食堂に来た客
ガキ共も学園へ行き、俺たちはいつも通りの日々を過ごしているそんなある日。
ダグラスが食堂の閉店時間少し前に来店するのであった。
たまに来る事はあったが、だいたいは早めの時間だ。
「ダグラスか、いつものでいいか?」と俺が厨房から聞くと「ああ、いつものでお願いします。 あと、赤ワインも」といいながら、カウンターに座るとリンが赤ワインの小樽を置く。
その後、数分後にはピザとフライドポテトがダグラスの前に配膳される。
「こんな時間に、こんなんの食べると太るぞ」と俺が苦笑いしながらいうと、「美味しいんですから、しょうがないじゃないですか」とし少し口を尖らせながらも、赤ワインを飲み、美味しそうに食べるダグラスだった。
他の客も帰り、閉店させ、俺がエール片手にタバコをふかしながら、ダグラスの隣に座る。
「こんな時間に来るって事は、何か用か?」
「ええ、再来週の金曜日に学年毎のクラス代表によるトーナメント戦があります。 シュン殿のお弟子さんは、Gクラスの代表に選ばれておりまして、通年はSクラスの代表が優勝します。 しかし、今年は違うと思っております。 実際、Gクラスでは、彼らは一目置かれてますし、実技の教師陣も彼らに注目していますが、それはほんの一部でして、他クラスの生徒、学科の教師陣は見下したままです。 是非、他の生徒や教師陣を目を覚めさせるには、いい機会だと思っています。 午後の準決勝までは同一クラスの生徒は当たりませんので、是非シュン殿もみにきていただけないかと。」と、ダグラスが嘆願するような雰囲気でいう。
「ふーん、構わねぇーが、俺、あんま大勢いる所にいたくねぇーんだが」
「ええ、存じておりますので、私の隣に席を用意いたします。」
それを聞いて、「ならいいぞ、金曜の午後な。 りょーかい」と、俺はエールを飲み、ニヤリ笑いタバコをふかした。「お待ちしてます」と言って、その後は食事後、会計をして帰るダグラスであった。
「珍しいですね。 行くなんて」と会計を対応したカールに言われ、「たぶん、なんかあんじゃねぇーか」と俺が苦笑いをする。 「厄介毎ですかねー」と苦笑いのカールに「さーな」といって、俺はエールを飲み干すのだった。
ガキ共には秘密にしておくけどな。




