、破損部分にも縦棒があったと推測すれば、上記⑥と同様に、2(I/YA/SI/NO) /TENMA。


(イ)解読


(左から右へ)


 NI/RA /HASI /2(I/YA/SI/NO) /TUTU  ORE-RYO-SENI-(ME)

  (NI/RA/HASI NI/RA/HASI) あるいは YO-(I/YA/SI/NO)

 TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA 2(I/YA/SI/NO)/ TENMA

 TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA +(I/YA/SI/NO) 2(I/YA/SI/NO) /TENMA


 〇SIHA RYO-SENI-ORE YO TA /SAKANA YANI/ MATEN TANO SII

 幸せに、俺、酔った。魚屋に、満点。楽しい。


 〇 TUTU ORE-ME-RYO-SENI YOI-I SAKANA/MESI/TA II SAKANA-YA MATEN

  ツツ。俺、寄席に酔い、重なった。いや、盛んな。待てん。


(右から左へ)


 2(I/YA/SI/NO) /TENMA  TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA + (I/YA/SI/NO)

 2(I/YA/SI/NO)/ TENMA  TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA 

(NI/RA/HASI NI/RA/HASI) あるいは YO-(I/YA/SI/NO)

 ORE-RYO-SENI-ME    NI/RA/ HASI/2(I/YA/SI/NO)/ TUTU


 〇II MESI-YA MATEN SAKANA YO-SI ORE-RYO-ME-SENI YAYA

 良い飯屋、満点だ。魚良し。俺、両目。背に、やや!


 〇 MATEN SIME-YA II SAKANA YOI SENI-ME-ORE--SIHA

  満点、シメや。良い魚、良い銭/背に、俺氏は、巳。


(ウ)まとめ


 以上を整理し、解釈すれば、次の通り。


 〇 魚の飯屋の宣伝


「良い飯屋、満点だ。魚良し。俺、両目」。「幸せに、俺、酔った。魚屋に、満点。楽しい」。「満点、シメや。良い魚、良い銭」。


 印章を上下逆さまにすると、ゾウの耳から鼻にかけた部分が、口を開けた魚の姿に変貌を遂げる。


 〇 漫画の台詞 (ヘビ)


「背に、やや!」。「背に、俺氏は、巳」。


 ゾウの耳から、ヘビが顔を出し、口を開けている。輪郭が、印章を上下逆にした際、登場する魚と同一なので、魚=ヘビ。すなわち「魚の巳」(魚の身)を意味しよう。


 〇 パロディー


「ツツ、折れ目。寄席に酔い、重なった。いや、盛んな。待てん」。


 ゾウは、高齢者の象徴。遊ぶ高齢者を揶揄していよう。


(エ)読み換え


 上記⑥と⑧の記号を束ねて、4本の短い縦棒と見做す。すると⑥から⑧で、


 4(I/YA/SI/NO) TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA +(I/YA/SI/NO)


(左から右へ)


 NI/RA /HASI /2(I/YA/SI/NO) /TUTU  ORE-RYO-SENI-(ME)

  (NI/RA/HASI NI/RA/HASI) あるいは YO-(I/YA/SI/NO)

 TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA

 4(I/YA/SI/NO) TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA +(I/YA/SI/NO)


 〇 TUTU ORE-NISE-ME-RYO NIRA  MESI  SAKANA/YOME-YA

 ツツ、折れ。俺に攻めるよう、睨むし、盛んな嫁や。


 〇 TUTU NISE-ME-RYO-ORE SIHA-SIHA  TA

  YOSI SAKANA/YOME-YA

 ツツに、攻めるよう。俺、シワシワだ。良し、魚の嫁や。盛んな嫁、読めや。


(右から左へ)


 4(I/YA/SI/NO) TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA +(I/YA/SI/NO)

 TA/ [ME-(SI/YO)]/ SAKANA 

(NI/RA/HASI NI/RA/HASI) あるいは YO-(I/YA/SI/NO)

 ORE-RYO-SENI-ME    NI/RA/ HASI/2(I/YA/SI/NO)/ TUTU


 I/YA/SI/NO YO-ME-YA SAKANA  (HASI-NI)/YOI   RYO-SENI-ORE-ME   TUTU

 癒しの嫁や。盛んなワシに、「ヨセに」と、折れ目。ツツ。


(まとめ)


 癒しの嫁や。盛んなワシに、「ヨセに」と、折れ目。

 ツツ、折れ。俺に攻めるよう、睨むし、盛んな嫁や。

 ツツに、「攻めるよう」。「俺、シワシワだ」。良し、魚の嫁や。盛んな嫁、読めや。



(4)「Archaeology Online, To Revert to the Theory of Aryan Invasion, Part 5」の下方に掲載。


 四角い印章で、ゾウの左向く、左側が印章。右を向く右側が、印影。右側が見やすいので、これを基準にする。


(ア)音価


 各記号に、左から右へ、①~⑨の番号を付せば、次の通り。


 ① U/USENI。

 ② [RE/TI- (I/YA/SI/NO)]/ MITE/ SATE。


 ④「男」の記号:TO/OTOKO。

 ⑤ 三ヶ月に矢:TU/TUKI


 ⑥ 魚形(TA)の合成記号:「目」から、右下に伸びる「タスキ」に鑑み、TA-(I/YA/SI/NO)。読み換えは、「目」+斜線(2+1)本で、ME-NI-YA。


 ⑦ 屋根付きの魚形記号:RI/RITA。あるいは屋根の下を「目」+4支と捉えて、

 RI-ME-4(I/YA/SI/NO)。


 ⑧ 2本の短い縦棒:NI/RA。


 ⑨ 右端: (I/YA/SI/NO)の下に「目」があり、毛が生えているので、(I/YA/SI/NO)-(ME/MA)-KE。また印章の右上の隅に、斜め棒があるので、適宜、(I/YA/SI/NO)を加える。


(イ)解読


(左から右へ)


 U/USENI [RE/TI- (I/YA/SI/NO)]/ MITE/ SATE  NA/NE TO/OTOKO TU/TUKI [TA-(I/YA/SI/NO)]/ (MENIYA) RI/ RITA/ [RIME-4(I/YA/SI/NO)] NI/RA (I/YA/SI/NO)-(ME/MA)-KE + (I/YA/SI/NO)


 〇 うちの寝男、きつい目ヤニだ。いやな目じりに、負けや。やめや。

 〇 うちの寝男、ツキ目に、やりめ。卑しいのめりに、いや負けし。

 〇 嬉しいな、男好き。飲んだり/乗ったりに、負けや。


(右から左へ)


(I/YA/SI/NO)-(ME/MA)-KE + (I/YA/SI/NO)  NI/RA RI/ RITA/ [RIME-4(I/YA/SI/NO)]

[TA-(I/YA/SI/NO)]/ (MENIYA) TU/TUKI TO/OTOKO NA/NE  [RE/TI- (I/YA/SI/NO)]/ MITE/ SATE U/USENI


 〇 負けや、やられたのだ。ツキ男、慣れ合う。

 〇 負け氏に、「むしりたいのや」。大ツキ/大好き男ね、なって、みるぜに/みうせに。


 以上を合わせれば、次の通り。


 〇 うちの寝男、きつい目ヤニだ。いやな目じりに、負けや。やめや。

 〇 うちの寝男、ツキ目に、やりめ。卑しいのめりに、いや負けし。

 〇 負けや、やられたのだ。ツキ男、慣れ合う。

 〇 負け氏に、「むしりたいのや」。大ツキ男ね、なって見る銭/ 大好き男ね、身、失せに。

 〇 嬉しいな、男好き。飲んだり/乗ったりに、負けや。


 右端の記号⑨が、目ヤニのきつい目、あるいは尻の穴の漫画を兼ねている。ゾウが登場するので、賭場で遊ぶ、高齢者を揶揄。特に、左側の印章の写真で見ると、ゾウの目の下に、目ヤニが溜まっている。



(5)カリバンガン遺跡の円筒形印章。A.パルポラ「第1巻:インド」、311頁のK-65a。


「Indus Cylinder Seals, Harappa」で検索可能。横長の印章で、中央左寄りに、向き合って槍で戦う二人の男。二人の間に若い女性がいるが、二人は、左右から彼女の手を引き、取り合っている。右手に4つ足の女神。その口の先に、二人の男に対して放つ台詞が書いてある。そしてこの構図が、印章の中で繰り返されている。女神の足元の茂みも、文字記号である。


(ア)音価


(台詞):平行な縦棒3本:3(I/YA/SI/NO)、但し「3」はSA/MIに置き換え可能。

 あるいは、KAWA。


(茂み):YOSE。あるいはTI/RE-(I/YA/SI/NO)


(イ)解読(上から下へ)


 3(I/YA/SI/NO)/KAWA   YOSE /[(TI/RE)-(I/YA/SI/NO)]


 〇 ややや!若い、散れん!

 〇 卑しい、よせ、

 〇 分かれや!

 〇 闇や、散れん!


 繋げれば、「ややや! 若い、よせ! 卑しい、散れよ、分かれや! 闇よ、散れ!」。女神の怒号である。



(6)Frenez Vidale 2012・Harappan Chimaeras (111頁に掲載の、牛、ゾウ、ヘビ等の混ざった、奇怪な動物の複数の印章)


(M-300A)A.パルポラ「第1巻:インド」、74頁。


(ア)音価


 動物の角(左上):2本でWA。右側1本ならI/YA/SI/NO。

 動物の耳:MI/ME/MA。


 上段、左側:KA。

 上段、右側:NO。あるいは2×(I/YA/SI/NO)。


 下段、左端:I/YA/SI/NO。

 下段、中央左寄り:NA。あるいは(I/YA/SI/NO)-SIKAKU。


 下段、中央右寄り:RE。あるいはMITE/SATE。

 下段、右端:U/UNISE。


 動物の尻尾(右端): MI(巳)。


(イ)解読


 左から右へ、文字列の音価を並べれば、次の通り。


(上段)WA/ (I/YA/SI/NO) KA NO / 2(I/YA/SI/NO)


(下段)I/YA/SI/NO NA/[(I/YA/SI/NO)-SIKAKU] RE/MITE/SATE U/UNISE MI


(右から左へ)


(下段)MI U RE NA I (巳/身、熟れない)

(上段 NOKA Iのかい


 合わせれば「巳/身、熟れないのかい」


(左から右へ)


(上段)WA KA I NO (若いのや)


(下段)SI NE RE USENI MI(死ねれん、失せに巳)


 合わせれば「若いのや、死ねれん。失せに巳」。


(ウ)まとめ


 以上を繋げて解釈すれば「呑み込んだヘビが、消化されないのかい?」。「若いので、死ねれん。失踪したヘビ」。

 印影の写真M-300aと合わせて見れば、動物の尻尾に見えるのは、呑み込んだヘビの頭であり、ゾウの鼻に見えるのは、口から垂れ下がる、ヘビの尻尾(かかと付き)と判明する。



(M-301A)A.パルポラ「第1巻:インド」、74頁。


 各記号の音価を、次の通りとする。


 〇 怪獣の2本の角: WA。

 〇 耳: SI。

 〇 中央の、キツネの様な記号: KITUNEあるいは、YOSE-ME-(NO/KO)。

 〇 「牛」記号: U/SENI。

 〇 ヘビ状の尻尾: MI/ HIMO/ I。


 すると次の通り。


(右から左へ)MI/HIMO USENI KITUNE WA

   巳/ ヒモがいなくなり、キツネは


(左から右へ)WA SI YOSE-ME-(NO/KO) U/SENI MI/HIMO

  ワシ を寄せ目にするヘビ/ の嫁にしよう、偽せるヒモ。

  (更に)ワシを 横にしよう/ 召せよ、失せにヒモ


 全て合わせれば、次の通り。


(ア)「ヒモがいなくなったが、あの若い女性は?」。「ワシの嫁にしよう。似た様なヒモだが」。

 右寄りの「牛」の記号を鳥居と見做せば、すぐ左にいるのは、狐の花嫁だろう。然るに怪獣の尻尾(I)、2本の角(WA)、「牛」(U)の順に読めば「キツネの花嫁を祝う」。


(イ)「ワシを寄せ目にするヘビ」。

 怪獣の口から、呑み込んだヘビの消化後の骨が、垂れ下がっており、これが怪獣を「寄せ目」にするのだろう。


(ウ)「ワシを召せ。横にすれば、消えたヒモが」。

 ここからヒントとして、印章を90度(M-301Aなら時計回りに)傾ければ、右手にヒゲの男性の横顔が現れる。これが「消えたヒモ」に違いない。



(M-1177A)A.パルポラ「第2巻:パキスタン」、137頁。


 怪獣の部位を含め、変則的な記号の音価、次の通り。


 〇 ヘビ状の尻尾:MI。

 〇 怪獣の2本の角(片方に、毛): KE-(I/YA/SI/NO)-WA。

 〇 怪獣の耳:I/YA/SI/NO。


(ア)第一の読み方


 尻尾の左隣の、縦に細長い記号を、WO/Uの左右に支線で、(WO/U)- (NI/RA) とする。


(右から左へ)MI (WO/U)-(NI/RA) REU I/YA/SI/NO NI/RA (ME/MA)-MASU WA

  「身を売られや」に/ 見るに、熟れ、死に目ですわ。


(左から右へ)KE-YA-WA YA/NO ME/MA-(MASU) NI/RA NO REU (WO/U)-(NI/RA) MI

  「今夜は、やめますに。暖簾を負う身」/「今夜は、呑めますに」と、裏を睨み。


 合わせれば、次の二通りに解釈可能。


 〇「身を売られや」と言われて、娘は「今夜は、やめます。暖簾を負う、看板娘なので」。


 〇「見るからに、身が熟れて、(獲物は)死に目ですわ。今夜は、呑めますに」と、裏を睨む、巳。


(イ)第二の読み方


 尻尾の左隣の、縦に細長い記号を、WO/MEの左右に支線で、(WO/ME)-(NI/RA)-(I/YA/SI/NO)。


(右から左へ)


 MI (WO/ME)-(NI/RA)-NO URE I/YA/SI/NO NI/RA (ME/MA)-MASU WA

 見めで乗らん、野良娘は/ 巳の目に、「熟れし」に見えますわ。


(左から右へ)


 KE-(I/YA/SI/NO)-WA SI/YA ME/MA-(MASU) NI/RA I/YA/SI/NO URE (WO/ME)-(NI/RA)-(I/YA/SI/NO) MI

 毛の輪や、締めますに、破れ目に、シミ/ 若い、「やめます」だと、しおれ目に、呑み。


 合わせれば、次の二通りに解釈可能。


 〇 巳の目には、熟れた様に見えますわ。「毛の輪」を締めれば、破れ目にシミが。


 〇 見ためで乗らない野良娘。若い、「やめます」だと、しおれ目に呑み。


(ウ)まとめ


 次の2通りの解釈が成立する。


 〇 獲物を締めあげるヘビ


「獲物は、見るからに熟れて、死に目ですわ。今夜は、呑めますに」と、背後を睨む、巳。巳の目には、獲物が熟れた様で、「毛の輪」を締めれば、身の破れ目にシミが出来てくる。


 因みに印章の4つ足動物は、ヘビに締め上げられ、体液が染み出ている。


 〇 居酒屋の娘とのやり取り


「身を売られや」と言われて、娘は「今夜は、やめます。暖簾を負う、看板娘なので」。見ためで乗らない野良娘。若い、「やめます」だと、しおれ目に呑む。


 M-1177a(印影)を見ると、怪獣の頭がすっきりとして綺麗になり、髪の長い娘に変身する。



(H-96A)A.パルポラ「第1巻:インド」、190頁。


 変則的な記号の音価を、次の通りとする。


 〇 右端の合成記号:(SU/ZO)-ME-(YA/SI)

 〇 中央右寄りの「牛」記号:U/SENI

 〇 中央左寄りの「目」の合成記号:MASUME+MI/SAN-YA。


 〇 「目」の合成記号を囲む、短い縦棒4本:(2+2)本でRA-NI。

 〇 動物の角2本 (シワあり):WA/SIWA。

 〇 耳: SI。


 すると、次の通り。


(右から左へ)ZOMEYA USENI/U RANI MASUME-MI/SAN-YA

 やめそう、失せに。裏に、娘さんや

(あるいは) ゾウめや、失せに。裏に三匹、ヘビの娘や


(左から右へ)WASI RA MASUME+MIYA NI U/SENI (SU/ZO)-ME-(YA/SI)

 ワシらの娘、見合いに、失せに。闇に薄目や


 合わせれば、2通りの解釈が成立する。


(ア)「やめそうだ、失せた。裏にいるのが、娘さんだ」。「ワシらの娘、見合いを控えて消えた。闇の中で、薄目開いている」。


(イ)「ゾウめ、消えた。裏に、三匹のヘビの娘だ」。


 印章(特に印影、H-96a)を上下逆さに見ると、怪獣の首の周りに、3匹のヘビが巻き付いている。顔から出ている3つの突起が、3匹の末尾だろう。



(7)「Cattle and the Harappan Chiefdoms of the Indus Valley」(Penn Museum)(白黒)、あるいは「In search of a Yakshini」(Rajshree Raghyee)(カラー)に写真掲載の、コブ牛の四角い印章(6a)。A.パルポラ「第2巻:パキスタン」、118頁のM-1108A。角の長いコブ牛が、左を向いており、鼻先が黒く見える。


(ア)記号の音価


 上部の記号に、左から右へ、①から④の番号を付し、左端の牛の角の音価も勘案すれば、次の通り。


(牛の角)2本でWA。右側1本なら、I/SI。又は、全体を捉えて、USI。


 ①3本の縦棒: SAN/ MI/ DI/ KAWA。

 ②帆の記号:HO/ HOTU。


 ③「男」に記号の上部にVの字:(O/TO/OTO)-(WA/TI/RE)。

 ④右端の記号: U/ UWA/ UWATI/ NISEU


(イ)単純な解釈(上記④の記号=U)


(右から左へ) U WAO HO MI WA (ウワバミは)

(左から右へ) USI SAN HO TOWA U(牛さんを捕らえる)


 繋げれば「ウワバミは、牛さんを捕らえる」。牛の頭を良く見ると、ウワバミが、左から巨大な口を開け、飲み込み始めている。そのため、右端の牛の記号(U)も、頭頂部の右側が、消えかかっている。


