保護者として、対抗戦の観戦 前編
クラス代表トーナメント戦の日。
午前の試合が終わり昼食の時間が始まった所である。
リオンとレイモンドは順当に勝ち進んでいた。
いつもは食堂で昼食を食べるが、周りがうざいので売店で買い教室で食べている。 というより、教室のほうがまだましといったほうが良いだろうか、クラスメイト達は直接話しかけては来なくても口々に「強いって思っていたけどA組とB組に勝つなんてね」「ああ、しかも圧勝だ」「精霊魔法使えなくても強くなれんだな」「ギルドランクCって言ったの本当だったんだ」「噂じゃ、ランクBらしいぞ」と口々に言っている。
そんな周りの声を気にする事もなく、リオンとレイモンドは、「次はお互いだな。 手は抜かないぜ」というリオンに、「当たり前だ。 学園で制限されている範囲で全力勝負だ、リオン」とお互い気合をいれると寒気がはしる。 「「この魔力、し、師匠の」」とお互い見あい、青ざめるのだった。
◇◇◇
リオンとレイモンドがシュンの魔力を感じる少し前に遡る。
俺 シュンは学園長と誰もいない試合会場に来ていた。
「別件があんだろ?」と俺がタバコを加えながら聞く。
「ばれておりましたか。 実は、この試合の舞台で使っております結界を見ていただけないかと。 細工がないか確認してもらいたいのです」と申し訳なさそうにいうダグラス。
「なんか、心辺りがあんのか?」と聞くと、ダグラスは真面目な顔になり、頷きながらいう。
「ええ、肉体へのダメージを精神ダメージに変換する結界なのですが、それ自体は確かに問題なく動作しております。 ただ、教会からの寄与品でして、魔方陣解析をするとそれ以外に何かあるというのは分かりますが、今の我々ではそれ以上の解析ができません。 教会曰く、女神から承った陣というので、私としては気になっております。」
それを聞いて、俺は、タバコをふかしながら、だから俺を呼ぶ機会を作ったってわけか。
「それで、俺にって事か。 まぁーちょっくらみせてもらうぞ」といって、俺は四方にある陣を確認する。 確認してた俺はタバコの火を消して舌打ちした。
(駄女神め! あいつ、何したかったんだ?)と心の中でごちる。
「ダグラス、教会のやつらはここの学園の結界いじったか?」といいながら、俺はタバコに火をつける。
「いじろうといたしましたが、無理だったみたいで諦めたみたいです。 それで、何かわかりましたか?」
(俺が、改修した結界だしな。やっぱり無理だったか。 たいした魔法師がいなくてよかったのかもな。。)とまた俺は心の中でごちる。
「あの結界は無理だったみてぇーだな。 よかったな。 んでだな、ああ分かったぞ。 精霊魔法の増幅だ。 この陣の中でよ、精霊魔法使うと10%程度強力になる。 演唱魔法が廃れるわけだ。 結構な数あんじぇねーか? この学園以外にもよ。」
それを聞いたダグラスは、頭を抱えて、
「なんですって! 当学園内の場合は、魔法が許可されている箇所全てです。 あと、他校にもありますし、軍の施設、演習場、たぶん、闘技場やらギルドの訓練場なども該当すると思います」といいながら項垂れるダグラスであった。
そんなダグラスの言葉に、おいおい結構な数があんな。 だから精霊主義が加速したんだな。と思いながらも苛立ちついつい舌打ちした。
「ちぃ、ダグラス、この学園内の陣だけ全て書き換えてやるよ。 一気にやるから、ダグラス気絶すんなよ!」
俺は魔力を開放し学園中を覆い、該当魔法陣の陣を全て書き換えを始めた。
一番近くにいるダグラスは俺の魔力にあてられ、冷や汗をかきながら尻餅をついている。
5分後、俺が加えていたタバコの煙をはきながら「終わったぞ」といって、解放した魔力を抑える。
ダグラスは、汗をぬぐいながら「す、すみません。 結構な魔力を消費したのでは?」
「1割もつかっちゃいねぇーよ。 一応なるべく感知されねぇーようにしたが、範囲が広いからな、リオンとレイはきづいたかもな。」
「そ、そうだったんですか。 今や魔力を感知できる者も少ないので」としか言えずのダグラスだ。
俺は、タバコの火を消して、言うべき事をいう。
「ここは、仕方なく書き換えしたが、他はどーするかは、ダグラスの役割だ」
「ええ、存じてます。 可能な範囲ですが、私も動くつもりです。」といい、落ち着いたのか笑顔にもどったダグラスは「弟子たちの戦いを観戦いたしましょう」といって、観客席とは別の個室へ俺を案内した。




