2話 新たな出会い
「…ん〜朝かぁ」
すっかり朝になっていた…野宿にしてはぐっすり寝れたんじゃないかと思う。
今日は何をしようか……
ものすごい腹の音がなった、ここに来てまだ何も口にしてなかったから当然だろう。
この辺りに食える物なんてあるのか?
そういえば水を求めてここまで歩いて来たが生き物1匹すら見てないような……
このあたりで食えそうな物を探すってのもアリだな…今日はとりあえずそうするか。
〜俺はこの辺りを広く探索し始めた〜
「うーんなかなか見つからないもんなんだな〜これが…」
━━ガサガサ
はっ!?今確かに近くで草が揺れる音がした、この音は生き物が動いている音に間違いないハズだ!
俺は少しドキドキしながらそぉっと音がした方へと近づいていった。
そぉっとだぞ、そぉっとっそぉっと……
覗いて見るとそこには青い物体があった
えっ何だこれ?!青くて半透明だ…もしかしてス、スライムか!?
恐る恐る目の前にある青い得体のしれないものに手を伸ばした。
うぅ~なんだかヌルヌルしてて気持ちが悪い…俺は気持ちが悪くてすぐに手を離した。
「食えるものじゃないな、コレ…ハハッ…」
うーん中々見つからないものだなぁ…今日は木の実でもとって腹を満たすしかないか。
でも俺、食える木の実と食えない木の実が分からない…困ったな変な物食って毒物だったら危ないしな。
「う~ん…この緑の実は食えるのか…こっちの赤い方は食えそうだが、緑の実もためしに味見してみるか。」
緑の実を口に運んだ
「うわっっまっず」
この実は固くて不味いおそらくだがまだ熟してないのだろう。
この調子だと少量の木の実だけで終っちまうな…
━━ドカーン
地面が揺れ大地が割れるような轟音がなった、音がした方を見ると大きな砂煙が上がっていた。
普通の人なら危険を感じ逃げて行くところだが、俺は新たな生き物に会えるかもしれないという好奇心とともに、砂煙が上がっている方向へと走り出した。
「うおぉぉ新しい出会い待ってろよぉぉ!」
〜俺は轟音がした方へと向かった〜
「ハァハァ…」
やっぱ走るのは疲れるなって当たり前か、さてとさっきの轟音の正体を探そう。
「うーんどこかに手がかりは…」
周りを少し見て回り俺は手がかりを見つけた。
「なんだこのデカイ足跡は」
すごく大きい、音の正体は少なくとも2メートルはあるだろう。
━━バキバキバキッ
後ろから木がなぎ倒される音がした。俺は後ろから覆い被さる影を見て息を呑んだ。
や、やばい振り向いたら死ぬのを全身で感じる…3を数えたら一気に逃げるぞ。
3…2…1…は、走れー!!
俺は死にものぐるいで走った。後ろを見たら死ぬ、後ろを見たら死ぬ…
「ハァハァ…」
必死に走っていると後ろから風を切る音がした。次の瞬間うしろを追っていた足音が消えていた。
「な、なんだ!?」
俺は振り向いた、そこには倒れた大きなイノシシが居た、体をよく見ると矢が一本刺さっていた。
イノシシから矢を抜いて見てみるとその矢は少し光っていた…
『ちょっと君、大丈夫〜』
木の上の方から声がしたような…声がした後ろの方を振り向くと目の前に誰かが迫って…
『アイタタ…うわぁ~!?着地失敗しちゃった』
「…」
『え?!ちょっ大丈夫なの…ねぇ起きてよ。』
俺は少し痛む体を起こして見ると、目の前に耳が尖った金髪の弓を背負った女の子が立っていた。
『大丈夫なの?』
「あぁ…多少は…痛むが…」
俺は手を借りながら立ち上がった。
『君、名前は?』
「お、俺は…カズヤ」
『カズヤっていうのね、わたしはエリンよ。早速だけど君、もしかしてだけど今夜泊まるとこ無いでしょ』
「ゲッ…なんで分かった!?」
『フフン、何となくよ何となく』
「そ、そうか…」
『わたし村に帰るところなのよ、よかったらうちの村に泊まっていかない?きっと村長さんも許可してくれるわ』
「いや、いいって」
『そんな堅い事いわずにさぁ、ちょっと行ったとこにあるからさ』
そう言うと彼女は俺の腕を掴み引きずりながら村のある方へと歩いていった。
『ほら行くよー』
読んで頂きありがとうございます。長文を書くのは難しいのですが、能力アップのために少しずつ頑張っていきます。