(ウ)精密な解釈


(右から左へ) (UWATI)/(NISEU) (OTO)-(WA/ TI/ RE)  HO SAN WA

 浮気/ 失せにし お父さんは 


(左から右へ) WA/SI DI TUHO TITO USENI

  真実/話術を ちと 失せに/偽る


 合わせて解釈すれば「浮気で消えた、お父さんは、話術を、ちと偽る。真実を、ちと失せに」。今度は牛を呑む「ウワバミ」を「頬かむり」と、解釈し直すべきだろう。


(エ)総合


 以上を合わせ、共通の文脈で捉えるには、ウワバミを大酒飲み、と解釈する手があろう。「牛さん」を「お父さん」とすれば、「ウワバミの彼は、酒に飲まれているが、原因/結果は、浮気だ」との筋が浮かぶ。従って次の通り。


「お父さんは、ウワバミで、酒に飲まれている。そして浮気で消える際、話術で、ちと偽り、真実をかわす。あとは、頬かむり」。


(オ)漫画


 カラー写真で見ると、コブ牛が浮き上がって、黒い影が見えており、腹の部分も黒いが、「浮気で、腹黒い」との趣旨だろう。

 印章を上下、逆さまに見ると、文字列が、漫画に変貌する。牛の2本の角が、家の入口となり、屋内に、3人の子供と母親 (中央)。すぐ左に、旦那がいる。母親が、目を吊り上げて、旦那を糾弾しており、旦那は、一生懸命、説明中。旦那の背後には、狭い出口があり、彼は、ここから抜け出るつもりだろう。


(カ)読み換え


 上記④の記号(右端)の形状に着目し「TUBO」と読み換える。


(右から左へ) NISEU/TUBO (OTO)-(WA/ TI/ RE) HO SAN WA

 つぼ おとし /お父さんは 


(左から右へ) WA/SI DI TUHO TITO USENI/TUBO

      真実を ちと 偽る/失せに


 以上を合わせれば「壺を落とし、お父さんは、真実をちと偽る。つんぼ(な)お父さんは、真実をちと失せに」。記号④の上部の欠落は、壺を落としたため。記号の「耳」が壊れているので、耳が聞こえない事を同時に示唆していよう。

 すると印章を上下、逆さにした場合の漫画の解釈、上記 (オ)に関し、記号④は、出口ではなく、左右の「耳」の壊れた壺(上下逆さ)となる。 



(8)「Steatite seal with humped bull」


 四角い印章。長い角(2本)のコブ牛が、左向きで登場する。鼻が黒い。首や肩から、豊かな毛が長く伸びている。


(ア)音価


 上部に並ぶ記号に、左から右へ、①~⑤の番号を付す。すると、次の通り。


(牛の角):2本なら、WA。1本で、SIと適宜読み込む。


 ① 牛のコブの上の「目」系の記号:(ME/MI)-MASU。

 ② 上記①の右隣。左側に突起のある、傾いた縦棒:SU+(I/YA/SI/NO)。あるいはZOKU(鏃)。


 ③ 縦に走る、平行な直線2本:NI/RA/HASI。

 ④ NI/RA。


 ⑤ 「牛」記号:U/USENI。更に、上部右側が消されているので、USENI-(I/YA/SI/NO)。


(イ)単純な読み方(牛の角を読まない)


(右から左へ)U RA NI SU MIMASU(裏に住みます)

(左から右へ) MASUME ZO HASI RA U(娘ぞ恥じらう)


 合わせれば「裏に住みます、娘ぞ、恥じらう」。

 ここで「裏」からヒントを得て、印章を上下逆に見ると、コブ牛だった動物が、たてがみ長く、目の大きい「美人」の馬に変貌する。(牛の頭とコブに挟まれた部分が、馬の目に)。これが「恥じらう娘」なのだろう。


(ウ)精密な読み方


(a)牛の2本の角=WA


(右から左へ)U RA NI SUYA MIMASU WA(裏にすれば、見えますわ)。


 そこで印章を上下逆にすると、右側に漫画が登場する。牛の首から垂れる毛の間に、「梯子」状の帯が上下に走り、下方のマス目に頭を突っ込む、小さな人物が確認できる。泥棒だろう。


(b)牛の右側の角=SI


 印章を元の向きに戻す。


(左から右へ) SI MASUME ZOKU NI RA U(四マス目/師走目、賊が狙う)


 更に、⑤の記号を、USENI-(I/YA/SI/NO)とすれば、


(左から右へ) SI MASUME ZOKU NI RA USENI-YA(四マス目、賊の狙う銭や)


 印章を上下逆にした際、登場する泥棒が、頭を突っ込むのは、下から4マス目であり、符合する。


(c) ②と③の記号を合わせて、3本の縦棒と捉え、DIと読む場合。


(右から左へ)U RA DI MIMASU(裏地、見ます)


(エ)まとめ


 以上を合わせれば、


「裏に住む娘の家を狙います」。「裏にすれば、見えますわ」。「四マス目/師走目を、賊が狙う銭や」。

「裏地、見ます」。


 歳末の防犯を呼びかける印章。牛の前足の間を見ると、「裏地、見ます」とばかり、スリが、腕を牛の懐に突っ込む構図であり、整合的。



(9)Seal with Two-Horned Bull and Inscription


 黒っぽい色の、四角い印章。角の長いコブ牛が左を向く。上部に5~6個の記号が並ぶ。中央の「男」の記号の左右には、多数の正方形に仕切られた、扉の様な記号があるが、「歯」/「マス目」の記号の変形であり、「正方形の数」+HA/ MASUMEと読むべきだろう。


 〇 牛の角: 2本でWA。右側1本ならYA。

 〇 牛のコブの上部の輪郭線:SI。


 〇 中央の「男」の記号: OTOKO。


 〇「男」記号の左隣の「歯」(6×2個)の記号:HA-ROKU-NI/RA。


 〇「男」記号の右隣、「歯」/「マス目」(5×2)+1=11個の記号。底部中央に、支えの様な縦棒が2~3本:


 -「歯」が11=10+1本とすれば、HA-TO-I-NI/SA。


 -「マス目」が(5×2)+1個とすれば、MASUME-GONI-I-NI/SA。


 〇 右端から3番目の記号(魚のカジカ): KA/KAJIKA。


 〇 右端の「櫛」記号: 櫛の数を7本とすれば、NAKU。8本ならKUYA。


(左から右へ)WASI HA-ROKU-NI OTOKO HA-YA-TO-I-NI SI KA I NAKU

 ワシは、苦労人/歯黒人。男は雇人 しかし いなく


(右から左へ)KUYA SI KAJIKA SI MASUME-GONI-I-NI/SA OTOKO HA-ROKU-NI/RA SI WA/YA

 悔しいか。しかし娘が5人いて、男に は苦労/歯黒するらしいわ


 以上を合わせれば「ワシは、苦労人/歯黒人。男は雇人しかおらず、悔しいか。しかし娘が5人いて、男には、苦労/お歯黒、するらしいわ」。2つの「歯」の記号が象徴的であり、お歯黒の素材等を提供する職人の印章と見られる。



(10)オデュッセウスとセイレーン


 A.パルポラ「第1巻: インド」の6頁、M-7A。「14 Indus Seals, Stock Photos」のサイトに掲載の14個の内、最上段・中央の四角い印章。左を向く一角獣が登場する。目がギョロっとし、耳が立っている。鼻先から首にかけて、何本もの縞が目立つ。上部に、単独の縦棒を含め、11個の文字記号。


(ア)記号の音価


 各記号に、左から右へ①~⑪までの番号を付せば、一角獣の耳や角を含め、次の通り。


(一角獣の耳):MI/ME/MA。


(一角獣の角):毛が生えているのでKE- (I/YA/SI/NO)。


 ① MASUME/ MENI。

 ② NI/RA。


 ③ 「魚」形記号に、左右から上がる「腕」。WA/WATA。

 ④ 弓形の縦棒の上部と下部をそれぞれ結び、歪んだ四辺形にしたもの。(NI/RA)-WO。


 ⑤湾曲した縦棒:I/YA/SI/NO。

 ⑥  両腕から支線が上に伸びる「男」の記号:TO-(RE/TI)。


 ⑦ 湾曲した縦棒:I/YA/SI/NO。

 ⑧ 牛の頭の記号:U/SENI。

 ⑨帆の記号:HO。


 ⑩ 「3つ目」の記号。「目」がずれて重なり、短い斜線(計3本)が、真ん中の膨らみに記入されている。従って、2(MA/ME)+3(I/YA/SI/NO)。更に、中央に、タスキ掛けの小さな「魚」記号があると見做し、TASIを読み加えれば、2(MA/ME)+3(I/YA/SI/NO)+ TASI。


 ⑪ 右端。「穂先」記号の変形。「羽」が4本あるので、(YO/SI)-SE。


(イ)第1読


(左から右へ)


 角=KE- (I/YA/SI/NO)MASUME/ MENI   NI/RA  WA/WATA (NI/RA)-WO-(I/YA/SI/NO) I /YA/SI/NO

 TO-(RE/TI)  I/YA/SI/NO  U/USENI   HO 2(MA/ME/MI)+3(I/YA/SI/NO)+ TASI  (YO/SI)-SE


 時化、見ますに、私には、シレっとし、失せに、帆、満面にしたし。よせ。


(右から左へ)


(YO/SI)-SE 2(MA/ME/MI)+3(I/YA/SI/NO)+ SITA  HO  U/USENI I/YA/SI/NO  TO-(RE/TI)

 I/YA/SI/NO (NI/RA)-WO-(I/YA/SI/NO)  WA/WATA  NI/RA  MASUME/ MENI  KE- (I/YA/SI/NO)


 妖精、見たし、魔の字や。方位、取れや。鬼のワタに、娘やけん。


(或いは)


 よせや、闇目のした、「方位、取れや」は、死人だわ。逃げます、いけん。


(ウ)まとめ


 ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の場面で、トロイ戦争から船で帰還する途中、英雄オデュッセウスが、美しい声で船を難破・破滅に導く、美女の顔をした怪鳥「セイレ-ン」の声を聞こうと、仲間に命じ、自分の体を船のマストに縛り付けさせた。そして危険な海域に入ったら、自分から何を言っても無視し、ひたすら漕ぎ続け、速く海域を抜ける様、命じた下りで、次のラインだろう。


「時化るので、私を無視し、逃げるのに帆を満たせよ」

「よせ! 『闇目に方位取れ』では、死に至る。逃げよう、これではいけない!」

「妖精を見たいのだ、例の魔物。方位を取れ。鬼のワタに娘の姿、と人は言う」


 一角獣の目がギョロっと見開き、耳が立っているのは、セイレーンの様子を探る、オデュッセウスの姿と推定される。

 ここで印章を右に90度(印影、M-7aなら、左に90度)倒すと、マストを背に、縄で縛られたオデュッセウスの姿が現れる。一角獣の鼻先から首にかけて目立つ多数の縞が、その縄で、一角獣の角が、縄の先端となる。


(エ)第2読


 オデュッセウスは「セイレ-ン」の声が聞こえぬよう、耳栓を仲間にさせ、自分だけはしなかった。そこで記号の音価を見直し、再読すれば、次の通り。


 ⑥ 上の方に、WAが成立したと見做し、TO-WA、乃至TO-(RE/TI)-WAとする。


 ⑩ 「3つ目」で、(SA/MI)-(MI/ME)。斜線3本で、SA/MI-(I/YA/SI/NO)。従って、(SA/MI)-(MI/ME)+ (SA/MI)-(I/YA/SI/NO)。これを第1読の2(MA/ME)+3(I/YA/SI/NO)+ TASIの読み換えとする。


(右から左へ)


(YO/SI)-SE  (SA/MI)-(MI/ME)+ (SA/MI)-(I/YA/SI/NO) HO U/SENI  I/YA/SI/NO    TO-WA+(RE/TI)   I/YA/SI/NO (NI/RA)-WO-(I/YA/SI/NO)  WA/WATA  NI/RA  MASUME/ MENI  KE- (I/YA/SI/NO)


 〇「栓よ、刺し、帆を背に、縛れ」とや。鬼のワタに、娘やけん。

 〇 よせ、目覚めや。「帆を背に、縛れ」とや。鬼や。娘/ 腹に、娘やけん。


(左から右へ)⑩は、第1読の読み方に戻す。


 KE- (I/YA/SI/NO)MASUME/ MENI NI/RA  WA/WATA (NI/RA)-WO-(I/YA/SI/NO)  I/YA/SI/NO

 TO-WA+(RE/TI)  I/YA/SI/NO HO  U/SENI 2(MA/ME)+3(I/YA/SI/NO)+ TASI (YO/SI)-SE    

 

 やけ娘に「私にはやれん」とは、死を背に、魔の字。やめたし、よせ。


(オ)読み換え


 ⑧ の記号(U/SENI)が、上部の細い、壺の形に刻まれている事に着目し、TUBOと読み換える。


(左から右へ)


 角=KE- (I/YA/SI/NO)MASUME/ MENI NI/RA  WA/WATA  (NI/RA)-WO-(I/YA/SI/NO) I/YA/SI/NO

  TO-(RE/TI) I/YA/SI/NO TUBO HO 2(MA/ME/MI)+3(I/YA/SI/NO)+ TASI  (YO/SI)-SE


 時化。目に睨んだわ。鬼やのう、と知れや。没を見るのや。やめたし、よせ。


(右から左へ)


(YO/SI)-SE 2(MA/ME/MI)+3(I/YA/SI/NO)+ SITA  HO  TUBO  I/YA/SI/NO  TO-(RE/TI) I/YA/SI/NO  (NI/RA)-WO-(I/YA/SI/NO)  WA/WATA  NI/RA  MASUME/ MENI   KE- (I/YA/SI/NO)


 妖精、見るのや。闇目/ 身の下を? 没や、と知れや。鬼のワタに、娘やけん。


(カ)総括


 以上を纏めれば、次のやりとりとなろう。


 オデュッセウス:これから時化るので、私を無視し、逃げる為、帆を満たせ。妖精を見たいのだ。例の魔物。方位を取れ。鬼の腹に娘の姿、と人は言う。


 船員:よせ!「闇目に方位取れ」では、死に至る。逃げよう、これではいけない!鬼のワタに、娘なので。


 オデュッセウス:栓を耳に刺し、帆を背にして、俺を縛れ。鬼の腹に、娘なので。


 船員:よせ、目覚めろ。殿は、鬼だわ。これでは、まるでマストに縛り付けられた、俵娘。どうやら、腹に娘がいるようだ。このやけ娘に「私には、できません」と言ったが、死を背にし、魔物にやられるからだ。やめたい、よせ。


 オデュッセウス:時化だ、目に睨んだわ。「鬼やのう」と知れや。


 船員:没を見るぞ。やめたい、よせ。


 オデュッセウス:妖精を見るのだ。


 船員:身の下に興味が? 没する、と知れや。鬼の腹に、娘なので。


 古代ギリシャのホメロス所以とされる、この様な逸話が交易を通じ、早くから広く伝播し、インダス河流域でも語られていたのだろう。



(11)Ghost in Indus Seals; パルポラ(第2巻:パキスタン)から、151頁のM-1224。


 Ghost in Indus Seals (Tamil and Vedas)では、サイトの冒頭に、大小4つの印章が横長に並ぶイラストがあり、左から右へ、M-1224のe、a、b、c、の順に並ぶ。下に「モヘンジョ・ダロ出土。1931年、マーシャル氏による」と記載。

 この中で、中央の2つの印章は四角く、一角獣(右向き)が登場する。左右両端の印章は、縦に細長く、何れにも(角が生え、尻尾のある)「死に神」が登場する。

 左端の印章の「死に神」は、右隣の印章の一角獣の背後に、右端の「死に神」は、左隣の一角獣の頭の前に立つので、グリム童話の「死に神の名付け親」を想起させる。すなわち病人の前に、死に神が現れた場合、足元に立つか、枕元に立つかにより、助かるか否か、運命が変わる話である。(落語の「死に神」の題材)。

 そこで中央の2つの四角い印章の文字列を解読すれば、次の通り。何れも一角獣の角が、文字列に並ぶので、I/YA/SI/NOと読み込む。


(ア)左側の印章(M-1224a、背後に死に神)


 〇 左端の「櫛」記号( 歯が5本): KU-TE/GO。


(左から右へ) KU-TE/GO O/TO/OTOKO U NI/RA (MI/ME)-NI I/YA/SI/NO

  後手、男、裏目に/恨みめに 卑しい


(右から左へ)SI NIME NI USENI OTOKO GOKU

  死に目に。失せに、男、御供


 繋げれば「後手なら、男、裏目に。恨まれて、卑しい死に目に。男は失せて、御供だ」。この一角獣は、背後に「死に神」がいて、助からないのだろう。


(イ)右側の印章(M-1224b、死に神が目の前に)


 〇 左端の「櫛」記号:歯を6/(3+3)本と数え、

 KURO、あるいはKU-(SANSAN/SANMI/SANNI/MINI)。2つ連なる。


 〇 中央の6本の縦棒: ROKU。(4+2)本と数えればSINI/YONI、(2×3)本ならNISA/NIMI。


 〇 右端の記号: 菱形(ME/MASU)の4辺に2本棒(NI/RA)と解し、(ME/MASU)-YO/SI-(NI/RA)。


(左から右へ)KURO KU-(SANSAN/SANMI/SANNI/MINI)RE/SEYA  ROKU/SINI/YONI/NISA/NIMI

(ME/MASU)-YO/SI-(NI/RA/II)I/YA/SI/NO


 苦労、さんざん目にくれ、世に良い目、増すなら、癒し。


(右から左へ)I/YA/SI/NO (ME/MASU)-YO/SI-(NI/RA/II) ROKU/SINI/YONI/NISA/NIMI

 RE/SEYA KURO KU-(SANSAN/SANMI/SANNI/MINI)


 癒しの目よ、良い 世にせや。黒く、目に/さんさん。


 繋げれば「苦労をさんざん目にし、世に良い目が増すなら、癒しの目だ。良い世にせや。黒く、目に/さんさん」。この一角獣は、「死に神」が枕元にいて、助かるのだろう。


(ウ)まとめ


 死に神が、一角獣の前に立つか、背後に立つかは、4つの印章の並べ方次第だが、一角獣の目が黒いと見られるのは、印章M-1224bなので「助かる」記述と整合的。因みに縦長の印章M-1224cは、右端が欠けており、最も右に配置すべきだろう。

 以上から、グリム童話の「死に神の名付け親」の話は、インダス文明の頃に遡るものと推測される。



(12)Indus Valley project: Indus Valley Seals, a tool for visualization


 このサイトの冒頭に写真の掲載された印章の中で、右下の、角を左側に向けた牡牛の印章。牛は、頭を右方向にひねり、目にタコがある模様。


(ア)記号の音価


 〇 左端の「クモ」型の記号: 印章を右に90度倒して見れば、次の通り。


(a)上部の「触角」をNI/RA。胴体をME。右側の「足」(2+1)本で、NI-(I/YA/SI/NO)。左側の足で、SAN/MI、あるいはI-I-YA。適宜KUMOを読み加えれば、


