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プロローグ 定例会議
「人口およそ千人からなる葦海村にてあやかしが大量発生中。そこで妖術師を一名、送り込むことになった。立候補はおるか?」
「えー……そーゆー村ってよそ者は出てけー的なことありそうだもん。マインドコンダクターだったらいいけどー……私パス」
「大量発生だって。それはそれは大変だぴょん。私たちが行かなきゃだぴょん」
「待ってぴょん吉。きっと僕らいじめられるケロ。僕たちは待機ケロ」
「ふふんっ! ここは正義のヒーローである俺が……」
「チッ。全員パスかよ」
「な、渚君⁉ 俺今行くって……」
「遅れてすみません。あやかし探録隊妖術師副長、新宮結、その任務を引き受けます」
「……へぇ、君が?」
「はい。上からの許可も下りています。私の好きにしていいって」
「危ないねぇ。やめた方がいいぴょん」
「その通りケロ。だってあの村は……」
「うるせぇな。行くって言うてるならええやん。お前らは黙ってろ。おい二世、」
「その呼び名、不本意です」
「上からの許可が出てるなら、お前が何しようが俺らはどーでもええ。自分がやるべきことをやれ」
「……はい」