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ヲタッカーズ24 恋の十字砲火

作者: ヘンリィ

ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!

時空海賊、ギャング、宇宙人の聖都侵略が始まった!


聖都の危機にアキバのCharlie's angels

"ヲタッカーズ"が立ち上がる!

オトナのジュブナイル第24話です。


今回は、秋葉原に異次元人の武器で武装した強盗団が出没、出動した警察やヲタッカーズは苦戦を強いられます。


しかも、強盗団の背後に人類の武装を理念とする謎の科学者集団の存在が浮上、一方、ヲタッカーズにも味方が…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 週末はパーティ


御屋敷の裏を潜り酒場(スピークイージー)風に改装したらヤタラと居心地が良くなって…

朝から、スーパーヒロイン達の溜り場になってしまい、困っているw


「ナウナ、仕事ょ。面接がアルからコスチューム脱いで、スーツに着替えて!」

「え。やっとシロップかけてバターが溶け出したトコロなのに!」

「そのパンケーキ食べながらで良いわ」


ナウナは、火の星から"降って来た"親衛隊長女子だ。

薄いパンケーキを…恐らく20枚は重ねてパクつく寸前。


波動が止まり死に絶えた星から脱出し、今は秋葉原で無為な日々を過ごしている。

ソレだけに午後からの面接は重要だ!パンケーキを頬張りながら首から下だけで…


リクルートファッションショーGO←

ランウェイの周りにみんなが集まるw


「どぉ?」


ブラウスの胸のボタンが弾けるw


「今度は?」


ダブダブだょダメダメ。


「じゃコレで決まり!」


ワオ。バッチリ完璧!モデルみたいだw

ムーンライトセレナーダーの仕切りで…


「後はメガネね」

「ソレならコレがあるわ」

「その赤外線暗視ゴーグルはヤメて。私はね、メガネのおかげでムーンライトセレナーダーだと誰にも気づかれズにいるのょ?」

「私は、誰にも間違われないわ」

「みんな、最初はそう。でも、その内にそのスーパーパワーで人助けをしたくなるの。その時のために、このメガネでごまかすの」

「そーゆーモノかしら?」

「そーゆーモノなの。ハイ!貴女のマイナンバーカードも作ってあげたわ。498003145。信用情報も作ってある」

「何ソレ?美味しいの?」

「ナウナもお勤めに出ればわかるから」

「へぇ。でも、コレで秋葉原に馴染めそうょ。どぉ?必死にヲタバレを隠してる腐女子に見える?」


リクルートスーツにメガネをかけるナウナ。

居並ぶヲタッカーズからは軽くドヨメキが。


「うーん見事に新人OLに化けてるわ!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ワラッタ・ワールドワイド・メディアビルの最上階。

あ、ワラッタは、アキバ発の巨大コングロマリット(複合企業)だ。


ナウナの面接に僕もミユリさんと付き合う。


「私は、池袋にいた頃はオフィスの女子にはコーヒーを配ったモノょ」

「なるほど!賄賂ね?」

「ち・が・う!親切心からょ!」


ミユリさんはスーパーヒロインなんだけど、今はナウナとスーツ姿だ。

うーんタイトスカートに入ったスリットって人類最大の発明だょ萌え←


「おはよー、ミユリさんにテリィたん」

「やぁスズキくん。主筆(新聞社の偉い人)自ら御対応とは thank you 」

「リリリリリーン」


ソコへ古風な電話の呼び鈴…


非常警報(レッドアラート)緊急発進(ホットスクランブル)!」

「お、落ち着け!ナウナ、そんナンじゃないから!」

「コレは電話よっ!こうやって対応するの!"はい、ワラッタ編集部です。ご用件は?"」


ミユリさんが慌ててスマホに答えてみせる。


「ソレから、エヴァには必ずコーヒーを。ワラッタ主筆のスズキくんの秘書なの。エヴァ、新しいインターンょ。はい、コーヒー」

「あら、ありがとう。貴女、お名前は?」

「ナウナ。認識番号は4980…」

「軍人さんなの?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「スズキくん。話してたインターンを紹介するょ」