(NI/RA)-ME-NI-(I/YA/SI/NO)-(SAN/MI)/(IIYA)-(KUMO)


(b) 左右の「触角」+左側の「足」3本でYOSEと読めば、YOSE-ME-NI-(I/YA/SI/NO) 。


(c) 左右の「触角」+胴体でSAとすれば、SA-NI-(I/YA/SI/NO)-(SAN/MI)/[(I/YA/SI/NO)×3]。


 〇 左から2番目、「タコ」型の記号: 上部がTI/MI/SA、中央がORE、下部の足4本で、SI/YOあるいはI-YA-SI-NO。これに適宜TAKOを読み加える。


 〇 右から2番目の記号:NO-SAMA。


 〇 右端。「櫛」5本から、上下に柄の伸びた記号:KUTE/KUGO+(上下に伸びる縦棒)(I/YA/SI/NO)×2本。


(イ)解読


(左から右へ)


(a) (NI/RA)-ME-NI-(I/YA/SI/NO)-(SAN/MI)/(IIYA)-(KUMO)


(TI/MI/SA)-ORE-(SI/YO)/(I-YA-SI-NO) (TAKO) NO-SAMA KUTE/KUGO


(I/YA/SI/NO)×2


「睨め、兄さん。気持ち折れし、タコの様。食って良い」


 確かに、牛の左右の目が寄り、タコの様である。


(b) YOSE-ME-NI-(I/YA/SI/NO)


(TI/MI/SA)-ORE-(SI/YO)/(I-YA-SI-NO) (TAKO) NO-SAMA KUTE/KUGO


(I/YA/SI/NO)×2


「寄せ目にし、しおれし、タコの様。御供に、や」


(c) SA-NI-(I/YA/SI/NO)-(SAN/MI)/ [(I/YA/SI/NO)×3]


(TI/MI/SA)-ORE-(SI/YO)/(I-YA-SI-NO) (TAKO) NO-SAMA KUTE/KUGO


(I/YA/SI/NO)×2


「残念や、癒しの俺さ。タコの様。食って、死や」


(d)合成


 以上を合わせれば、「睨め、兄さん。気持ち折れ、しおれて寄せ目にし、目にタコの様だ。食って良い。御供に、や」。「残念や、癒しの俺さ、(北の)タコ様。食って、死にや」。

 この牛は、つぶされて、肉が使われる運命である。


(右から左へ)


(a) I-NI KUTE  NO-MASA (TAKO) (TI/MI/SA)-ORE-(SI/YO)/(I-YA-SI-NO)


(NI/RA)-ME-NI-(I/YA/SI/NO)-(SAN/MI)/(IIYA)-(KUMO)


「良い肉で、飲まさん。ことは、お礼さ」「遺産、目に、曇らん」


(b) (I/YA/SI/NO)×2 KUTE/KUGO NO-SAMA (TAKO)


(TI/MI/SA)-ORE-(SI/YO)/(I-YA-SI-NO)


 YOSE-ME-NI-(I/YA/SI/NO)


「いや、御供様の事は、俺のさ、目にし……」「よせ」


(c) (I/YA/SI/NO)×2 KUTE/KUGO NO-SAMA (TAKO)


(TI/MI/SA)-ORE-(SI/YO)/(I-YA-SI-NO)


 SA-NI-(I/YA/SI/NO)-(SAN/MI)/ [(I/YA/SI/NO)×3]


「いや、御供様の事は、俺、闇さんに。資産、見や」


(d)合成


 以上を合わせれば、「良い肉で、飲まさん。ことは、お礼さ」。「遺産/資産で、目が曇るだろう」。「いや、御供様の事は、俺の、さ、目にしみて……」。「よせ」。「いや、御供様の事は、俺、闇さんに。資産だ、見てくれ」。


(ウ)まとめ


 以上から、左から右へ読めば、「睨め、兄さん。気持ち折れ、しおれて寄せ目にし、まるで目にタコがある様だ。食って良い。これから御供に、や」。「残念や、癒しの俺さ、(北の)タコ様。食って、死にや」となるので、自分の運命を知り、消耗している牛への、労いの言葉である。

 また、右から左へ読めば、「良い肉で、飲まそう。ことは、お礼さ」。「遺産/資産で、目が曇るだろう」。「いや、御供様の事は、俺の、さ、目にしみて……」。「よせ」。「いや、御供様の事は、俺、闇さんに。その資産だ、見てくれ」となり、遺産や子供の結婚から手に入った牛の肉で、仲間と飲みながら、事の顛末の説明、また、そのやり取りである。



(13)Long Indus Seals(横長の印章が2つ登場する)


(ア)上方の印章: パルポラ (第2巻: パキスタン)の159頁、M-1262A。


 〇 左端から3番目、(3×4) 本の短い縦棒: MIYO/MISA/SISAN/YOSAN。


 〇 中央と右端の「男」記号:O/OTO/OTOKO。


 〇 右端から2番目の記号:上部3つのMASU+下部 SIYO/YOI。


(左から右へ)HO SO MIYO SI TUKI TO/OTOKO SO WA SIYO MASUMI TO

 細身良し。月と/ツキ男 添わしよ、娘と。


(右から左へ)OTOKO/OTO SIYO-MIMASU WA SO TO TUKI YA MIYO SOHO

 美しいよ、見えますわ。外の月夜を見よ。祖母。

 (あるいは)乙女、寂しい夜は、外の月夜を見よ。祖母。


 以上を繋げば「乙女よ、寂しい夜は、外の月夜を見よ。祖母」。「美しいよ、見えますわ」。「細身良し。月とツキ男を添わしよ、娘と」。


(注)パロディー


 右端から3つ目のWAをUにして読み換えれば、次の通り。


(左から右へ)HO SO MIYO/SISAN YA TU O SO U YOYA MASUMI TO

 ウソ、見よ、資産や。奴を襲う夜や、娘と。


(右から左へ))TO SIYO-MIMASU U SO O TUKI SI MIYO SOHO

  止めます、よし! 嘘をつきし、読み。祖母。

 (あるいは)年、読めます。ウソ、と月日見よ、祖母。


 文脈が一致する様に繋げば、「ウソ、見よ、資産や。奴を襲う夜や、娘と」。「止めます、よし! 嘘をついたとの読みは、祖母」。中央に連なるTUKI-TOが、弓矢を持つ男に見えるので、この解釈も可能か。



(イ)下方の印章。A.パルポラ「第2巻:パキスタン」の159頁、M-1262A。横長の印章に、記号が6個刻まれている。


 〇 左端の記号(2つ連なるもの):


 -上下逆のRAKU記号に、支線のペアを加えたと見れば、RAKU-(NI/RA)。

 -WA(中央) + TI (下部) +(上方と左右に支線のペア)と見れば、NI-SAN-TI-WA。


 〇 右端から3番目の「牛」記号: U/SENIの上部中央に、縦棒3本があるので、(U/SENI)-(SA/MI)。


 〇 U/UNISEの右側上部の、少し離れた縦棒をI/YA/SI/NOと読み加える。


 〇 右端に近い、4本の縦棒:1本ずつ読み換えて、I-YA-SI-NO。


 〇 右端の記号:「穂先」の記号SE。あるいは穂先の「羽」が2本で(SENI) +(短い斜め棒)と見做せば、SENI-(I/YA/SI/NO)。


(左から右へ)


 NI-SAN-TI-WA RAKU-(NI/RA)ME-SAME (U/SENI)-(SA/MI) I/YA/SI/NO I-YA-SI-NO SENI-YA


 兄さんの家は、楽に目が覚める店にや、癒しの痩せに。


(右から左へ)


 SENI-YA I-YA-SI-NO I/YA/SI/NO (U/SENI)-(SA/MI) ME-SAME NI-SAN-TI-WA RAKU-(NI/RA)


 痩せに、卑しいのや、失せにさ、正夢。二、三日は、楽に。


[あるいは(U/SENI)-(SA/MI)と読んだ「牛」記号が、底部・中央で割れている事に鑑み、WAREを読み加えれば]


(折り返して右から左へ)


 YO SAN-WARE-SIU MASAME RAKU-(NI/RA) RAKU-(NI/RA)


 予算割れする、目覚め、楽に、楽に。


 以上を合わせれば、「兄さんの家は、癒しながら痩せられる店。痩せるため、食べ過ぎも消える様な、正夢。二、三日は、楽に過ごせる。予算割れする目覚めで、楽に、楽に」。

 按摩/マッサージ師の印章か。左端から2つ並ぶ記号は、施術される人物の横たわる姿だろう。



(14)A.パルポラ「第一巻:インド」の76頁、M-307a。


「Bare Handed Tiger Wrestling Seals, Harappa」のサイトの5つの写真から、右下の長方形の印影。(左隣に印章)中央にワシの様な鳥がいて、両手(翼)を広げ、左右に居る鳥の首に手をかけて、何か勧誘する姿。左右の鳥は痩せており、骨と皮に見える。  


 〇 右端の記号: SAMU。


 〇 その左隣、「リ」の様な記号:INO/YASI。


(右から左へ) SAMU NO NI NI/RA U/SENI

 寒い野、逃げうせに/寒いの、狙う。


(左から右へ) U RA NI YASI SAMA

 裏に、ヤシ/癒し様。


 繋げて解釈すれば「寒そうな奴を掴まえて誘う。寒い野から、逃げうせないかと。背景に、癒しのヤシ様」となり、中央の鳥が、左右の痩せて寒そうな仲間に、「寒い冬を、ヤシの木の生える南方で過ごそう」と誘う場面。3匹とも渡り鳥と見られ、下の荒涼とした地面が、「寒い野」。中央は親鳥で、左右は雛かも知れない。

「裏に」をヒントに、印章を上下逆に見ると、ヤシの木が2本、並んで登場する。中央のNI/RAの記号、また「牛」の記号が、ヤシの幹。中央のワシの頭が、ヤシの実。両手(翼)が、枝葉となる。

 この印章は、古代メソポタミアの、2頭のライオンの中央に立つ男のデザインを揶揄した、パロディーの作品だろう。



(15)最も長い記述


「Indus Script Wikipedia」で検索し、上からスクロールすると、Decipherabilityの章が登場するが、その右手に、四角い銅板の写真が掲載されている。左下には土器用の、ろくろの様な物体。その前に男が座り、彼の背後には、花の咲く植物。残る左上のスペースに、5行にわたり、34のインダス文字が刻まれており、知られている中で、最も長い記述とされる。各行につき、上から下へ、(1)から(5)とすれば、次の通り。


(1)の行


(ア)音価


 〇 左端の記号:月が2つでFUTATUKI。あるいはTUを織り込んだ栗と見做してTUKURI。


 〇 右端の記号:基本は「舌」+「牛」記号であり、左右の両側が、線文字AのSAと見做せば、(SITA)-U-(NI/RA)-SA。


(イ)解読


 以上を踏まえれば、次の通り、日本語として読み取れる。


(左から右へ)


 FUTATUKI NA RA WA-SI SA NI-WA-NI MINA SI-GO/TE (SITA)-U-NI-SA

 蓋つきなら、ワシさ。庭に、皆 (これだけ)仕事したのさ/慕うのさ。


(右から左へ)


  (SITA)-U-NI-SA SI-GO/TE MINA NI-WA-NI SA WASI RA NE TUKURI/ FUTATUKI

 下にそう、仕事、皆、庭にさらし。ワシらね、職人/札付き。


(2)の行


(ア)音価


 〇 右端の記号:4本縦棒 +(左端に斜線)、とすれば、YOI。右側4本を、左2本+右2本、と捉えれば、NO-HASI-HASI。


 〇 右から2番目の「下の尖った土器」の記号: KI(器)。


 〇 右から3つ目の記号:WA。


 〇 左から3つ目の記号:記号2つ分の長さで、繰り返し記号。


 〇 左から2つ目。牛の頭の記号:U/SENI/TUBO。


(イ)解読


(左から右へ)


 RYU U (々)(々)NO MENIWO SI NO WA KI NO-HASI-HASI  

 流々の目に、ワシの和器の端々


(右から左へ)


 YOI KI WA INO YA WOMENI SIYA TUBO RYU

 良い器。ワイのや。お目にしや。壺流。


(3)の行


(ア)音価


 〇 左端の記号:(ME/WO)+2(/YA/SI/NO)


 〇 左端から2番目の記号:WO/4(I/YA/SI/NO)。上下の富士山形をYAMAとすれば、YAMA-NI。


 〇 左端から3番目の記号:WA。


 〇 右端の記号:ME/WO+4(I/YA/SINO)


(イ)解読


(左から右へ)


(ME/WO)+ 2(/YA/SI/NO) WO/4(I/YA/SI/NO)/(YAMA-NI)  WA ME/WA-KO-NO-(I/YA/SI/NO)

  DAI ME/WO +4(I/YA/SINO)

 野心目、お山には、ワシ。この代、4の目。


(右から左へ)


 ME/WO +4(I/YA/SINO)  DAI  ME/WA-KO-NO-(I/YA/SI/NO)WA WO/4(I/YA/SI/NO)/(YAMA-NI)

 (ME/WO)+ 2(/YA/SI/NO)


 〇4の目だい。このワシは、癒しの、目にしわ。

 〇石屋、飲みたい。飲め、今夜は、癒しの目をしや。


(4)の行


(ア)音価


 〇 左端の記号: 「穂先」のSE系の記号が、2つ横に交差している。上向きの「穂先」記号(「羽」3本)は、SE。下向きの「穂先」記号(「羽」4本)は、SE-(SI/YO)。更に交差する斜線と右手の縦棒でSA。すると、SE-NI-(SI/YO)-SA。


(イ)解読


(左から右へ)


 SE-NI-(SI/YO)-SA SA-RA-SI SAMUME YA SI NO U

 老舗さ、さらし、娘を養う


(右から左へ)


 WA NO YA SI SAMUSI SI-RA-NO-YA SE-NI-(SI/YO)-SA

 我が家寒し。知らんのや、背にしさん。


(5)の行


(ア)音価


 〇 右端の記号: NUあるいはRA-(SAN/MI)と読めそうだが、文脈から次の通り。


 -左右の波状の線をI-SI。その間に書き込まれた横線3~4本をI-YA-SI-NOあるいはMI-YOとして、ISI-(IYASINO)/(MIYO)(癒しの石/意志を見よ)。


 -NUの記号に似ているが、左側の波状線が強調され、また左右の縦線の乖離、また底部の追加的な横線を踏まえ、I-NU-I。登場する男性が、イヌの頭巾を被っているので「イヌイ」との署名だろう。


(イ)解読


(左から右へ)


 MASUME NI ME-SA MASE (I-NU-I)/(I-SI-MI-YO)

 娘に、目を覚ませ、イヌイの石/意志を見よ。


(右から左へ)


 I-NU-I SEMA MESA RA MASUME

 イヌイを責めます乱 (の)娘。


(6)まとめ


(ア)以上を繋ぎ、解釈すれば、


 蓋つきなら、ワシさ。庭に、皆 (これだけ)仕事したのさ/慕うのさ。

 下にそう、仕事、皆、庭にさらし。ワシらね、職人/札付き。


 流々の目に、ワシの和器の端々

 良い器。ワイのや。お目にしや。壺流。


 野心目、お山には、ワシ。この代、4の目。

 4の目だい。このワシは、癒しの、目にしわ。

 石屋、飲みたい。飲め、今夜は、癒しの目をしや。


 老舗さ、さらし、娘を養う

 我が家寒し。知らんのや、背にしさん。


 娘に、目を覚ませ、イヌイの石/意志を見よ。

 イヌイを責めます乱 (の)娘。


(イ)これらを繋ぎ、並べ替えて解釈すれば、次の通り。


 仕事を皆、庭に展示するワシらは、札付きの職人だ。良い器は俺のだ。お目にしや、壺流。蓋つきの器なら、ワシさ。庭にこれだけ仕事したので、皆、慕うのさ。一流の目に、ワシの和器の数々。野心目、親方は、ワシ。この代で、4の目。ワシは、癒しの目に、しわ。

 石屋は、飲みたい。飲め、今夜は、癒しの目をしや。

「我が家は寒い、知らんのか、背を向けながら」と娘は反抗し、イヌイを責めます。これに応えるに、

「老舗をさらし、お前を養うので、娘よ、目を覚ませ。イヌイの石/意志を見よ」。


(ウ)右下に座り、イヌの頭巾を被り(正体を隠す)人物が、イヌイだろう。頭巾がイヌを象るとしても、何故か、片耳の先端に突起があるので、銅板を90度、時計回りに回転させると、頭巾の部分が、獣の頭に見える。右方向に大きく口を開き、上顎の先端に牙がある。これをイノシシと解釈すれば、戌と亥で、まさにイヌイである。

 彼が石工職人である事を踏まえ、(1)行の左端の記号の形状から、ナシと捉えれば、隅のナシで「炭なし」と読めるだろう。

 また背後(右端)の植物に関し、上部左側の二つの花を指で隠せば、縦に長い茎が鼻筋となり、娘の顔が現れるが、イヌイの背後にいるので、記述と符合する。


(7)縦読み


 銅板には、後からついた傷の様に、白く削られた箇所があり、特に、イヌイの顔の前から頭上にかけて、斜めに走る帯。更に(5)行の左端の記号から垂れ下がる白い帯が目立つが、合わせれば、ポルノ仕立ての漫画に見える。

 ついては、更なるメッセージが「魔法陣」的に隠れていると推測し、各行につき、それぞれ左端の記号を拾い、縦に読めば、次のとおり。  


(上から下へ)FUTATUKI/ TUKURI RYU (ME/WO)+2(/YA/SI/NO)  SE-NI-(SI/YO)-SA MASUME


 札付き流さ/ 浮き立つ竜、ワシの背に資産 (の)娘 

 札付き流さ、浮き立つ竜。ワシの背に、資産の娘、


(下から上へ)MASUME  SE-NI-(SI/YO)-SA (ME/WO)+2(/YA/SI/NO) RYU KIFUTATU /TUKURI

 娘を背に、資産目の野心流。蓋つき作り、ゆっくりと/雪二つ/浮き立つ二人か。 


 ここで再び、イヌイの背後の植物に着目し、上部の左側の花を隠せば、左側に、丸みを帯びた女性の顔、右側に、シャープな輪郭の顔が現れる。「雪二つ」とは、色白の娘と妻を指すのだろう。

 イヌイの顔の前から「土器」の記号に向け、斜め上に走る白い帯には、RYU FUTATUKI /TUKURIを「浮き立つフグリ」と解釈すれば、漫画として整合的である。 



