迷宮都市へお引越し、その前に
魔武器の訓練を1週間し、いよいよ明日迷宮都市へ引っ越しする日。
当面、魔の森には戻ってこないため、外でバーベキューをしながら、シュン達3人はエールで、子供達はジュースとちょっとした宴会をしている。
「明日から迷宮都市に行くわけだが、お前らも俺らも久しぶりの人間社会に行くわけだ。 んでだ、てめぇーらは、自分達の家の事をどこまで知ってる？ そして、腕輪と指輪の事は？」
と俺が、いつもの指定席でエール片手にタバコをふかして聞いている。
まず、レイモンドが唇をかみながらポツポツと話す。
「僕の家は、ポーター家といって共和国では結構有名な商会なんだ。 指輪の事は、初代の叔父の遺品で、力を与えてくれるといわれている。 その叔父は、冒険者だったと。 ただ、400年ぐらい前の初代も冒険者目指してたけど、その指輪を使う事ができなかったから商人になったといわれている。 指輪は、代々受け継いでいるって母さんが言っていた。 まさか、武器がでてくるとは知らなかったけど。」
「そうか、その指輪は母親が渡したんだな」って俺がレイモンドに聞いた。
「うん、生きろって言って」
それから、リオンの番だ。 リオンは悔しい表情をしながら、話す。
「俺は、マクレーンっていう共和国の3大公の嫡男だった。 母上がマクレーン家で、父上は跡継ぎがいないマクレーン家に婿入りして当主になった。 共和国の騎士団長をしている。 この腕輪は代々受け継がれていて、約1,000年前に活躍した今でも最強の竜騎士といわれたライナス・マクレーン様のみが使用できたらしい。 武器3種が眠っているって伝わっている。
ライナス様は、マクレーン家を継いでいないが、ライナス様の家系が途絶えた時に、本家がこの腕輪を受け継ぐことになっったって。 それから、マクレーン家の家系の正当者へと代々受け継いでいると母上がいっていた。 俺の容姿が伝承でいわれているライナス様に似ているって、母上が言っていて、あの日きっとライナス様の加護がありますようにって、生きろって言われてもらった。」
俺は、リオンの話を聞きながら、まじあれから1,000年たってんのかという方に驚き、リンも同じ事を思っている顔をしている。 まてよ、俺とリンってもうざっくり1200年ぐれー生きてんのか。 アークはもっとだろなどど余計な思考へ移っていた。
「なんで、俺たち師匠はそんな事きくんだ？」という言葉に、俺の思考は戻る。
「ワリィ、んじゃぁ、お前ら黒帝の事はしってるか？」という質問にリオンもレイモンドも首を縦にふる。
「俺が知っている限りだけど、確か、共和国の前、王国と帝国が争っている時代、王国のギルドで0番隊隊長を務め、30万の帝国兵を瞬殺し、当時のギルドランクで世界最強の称号ランクXとなった。 その後も30万の魔物と100万の魔物の襲撃において、0番隊メンバーがたった5人で同日に殲滅し、それがきっかけで王国が帝国を併合し共和国になった。 ただ、その後の魔王襲撃では、黒帝は参加せず以降姿をみせなくなった。 しかし、今でも世界最強の称号であるランクXは誰もつかず、0番隊隊長 白銀の黒帝が最後のランクXだっていわれている。 が、素性、容姿がすべて不明で男性だったという事しか知られてなく、1人で30万を瞬殺とか有り得ないだろうという議論もあって、架空の人物だったのではないかっていわれている。 ただ、王家とギルドが存在したと言っているが、殆どの人が、架空の人物と思っているみたい」
「うん、物語になってるから僕も本を読んで知っている。」
それを聞いて、俺、リン、そしてカールが大爆笑する。 笑うしかないだろ。
「おいおい、か、架空の人物だってっよ」と笑い、「1,200年も前だもんな。 すげーな。 カールもだろ」という俺に、カールもお腹を抱えて笑いながら「ええ、そうな月日が経ってたなんて、笑うしかないですよ」といい、「シュン、本になってるって」とリンがいい、俺たち３人は大爆笑。
「「もう、3人で笑って、何がおもしろいんすか！」」
「いろいろ聞くだけきいてなぁ、レイ」といい「そうだよ」と互いに見合って不貞腐れるのであった。。