「ナゥナょ。貴方がココのトップ?」

「そうだょ」


CEO室のど真ん中で踵を鳴らして直立不動の姿勢を取り、拳を固めお腹?に置くナウナw


「胃袋を捧げよっ!」

「な、何コレ?」

「あ、コ、コレは…敬礼、かな?」


付き添いの僕とミユリさんはアタフタ。

その間もズケズケとモノを逝うナウナ。


「最高指揮官にしては、想像と異なり威圧感に乏しい」

「あのな。古馴染みのミユリさんとテリィたんの頼みだから雇うコトにしたンだ。さぁ君のデスクに資料が置いてある。早速整理してくれ」

「了解した…しかし、賄賂のコーヒーがもうない」

「賄賂は不要だ!ソレにワラッタじゃ主筆自らコーヒーを買いに行くのが伝統だし」

「あ、私も付き合うわ。スズキくんの好み、知ってるのょ。アイスリストレットショート2%ラテでしょ?」


如才なく接待モードに入るミユリさん←


「じゃあエレベーターで」

「わかった」

「あ、僕はナウナにちょっち話が…」


さぁ説教!と思ったらナウナは怪訝な顔だ。


「ムーンライトセレナーダーは、何でエレベーターに乗るのかな?飛ぶ方が早いのに」

「ナウナ。いったい何回逝わせるつもりだ。社内でスーパーパワーを使っちゃ駄目ナンだょ。変装(コスプレ)の意味がナイだろ?ホラ、ココが君のデスクらしいぞ」

「ええっ?スーパーパワーを使わずに、この書類の山を片付けろと?」

「当然だろ?ソレが労働と逝うモノだ」

「では、テリィたんが推してるムーンライトセレナーダーは、御屋敷(メイドバー)ではスーパーパワーを使わないのか?」

「モチロンだ。今までに1度も使ったコトがない」

「テリィたんは、嘘をつく時に口が半開きになるな」

「ならない」

「いいや」

「ならないよっ!」

「今も半開きだ」


えっ…その時、都合良くスマホが鳴るw


「ホラ、電話だ!応対出来るょな?」

「モチロンだ」

「やってみてチョンマゲ」


僕のスマホにヤッホー的に話しかけるナウナ。


「checkmate king 2, checkmate king 2。コチラ white rook!」


僕は、ナウナのデスクで鳴動している彼女のスマホを、ソッと指差す。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その頃地下アイドル通りの裏にある通称"異次元人メイドカフェ"では大事なデートが…

場慣れしてるラギィにカチコチ初心者のレイカ。ん?コレはゲイ同士の恋の駆け引きか?


「あ、あーん。またラギィの勝ち?ビリヤードなんて大嫌い。私、挽回出来るかなぁ?」

「この後、何時間やっても貴女には無理。諦めて、レイカ」

「この後、どーせ恋人が待ってるのでしょ?」


ツンと唇を突き出しスネるレイカは、実はアキバ防衛秘密組織ジャドーの司令官だ。

日頃は沈着冷静が売りだが、今宵は恋する乙女。対するラギィは万世橋警察(アキバP.D.)の刑事。


「…彼女とは別れたわ」

「やった…じゃなかった、ウソでしょ!何があったの?」

「捨てられたの」

「やった…じゃなかった、あなたが?まさか」

「もう嫌みたい。ただの喧嘩だったのに…頑固で、無神経で、仕事中毒だと言われたわ」

「やった…じゃなかった、それが何?」

「しかも、人格障害だって。もう二度と会いたくないみたい」

「彼女は、絶対後悔スルわ」

「私は、ただ彼女が…」

「何?なに?ナニ?」

「悪いけど、今日はもう帰る。家で酔って暴れたい気分なの。またね」

「元気出してね」


とか逝いながら小さくバンザイするレイカ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その頃、ワラッタタワーの最上階から高速エレベーターで地表に降りたミユリさん達は…


「スズキくん、ナウナの件はありがと」

「テリィたんから頼まれちゃ断れないょ。君達、まるで彼女の世話係だね」

「だって、実際に彼女はアキバじゃ迷子同然なのょ?」

「ソレで、今もテリィたんは手取り足取り教えてるワケか」

「学ぶコトは多いけど、私達が指導スルからアキバにはすぐ溶け込めると思うの」

「相変わらズ立派だね。さすが、ヲタッカーズのリーダーだ。でも、実はテリィたんの方は、若いヒロインに下心が満々とか」

「…微乳が相手なら負ける気しないわ」


ソコへ!地下アイドル通りへ猛スピードで入り込む黒いSUV!歩道に乗り上げて急停車!