(16)「地球ことば村・世界の文字」のサイトで「インダス文字」


 冒頭の頁に登場する、右向く四つ足動物の印章。右端が摩耗/ 破損している。


 〇 上段。左端の(斜線上の3つの「目」)記号:(ME/MA)-(SA/MI)-(I/YA/SI/NO)。


 〇 上段。左から2つ目、(逆さタコ)記号:(ME/MA/MI)-(TI/RE)-(I/YA/SI/NO)。   


 〇 下段。左側:(MA/ME)-SA。右側:U/NISE。


 〇 動物の片方の耳(文字列に並ぶ): ME/MA。


(左から右へ)動物の尻から背中の上の、下段の記号を先に読む。


(MA/ME)-SA U/NISE (ME/MA)-(SA/MI)-SI

(ME/MA/MI)- (TI/RE)-YA U-(NI/RA) MITI ME/MA NI


 サンマ、失せに、メザシ道や。狙う道、目の前に。  


(右から左へ)上段の記述を読む際、下段の記号を織り交ぜる。


 NI ME/MA MITI (U/NISE)-(NI/RA)(下段より)U/NISE

  (ME/MA/MI)- (TI/RE)-YA  (ME/MA)-(SA/MI)-SI (下段より)(MA/ME)-SA


 逃げ道、裏に、失せに。待ちや、飯さ/目刺しのサンマ。


 以上を合わせれば、「サンマが逃げようと道を探したら、目の前にあった。しかし裏道も失われた。待っていろよ、飯さ。目刺しのサンマ」。


 サンマの「メザシ道」の中に「目指す」と「目刺し」の掛詞。印章の右端が、ちょうど動物の目を通るラインで大きく欠けているが、意図的なら「メザシで欠けて/掛けている」との意味だろう。あるいはサンマに「目がない」のかも知れない。

「裏」をヒントに、印章を上下逆にすると、文字列が漫画に転換する。右手に、タコやカニ等、海の生き物がいて、左手には洞窟。その中に、縦長のサンマが2~3匹、閉じ込められている。因みにサンマは、インド洋でも漁獲される由。



(17)パルポラ「第2巻:パキスタン」の144頁、M-1203A。「Seals from Mohenjodaro, Robert Harding」で検索可能。


 左向く一角獣の印章。角の根元の高さで、太い帯が水平に走り、一角獣の目が、かき消されている。


(ア)記号の音価


 上部の4つの記号に、左から右へ、①から④までの番号を付せば、文字列に並ぶ、一角獣の角などと共に、次の通り。


(一角獣の角): I/YA/SI/NO/TUNO。

(一角獣の角の右手に、上から降りる縦棒) I/YA/SI/NO。


 ①帆の記号:HO。


(一角獣の鞍の上に浮く、短い横棒):I/YA/SI/NO。


 ②左から2番目の記号:下記の通り、場合分けする。


 -MITIの「針の孔」に斜線2本と見れば、MITI-(NI/RA)。

 -斜線を1本とすれば、MITI-(I/YA/SI/NO)。

 -「針の孔」をTUと読めば、MITU。


 ③長く、平行な縦棒4本の底部に横棒:(YO/SI)-(I/YA/SI/NO)。

「櫛」記号と見做せば、KU-(SI/YO)。

 特に、櫛の歯3本でKAWAと読めば、KU-KAWA-(I/YA/SI/NO)。


 ④ 右端のナシ記号: NAの中に3本の横線で、NA-(MI/SA)。


(イ)解読


 A.上記②の記号につき、MITI-(NI/RA)とした場合。


(左から右へ)


(角)I/YA/SI/NO  HO  I/YA/SI/NO  MITI-(NI/RA) ③ NA-(MI/SA)


 上記③=(YO/SI)-(I/YA/SI/NO):


 角(YA) I/YA/SI/NO HO I/YA/SI/NO MITI-(NI/RA) YO-I NA-(MI/SA)


 〇 やや!星、満ちに、良い渚。

 〇 潮の満ち/ 道に、良い波さ。


 上記③=KU-(SI/YO)/ [KAWA-(I/YA/SI/NO)]


 角(YA) I/YA/SI/NO HO I/YA/SI/NO  MITI-(NI/RA) KAWA-I NA-(MI/SA)


 〇 やや!星、満ちに、可愛い渚。

 〇 潮の満ち・道に、可愛い波さ。


(右から左へ)


 NA-(MI/SA)③ TIMI-(NI/RA)  I/YA/SI/NO  HO I/YA/SI/NO 角


 上記③=(YO/SI)-(I/YA/SI/NO):


 NA-(MI/SA)(YO/SI)-(I/YA/SI/NO) TIMI-(NI/RA)  I/YA/SI/NO  HO  I/YA/SI/NO 角

 サー波/ 渚/ さあ皆、の夜。君らの星や。


 上記③=KU-(SI/YO)/ [KAWA-(I/YA/SI/NO)]


 NA-(MI/SA) KU-(SI/YO)/[KAWA-(I/YA/SI/NO)] TIMI-(NI/RA) I/YA/SI/NO HO I/YA/SI/NO 角(YA)


 〇 NA-MISA KUYO TIMI-RA NO HO SI YA

 さあ波/ 渚/ さあ皆、来るよ。君らの、星や。


 〇 NA-(MI/SA)KAWA-(I/YA/SI/NO) TIMI-(NI/RA) NO HO SI YA

 皆、若い/ 可愛い、君らの星や。


 繋げて解釈すれば、


「やや!星、満ちた/ 潮の満ちた、良い/可愛い、渚。

「さあ波、来るよ。渚/ 皆、の夜。皆、若い/ 可愛い、君らの星や」。


 B.上記②の記号につき、MITI-(I/YA/SI/NO)とした場合。


(左から右へ)


(角)I/YA/SI/NO  HO  I/YA/SI/NO  MITI-(I/YA/SI/NO) ③

 NA-(MI/SA)


 上記③=(YO/SI)-(I/YA/SI/NO):


(角)I/YA/SI/NO  HO  I/YA/SI/NO  MITI-(I/YA/SI/NO)

  (YO/SI)-(I/YA/SI/NO) NA-(MI/SA)


 角(I) SI HO YA MITI-SI YO-I NA-(MI/SA)

 良い潮や満ちし、良い渚。


 上記③=KU-(SI/YO)/ [KAWA-(I/YA/SI/NO)]


 角(YA)I/YA/SI/NO  HO  I/YA/SI/NO  MITI-(I/YA/SI/NO)

  KU-(SI/YO)/ [KAWA-(I/YA/SI/NO)] NA-(MI/SA)

 やや、星、満ちし、可愛い渚。


(右から左へ)


 NA-(MI/SA)③ TIMI-(I/YA/SI/NO) I/YA/SI/NO  HO I/YA/SI/NO 角


 上記③=(YO/SI)-(I/YA/SI/NO):


 NA-(MI/SA)(YO/SI)-(I/YA/SI/NO) TIMI-(I/YA/SI/NO) I/YA/SI/NO

 HO I/YA/SI/NO 角


 〇波の夜/ 波良し/ さあ皆、夜や。満ちし/ 君の、潮や。


 上記③=KU-(SI/YO)/ [KAWA-(I/YA/SI/NO)]


 NA-(MI/SA) KU-(SI/YO)/[KAWA-(I/YA/SI/NO)] TIMI-(I/YA/SI/NO) I/YA/SI/NO  HO I/YA/SI/NO 角


 〇 NA-(MI/SA) KUYOSI TIMI-NO SI HO YA

 波さ/涙、悔しい。君の潮や。


 〇NA-(MI/SA) KAWA-(I/YA/SI/NO) TIMI-(I/YA/SI/NO) I/YA/SI/NO  HO I/YA/SI/NO 角

 波さ/涙、かわし/可愛い、君の 潮や。


 繋げて解釈すれば、


「良い潮や満ちし、良い渚」。「やや、星、満ちし、可愛い渚」。

「波の夜/ 波良し/ さあ皆、夜や。満ちし/ 君の、潮や」。

「波さ、かわし。涙、悔しい。可愛い君の潮や」。


 すると水平に走る太い帯は、満ち潮、あるいは失恋の涙。水が、一角獣の目を隠すまで満ちているが、涙かも知れない。


 C. 上記②の記号につき、MITUと読む場合。


(左端のHOから、右へ)HO  I/YA/SI/NO MITU  YO-I  NA-(MI/SA)

 帆の満つ、良い波さ/ ほんの蜜よ。良い、そんな。


(右から左へ)MINA YOI MITU I/YA/SI/NO HO (I/YA/SI/NO) 角

 皆、良い。蜜屋が、欲しい。


(ウ)漫画


 一角獣の腹の下に、矢尻の様な短い線が、放射状に3本あるが、これをMITUYAと読めば整合的。一角獣の肩から、背中の裏側にかけて、丸みを帯びた、綿菓子状の物が被うが、ハチの巣に見える。すると腹の下の短い3本線などは、ハチであり、この3本線(MITUYA)が、店の商標で、「君らの星」に相当する可能性があろう。因みに「君の潮や」は「君の八百屋」と読み換えられる。

 養蜂業者(蜜屋)の印章。ハチ蜜には「目がない」ので、一角獣の目が隠れており、そこを水平に流れる帯は、ハチ蜜だろう。

 印章を上下、逆さにすると、①の帆の記号が、花咲く植物となり、すぐ左上をハチが飛ぶ漫画が登場する。



(18)The first Indus Seal (Harappa.com)


 四角い、一角獣の印章で、同じ頁の右側に印章、左側に印影の写真が掲載されている。印章の周囲が、摩耗により消えて、丸みを帯びている。一角獣が、鼻先から顔、また後ろ足を中心に、消えかかった姿。左側の写真を基準に、次の通り。


 〇 右端の記号:MASUMEの右半分の消えた記号、あるいはSONO/SIYAと解する。


 〇 中央右寄り、中央に斜線入りの「魚」の記号:

  TA- (I/YA/SI/NO)、あるいは、(ME/MA)-YO-(I/YA/SI/NO)。


 〇 中央左寄り、「目」の重なった記号:(MA/ME)-(MA/ME)あるいは(MA/ME)-NI。


 〇 左端の記号:I/YA/SI/NO。または左側の消えた/欠けたWAで(KIE/KAKE)-WA。


(左から右へ) SI RA/NI (MA/ME)-(MA/ME) SITA/MEYOSI NI/RA MASUME/SIYA

 知らんまま、下に娘/したらしいや/よしみに娘、しや。


 (あるいは)死に目 が増した、らしいや。


(右から左へ)SONO/MASUME NI SITA MEME/MAMA RA SI

 その娘に下心らしい。


 以上を合わせて解釈すれば、「知らないうちに、下に娘。娘がよしみで。お蔭で死に目が増した由。その娘に下心があったらしい」。

 左端の記号は(KIE/KAKE)-WA(消えかけの輪)とも読めるが、印章の周囲が丸みを帯び、一角獣が消えかかっているので、「死に目増す」話と符合する。

 一角獣の頭の下に、横線4本、縦線2本による小さな格子(目/升)が描かれているが、この文脈なら、SI-NI-ME/MASU(死に目/死にます)。更にHA(歯)/ME(目)が(3×3)個と見做し、合わせ解釈すれば「さんざんハメ、死にます」。

 次に印章を上下逆さにすると、右上方の穴から、大きな辰が首を突っ込む漫画となるが、一角獣の消えた顔が、辰として再登場した形。まるで雲の中(天国)にいる様だが、老人に見立てていよう。左下には、娘の顔。 



(19)A.パルポラ「第2巻:パキスタン」の1頁よりM-595A。


 四角い印章で、左向く一角獣の左上の隅が削れ、また左下の隅から底辺の真ん中にかけて、欠けている。上部に記号が6個ほど並ぶ。

 M-595Aは印影で、荒い粒子の散乱する、M-595aが印章だろう。それぞれ解読すると、異なる結果が得られるので、分けて考える。


 ◎ M-595A(印影)


(ア) 音価


 各記号に、左から右へ、①から⑥までの番号を付せば、次の通り。


 ① 細長い「車輪」: KA-(ME/MA)。

 ② 短い2本の縦棒: NI/RA。


 ③ 5本足の、下向くキツネ:分解し、上の方から、

(ME/MA)-(KU/SE)-(TE/GO)-(NO/YAI)-KITUNE。

 ④ 5本の「熊手」記号:(GO)+TE-(I/YA/SI/NO)。あるいは、KUMADE。


 ⑤「男」の合成記号:(O/TO/OTO/OTOKO)-(WA/TI/RE)。

 ⑥ 細長い「牛」記号: U/SENI/TUBO。


 〇 一角獣の耳: 「目」記号に準じて、MI/MEと適宜、読み込む。

 〇 一角獣の角: 適宜、SI/YAとする。


(イ)解読


(a)右から左へ


 U/SENI/TUBO  OTO-(WA/TI/RE)  [(GO)+TE-(I/YA/SI/NO)]/KUMADE 

 ME/MA-(KU/SE)-(TE/GO)-(NO/YAI)-KITUNE NI/RA KA-(MA/ME) SI/YA


 USENI  OTO-WA  KUMADE 

 NO-MA-SE-TE-KITUNE NI/RA KA-(MA/ME) SI/YA


 失せに夫は、吐くまで、飲ませて、キツネに。負けや。


(b)左から右へ


 KA-(ME/MA)  NI/RA (ME/MA)-(KU/SE)-(TE/GO)–(NO/YAI)-KITUNE  [(GO)+TE-(I/YA/SI/NO)]/KUMADE (O/TO/OTO/OTOKO)-(WA/TI/RE) U/SENI/TUBO


 KA-MA NI  KITUNE-ME-YAI-KUSE-GO

 KUMADE OTOKO-WA TUBO


 窯に、雌キツネ、やい。クセえ/焼くぜ、御供まで。男は、没。


(ウ)総合


 以上を合わせれば、「失せた夫は、吐くまで、飲ませて、キツネに。負けや。窯に、女狐、やい。クセえ! 焼くぜ、御供まで。男は、没」。

 印章を上下逆さにすると、文字列が、家屋内の漫画に変貌する。左端が入り口。すぐ右手には、両手を上げた人物。中央に熊手があり、逆さのキツネを、右端の窯に押し込もうとしている。

 失踪の後、登場した夫を疑い、吐くまで飲ませたら、化けた女狐だったので、窯で焼く事となった。(印章の把手の形からも、女狐と推測される)元の夫は、女狐に騙されて、失踪。この女狐が、夫に化けて現れたのだろう。 


 ◎ M-595a(印章)


(ア)音価


 音価は、(甲)M-595Aの場合と基本的に同じだが、左右が逆。異なる点は、次の通り。


 ② 短い2本の縦棒: NI/RA/IIとする。


 ⑤「男」の合成記号の右側上部に「目」が出来ているので、

(O/TO/OTO/OTOKO)-(WA/TI/RE)+(ME/MA)とする。


 ⑥「牛」記号の左側上部が欠けているので、SENI-(I/YA/SI/NO)。

 〇 一角獣(右向き)の右上の隅が削れており、SUMIKAKE(隅欠け)と読み込む、


(イ)解読


(c)右から左へ


 KA-(ME/MA)  NI/RA (ME/MA)-(KU/SE)-(TE/GO)–(NO/YAI)-KITUNE  [(GO)+TE-(I/YA/SI/NO)]/KUMADE (O/TO/OTO/OTOKO)-(WA/TI/RE)

 SENI-(I/YA/SI/NO)


 ME-KA  RA KUSE-KITUNE-ME-NO-GO

 TE-SI  O-RE SENI-NO


 目から、クセえ、女狐の如し。俺、の背に/乗せに。


(d)左から右へ


 SENI-(I/YA/SI/NO) (O/TO/OTO/OTOKO)-(WA/TI/RE)

[(GO)+TE-(I/YA/SI/NO)]/ KUMADE ME/MA-(KU/SE)-(TE/GO)-(NO/YAI)-KITUNE

 NI/RA/II KA-(MA/ME) SUMIKAKE


 SENI-SI OTO-WA [(GO)+TE-(I/YA/SI/NO)]/ KUMADE

 ME/MA-(KU/SE)-(TE/GO)-(NO/YAI)-KITUNE

 NI/RA/II KA-(MA/ME) SUMIKAKE


 偽し夫は、御供まで焼いて。キツネのヤイ、クセえ、ゴミに負け、霞かけ。


(ウ)総合


 以上を合わせれば、「目から、クセえ、女狐の如し。俺の背に。ニセ夫は、御供まで焼いて。キツネのヤイ、クセえ、ゴミに負け、霞かけ」。

 M-595aを左に倒して見ると、一角獣の耳が、今度は(キツネの)「目」に変貌を遂げ、一角獣と背中合わせに乗る姿で、キツネが登場する。一角獣の周囲に散乱する、荒い粒子は臭い「キツネのゴミ」。これは、M-595A(印影)に登場したキツネを掴まえて、窯で焼いた時に出た、ススや灰、ゴミであり、一角獣の背に乗るのは、キツネの霊だろう。



(20)A.パルポラ「第2巻:パキスタン」の4頁よりM-623A。左向く一角獣の印章。


(ア)記号の音価


 〇 右端: WA-I。


 〇 右から2番目の合成記号: WA-I-RE/SE。


 〇 右から3番目の合成記号: NO-ME-YA。


 〇 右から4番目の「キツネ」記号:上の楕円がME/MA/WO。縦棒から出た「足」が4本と見做せば、(KU/SE)-(SI/YO)。5本なら、(KU/SE)-(TE/GO)。あるいはKITUNEと読み、5本足とする場合、I/YA/SI/NOを加える。

 従って(ME/MA/WO)- (KU/SE)-(SI/YO)/ (TE/GO)、あるいはKITUNE-( I/YA/SI/NO)。


 〇 中央の「熊手」記号: (GO)-TE-(I/YA/SI/NO)。


 〇 左から3番目の「タコ」形の記号: 上部がTUTU、中央の屈曲でORE、下部の4本線がSI/YO。これに適宜TAKOを加える。TUTU- ORE- SI/YO-(TAKO)。


 〇 左端の記号:KA。左側が消えており、意図的とすれば、KA-(KE/KESI)。


(イ)解読


(右から左へ)WAI WAI-(RE/SE) NOMEYA

  KITUNE- NO TA/(ME-SI/YO) (GO)-TE-NO MA/ME-SA-MU NI/RA


 TUTU- ORE- SI/YO-(TAKO) (MA/ME)-SA KA


 ワイワイして、飲めや。キツネ/寝つきの飯よ。試しよ、御殿の娘ら。ツツ、オレシ、タコか。まさか。


(左から右へ) KA-KE SA-MA/ME (TAKO)-TUTU-ORE-SI/YO NI/RA 

 (MA/ME)-SA-MU (GO)-TE-YA TA/(ME-SI/YO)  KITUNE-NO


 官憲様、事は、ツツ、俺氏よ、世に目覚めて、やった飯よ。キツネの


(あるいは)(ME/MA/WO)- (KU/SE)-(SI/YO)/ (TE/GO) NOMEYA WA-I-RE/SE WA-I    


 目を、しくさって。飲めや、祝いだぜ、祝い!


