保護者として、弟子たちは入学式へ
リオンとレイモンドの学園入学の日。
入学式だからと言って生活パターンはあまり変わらない。 朝の日課をした後のリオンとレイモンドの着る服が私服ではなく制服になり、みんなで朝食を食べる。
そんなガキ共の制服姿を見て、俺はコーヒーを飲みながら、タバコを吸って一服している。
「お前ら、制服きれたんだな」「われもだ。 驚いたぞ」という。
意味がわからない、リオンとレイモンドが首を傾げている。
「わりぃ、俺らの一般常識に乏しすぎて、戦闘服しか来たことねぇーから、任務で学生服着るとき、困ったんだよ。」
「俺とレイ、一応その辺は教育されてたんで」と苦笑いするのだった。 カールも苦笑している。
「まぁ、いいか。 んで、入学式ってやつつまらんぞ。 寝ても起きてるふりしろ」
「ああ、話が長いだけだ。」
そんな話を聞いて、頷きながら、カバンをもつリオンとレイモンド。
ガキ共がもつカバンは俺がマジックバックにしている。 レイモンドは次元ボックスがあるが使うと目立つからだ。 すると、出かけるようとするガキ共に「転移と闇、合成と派生形だけ気を付ければいいでしょ。 楽しんでくださいね」といって見送るカール。
「「はーい、んじゃ居てきまーす」」と仲良く出ていった。
15歳となったリオンの身長は185CM、レイモンドは178CMである。 リオンはかっこいい系の上の中、レイモンドは聡明な感じで上の下の容姿をしているが、その上を行くシュン達がいるので自分達も目見がいいほうだと気付いていない。
その後、シュンは部屋で読書したり、訓練場で訓練して過ごす。リンもまた同じだ。 カールも部屋にいる。 お昼になり、シュンが昼食の準備をしていると入学式が終わってリオンとレイモンドが帰宅した。 各自部屋に向かい、着替えて食堂へくる。 その頃には昼食は出来上がっている。
「学園はどうでしたか?」と聞くカール。 リオンとレイモンド曰く
入学式は、言われた通りでつまらなく、寝ないように我慢したが2人とも寝てしまったとの事。
クラスは最下位クラスというのは事前に知ってたけど、席が離れてなく隣同士の席で良かったとの事だ。 恒例の自己紹介の時に担任含め落ちこぼれ扱いで、無能者と蔑まれたけど特に気にせず、平然としていたため絡まれる事はなかったようだ。 最下位クラスで良かった点は、クラスメイト全員が平民という事ぐらいだ。
「そうそう、噂で聞いたんだけど、Sクラスにマクレーンの息子がいるんだって。 どうでもいいけど、見栄っ張りな家だなって改めて思った」というリオンに、「恨んでますか?」と聞くと、「うーん、会いたいと思わない。 関わってほしくないな。 捨てれれなきゃ、この生活がなかったと思うとよかったかも。 師匠達との生活のほうが楽しい、面白いし、それに強くなれるしな。 それに、捨てられなきゃ レイにも会えなかったしな」というと、「僕も同じだよ。 捨てられなきゃ、リオンに会えなかったしね。」と仲が良いガキ共だ。
どうやら、思ってた通りでガキ共は元の家に戻るつもりは全くないようだ。 いままで、聞いた事も確認した事も、というかその変は個人の自由であり、俺達も興味はないのでわざわざ聞く事もしないでいた。
「師匠、この後時間あるなら、模擬戦してくれない?」と聞かれ、「別にかまわんぞ」というと、リオンが嬉しそうな顔になる。
「ほんとう! 2個目が解放されたっぽいんだ」
確か、大剣のはずだ。 俺は想定より少し早めの解放に細く笑みを浮かべた。
それから、俺がリオンと模擬戦をしながら、大剣の使い方を指導し、リンとレイモンドも模擬戦をして時間を過ごす。 そして、夕食後はいつも各自部屋へ行くのだが、俺がレイモンドとリオンを呼びとめる。
「リオンが竜騎士になるためにな、学園の成績を上位でなきゃいけないのと同時に、リオンの相棒となる竜を探す必要があんだ。 んで、リオン、竜と契約する方法は知っているか?」
「数は少ないけど、飼育されている竜で未契約の竜と契約する。 昔は召喚して契約してたが、今はできなくなった。」
「その通りだ。 で、お前の相棒は、この世界にいないと思ったほうがいい。」
「俺は竜騎士に慣れないって事っすか!」と肩を落とし酷く落ち込むのだった、顔も暗く青ざめている。
それをみて、俺はハリセンでリオンの頭を叩き、「竜のいる世界にいけばいいんだよ。 ここに、そこへ連れてってくれる次元使いがいるじゃねーか」といってレイモンドを指した。
「ま、まさか、次元ゲートを開くってことですかぁーー!」と驚き、叫ぶレイモンド。
「その通りだ。」といって、分厚い魔術書と竜の召喚陣を渡す。
「レイのやる気次第で、リオンの竜探しができる。 期限は、来年の長期休暇前までだ。 その時の長期休暇で、竜の世界に行ってだな、リオンの竜を見つける。 どうだ? 面白いだろ」
そういった俺はタバコに火を付けて一服する。
「頼む、レイ」と頭を下げるリオンに、「こんな大魔術への挑戦、やら無いなんていうわけないだろ。 この本、読み解いて、リオンと竜探しの旅だ。 断る理由なし!」とリオンに向けて拳をあてるのだった。
こうして、シュンは新たな課題をレイモンドに渡すのであった。