「危ないっ!」

「急げ!90秒で撤収だ!GO!」

「私の目の前で銀行強盗?」


SUVの全ドアが開き、一斉に動物マスクを被った男達が飛び出す。

手に手に変わった武器を持つ彼等が駆け込む先は国立トマト銀行w


「待ちなさい!私が相手よっ!」

「ムーンライトセレナーダー?どうしてココに?」

「ソレはコッチが聞きたいわ!」


僕の推し、ミユリさんは普段は御屋敷(メイドバー)のメイド長だけど、生まれつき体内に発電器官を持つ新人類、つまりスーパーヒロインなんだ。


今も瞬時に黒のセパレートタイプのコスプレに変身、颯爽と銀行強盗の前に立ち塞がる。

あ!アラサーなのに少し痛い…とか思ったそこの君!君だよっ!即刻、感電死刑だから!


「喰らえ!ムーンライトセレナーダー!」

「そんな武器、私には通用しないわ!」

「ソンなら、コイツで勝負だ!」


強盗の中から親分ポイ奴が前に出てスケッチブックみたいな四角い光線銃?を構える!

次の瞬間、そのスケッチブックから光線が(ほとばし)り出てムーンライトセレナーダーを貫く!


「ぎゃあううっ!」

「やった!」

「何なの?この光線は…」


吹き飛ばされたムーンライトセレナーダーは後ろのビル壁面に大の字にメリ込む。

苦しげにウメくムーンライトセレナーダーを見て銀行強盗達は歓声を上げ大喜びw


「ムーンライトセレナーダーって意外にチョロいな。よし!トドメを刺すぞ!」

「させるか!」

「わ、何だコイツ…」


スケッチブック型の光線銃を持つ強盗ボスに襲いかかるのはスズキくんだw

ボスの足を蹴って倒すが、逆に足をすくわれ倒されてボコボコに殴られる。


「スズキくん!」

「ごめん…ムーンライトセレナーダー」

「邪魔者は片付けた。クタバレ!アラサーのスーパーヒロイン!」


再度スケッチブックから光線…だが、ムーンライトセレナーダーも電撃を放ち、両者の真ん中辺りでエネルギーが激突、大爆発スルw


どっかーん!


その瞬間"光のビッグバン"の小型版が発生し"リアルの裂け目"をも揺るがす時空震←

さらにエネルギーの衝突地点を爆心地とするエネルギー波に襲われ全員が真っ黒焦げにw


「ちくしょう!盗んだ札束も萌えちまった!引き上げだ!覚えてろ、ムーンライトセレナーダー!」

「望むトコロょおととい来て!」

「髪の毛チリヂリのソバージュ頭になりやがって!やっぱり昭和なヒロインだな!次に会う時はボディコンで来いや!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ジャドー司令部。