(ウ)まとめ


 以上を合わせれば、「ワイワイ、飲めや。キツネ/寝つきの飯よ。試しよ、御殿の娘ら。ツツ、オレシはタコか。まさか」。(ここで官憲、登場)「官憲様、事は、ツツ、俺氏よ、世に目覚めて、やった飯よ。キツネの目を、しくさって! 飲めや、祝いだぜ、祝い!」。

 M-623aが印影であるが、これを左に90度倒せば、漫画が登場する。右下に帽子を被った、キツネ目の「官憲様」の、憮然とした横顔。左側には、これに応対する酔っ払いの顔が見えるが、鼻からタコの足が生えている様に見える。更に、左に90度倒して上下逆さにすると、怪しげな漫画が見えそうである。

 この文脈なら、左端の記号KAは、左側が消えているので、KESI-KA-RAN。また印章の右下部分が、減る様に削られて、一角獣の目が欠けているので、ME-KAKE、HERASI。これはお代官様の言葉で、「妾を侍らすとは、けしからん!」との意味だろう。 



(21)A.パルポラ「第2巻:パキスタン」の5頁より、M-624A


 左向く一角獣の印章。一角獣の尻尾の周辺を中心に、右下の部分が大きく破損している。上部に、4つの記号。


 〇 右端の「クモ」記号: 触角をNI/II、胴体をME/MA、上下、3本ずつの足をMIMI/MISA/SANSANとし、適宜KUMOを読み加える。すると、NI/II - (ME/MA)- (MIMI/MISA/SANSAN)-KUMO。


 〇 右から2番目の「男」記号:左側の手の先に、短い斜線があるので、                               (TO/O/OTO)-(I/YA/SI/NO)。


 〇 左端の記号: 上下に分ければ、WAWA/WOWA。あるいはTOU(塔)/YAGURA(櫓)。


 〇 一角獣の角: I/YA/SI/NO。


(右から左へ)NI- (ME/MA)- MIMI-KUMO TO-SI TUKI TOU/YAGURA SI

  耳目に雲。年月を問う、輩同士。


(左から右へ)SI TOU/YAGURA TUKU TO-SI (NI/II)-(ME/MA)-SANSAN-KUMO

    四十や、グラつく年に。さんざん良い目、もく。


 以上を合わせれば、「耳目に雲。年月を問う輩同士だ。四十で、グラつく年に。さんざん良い目に、しかし黙っていよう」。一角獣は、満足げに目をつむる。足が細く、年配と見られる。もし右下の破損が意図的ならば、「もう後が、ない」との意味だろう。



(22)A.パルポラ「第1巻:インド」の表紙の印章。29頁のM-66A。左向く一角獣の印章。「one-horned bull = one-horned Aurochs Mohenjo-daro M 66」で検索可能。


(ア)記号の音価


 左から右へ、①~⑧の番号を付せば、次の通り。但し⑧は、右下の「牛」記号。


(一角獣の角) I/YA/SI/NO。


 ① 上部は、TI/RE。そこで、


(a)下部をMASA/MESAとすれば、(TI/RE)-(MASA/MESA)。または、


(b)中央の左右へ伸びる支線を2×(I/YA/SI/NO)、下部をMA/MEとすれば、

 TI/RE-2(I/YA/SI/NO)- MA/ME。


 ② 「カニ」記号:左半分がSAMA/SAME、右半分は、下部の4本「足」で、4×(I/YA/SI/NO)、上部が1本「足」で、I/YA/SI/NOまたはTUTU/WA。すると、(SAMA/SAME)-4(I/YA/SI/NO)-(I/YA/SI/NO)/TUTU/WA)。


 ③ 上部が、ME/MA。中部が、TU/TUKI。下部が、I/YA/SI/NO。従って、(ME/MA)- (TU/TUKI)-(I/YA/SI/NO)。

 ④ NI/RA。


 ⑤ RI。

 ⑥ 長い縦棒を意識して、(I/YA/SI/NO)-(NA/NE/SIKAKU)。


 ⑦ 通常、REだが、縦棒が下に長いので、RE–(I/YA/SI/NO)。上部をTIとすれば、TI-(I/YA/SI/NO)。更なる読み換えとして、MITE /SATE。まとめれば、[TI/RE–(I/YA/SI/NO)] / MITE/ SATE。


 ⑧ U/USENI。


(イ)解読


  各記号をローマ字に直し、左から右へ並べれば、次の通り。


 ①の(a)の場合:


 I/YA/SI/NO (TI/RE)-(MASA/MESA) (SAMA/SAME)-4(I/YA/SI/NO)-(I/YA/SI/NO)/ TUTU/ WA

(ME/MA)- (TU/TUKI)-(I/YA/SI/NO) NI/RA RI (I/YA/SI/NO)-(NA/NE/SIKAKU)

  [TI/RE–(I/YA/SI/NO)] / MITE/ SATE U/USENI


(左から右へ)


 NO MASA-RE SAMA-YO-I-TUTU ME-TUKI-NO RA RI NA-YA TI/RE-NO- SATE U/SENI

 飲まされ、彷徨いつつ、目つきの、ラリなんや。埒の沙汰、失せに。


(右から左へ)


 U/SENI NO-RE NEI RI NI TUKI-YAME YO-I-SAME-SI TI/RE-SAMA-YA

 背中に乗れ、念入りに、突き、ヤメ。酔い、醒めし。散れん様や。


 ①の(b)の場合:


 I/YA/SI/NO  TI/RE-2(I/YA/SI/NO)- MA/ME (SAMA/SAME)-4(I/YA/SI/NO)-(I/YA/SI/NO)/ TUTU/ WA

(ME/MA)- (TU/TUKI)-(I/YA/SI/NO) NI/RA RI

(I/YA/SI/NO)-(NA/NE/SIKAKU)  [TI/RE–(I/YA/SI/NO)] / MITE/ SATE U/USENI


(左から右へ)


 NO ME-YAI- TI/RE SAME-TUTU-IYASINO  ME-TUKI YA RA RI I-NE MITE USENI

 飲めや、いじれ。醒めつつ、癒しの目つき、やらん。ラリ、良いね。見て、うせえに。


(右から左へ)


 U/SENI NO-RE NEI RI NI TUKI-YAME YO-I-SAME-SI TI/RE-2(I/YA/SI/NO)- MA/ME  I/YA/SI/NO

 背中に乗れ、念入りに、突き、ヤメ。酔い、醒めし。散れんの、やめい。


(ウ)まとめ


 すると、以上を合わせ、次の通り。


「飲まされ、彷徨いつつ、目つきの、ラリなんや。埒の沙汰、失せに」。「飲めや、いじれ。醒めつつ、癒しの目つき、やらん」。「ラリ、良いね。見て、うせえに」。

「背中に乗れ、念入りに、突き、ヤメ。酔い、醒めし」。「散れん様や。散れんの、やめい」。


 一角獣の目がトロンとして、後ろに寄っている。飲み過ぎだろう。印章を逆さにすると、一角獣が、目を見開いて口を大きく開き、嘔吐する姿が現れる。



(23)Archaeology of Indus Civilization Script and Seals


  「03」番の四角い印章。左向くコブ牛が、涙を流している。高齢と見られる。


(ア)音価


(牛の角):2本でWA。右側1本ならI/YA/SI/NO。全体の形状から、TUBO。

 従って、WA/ (I/YA/SI/NO)/ TUBO。


(左側、牛の背中の上):3本の短い縦棒で、KAWA/ SA/ MI/ 3(I/YA/SI/NO)。


(右端):RE/ (RE-I/YA/SI/NO)。またはTI-(I/YA/SI/NO)。上部を舌と見做せば、SITA-(I/YA/SI/NO)。

 従って、RE/ [(RE/ TI/ SITA) -(I/YA/SI/NO)]。


(イ)解読


(左から右へ)


 WA/ (I/YA/SI/NO)/ TUBO  KAWA/ SA/ MI/ 3(I/YA/SI/NO)  RE/ [(RE/ TI/ SITA) -(I/YA/SI/NO)]


 A.死別


(左から右へ) WA/SI KAWA RE (ワシ、変われん)

(右から左へ) (TI/RE-YA) I-YA-SI BOTU (散れん/ 試練や。死没)

(折り返して、左から右へ)WAKA RE (別れ)


 高齢者が「自分は、もう変われない」と嘆いていたら、没してしまったとの筋書き。印章を左に倒すと、牛の頭が、頭蓋骨の漫画に変貌する。


 B.未練


(右から左へ)


 〇 SITA-SI SA WA  (親しさは)

 〇 NO-TI I-YA-SI YA (後に、癒しや)


(折り返して左から右へ)MI RE/ YATI (未練やし)


「親しさは、未練やし」。牛が涙流す姿と符合する。


 C.天国


(左から右へ)


 〇 WA/SI SA YATI (ワシ、さや地)

 〇 WA/SI MI TASI-YA (ワシ、見たし)


(右から左へ)YARE SAI WA/I (やれ、幸い)


「ワシ、さや地見たし。やれ、幸い」。


(ウ)まとめ


 以上を合わせて解釈すれば、


「ワシ、変われん。散れん」。「試練や、死没の別れ」。「親しさは、未練やし」。「後に、癒しや」。

「ワシ、さや地見たし。やれ、幸い」。


(エ)漫画


 印章を上下、逆さにすると、牛の頭が、フリルに被われた漫画に変貌する。ここは、天国だろう。

 上下逆になった文字列も漫画となり、お墓参りの場面。右端に墓、その前に、子供3人と親が並ぶ。上部の右手に、彼等を見下ろす、頭巾を被った老人の顔が現れるが、死没者の霊と見られる。



(24)A.パルポラ「第1巻:インド」の167頁より、H-10a。


 右向く一角獣の四角い印章。「Seal from Indus Valley Civilization - 2600 BC, Raj Kukreja」で検索可能。


(ア)記号の音価


 〇 右端の、逆さハート形の記号: 神社に見られる、ハート型の魔除け「猪の目」と同じ形なので、INOME。


 〇 右から2番目の、逆さハート形の記号: 左側の「目」が消えているので、INOME/NOYA。


 〇 中央、短い縦棒が2段並ぶ記号: 8本なら、HA/YA/YONI/YORA。上下に1本ずつ消えていると見做せば、MIMI/SASA/MISA。


 〇 中央、左寄りの「チリ取り」記号: NAの中身が消してあり、KESINA。


 〇 左から3番目の「チリ取り」記号: 横縞3本を読み込み、MINA/SANA。


 〇 左から2番目の「タコ」記号: 分解し、上からTUTU-(I/YA/SI/NO)。中央の屈曲が、ORE。下部が、(GO/TE)-(I/YA/SI/NO)。


 〇 左端: KA-(MA/ME)。


 〇 一角獣の角: 適宜、SIと読み込む。


(イ)解読


(右から左へ)


 NOMEI NOMEINOYA TUKI TO SANZAN NASIKE MINA SI-ORE-TUTU-GO-I KA-(MA/ME)

 飲めえ、飲めんのや。きっと、さんざんな時化の波。皆、しおれ、俺、囲碁しつつ、負け目。


(左から右へ)


 KA-(MA/ME) SI-TUTU-TE-REO-YA MINA/SANA KESINA MIMI TO TUKI INOME/NOYA

 INOME

 めかしつつ、照れ男や。波消しな、「耳と月」の舞いやの。


(ウ)まとめ


 以上を繋げば「飲めえ! 飲めんのや。きっと、さんざんな時化の波。皆はしおれ、俺は、囲碁しつつ、負け目。照れ男は、めかしつつ、波消しに『耳と月』の舞いを披露する」。

 一角獣の耳は、半月の形で、「耳と月」を象徴。一角獣の頭から首にかけて、波の様な縞が幾重にもあるが、耳から左の部分では消えており、「波消しの、耳と月」を表現している。これは海を鎮める、舞いの演目だろう。一角獣は、毛繕いが整い、お洒落した様子。

 なお一角獣の印章に特徴的な、右下の置物は、変則的な縞が目立つが、これを帆掛け船に見立てれば「帆」の部分の縞模様は、回転運動。「船体」部分の縞模様は、横揺れを表し「時化」の表現だろう。更に右端から2つ連なる、「猪の目」の記号は、「囲碁の目」かも知れない。



(25)A.パルポラ「第2巻:パキスタン」の10頁、M-628。但し11頁の印影、M-628aが見やすいので、これを基準にする。


 右向く一角獣の四角い印章。後ろ足が、腿から下で、斜線に沿って消えている。


(ア)記号の音価


 上部の記号に、左から右へ、①から⑦までの番号を付せば、次の通り。


 ① 左端。細長く縊れた「牛の頭」の記号:U/SENI/TUBO。


 ② 砂時計を横にした様な記号:SAMU+2(ME/MA)、あるいは、SAMU+4(I/YA/SI/NO)。


 ③「魚」の記号:TA/[ME-(SI/YO)]。


 ④ 上部の、短い縦棒2本:NI/RA/HASI。


 ⑤「タコ」の記号: 上部がTUTU、中央がORE、下部がYO/SI。適宜TAKOを加える。


 ⑥MAKEの記号の中央を、縦棒で仕切った記号:MAKE-(I/YA/SI/NO)。


 ⑦ 右端: 「穂先」の記号SEを2つ斜めに「背に背」で交差させ、SAMUの記号と合体させたもの。SENISE-SAMU。


(イ)解読


(左から右へ)


 ②=SAMU+2(ME/MA)


 U/SENI/TUBO  SAMU+2(ME/MA)  TA/[ME-(SI/YO)]

 NI/RA/HASI  [TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO MAKE-(I/YA/SI/NO)

 SENISE-SAMU


 NISEU-TUBO MENI-MUSA  TA  RA

 ORE-TUTU-TAKO-YO MAKE-NO SENISE-SAMU

 似せる壺、目に優ったら、「俺、ツツ、凧よ」。負けの老舗は、寒い。


 ②=SAMU+4(I/YA/SI/NO)


 U/SENI/TUBO  SAMU+4(I/YA/SI/NO)  TA/[ME-(SI/YO)]

 NI/RA/HASI  [TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO MAKE-(I/YA/SI/NO)

 SENISE-SAMU


 USENI/TUBO SAMU+IYO  TA  RA

 ORE-TUTU-TAKO-YO MAKE-NO SENISE-SAMU


 壺、失せに。寒い世。酔ったら、「俺、ツツ、タコよ」。負けの老舗様。


(右から左へ)


 ②=SAMU+2(ME/MA)


 SENISE-SAMU  MAKE-(I/YA/SI/NO)

[TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO  NI/RA/HASI  TA/[ME-(SI/YO)]

 SAMU+2(ME/MA)  U/SENI/TUBO


 SENISE-SAMU MAKEYA  SI-ORE-TUTU NI TA SAMA-NIME USENI

 老舗様、負けや。萎れつつ。似た様に目。失せに。


 ②=SAMU+4(I/YA/SI/NO)


 SENISE-SAMU  MAKE-(I/YA/SI/NO)

[TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO  NI/RA/HASI  TA/[ME-(SI/YO)]

 SAMU+4(I/YA/SI/NO) U/SENI/TUBO


 SENISE-SAMU MAKEYA  SI-ORE-TUTU HASI TA/MEYO

 SAMU-ISI USENI

 老舗様、負けや。萎れつつ、はした女よ。寒いし、失せに。


 合わせて解釈すれば、次の通り。


 似せる壺が、目に優ったら、「俺って、凧よ」。負けの老舗は、寒い。

 壺を失い、寒い世に。酔えば「俺って、蛸よ」と、負けの老舗様。

 老舗様の負けや。真似する業者様に目。萎れつつ、失せに。

 今では、はした女よ。寒いし、失せに。


 一角獣の前足は、先端部分がやせ細り、高齢を示唆。また左端の「失せに」と読める「牛」記号の下では、後ろ足の下半分が消え、記述にマッチする。更に右端の記号は、凧の漫画を兼ねており、印章の右側面から「糸」が伸びている。


(ウ)読み換え


(a) MAKE-(I/YA/SI/NO)とした記号⑥につき、左右に分離すれば、左右の断片は、それぞれ2本の平行な縦棒NI/RA/HASIを真ん中で折ったもの。これら左右を再び背中合わせにし、ORE-(NI/RA/HASI)-SEAWASEと読み換える。


(左から右へ)


 ②=SAMU+2(ME/MA)


 U/SENI/TUBO  SAMU+2(ME/MA)  TA/[ME-(SI/YO)]

 NI/RA/HASI  [TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO

 ORE-(NI/RA/HASI)-SEAWASE  SENISE-SAMU


 NISEU-TUBO MENI-MUSA  TA  RA

 ORE-SI-TUTU SEAWASE-NI-ORE SENISE-SAMU


 似せる壺、目に優ったら、「俺氏、ツツ、幸せに。俺、老舗様」。


 ②=SAMU+4(I/YA/SI/NO)


 U/SENI/TUBO  SAMU+4(I/YA/SI/NO)  TA/[ME-(SI/YO)]

 NI/RA/HASI  [TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO

 ORE-(NI/RA/HASI)-SEAWASE  SENISE-SAMU


 USENI/TUBO SAMU+IYO  TA  RA

 ORESI-TUTU-TAKO MAKE-NO SENISE-SAMU


 壺、失せに。寒い世。酔ったら、「俺、ツツ、蛸よ」。幸せ、折れに。老舗様。


(右から左へ)


 ②=SAMU+2(ME/MA)


 SENISE-SAMU  ORE-(NI/RA/HASI)-SEAWASE

[TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO  NI/RA/HASI  TA/[ME-(SI/YO)]

 SAMU+2(ME/MA)  U/SENI/TUBO


 SENISE-SAMU  ORE-(NI/RA/HASI)-SEAWASE  SI-ORE-TUTU NI TA SAMA-NIME USENI


 老舗様の幸せ折れしは、萎れつつ、似た様を目に、失せに。


 ②=SAMU+4(I/YA/SI/NO)


 SENISE-SAMU  ORE-(NI/RA/HASI)-SEAWASE

[TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO  NI/RA/HASI  TA/[ME-(SI/YO)]

