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【白銀の黒帝:4】精霊と無能者  作者: 八木恵
4章:迷宮都市編
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迷宮都市での日々④

その晩、カールは、子供達の相談事についてシュンとリンにも話す。 

「俺はわからん。 が、ようは、セックスすりゃいいんじゃねぇの。 なぁ、リン」

「うん、思春期特有の発情だろ」というリン。

カールは、カールで「そういう事だったんですね」と納得してしまう。 


「んじゃぁ、リンが性教育すりゃいいんじゃねーか?」と俺が提案すると、「こう言うのは第三者がいいかと?」と慌てて却下された。

「そうなのか? 俺わからんが。 手っ取り早く、カールが娼婦に連れていくってぇーのはどうだ? この辺、あるんだろ?」と聞いたら、「それは勘弁してください。 嫌ですよ。」とも言われてしまった。

いくら俺の依頼でも、カールもこればかりは断るのであった。


皆でどうするかと話していた所、俺がタバコに火をつけて一服する。 

そして、ニヤリと笑い「適任者がいんぞ。 大魔王がいたな。 あいつに頼もう」というと、リンもカールも「「いた、適任者!!」」といって、賛成する。 

かくして、大魔王による性教育が秘かに準備されるのであった。。。


◇◇◇

ついでとばかり、俺たち3人は、子供達の話をすることにした。


「問題は学園だな。」といって、俺が学園の案内書を出す。


案内書の内容はこうだ、契約精霊の等級でクラス分けがされる。 

学園の高等部は、3年制と5年制にわかれており、1年半間は、基礎戦闘や戦闘魔法を学ぶ。 

2年の後期ごとに専攻がわかれ、竜騎士、上流騎士、騎士、精霊魔法(攻撃、回復)、冒険科だ。 

竜騎士は、成績上位順に希望した10名となるが、上級精霊との契約が必須となっていた。


「うーん、困りましたね。 って、あれ、全寮制じゃなくてもいいんですね」という文言を見つけるカールだった。


「義務化したおかげで人数増えたんだろ。 試験といってもそんなに難しくなくて、クラス分けのためみてぇーだしな。 それに、あいつらに寮はきっと無理だろ。」と俺がいうと、「ええ、無理でしょうね」というカール。


「ってことで、カール、学園都市の裏通りでここと似た立地探しな!」というと、カールは俺の言葉を察して「ええ、探しますよ」と企みんだ笑みをこぼす。 


「学園のほうは、まぁ俺が話付ければ問題ねぇーだろ」という俺に、「うん、面白くなりそうだ。」企んだ笑みを見せるリンだ。


◇◇◇

そして、食堂もカフェも順調に進み、リオンとレイモンドも、もうじき15歳になる。


リオンとレイモンドが、転移して戻ってきて、「師匠、やっとケルベロス倒したぁー!!」と大喜びで報告してきた。


「そうみたいだな。 さっき、ケルベロスからも連絡もらったわ」

「師匠、どういう事っすか?」と聞かれ、リオンとレイモンドの表情はなぜ知っているという顔だ。


そうなるよなって、俺は、タバコに火をつけて一服する。

「前も行ったが、ダンジョンマスター倒してもギルドに報告すんなって言っただろ?」

頷くリオンとレイモンド。  

タバコの煙を吐いてから、「実はよ、ケルベロス知り合いでな、暇の時に鍛えまくったらよ、なんか強くなりすぎちまったらしい。 本当はもっと弱かったんだが、今となっては、カールが本気出して倒せるかっていうレベルにしちまったんだ。 俺がこのぐらいのレベルでって指定して、お前らに挑ませてたんだ。 いい勉強になっただろ。 なんども死ぬ思いしてよ」


そう話す俺の言葉に思い当たるふしがあるレイモンドとリオン。


「あー、だから最後に『合格』って札だして、サムズアップしてたのか!」

「あー、してたしてた。 俺ら嬉しくて、喜んでたけどな。 マスター戦ってそういうものかと思ってたしな。 でも楽しかったな。 次は中級だ攻略だ レイ!」といってリオンとレイモンドは拳を合わせるのであった。


ダンジョン生活もすっかり板につき、楽しんでいるようだ。 「蟻地獄を味わうがいい」とぼそっといったリンの言葉は俺しか聞いてなかった。 週3回のダンジョン間引きを、あいかわらず夜中にうけているが、月2度虫エリアがあるのであった。


「ケルベロスも倒したし、おめぇーらも、もうすぐ15歳だろ?」というと、「「うん」」と元気に返事するリオンとレイモンド。 


「試験やら学園の日程を考えると、5か月後には学園都市に引っ越しなきゃならねぇー。 だからよ、再来週から、1か月『魔の森』の家にいくぞ。 15歳っていうと昔でいえば成人だしな。 俺らからのちょっとしたプレゼントもあんぞ」とニタリ笑うシュン。 


「「まじっすか! やったー!!」」と大はしゃぎの子供達2人は素直に喜んでいる。

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