四十話 「光り」
記念すべき四十話!
子供の頃は、「光り」になりたかった。
誰かを照らせるような
そんな素敵な光りに
なりたかった。
君も、そう思わなかった?
でも現実は
そんなに甘くなかった。
世間も人も冷たくて
自分を守るので、精一杯だった。
どんどん保守的になって
他人のことを
考えることも
少なくなっていった。
自分でもわかっていた。
あの頃なりたかった光りから
自ら選択して、だんだん
離れていっていることに。
楽することも覚えた。
自分の為だけに生きるようになった。
大多数の声に流された。
助けてという声から目を逸らした。
僕はぼやけて汚れた人間だ。
決して光りなんて呼べない。
それでも、まだ光りを
目指すことは許されますか?
僕は「あなた」に出会った瞬間に
また光りになりたいと思った。
あなたは傷だらけなのに、
痛みを「仕方ない」と諦めていた。
そんな人初めてだった。
こんなに優しい人なのに
こんなにも苦しんでいる。
同情じゃない。心に触れたんだ。
そんなあなたを僕は照らしたい。
こんな僕でも、まだ誰かを
救うことができるだろうか。
誰かの光りになれるだろうか。
僕とあなたが出会ったことが
ただの「偶然」かもしれない。
でも断定できないということは
「運命」の可能性もあると言える。
あなたが僕に
もう一度光りになることを
思い出させてくれた。
あなたに出会えたから僕は変われる。
あなたは、僕の「光り」だったんだ。
過去は後悔の海。
現在は苦しみの渦。
未来は不確かな闇かもしれない。
それでも、僕は未来へと足を進める。
なぜなら、僕はあなたの光りになるから。
お読み頂きありがとうございます。
光りに憧れて、目指しているうちに誰かの光りになれてあるといいですよね