 SAMU+4(I/YA/SI/NO) U/SENI/TUBO


 SENISE-SAMU  ORE-(NI/RA/HASI)-SEAWASE  SI-ORE-TUTU HASI TA/MEYO SAMU-ISI USENI


 老舗様の幸せ折れしは、萎れつつ、はした女よ。寒いし、失せに。


(b) 同じ記号⑥を左右に分離し、左右の断片を、それぞれ反りのある2本棒SO-NI/RAとし、上下にWAが成立するので、SO-(NI/RA)-NIWAと読み換える。


(左から右へ)


 ②=SAMU+2(ME/MA)


 U/SENI/TUBO  SAMU+2(ME/MA)  TA/[ME-(SI/YO)]

 NI/RA/HASI  [TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO

 SO-(NI/RA)-NIWA  SENISE-SAMU


 BOTU SAMU-MENI YOMETA  RA

 ORE-SI-TUTU-TAKO SORANIWA SENISE-SAMU


 没、寒い目に。読めたら「俺氏、ツツ、凧」。空には、老舗様。


 ②=SAMU+4(I/YA/SI/NO)


 U/SENI/TUBO  SAMU+4(I/YA/SI/NO)  TA/[ME-(SI/YO)]

 NI/RA/HASI  [TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO

 SO-(NI/RA)-NIWA  SENISE-SAMU


 TUBO SAMU+IYO  TA  RA

 ORESI-TUTU-TAKO SO-(NI/RA)-NIWA SENISE-SAMU


 壺、寒い。酔ったら、「俺氏、ツツ、蛸」。空には、老舗様。


(右から左へ)


 ③=SAMU+2(ME/MA)


 SENISE-SAMU  SO-(NI/RA)-NIWA

[TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO  NI/RA/HASI  TA/[ME-(SI/YO)]

 SAMU+2(ME/MA)  U/SENI/TUBO


 SENISE-SAMU  SO-(NI/RA)-NIWA   TAKO/(SI-ORE-TUTU) NI TA SAMA-NIME USENI


 老舗、寒い。空には、凧氏。萎れつつ、似た様を目に、失せに。


 ③=SAMU+4(I/YA/SI/NO)


 SENISE-SAMU  SO-(NI/RA)-NIWA

[TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO  NI/RA/HASI  TA/[ME-(SI/YO)]

 SAMU+4(I/YA/SI/NO) U/SENI/TUBO


 SENISE-SAMU  SO-(NI/RA)-NIWA   TAKO/(SI-ORE-TUTU) HASI TA/MEYO SAMU-ISI USENI


 老舗様、空には、凧氏。俺、ツツ、はした女よ。寒いし、失せに。


(c) 以上の読み換えを合わせ、解釈すれば、


 似せた壺、目に優ったら、「俺氏、ツツ、幸せに。俺、老舗様」。

 壺、失せに。寒い世。酔ったら、「俺、ツツ、蛸よ」。幸せ、折れに。老舗様。

 老舗様の幸せ折れしは、萎れつつ、似た様を目に、失せに。はした女よ。寒いし、失せに。


 没、寒い目に。読めたら「俺氏、ツツ、凧」。空には、老舗様。

 壺、寒い。酔ったら、「俺氏、ツツ、蛸」。空には、老舗様。

 老舗、寒い。空には、凧氏。萎れつつ、似た様を目に、失せに。俺、ツツ、はした女よ。寒いし、失せに。


(エ)まとめ


 以上を合わせれば、第1幕は、下剋上の話で「老舗様は弱い。真似する業者に負けて消えて行く。(ライバルの)偽物が目に優ったら、凧の様に上がる。折れやすいのが、老舗」。

 第2幕は、「老舗様」の交替劇が繰り返す話で、「真似した業者が、老舗となるが、これまた、次の偽物業者にやられてしまう。しおれつつ酔って、まるで蛸よ。こうして老舗様は、没。凧の様に、天へ上り、消えて行く」。

 印章の右上の一画は、一角獣が、角の突端で、凧の糸を切る漫画(挿絵)になっている。文字列の中央にタコの記号もあり、タコと凧が、掛詞。壺を扱う業者が主人公だが、普遍性のある話だろう。

 この文脈から、右端の記号は、凧の漫画と判明するが、記号の左側の三角形を「タコの頭」と捉えれば、右側に「足」が上下に4本ずつ、計8本ある。従って凧と蛸の漫画が、二重写しであり、同音異義語を示唆している。

 因みに「北のタコ」の印章から、TAKOが、OCTOPUSを意味する事が示唆されており、この印章から、KITEの意味もある旨、示唆されているならば、TAKOは、同音異義語を含め、日本語と同じ意味を持つ、と主張できよう。


(オ)漫画


 この印章を上下、逆に見ると、下の方に、一角獣の耳が目に変貌する形で、左向く、ウツボの様な生物が現れる。然るに、記号⑦につき、左側の三角形をYAMAとし、YAMA-SENISEと読み換えれば、次の解読が成立する。


 U/SENI/TUBO  SAMU+2(ME/MA)  TA/[ME-(SI/YO)]

 NI/RA/HASI  [TUTU- ORE- (YO/SI)]/ TAKO MAKE-(I/YA/SI/NO)

 YAMA-SENISE


 U/TUBO  SAMU+2(ME)  ME-SI  NI  TAKO

 MAKE-YA YAMA-SENISE


 ウツボ、寒めに「飯にタコ」。負けや。山、背にし。


 ウツボの口の中には、蛸と思しき獲物が、3匹、次々と左側から入っている。またウツボの背中には、一角獣の(下方の消えた)後ろ足が、変貌を遂げ、山として連なるので整合的である。



(26)A.パルポラ「第1巻:インド」の12頁、印章M-18A(377頁にカラーで)。「Significance Of The Single Horned Bull In Indus Seals, Indica Today」のサイトで、冒頭に登場する。左向く一角獣の四角い印章で、上部に3つの記号。


(ア)音価


 〇 左端の短い縦棒12/(3×4)本の記号: (MI/SAN)-(SI/YO)。


 〇 右端の記号: 三角屋根をRI、横棒2本をNI/RA。ソフトクリーム状の残り部分につき、


(a) 上部をYO-(I/YA/SI/NO)、中部(MI/SA)-(MASU/ME)、下部をYO/SIとする場合、


  RI- (NI/RA)- YO-(I/YA/SI/NO)- (MI/SA)-(MASU/ME)- (YO/SI)。


(b) 上部を、TI-(I/YA/SI/NO)とする場合、


 RI- (NI/RA)- TI-(I/YA/SI/NO)- (MI/SA)-MASU- (YO/SI)。


(c) 上部+中部でSA-ME-MASUとする場合、


 RI- (NI/RA)- SA-ME-MASU-(YO/SI)。


(イ)解読


(左から右へ)


(a) の場合、中部をMI-MASUとすれば、

         SISAN U RI- (NI/RA)- YO-I-ME- MI-MASU-YO

 資産売りなら、良い目を見ますよ。


 (あるいは) SISAN NISE/U YO-RI-SA-MA-NI-SI-ME-YA

 資産にするより、サンマにして締めよう。 


(b)の場合、  SISAN U RI-(NI/RA)-NO-TI-SA-MASU-YO

 資産売りなら、後さ、増すよ。


(右から左へ)


(c) を適用すれば、 RI- (NI/RA)- SA-ME-MASU-YO U/SENI SISAN

   理に目覚めますよ、失せに資産。


(あるいは、折り返して右から左へ)


 U/SENI MI-YO

 背に牛を見よ


(ウ)まとめ


 順序を調整して繋げば、「資産にするより、サンマとして締めよう」。「理に目覚めますよ、失せに資産。資産売りなら、後さ。増すよ、良い目を見ますよ。背に牛を見よ」。つまり、


「資産としておくより、サンマの様に食べてしまえ」。「いや、それでは資産を失う。資産を売るなら、増えるので、後で。良い目を見ますよ。背後の牛を見て下さい、理に目覚めますから」。


「サンマ」は、痩せた牛の例えであり、右端の記号が、サンマを並べて焼く漫画になっている。「背後の牛」には、印影の写真(M-18a)を見ると、一角獣が太った姿で現れるので、「牛は、太らせてから売るのが得」との趣旨だろう。



(27)A.パルポラ「第1巻:インド」の388頁。長方形の印章で、M-534A(裏側:文字)及びM-534B(表側:ウサギ)。


(ア)記号の音価(M-534A)


 〇 右端の記号: RIの記号と「男」の合成記号で、OTO-RI。


 〇 右から2番目、「舌」の記号: SITA/(WA-I/YA/SI/NO)。


 〇 中央の、重なる「目」記号:斜線2本を入れて、MEMAIYA/NIMEYA。

 中央の小さな「目」も読み込めば、MENI-MI-NOYA。


 〇 左から2番目、「橋」の合成記号: SU-HASI-(NI/RA)。


 〇 左端、「穂先」の合成記号: 右側の縦棒と合わせ、(SE/SEYO)-(I/YA/SI/NO)。


(イ)解読


(右から左へ) OTO-RI SITA ITI-NI MEMAIYA/ NIMEYA YOSE SU-HASI-NI (SE/SEYO)-NO

 踊りたし、下に位置。二目や寄せ、端巣に、乗せよ


(左から右へ) SE-NO SU-HASI-(NI/RA) YOSE MENI-MI-NOYA MI-NO SITA/WA OTO-RI

 その巣に柱を寄せ、寄せ目に見るのや。身の下は、踊り。


(ウ)まとめ


 端巣/巣は、右下の茂みの様な一画で、ハチの巣かも知れない。柱は、読者の鼻だろう。以上を合わせれば、「踊りたいので、下に位置せよ。両目を寄せ、端/ハチの巣に乗せよ。その巣に鼻を寄せ、寄せ目に見るのだ。すると、下半身が踊り出すだろう」。

 ついては、先ず、ウサギのいる表側(M-534B)を紙に印刷する。右下の「巣」に触れる位、鼻を近づけてから、紙を少しずつ遠ざけると、紙と目が 20cmほど離れる頃から、錯視により、ウサギが4本足で踊る様に見える。 



(28)A.パルポラ「第2巻:パキスタン」の135頁より、M-1170A。(印影M-1170a)


「Sindhishaan, Seals from Mohenjo Daro」で検索し、PC画面の中程までスクロールすると、右手に登場する黄色い印章。右方向を向く、3つ頭で、角のある4つ足動物が描かれている。左上の隅に、記号が縦に2つ並ぶ。


(ア)記号の音価


 〇 上方の、横に倒した「櫛」記号(7本歯):


 -歯が左側に4本、右側に3本と数える場合、右側3本は根元が付着し、TIとも読めるので、KU-(YO/SI)-(MI/SA/TI)。・・・・・・・・(a)


 -左側4本の歯を一本ずつ、I-YA-SI-NOと読み換えていく場合、

 KU- (I-YA-SI-NO)-(MI/SA/TI)。・・・・・(b)


 〇 下方の記号:RE/ MITE/ SATE/ [(TI/RE/SA/MI)-(I/YA/SI/NO)]。


(イ)解読


(a)の場合:


(上から下へ)


 KU-(YO/SI)- (MI/ SA/ TI) RE/ MITE/ SATE/ [(TI/RE/SA/MI)-(I/YA/SI/NO)]

 悔しいさ/ 欲さ/ 君よく   見て/ 去って/ 去れや / 闇/ 未練や


(下から上へ)


 RE/ MITE/ SATE/ [(TI/RE/SA/MI)-(I/YA/SI/NO)]  KU-(YO/SI)-(MI/SA/TI)

 見て/去って/ 未練や、悔しいさ/ 句読み


(b)の場合:


(上から下へ)


 KU-(I-YA-SI-NO)-(MI/SA/TI)

 RE / MITE / SATE / [(TI/RE/SA/MI)-(I/YA/SI/NO)]

 いさみのよく   去って/ 散れんや/ 連夜/ 知れや  


(下から上へ)


 RE/ MITE/ SATE/ [(TI/RE/SA/MI)-(I/YA/SI/NO)]

 KU- (I-YA-SI-NO)-(MI/SA/TI)

 見て さや地 草の癒し


(ウ)まとめ


 以上を合わせて解釈すれば、


「悔しいさ、去って闇。未練や、句を読み」。

「潔く去って、散れん」。「連夜、知れや。見て、さや地を。草の癒し」。


「さや地」は、線文字Aの原典にも登場し「天国」と解釈される。「連夜、知れや」は、「毎晩、星空に(天国が)登場するので、見て見ろ」との趣旨。上下の記号を合わせれば、「北のタコ」(M-296A)の印章に描かれた、北極星周辺の星空を示していよう。

 以上から、印章の動物では、下の頭が高齢者。真ん中が、死の瞬間。上の頭が、天に昇った瞬間で、笑みを浮かべたものと解釈出来る。上方の「櫛」記号が、天国の「癒しの草地」を示していよう。



(29)A.パルポラ「第1巻:インド」の59頁、M-238A(380頁にカラー)。「A bison with 2 horns (head en profil)」で検索可能。


 左方向を向く牛が、地面の方を大切そうに見ている。上部中央の「目」の記号が、長い槍の様な斜線で貫かれている。


(ア)記号の音価


 〇 左端の記号: TASIあるいは「目」+ 支線5本で、(ME/MA)-(TE/GO)・・(a)

「目」が2つ+ 支線4本とすれば、NI-(MA/ME)-(YO/SI)・・(b)

「目」+ 支線4本とすれば、(MA/ME)-(YO/SI)・・・・・・(c)


 〇 中央の「目」記号: (ME/MA)-(RE/SE)。

 長い斜線を適宜、TUKI、あるいは図柄上、TUKISASEとして読み加える。


 〇 右端の「牛」記号: U/SENI/USI。


(イ)解読


(右から左へ)U MARE TASI (生まれたし)


(左から右へ)左端の記号を読み換えながら、次の通り。


(a) METE/TASI TUKI-ME-SASE USENI(めでたし、年月目指せ、牛に)


(b) YO-NI-MA REME-TUKI USI  (世に稀、目つきの牛)


(c) YO-MA REME USI  (読まれ、牝牛)


(ウ)まとめ


 以上を合わせれば「生まれたし、めでたし。年月目指せ、牛になろう。世に稀、との目つきの牛だが『この子は、牝牛』と読んでいる」。

 牛が見ているのは、生まれたばかりの子牛。中央の「目」の記号を長い斜線が貫き、その延長上に「魚」記号が乗り、誕生劇の漫画となっている。



(30)A.パルポラ「第1巻:インド」の178頁、H-40A。左向く一角獣の印章。後ろ脚が、半分、土に隠れている。


(ア)記号の音価


 〇 右端の「牛」記号: 「目」の記号が隠れていると解し、(U/WA)-(NI/RA)-(ME/MI)。


 〇 右から2番目の記号: (ME/MI/WO)-SAMU。


 〇 右から3番目のRI記号: 読み換えとしてRI-MASI/TA。左肩に縦棒と点で、OYAを読み加える。


 〇 中央、左寄りの「鏃」記号: (MA/MI/ME)-(SU/ZO)。


 〇 左端から2番目、「目」の記号: 中に「実」の様な斜線が3本入り、下の1本だけ、

 やや縦方向なので、(MI/MA/WO)-(SA/NIYA)。


 〇 左端の記号: NO-(ME/MA)。


 〇 一角獣の角: I/YA/SI/NOと読み込む。


(イ)解読


(右から左へ)U (ME/WO)-SAMU RI-OYA MI-SU  MI/WO-SA/NIYA NO-ME YA

  埋めおさむ、折や。隅/ 炭、にや 見納めん のや。


(左から右へ)I NO-MA NIYA-MAWO SUMA OYA-RI-MASITA  (MI/WO)-SAMU U-RA-MI

  いつの間にか、山を。妻をやりました。身を収める恨み。裏を見よ。


(ウ)まとめ


 合わせて解釈すれば「埋めてしまう折や。隅に/ 炭として、見納めるのだ。いつの間にか、山を。妻をやりました。身を収める恨み。裏を見よ」。一角獣は、後ろ足で、何か地中に埋めている最中である。「裏を見よ」に従い、印影の写真H-40aを見ると、一角獣の腹の下で、地面に人の顔が薄く描かれている。一角獣は、独身者の象徴だが、この場合、「妻を埋めてしまい、独身に戻った」との穏やかならぬ筋書きか。



(31)Artifact Zee Gallery, Indus Seals


 標記サイトで冒頭近くの「Mehrgarh Pottery」の見出しに続く、次の段の、左から2番目の印章。5インチ×5インチの正方形の印章で、パキスタン出土とされる。文字列が上部と底部に1行ずつ刻まれており、その間の空間に、上下2段に大きな漫画が描かれている。



 I. 上部


(1)音価


 刻まれた記号に、左から右へ、番号を付せば、次の通り。


 ①左端。クシ4本の「熊手」記号:YOTE-(I/YA/SI/NO)。


 ②4本の長い縦棒: 4(I/YA/SI/NO)。


 ③菱形の上部に小さな菱形:MASUME。


 ④短い2本の縦棒:NI/RA/HASI。


 ⑤ 「羽」5本の「穂先」記号:(GO/TE)-SE。


 ⑥ 「魚」記号:TA /[ME-YO-(I/YA/SI/NO)] /SAKANA。


 ⑦「両手」を挙げた「魚」記号:WA/WATA/[SAKANA-(NI/RA)]。


 ⑧ 4本の長い縦棒: 4(I/YA/SI/NO)。


 ⑨ 車輪/カメ/鏡の記号:KA。TUKIの記号が二つ向き合うと考えれば、2(TUKI)。従って、KA/2(TUKI)。


 ⑩ 右端:NA。クシ2本の「熊手」記号+(上部に横棒)、と見做せば、

 NITE-(I/YA/SI/NO)-WO。従って、NA /[ NITE-(I/YA/SI/NO)-WO]。


(右側の一角獣の角): I/YA/SI/NO。


(一角獣の耳):MI/ME。


(2)解読


(右から左へ)


 NA /[NITE-(I/YA/SI/NO)-WO] KA/2(TUKI)(耳)4(I/YA/SI/NO) (角)

 WA/WATA/[SAKANA-(NI/RA)] TA /[ME-YO-(I/YA/SI/NO)]/SAKANA

(GO/TE)-SE NI/RA/HASI MASUME 4(I/YA/SI/NO)

 YOTE-(I/YA/SI/NO)


 NA KA (MI) YO-SI (YA) SAKANA-(NI/RA) TA/MESIYO

(GO/TE)-SE  SIHA MASUME I/YA/SI/NO SITEYO


 中身良しや。盛んなら、試しよ。先手しは、娘。卑しいの、してよ。


(左から右へ)


