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カサブランカ・ダディ -2-


《くー○ーり〇〇○の〇〇は○の〇♪〇○ず〇りの〇が〇〇〇ね♪》



うるさい。

人が仕事してる真後ろでカサブランカが悦に入って有名な歌を歌っている。しかし音程が微妙にズレている。


母親が好きだった歌だ。

歌ってるのは確か西武○察に出てた人だな。


《セ○○×○・バ〇〇○×ト♪セ○○ャ〇・○○〇〇〇×ト♪セ〇○×〇・〇〇〇レ×○ ナ〇〇ー〇ーーン♪》


これは誰だ?名前がわからん。

にしても、うるさいな。次から次と。

ここは花屋だ。カラオケ屋ではない。



《なあ、なあ?入り口んとこ置いてくれへん?》



わたしはカサブランカに振り向いた。


「・・・・・・」


カサブランカ vs わたし


当花屋は、シャッターを開けると、店頭が全面ガラス張りで横開きのガラス戸がある。客引き用の鉢植えや観葉植物が幾つか置いてあって、切り花を置くことはめったにない。それもお高いカサブランカを置くなどほぼありえない。社長に殺される。


うちの社長はこわい人なのだ。


出入りの銀行員を脅して店の客の預金資産状況を調べさせたり、店内でインサイダー取引をしてたり、店の女性従業員をさんざん甘やかして甘やかして甘やかして甘やかして甘やかしたら態度がデカイ気にいらんと今度は徹底的に無視して退職に追い込み、南米の旅行では知らない車にのせられ誘拐されそうになったと運転手の頭を後ろから蹴っとばして怪我をおわせ逃げるなど、ある意味凶悪で危険な人だ。機嫌を損ねるとまずい。埋められる。



ゆえにわたしはカサブランカの要求をスルーした。


《・・・無理なんか?そうか、残念やけど仕方あらへん・・・。はああ・・でも、落ち込んでてもしゃーないわ!よーし!!!元気だして歌うでえ!!雪〇〇〇○川〇〇○○流れ〇〇〇〇〇♪ラ○ちゃーん!つくしの○○×○×しげに〇を○○ます♪ス○ちゃーん!もう〇○○×○ですね♪♪ミ○ちゃーん!!恋を○〇〇》


「やかましい!!!」


伏せ字だらけでよくわからんわ!

嫌がらせのようにカサブランカはかわいい歌声とドスの聞いた合いの手を入れて大声で歌いだし、わたしはカサブランカを入り口においやった。



《ああ、見晴らしええなあ、サンキューなあ。花もたまには日光浴せなあかんねん》


「ちょっとの間だけだからな」


《ちょっとでええねん。あ、子供や、ピカピカの1年生やなあ、かわええなあ》


うちの店の前は小学校の通学路になっているため、子供たちが大勢通る。


《ピッカピッカのいっちねんせい♪♪♪》


カサブランカが花を揺らしながら子供たちの通る姿を見ていた。


事件はこのあとに起きた。





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