弟子たちの入試結果
学園の合格発表の日。
リオンとレイモンドはカールと学園まで結果を見に来ていた。
合格を確認し安堵する2人だが、受付で手続きを済ませるとなぜか学園長室に案内された。
入室すると、そこには帽子をかぶり、タバコをふかしいつものスタイルで座るシュンが学園長と話していた。
「「師匠、なにしてるんですか?」」とはもる、リオンとレイモンド。
「ダグラス、銀髪がリオンで茶髪がレイモンドだ。 お前ら座れ」
「座ってください。 私が当学園長のダグラス・フローシアです。 シュン殿のお弟子さんに会いたくて呼び出してしまいました」と嬉しそうに微笑みながらいう。
リオンとレイモンドは、何が何やらで黙ったまま座る。
「受かっていたんだろ。 良かったじゃねーか」というと、「「まぁーね」」と嬉しそうに返事するリオンとレイモンド。
「合格おめでとう。 リオン君、レイモンド君達は、きっと周りからいろいろ言われるかもしれんが、これからの学園生活を楽しんでほしい。 でも、あんまり、やんちゃな事を勘弁ですがね。 3階の窓から飛び出したり、公然と喫煙したりですな。。 教師と昼間からお酒のんでいたりとか。。」
「へー、そんな奴、この名門にいたんだなー」と棒読みでタバコをふかしていう俺。
「はは、いたみたいですよ。 記録にね。 と、それは置いといて、リオン君、レイモンド君、学園中の人から無能者って言われる覚悟はありますか?」と学園長は真剣な目をしていう。
「気にしてません。 わかってこの学園を受験したんです。 それに、俺は竜騎士になりたいですし。 それに俺も、レイも無能者じゃなくて、魔術師の卵だと思っているんで」というリオン、
「はい、周りは勝手に言っていればいいと思う、悔しくも頭にもこないです。 だから大丈夫です。」と答えるレイモンド。 二人とも真剣な顔で、自分の目標をしっかり持っている目つきだった。
「安心しました。 さすが、シュン殿のお弟子さんだ。」と笑いながらいう。
それから、学園長が、彼らに特にリオンに向けて、竜騎士になる場合の条件を伝えるのだった。
説明が終わると、「ん、じゃぁ帰るな」といって転移しいく。
学園長は、この前もそうですが、ここ魔法禁止なのに、今回も来る時も転移で帰るときも集団転移とは。 さすがとしか言えないと心の中でひとりごちるのだった。
◇◇◇
食堂に着いた3人。
ちなみに、既にカールはシュンが念話で連絡済みなのでカールも戻っていた。
「師匠、学園長が言ってたやんちゃって、もしかして」というリオン。俺がタバコに火をつけて一服する。
「ああ、俺だ。 3階から飛び降りたのは任務だったし、教師と学園長の許可とって喫煙してたぞ。 なぁ、リン」
「うん、その通りだ。喫煙もちゃんと許可証もらっていたな。」
その話を聞いて、リオンとレイモンドは、さすが師匠だ。。 学園でも相変わらずなのか。。と心の中でつっこんでおく。
「合格したんだろ。 おめーら、今日は何食いたい?」と聞くと「「ハンバーグ」」とガキ共同じメニューをいうのだった。 いくつになってもハンバーグが好きらしい。
みんなで食事をし、遊技場であそんだりと、リオンとレイモンドの合格を祝うのだった。
◇◇◇
食堂の開店となる。
迷宮都市と異なり、営業時間を変更した。
木曜と金曜の午後をカフェ、金の夜と土曜と日曜の昼と夜を食堂にした。
学園都市といっても学生のみではなく、働いているものも多い。 客層は、その辺りをターゲットにしているが、基本道楽なので儲けは考えていない。
最初の週は、食堂のみで、翌週からカフェを開店する事にした。
迷宮都市との違いは、冒険者が少ないという点で、仕事終わりの客がちらほら入店。
来客はみな料理の味とお酒、そして価格に満足して帰る。 満席になる事はないが、誰もこないというわけではない。 低調ではあり、まずまずのすべりだしだった。
翌日の昼食も意外と客がはいる。 女性客もくるが厨房立ち入り禁止なので、シュンには被害がない。 その夜もなんだかんだで客は入る。 日曜も同じだ。 低調ではあるが、まずまずの食堂経営が始じまるのだった。
リオンとレイモンドは、食堂の手伝いはしないので、週末のどちらかはダンジョン攻略の日にあてる事になる。 学園が始まるまでは、食堂とカフェ営業時間は、勉強したり、訓練場にいたりする。
入学準備は、基本カールとしている。 必要な武器は全てシュンが作成するし、制服や運動着にも付与魔術を施す。
食堂営業日以外の日は、シュンも、リンも、カールも日中特に仕入れや狩り等の用事がなければ、部屋または訓練場だ。 リオンとレイモンドへの鍛錬は交代でしている。 シュンの気分で、適当に魔物討伐につれていく事もある。
何気にこの5人は引きこもりなのだった。 シュンが女嫌いで人嫌だからでもあるからなのだが、用事がなければ全てある食堂が心地良いのである。 そういうふうに面倒くさがりのシュンが必要だからという理由でいろいろ用意してあるため、特にわざわざ出かける必要もないのだった。
しかし、学園都市の町中では裏通りに食堂がオープンし、木と金はカフェで、金の夜と土日は昼と夜で食堂となる店ができた。 店員は美男美女で、厨房のシェフもかなりのイケメンらしいという噂と、料理も甘味も酒も値段もお手頃という口コミと噂が広がっていった。
そして、徐々に客は増えているのである。
引きこもりの一家は、そんな事は知らずマイペースな生活と食堂経営のまま、リオンとレイモンドの入学式をむかえた。