 YOTE-(I/YA/SI/NO)  4(I/YA/SI/NO)  MASUME  NI/RA/HASI

(GO/TE)-SE TA /[ME-YO-(I/YA/SI/NO)]/SAKANA 

 WA/WATA/[SAKANA-(NI/RA)] (角) 4(I/YA/SI/NO) (耳)KA/2(TUKI)

 NA /[NITE-(I/YA/SI/NO)-WO]


 YOSITE 4(I/YA/SI/NO) MASUME NI SETE TA/SAKANA/YAMEYO

 WATA (SI) IYASINO /YONO (MI/ME) KA /NITUKI

 TENI-WO-SI/YA


 〇よして。いやいや、娘に先手だ、盛んな私。卑しいのみ。勝手に押し。

 〇 よして、卑しいの。娘にせんで、やめよ。私、嫁につき、親にて。


 双方向に読んだ内容を合わせれば、


 中身良しや。「盛んなら、試しよ」。先手しは、娘。「卑しいの、してよ」。

「よして」。「いやいや、娘に先手だ」、盛んな私。

「卑しいのみ。勝手に押し。よして、卑しいの。娘にせんで、やめよ。私、嫁につき、親にて」。


 既婚の男が、娘の誘惑に乗ろうとしている。その嫁が、「自分は親でもある」と制止せんとしている。


(3)漫画


 以上から、上段の漫画を解釈すれば、右手の一角獣が、若い雌であり、左手のトラが、これに恋焦がれている。(トラは、酔っ払いの象徴)トラの後ろ足を見ると、片方が、下の段の「女神」の角に挟まれている。

 然るに印章を上下、逆さまにして見ると、トラの後ろ足を捕らえているのは、上からやってきた「鳥」と判明する。これが夫の浮気を制止せんとする嫁であり、「コウノトリ」と解釈すれば、腹が膨らんでいるので、妊娠している可能性があろう。 



 II. 底部


(1)音価


 刻まれた記号に、左から右へ、番号を付せば、次の通り。


 ①左端。「木」の記号の上部左右両側に、縦棒:

  (KI/KO)-[(WA/NA) /2(I/YA/SI/NO)]。三角形をYAMAと読めば、

 YAMA-(I/YA/SI/NO)- 2(I/YA/SI/NO)。


 ②SAMUの記号の中央、左右に「目」: SAMU-[2×(ME/MASUME)]。


 ③菱形の「車輪」記号: KA/ME。TUKIの記号が二つ向き合うと考えれば、2(TUKI)。従って、KA/ME/2(TUKI)。


 ④ (4×4)本の「矢尻」: 上2行が上向き、下2行が下向き。2×(2×4) 本と捉えれば 、2[(NI/RA)-(YO/SI)]。あるいは(4×4) 本で、(YO/SI)- (YO/SI)。(2×8) 本なら、(NI/RA)-YA。16本とすれば、(JU/TO)-ROKU。


 ⑤ 平行な3本の斜線:SA/MI/3(I/YA/SI/NO)。


 ⑥ 縦棒4本:YO/SI/4(I/YA/SI/NO)。


 ⑦「×」状に交差する「たすき」:MAKE。あるいは分解して、左上から右下への「たすき」をNAGA-TUTU、あるいはNUKE-TUTU。右上から左下への「たすき」は、上下でずれているので、2(TUTU)とする。

 以上からMAKE/ [NAGA/NUKE-3(TUTU)]。


 ⑧ 右端。「木」記号:KI/KO/ZO/(YAMA-I/YA/SI/NO)。


(2)解読


(右から左へ)上記④は、後で展開する。


 KI/KO/ZO/(YAMA-I/YA/SI/NO)  MAKE/ [NAGA/NUKE -3(TUTU)]

 YO/SI/4(I/YA/SI/NO)  SA/MI/ 3(I/YA/SI/NO) ④

 KA/ME/2(TUKI) SAMU-[2×(ME/MASUME)]

(KI/KO)-[(WA/NA) /2(I/YA/SI/NO)]又はYAMA-(I/YA/SI/NO)- 2(I/YA/SI/NO)


(YAMA-SI/I)  MAKE/ [NAGA-3(TUTU)] SI  SA  (SINI-YONI) /YOSI /NIYA /KUROTO

 KA /ME /NITUKI SAMU-MENI  (KI/KO)-[(WA/NA) /2(I/YA/SI/NO)]又はYAMA-I- SIYA


 今や/山師/病、負け/眺めつつ

 資産、死に世に/にや/とろく

 につき/二月、寒めに(or)かさむ目に、病死や


(左から右へ)


(KI/KO)-[(WA/NA) /2(I/YA/SI/NO)]又はYAMA-(I/YA/SI/NO)- 2(I/YA/SI/NO)

 SAMU-[2×(ME/MASUME)]  KA/ME/2(TUKI)  ④

 SA/MI/3(I/YA/SI/NO)  YO/SI/4(I/YA/SI/NO) 

 MAKE/ [NAGA/NUKE -3(TUTU)]  KI/KO/ZO/(YAMA-I/YA/SI/NO)


 KO-(WA /ISI/2YA) 又はYAMA-(I/SI)- 2(I/YA/SI/NO)

 SAMU-2(ME)  KA /ME /2(TUKI)  (YO/SI)- (YO/SI)

 SA/MI  YO/SI  MAKE/ [NAGA/NUKE -3(TUTU)]

 KI/KO/ZO/(YAMA-I/YA/SI/NO)


 こわいし/今夜に(又は)病、死にや

 寒めに、月々、よしよし/死に世に 

 見よ、負けぞ/筒抜けに/こうや。


(3)まとめ


 双方向の内容を合わせれば、


 今や山師。病、負けを眺めつつ「資産、死に世に。トロい、二月、寒めに(or)段々と病死や」。

 こわいし。「病、死にや。寒めに、月々、よしよしと、死に世に」。見よ、負けぞ。筒抜けになり、こうや。


(4)漫画


 下段の漫画を見ると、右手から女性が登場し、これを四つ足の神が指し示しており、新しい嫁と見られる。左手に目を移すと、低い台の上に、若い女性の首。資産狙いで、相手の早めの病死を企んで結婚したら、計画がばれ、犠牲になった姿だろう。

 この首が、キツツキの様に見えるが、すぐ下の記号②と③を読み換えれば、SAMUME-NI KITUTUKI(寒めにキツツキ)となるので、整合的である。



 III. 総括


 上部と底部を続けて読めば、結婚をテーマとした、オムニバス物語と判明する。上部は、妊娠した嫁が、旦那の浮気を制止する話。底部は、相手の資産を狙い、嫁になったら、ばれてしまい、殺されてしまう話である。

 おそらく「既婚で親なら、浮気は無責任」。「金持ちの男性を狙って結婚すると、財産狙いが露見し、ひどい目に遭う可能性があり、要注意」との教訓だろう。 



(32)A.パルポラ「第1巻: インド」の7頁、M-8A。


「Unicorn Seal 11」で検索可能な、四角い印章で、左を向く一角獣が登場する。目がギョロっとし、耳が立っている。鼻先から首にかけて、何本もの縞が目立つ。上部に3個の文字記号。


(ア)変則的な記号の音価


 〇 左端:四角の中に歯が6本(上3本+下3本)で、(ROKU)/(NISAN)-HA。


 〇 一角獣の角:適宜、I/YA/SI/NOと読み込む。


(イ)解読


(右から左へ)


 MITI HO HA-KURO YA (満ち帆は黒や)


(左から右へ)


 NISAN-HA HO TIMI (兄さんは、不死身)


(ウ)まとめ


 以上を合わせれば「満ち帆は黒や。兄さんは、不死身」と読めるので、ギリシャ神話で、テーセウスがクレタ島で怪物ミノタウロスを退治した後、「白い帆で生還する」との父王エーゲウスとの約束を忘れ、黒い帆でアテネに戻る途中、父王がこれを見て、息子の討ち死と誤解し、身投げした話と解釈できる。(爾来、この海は、父王の名前から、エーゲ海と呼ばれた)

 中央の、帆を象った記号(HO)は黒っぽく、また印章の左下の置物を船に見立てれば、帆が黒っぽく見える。更に、印章を右に90度倒すと、一角獣の頭部が、崖の上から左手の海を見下ろす父王に変貌。

 次に印影(M-8a)に着目し、これを左に90度倒せば、今度は一角獣の頭部が、崖の淵から、左手の海に身投げせんとする父王に変貌し、腕に大きな石を抱える姿に見える。崖の下は、海であり、荒波が表現されている。



(33)「Omniglot Indus Script」で検索し、下方にスクロールすると登場する、4つの印章のうち、右下の、サイの描かれた印章。


 胴の一部(縦帯)を除き、多数の斑点のあるサイが登場。左を向き、鼻の先の木の幹を舐めている様に見える。印章の左上の角が、綺麗に割れて欠落。上部に、記号が7つ。


(ア)音価


 各記号に、左から右へ、(a)から(g)まで付せば、次の通り。


(a)左上の欠けた記号:「月に矢」の記号TU + 斜線(I/YA/SI/NO)。あるいはKA。これに適宜、KESI(消し)/ NASI (なし)を加える。


(b)長短、2本の縦棒:NO。あるいは左側を上下に分離し、(NI/RA)+(I/YA/SI/NO)。


(c) RI。

(d) TAに斜め線:TA+(I/YA/SI/NO)。


(e) TIの変形:WAの内部に縦棒で、WA-I。あるいは「舌」と見做して、SITA。

(f) 3本の縦線:MI/DI。あるいは(1+2)本と見做し、(I/YA/SI/NO)-NI。


(g) 幹の長い木の記号:KI/KO/ZO。


(イ)右から左へ


 KI YA-NI WAI TA-NO RI NO TU-YA-KESI

 木ヤニ。湧いた糊の、ツヤ消し。  


(ウ)左から右へ


 TU-YA NO RI TA-SI TASI MI KI/ZO

 ツヤ糊出したシミ、幹/溝。


(エ)総合


 合わせれば、「木ヤニ。湧いた糊の、ツヤ消し。ツヤ糊を出したシミの幹・溝」。サイが、木の幹から舐めるのは、溝から湧くヤニと判明。松ヤニは、皮膚病に効くとされ、整合的である。


(オ)パロディー


(右から左へ)KO I-NI WA-I TA-SI RI NO YA-TU-KA-NASI

  恋に湧いた尻の奴、悲しい。


(左から右へ)YA-TU NI-NO RI TA-YA SITA DI KI

  奴に乗りたい。いや、下敷き。


 サイの下敷きになるのは嫌だ、との趣旨か。



(34)水牛を殺す男


「Pinterest 53 Indus Valley civilization」で検索すると、yda222の掲載した、多数の画像が登場するが、最上部・右手の、白く四角い印章。Eclectic Museum, Baltimoreの所蔵品。左手から男が、槍を構え、角の長い動物(水牛?)を突こうとする場面。上部には、概ね4つの記号。


(ア)音価


 〇 男の槍:文字列に届くので、形状に鑑み、YA(矢)/ZO(鏃)。先端近くで「月」形を貫いているので、適宜、TUKI、を読み加える。


 〇 左端:左右に分解し、左側の反った線は、SO、乃至、I/YA/SI/NO。右側は、倒した富士山の様な台形で「山」、あるいは三角形の「目」とすれば、(SO/I/YA/SI/NO) + YAMA / (ME/MI-SAN/MI)。


 〇 縦棒2本:NI/RA/HASI。


 〇 右端:UTI/URE。その左隣も、同じ記号。


(イ)解読


 以上から、文字列をローマ字にすれば、次の通り。


 TUKI- (YA/ZO) (SO/I/YA/SI/NO)+YAMA/(ME/MI-SAN/MI) NI/RA/HASI UTI/URE UTI/URE  


(右から左へ)


 〇 うちうちに、めさんぞ、つきや (内々に、召さんぞ。月/突きや)


 〇 うう、ちちに、さん/み しめや (ウウ、父に。惨めや/闇締め/示さんや)


 〇 うれ うれしは しさんめ ぞ(売れ、売れしは、資産め、ぞ)


(左から右へ)


 〇 つきや やみめに うちに (月/尽きや、闇目に討ちに)


 〇 きつそう やまい に/ら うちに/うれちう (きつそう。やまいに、討ちに/今やらん。嬉しゅう)


(ウ)総合


 男が、飼っていた水牛を殺そうとする場面であり、「内々に、召さんぞ。月/突きや。月/尽きや、闇目に討ちに」。「ウウ、父に、惨め/闇締め/示さんや」と、双方の台詞である。次いで「売れ、売れたら資産になるぞ」との助言に「きつそうだ。病気なので、討ちに。今やらん」と説明する。「嬉しゅう」に続く。



(35)ペルシャ湾式印章


 Ocean of Objects: People/Western Australian Museumのサイトで、上から2番目の写真の、丸い印章。大英博物館の所蔵の、インダスの印章(120228)で、左を向く牛が登場する。上部に記号が5つ並ぶ。


(ア)音価


 各記号に、左端から右端へ、1~5まで番号を付せば、音価は、次の通り。


 1番:上部の矢印の部分をZO/SU/NO、左側下方の3本の短い縦棒を(SAN/MI)-(I/YA/SI/NO)と捉えれば、(ZO/SU/NO)–(SAN/MI)-(I/YA/SI/NO)。


 2番:SAMA。


 3番:I/YA/SI/NO。


 4番・5番:いずれも牛の頭の記号で、U/USI/SENI。


(イ)解読


 写真に並ぶ通り、ローマ字に変換すれば、次の通り。


(ZO/SU/NO)–(SAN/MI)- (I/YA/SI/NO)  SAMA I/YA/SI/NO

 U/USI/SENI U/USI/SENI


(左から右へ)SANZO SAMA YA U/USI SENI(先祖様や、ウシ背に/失せに) 



(右から左へ)


 〇 USI NISE SI SAMA/MASA NOZOMI(牛、にせし/背にし 様、望み)


 〇 UUYA MASA SUMIYA     (ウウ、や。目指す宮)


 〇 USI SENI NO  MASA  MISUYA (牛背に、飲まさん、水や)


 繋げて解釈すれば「御先祖様は、牛の背に乗り、失せに。牛の姿で、背に乗せた、身分の高い方の望みで、ウウと、目指す宮」。加えて「牛の背に乗せた、水を飲まさん」。


(ウ)解説


 この印章は、水売り商人の宣伝用で、同時にギリシャ神話を語っており、文字列がイラスト(漫画)を兼ねている。


(a)ギリシャ神話では、ゼウス神が、テュロスの王女、エウロペに近づくため、美しい白い牡牛に変身。彼女が牡牛に乗ると、牡牛は、そのまま彼女をクレタ島へ連れ去った。そして彼女との間に、後のミノス王など、3人の子を設けた。記号の1番で、左側下方の短い縦棒が、3人の子供を表すだろう。

 すると遠い先祖が、クレタ島で繁栄し、その子孫が、ペルシャ湾方面へ移住した旨示唆していよう。


(b)印章の写真では、牡牛は色が白く、神話と整合的である。また写真を右に倒せば、文字列が、牛の背に乗った女性の姿に変わる。1番の記号が、驚いて口を開き、叫ぶ彼女の顔。2番が乳房。4番・5番が、両足だろう。


(c)本来のメッセージは「牛の背に乗せた、水を飲まさん」であり、水売り商人の印章。この文脈なら、1番の記号は、柄杓と3滴の水。また4番・5番は、水甕を表す。



(36)「Stamp seal: buffalo with incense burner」(Google Arts & Culture)


 四角い印章。一角獣が右を向き、背中から首に、ウサギの様な小動物が乗る。上部に、記号が4つ。


(ア)音価


 左から右へ、①から④まで付せば、次の通り。


 ① 牛の頭部の記号を細長く書いたもの: U-SENI。


 ② NOの上部を繋ぎ(RI)、中に短い斜線: NORI-(I/YA/SI/NO)。


 ③ 係留した小舟の記号MOUの中に、1、2、3本の縞線: MOU-(I/YA/SI/NO)-(NI/RA)-(SA/MI)。


 ④ TAの中に短い縦線。「右足」が、ほぼ消えている:


 〇 TA-(I/YA/SI/NO)。あるいはTA-(I/YA/SI/NO)+ME。


 〇 MEから支線が3本と見る場合、(SA/MI)-ME-(I/YA/SI/NO)。


(イ)解読


 並ぶ通り、左から右へ、ローマ字に変換すれば、次の通り。


 U-SENI  NORI-(I/YA/SI/NO)  MOU-(I/YA/SI/NO)-(NI/RA)-(SA/MI)

[TA-(I/YA/SI/NO) + (ME)]/ [(SA/MI)-ME-(I/YA/SI/NO)]


(左から右へ)


 SENI-U  NORI-SI  YA-MI-NI-MOU  SI-TA

 背に卯、乗りし。闇に申した。


(右から左へ)


 〇 SA-ME-YA  MOU-NI-MI-YA  NORI-YA  U-SENI

  サメや! もう、逃げや。乗りや、失せに/ 卯、背に。


 〇 SI-ME-TA  MOU-YA-MI-NI NORI-YA U-SENI 

 しめた、もう闇に。乗りや、失せに/ 卯、背に。


(ウ)総合


 以上を合わせれば、次の通り。


 サメや! もう、逃げや! しめた、もう闇に。乗りや、失せに。「背に卯、乗りし」、闇に申した。


 印章の写真で、一角獣の背中に乗るのは、ウサギだろう。すると、これはサメからウサギが逃げる話で、一角獣の背には乗るが「因幡の白ウサギ」の神話に通じる。この文脈で見ると、右端の記号④が、サメの姿を象っている事が分かる。また一角獣の角が、海から陸への逃げ道/ 階段を模していよう。



(37)「Elephant is the identity of Indian Civilization, Sonal Mansingh」


 A.パルポラ「第1巻: インド」の68頁、M-278A。四角い印章で、左向くゾウが登場する。


(ア)音価


 上部の5つの記号に、左から右へ、①から⑤まで付せば、次の通り。


 ① 通常、MASUMEだが、上部に溝があり、欠けているので、

 MASUME-(KAKE / MIZO)。

 ② 上部に、短い縦棒が2本で、NI/II。

 ③ 下部に、縦棒が4本で、YO/SI。


 ④ REの変形で、RETE/ REGO/ RENI。5本指の熊手記号と見做せば、GO/TE-(I/YA/SI/NO)。あるいは単純に、KUMADE。


 ⑤ 3つの大小の四角の組み合わせと見做し、(WO/ SIKAKU)-SAN/MI。


(イ)解読


(右から左へ)


(WO/ SIKAKU)-SAN/MI GO/TE-(I/YA/SI/NO) YO II

 MASUME-(KAKE / MIZO)

 お産、短くしてよ、言い、水かけ娘。


(左から右へ)


(a) MASUME-(KAKE/ MIZO) NI YO/SI RETE/REGO/TEYA  (WO/SIKAKU)-SAN/MI

 娘、水かけに よごれて、身を隠し。


(b) ②と③の記号を纏めて、短い縦棒が2×3本で、NI-SANとする場合、


 MASUME-(KAKE/ MIZO)  NI-SAN KUMADE (WO/SIKAKU)-SAN/MI

 娘、水かけに、産、来るまで、短く。


(ウ)まとめ


 以上を合わせれば、


「お産、短くしてよ」言い、水かけ娘。娘、水かけに よごれて、身を隠し。娘、水かけに、産が来るまで、短く。


 これは出産の話なので「水かけ」とは、破水の事だろう。印影M-278aを右に倒すと、下方の縞模様の部分に、左向く、若い女性の顔が表れる。ゾウの耳が、目となり、ゾウの首が、開いた口。ゾウの頭と長い鼻が髪の毛。短い縦棒6本(②と③の記号)は、出産が迫り、焦る様子を表すのだろう。


(エ)読み換え


 ① の記号を、単純にMASUMEと読むと、次の通り、娘に髪を切られる高齢者の話に変貌する。


(右から左へ)

(WO/SIKAKU)-SAN/MI GO/TE-(I/YA/SI/NO) YO II MASUME

 短くしてよ、良い娘。


(左から右へ)

(a) MASUME NI YO/SI RETE/TEYA   (WO/SIKAKU)-SAN/MI

 娘によれて/ よしてや、恥かく身。


(b) MASUME  NI YO/SI KUMADE (WO/SIKAKU)-SAN/MI


 〇 娘に私欲まで、恥かく身。

 〇 真面目に、塩まくで。恥かく身。

 〇 真面目にしよう。死、来るまで短く。


 ゾウは、高齢者を表すので、娘を前に、恥をかきたくない高齢者の心境だろう。印影M-278aを見ると、ゾウの片目だけ、目隠しをした様に見える。更に、この印影を右に倒すと現れる若い女性は、違う理由で焦るのか。



(38)「Sasha Lambert Indus seals 2900-1900BCE」


 右向く一角獣の登場する、四角い印章。上記サイトの写真は、印影と見られる。上部に4つの記号。左上の隅に、腫物の様な付着物があり、左端の記号の上半分が見えない。


(ア)音価


 各記号に、左から右へ、①~④の番号を付せば、次の通り。


 ① 全体の形状から、SU/ZO。更に「旗」の部分につき、外枠をME/MA/MI、2本の斜線をNI/RAとする。従って、(SU/ZO)- (ME/MA/MI)- (NI/RA)。


 ② MASUME。


 ③ 三角形の外枠は、ME/MA/MI。内部の図形は、TE、あるいは縦棒+横棒3本と見做す。従って、(ME/MA/MI)-TE/4(I/YA/SI/NO)。


 ④ I/YA/SI/NO。


 一角獣の耳:ME/MA/MI。

 一角獣の角:I/YA/SI/NO。


(イ)解読


(右から左へ)一角獣の角と耳を読み込む。


 I/YA/SI/NO  (ME/MA/MI)-TE/4(I/YA/SI/NO)  MASUME (SU/ZO)- (ME/MA/MI)- (NI/RA)


 YA MA-NOIYASI-TE MASUME NIZO/ MESUNI

 闇の間/魔の卑しい手、娘 にぞ/ 召すに/ 雌に。


(左から右へ)


 ME-(SU/ZO)-NI MASUME   SI-ME-TE-I-SI-YA NO

 召すぞ、に娘、閉めて、石や/必死や のう。


(ウ)読み換え


 ③ の記号に関し、三角形の外枠をME/MA/MI。内部の図形には、線文字Aの(歯に由来する)PAを原型として(横棒を2本から3本に増やした)変化形で、SAN-PAとする。従って(ME/MA/MI)- SAN-PA 。


(右から左へ)


 I/YA/SI/NO  (ME/MA/MI)- SAN-PA MASUME

(SU/ZO)- (ME/MA/MI)- (NI/RA) 

 資産め、は娘。なら召すぞ。


(左から右へ)


(SU/ZO)-(ME/MA/MI)-(NI/RA) MASUME (ME/MA/MI)-SAN-PA  I/YA/SI/NO 

 逃げんぞ、娘さんは、姪や。


(エ)まとめ


 以上を合わせれば、


 闇の魔の卑しい手が、娘に伸びる。「資産め、は娘。なら召すぞ」。ここで娘、(目を)閉じて、石の様になり、必死やのう。逃げんぞ、娘さんは、姪や。かくて娘、雌に。


 初体験の話で、読み換えにより「魔の卑しい手」が、娘の叔父と判明する。

 一角獣は、この印影では、目を閉じているが、印章(サイトで、クリックすると登場)では、目を開いている。更に、左端の記号の上部が消されているのは、印影を右に倒すと、この記号が微妙な形となり、一角獣の尻に向かう様にする為、と判明する。



(39)「Unicorn Seal-Indus Script Mukul Banerjee」


  A.パルポラ「第1巻: インド」の162頁、H-6A。左向く一角獣の、四角い印章。


(ア) 音価


 上部の5つの記号に、左から右へ、①~⑤の番号を付せば、一角獣の角及び耳と共に、次の通り。


(一角獣の角):I/YA/SI/NO/TUNO。


 ① 左端:SIKAKU/MASU/WO。


(一角獣の耳):MI/ME/MA/MIMI/MINI。


 ② 三つ又の植物形の記号:下部にTIがあるので、TI+3[(ME/MI/MA)- (I/YA/SI/NO)]。


 ③ 2本の縦棒:NI/RA/ 2×(I/YA/SI/NO)/ HASI。


(短い縦棒): I/YA/SI/NO。


 ④ 弦を張った弓:[SO-(I/YA/SI/NO)]/ME/MI/MA。


 ⑤ 右端。横に倒すと、歯の抜けた口に見える記号:


 〇 2本の縦棒の間に、欠けた歯と見做し、(NI/RA)-PA + (KAKE/KAKU/NUKE)。


 〇 2本の縦棒を「橋」と見做し、[PASI-(I/YA/SI/NO)]+ (KAKE/KAKU/NUKE)。


 合わせれば、[(NI/RA)-PA]/ [PASI-(I/YA/SI/NO)]+ (KAKE/KAKU/NUKE)。


(イ)解読


 以上を踏まえ、文字列を、左から右へ並ぶ通り、音価で再現すれば、次の通り。


 角 SIKAKU/MASU/WO 耳 TI+3[(ME/MI/MA)- (I/YA/SI/NO)]

 NI/RA/ 2(I/YA/SI/NO) / HASI  I/YA/SI/NO [SO-(I/YA/SI/NO)]/ME/MI/MA

[(NI/RA)-PA]/ [PASI-(I/YA/SI/NO)]+ (KAKE/KAKU/NUKE)


(左から右へ)


 TUNO KAKUSI MI/MA/ME TI+ MEYA/YAMI/MIYA

 角隠し、真面目/ 惨めや/ 目/ 姪、病み/ 闇。


 IYA/ISI/II/HASI  SI/NO/I  SONO/ ME/ SOYA  (NIPA+NUKE)/(PASIYA+KAKU)

 

 〇 良い日、そうや。恥かくや。

 〇 恥の目は、隠しや。

 〇 医師の目には、抜けん。 

 〇 い(と)しの、目/ 姪に、抜け歯/ 恥かくや。 

 〇 卑しい/シワ/ 恥の 目は、隠しや。


(右から左へ)


 上記⑤から上記③まで、次の通り。


[(NI/RA)-PA]/ [PASI-(I/YA/SI/NO)]+ (KAKE/KAKU/NUKE)

[SO-(I/YA/SI/NO)]/ME/MI/MA I/YA/SI/NO NI/RA/ 2(I/YA/SI/NO)/ HASI


(NUKE+PANOSI)/ (PASIYA+KAKU) ME  I  NI/ HASI


 〇 抜け歯の氏、恥やかく。姪に恥。

 〇 抜け歯やし/ 歯の氏、隠そうや。身の恥。


 次に、上記②を読み換えつつ、最後まで。


 〇 MAMIME-YASINO+ TI MI SIKAKU SI YA

 まあ、見目やしのう。ちと短くし/ 地味に隠しや/身支度、しや。


 〇 YAMI-MESI-MEYA+ TI ME KAKUSI/ MASU YA

 闇目、閉めやし。目、隠しますや。


(ウ)まとめ


 双方向で読んだ内容を総合すれば、姪の結婚式を控えた話と判明し、次の3通りに読める。中央の② 三つ又の記号が、これを象徴していよう。


(冒頭)角隠し、真面目/ 惨めや/ 目/ 姪、病み/ 闇。良い日、そうや。恥かくや。


 〇 目の病気


 愛しの目に、恥かくや。医師の目には、抜けん。卑しい/シワ/ 恥の、目は、隠しや。まあ、見目やしのう。地味に隠しや。闇目、閉めやし。目、隠しますや。


 〇 抜け歯


 愛しの姪に、抜け歯は、恥かくや。抜け歯の氏、恥やかく。姪に恥。抜け歯やし、歯の氏、隠そうや。身の恥。まあ、見目やしのう。地味に隠しや。


 右端の記号が「抜け歯」を演出している。


 〇 床屋


 愛しの姪に、恥かくや。まあ、見目やしのう。ちと短くし。身支度、しや。


 一角獣には、毛が生えていないので、これは、床屋を訪問した直後と見られる。



(40)「Harappa.com」のゾウの印章


  パルポラ「第2巻:パキスタン」の130頁、M-1151A。左向くゾウの、四角い印章。「Harappa.com」にて「elephant seals」を検索すると、最初に登場する。


(ア)音価


 上部に5つの記号が並ぶところ、①から⑤の番号を付せば、次の通り。


 ①左端。麻雀の5ソウに似た形:平行に並ぶ、2本の長い縦棒の間に、短い縦棒と捉え、(NI/RA/HASI)-(I/YA/SI/NO)。3本と捉えれば、MI/SA。


 ②牛頭/壺の記号。頂上に、短い2本の縦棒: (U/SENI/TUBO)-(NI/RA/HASI)。


 ③短い縦棒が上下に、一線上に並ぶ:2(I/YA/SI/NO)あるいは「点間」と捉えて、TENMA。


 ④「両手」を挙げた「魚」記号:WA/WATA/(SAKANA-WA)。


 ⑤上記③に同じ。一線上の短い縦棒2本:2(I/YA/SI/NO)。あるいは「点間」と捉えて、TENMA。


(イ)解読


(左から右へ)


[(NI/RA/HASI)-(I/YA/SI/NO)] /MI/SA  (U/SENI/TUBO)-(NI/RA/HASI) 

 2(I/YA/SI/NO)/ TENMA WA/WATA/(SAKANA-WA)

 2(I/YA/SI/NO)/ TENMA


(HASI-NO)/MI SIHA TENMA TAWA TENMA

 ワシの見しは、天馬だわ、天馬。


(右から左へ)


 2(I/YA/SI/NO)/ TENMA  WA/WATA/(SAKANA-WA)

 2(I/YA/SI/NO)/ TENMA  (U/SENI/TUBO)-(NI/RA/HASI) 

[(NI/RA/HASI)-(I/YA/SI/NO)] /MI/SA


 〇 IYA WA-KANASA TENMA (U/SENI)-HASI (NI-YA) /MI/SA

 いや、分かんないさ。天馬、失せに。橋に、見んさ。


 〇 TENMA WA-SAKANA YANO SIHA-SENI NO-RA

 天馬は、魚やの。シワ、背に乗らん/幸せに、ならん。


(ウ)まとめ


 以上から、


「ワシの見たのは、天馬だわ、天馬」。

「いや、分かんないさ」。「天馬、失せに」。「橋に、見んさ」。

「天馬は、魚やの。シワ、背に乗らん。幸せに、ならん」。


「天馬を見ると、幸せになれる」との言い伝えがあったのだろう。


(エ)漫画


 右側の③から⑤の記号で、橋に着陸した天馬の姿を表すのだろう。

 印章を右に倒すと、ゾウの頭が、魚に変貌する。(ゾウの長い鼻が、魚の尻尾に)魚の背中には、多数のシワが見られるので、整合的である。


(オ)読み換え


 上記③と⑤の縦棒を合わせて4本と数えれば、③から⑤にかけて、次の読み換えが成立する: YO- [WA/WATA/(SAKANA-TA/WA)]。すると次の通り。


(左から右へ)


[(NI/RA/HASI)-(I/YA/SI/NO)] /MI/SA  (U/SENI/TUBO)-(NI/RA/HASI) 

 YO- [WA/WATA / (SAKANA- TA/WA)]


 HASI-NO HASI-NI-SENI YO-WATA-SAKANA-TAWA

 橋の端に、背に、弱った魚だわ。


(右から左へ)


 YO- [WA/WATA/(SAKANA-TA/WA)] (U/SENI/TUBO)-(NI/RA/HASI) [(NI/RA/HASI)-(I/YA/SI/NO)] /MI/SA


 YO- WATA RA-NI-U-SENI-BOTU HASI-NO-MI-SA

 世、渡らんに/よう分からんに、失せに、没。ワシの身さ。


 以上を合わせれば。次の通り。


「橋の端に、背中を下に、弱った魚だわ。世を渡らんに、良く分からんまま、失せに、没。まるでワシの身さ」。


 今度は、記号④が、橋に乗ってしまい、腹を見せる、哀れな魚の姿に変貌する。但し、これでは救いがないので、上記から「天馬は、魚やの。幸せに、ならん」と引用し、締めくくるのだろう。以上から、橋に乗った魚は、羽を持つ、トビウオと判明する。



(41)Seals of the Indus Valley Civilization, Samata IAS Academy


 冒頭に登場する6つの内、上段・中央の印章。コブ牛が左を向く。


(ア)音価


 上部で、牛の角の右側に刻まれた記号に、①から④まで番号を付せば、次の通り。


(牛の角)右側1本なら、I/YA/SI/NO。左右入れれば、WA。


 ①牛のコブの上:SO。

 ②左側に斜線、右側に短い縦棒の記号:NO。あるいは2(I/YA/SINO)。

 ③牛頭/壺の記号:U/SENI/TUBO。

 ④2本の長い縦棒:NI/RA/HASI。


(イ)解読


(左から右へ)


 WA/(I/YA/SI/NO) SO NO /2(I/YA/SINO) U/SENI/TUBO NI/RA/HASI

 ワシ、その壺に


(折り返して右から左へ)


 U/SENI/TUBO NO /2(I/YA/SINO) SO WA/(I/YA/SI/NO)


 USENI IYA SO WA/YA

 失せに。いや、そうや /添わん。


(右から左へ)


 NI/RA/HASI U/SENI/TUBO NO /2(I/YA/SINO) SO WA/(I/YA/SI/NO)


 SIHA SENI NO SO YA

 幸せに /シワ背に、のう。そうや。

(ウ)まとめ


 以上を合わせて解釈すれば、次の通り。


「ワシ、その壺に失せに。いや、そうや」。「添わん」。「幸せにのう。そうや」。


「壺」とは、骨壺と判明する。


(エ)漫画


 右から左へ、「シワ、背に」とも読める。然るに「シワ」は、コブ牛の首の周囲から垂れ下がるので、「背に」が実現する様に、印章を上下逆さまに見ると、横たわる牛の頭や首から、炎の燃え上がる漫画が登場するが、斎場の様子だろう。



(42)A.パルポラ「第1巻:インド」の17頁、M-30a。右向く一角獣の、四角い印章。(M-30Aが印章だが、見やすい印影、M-30aを基準とする)。


(ア)音価


 上部の文字列の記号に、左から右へ、番号を付せば、次の通り。


 ①左端。牛頭/壺の記号:U/SENI/TUBO。


 ②牛頭の上部が三角形の「目」になった記号:両方の「目」に2本の縞があるので、U-(MA/ME)-NI。


 ③平行な縦棒が上部に4本、下部に3本:(SI/YO)-(SAN/MI)。


 ④細長い三角形に、横縞が4本:(NA/YAMA)-(SI/YO)。


 ⑤「両手」を挙げた「魚」記号:WA/WATA。読み換える場合「魚」の部分を、MA/ME-YO/SI、「両手」をNIとする。従って、WA/WATA/ [MA/ME-YO/SI+ NI]。


 ⑥「魚」記号に屋根:RI /[MA/ME- YO/SI- RI]。


 ⑦ 右端:(MA/ME)-SE。


(一角獣の角):I/YA/SI/NO/ZOKU。


(イ)解読


(右から左へ)


 I/YA/SI/NO/ZOKU (MA/ME)-SE  RI /[MA/ME- YO/SI- RI] WA/WATA/ [MA/ME-YO/SI+NI]

  (NA/YAMA)-(SI/YO)  (SI/YO)-(SAN/MI) U-(MA/ME)-NI  U/SENI/TUBO


 ZOKU SE-MA  RI WATA/ [ME-SI]  (NA/YAMA)-(SI/YO)  SI-SAN U-ME-NI  U/SENI/TUBO


 賊、迫りに、私は、悩ましいよ。資産、埋めに、壺、失せに。


(左から右へ)


 U/SENI/TUBO  U-(MA/ME)-NI  (SI/YO)-(SAN/MI)  (NA/YAMA)-(SI/YO)

 WA/WATA/ [MA/ME-YO/SI+ NI]  RI /[MA/ME- YO/SI- RI]  (MA/ME)-SE  I/YA/SI/NO/ZOKU


 U/SENI/TUBO  U-ME-NI  SI-SAN   (NA/YAMA)-(SI/YO)  WA/WATA/ [MA/ME-YO/SI+ NI]

 RI /[ME- YO- RI]  MA-SE  YA


 失せに壺、埋めに資産、悩ましい。渡し目に、寄り目、ませや。


(ウ)まとめ


「賊が迫ったので、(私は、悩ましいよ)資産を埋めた壺を見失ってしまった」。

「見失った壺に、埋蔵された資産があるとは、悩ましい。取敢えず、寄り目をしてみろ」。


(エ)漫画


 一角獣の本来の右目に加え、その鼻を左目に見立てれば「寄り目」が成立する。「寄り目」のすぐ下の「譜面立て」に関し、その上部と下部の左右、両端を線で結べば「壺」が登場し、その下方に財宝が溜まっている模様である。

 印章M-30Aの写真を見ると「譜面立て」は地中にあり、印影M-30aでは、その後、発見され、掘り出された姿と見られる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