「見覚えある?」

「あ!あの銃だ!奴等が持ってたのは!」

「アンドラニアンのフォトン銃だ」

「アンドラニアン?なぜ人間が異次元人の武器を?」

「アンドラニアンが秋葉原のヲタクに化けてたのかな」

「でも、体にヒレとかなかったし」

「とにかく!銃がフル充電されてたら危なかったわ」

「強力な武器なの?」

「いえ、実はそれほどでも…」

「だって、ミユリさん大苦戦だって」

「"ヒロピンクラブ"の1件以来、ピンチになると張り切る変な癖がついてしまって…」

「何だょソレ?」

「だって!私のピンチに陥ると1番お悦びなのはテリィ様でしょ?」

「そ、そぉかな?」


その時、司令部の大小様々なモニターが全部ハッキングされ遮光器土偶のUPが流れる。


土偶が叫ぶw


「異次元人は危険だ!異次元人は、悪意に満ち強大なパワーを有する。遺憾ながら、異次元人の技術が裏切者の手に渡った。人類は、異次元人の武器を奪い取り、裏切者を檻に閉じ込めるべきだ。秋葉原デジマ法がもたらす混乱は無視できない。秋葉原の街を恐怖と戦慄が支配している。我々人類は、スーパーヒロインと訣別し、自ら再武装スルのだ。我々は"脳髄帝國"」


唐突に土偶画像は消える。

途端に司令部は大騒ぎだw


「"リアルの裂け目"から落ちこぼれた武器が強盗の手に渡った直後に、この声明発表だと?」

「"脳髄帝國"の連中が武器を与えたに決まってる!奴等は、異次元人の兵器の死の商人だ!」

「またもジャドーまでハッキングしやがって!とりあえず、銀行強盗から追跡を始めよう!」

「強盗の銃から放たれたβ素粒子を追ってみます!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


"脳髄帝國"は、人類自らが未来も主役であり続けるために、スーパーヒロインや異次元人を排斥すべしとスル狂った科学者集団だ。


「ムーンライトセレナーダーが叩きつけられたのは子ども病院だった。正直に言うわ。秋葉原の平和を守るためには、超強力な武器が必要ょ」

「だめだ。許可出来ない」

「じゃあどうするの?異次元人の武器で武装した強盗が、そこら中で暴れている。ヲタクも武装すべきなの」

「ソレにしても、異次元人の武器は危険過ぎる」

「自衛は、憲法で保障された権利ょ?"脳髄帝國"が武器を配っているの。ヲタクの恐怖心を煽っているわ」

「なぜわかる?」

「わかるからょ」

「そこまでだ。取り掛かるょ。アンドラニアンの大砲にパイサリアンの爆弾。何れもジャドーの武器より遥かに進歩してる。このママでは、ヲタクに被害者が出る」

「ソレを防ぐのょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ワラッタ・ワールドワイド・メディアHQタワービル。

無事?インターンとなった火の星の親衛隊長ナウナ。


CEO代理のスズキくんが眉をひそめるw


「エヴァ、ヤタラと忙しそうだけど?そんなに仕事を頼んだっけ?…やや?この書類はインターンが整理するハズだろ?」

「え?はい…でも、CEO代理。彼女って素敵ナンです。入社初日で大変そうだったから、私が手伝いを…」

「おっと危ない!」


山のような書類を抱えフラつく秘書のエヴァは、ちょうど入って来たナウナとぶつかるw


「エヴァ!ちゃんと前を見て!ところで、この赤いゴム、おいしいのね」

「おい。俺はインターンである君に仕事を与えたンだ。エヴァにじゃない。ソレから…お菓子は勤務中は食べちゃダメだ」

「だって、エヴァの方から仕事をしたいと申し出たのょ?他にも、このフロアの男女がたくさん私のために…」


話が収拾つかなくなりかけたトコロに、モデル体型…と逝うかほぼモデル美女の登場だw


「ルナレ!世紀の大悪党を兄に持つ呪われた妹にして巨大複合企業体(メガコングロマリット)のCEOw何か用か?まさかワラッタを買収しに来たとか?」

「私を兄と一緒にしないで。ソレにワラッタではなくてスズキくん、貴方に用があって来たのょ」

「俺に?」

「週末に資金集めの慈善パーティを開くの。被害にあった子ども病院の再建費用を集めるためょ。御社に告知広告を載せたいの」

「慈善パーティ?薬の売人でも集めるのか?」

「モチロン違う。ねぇ。私は、秋葉原は未だ日が浅くて、お友達はミユリさんと…スズキくんくらいなの。広告を出させて。ソレから、貴方も是非来て」


ソコへ、空気を読むハズも無いナウナがランランと目を輝かせ皆の前にしゃしゃり出る。


「私も行って良い?」

「ダメだっ!お前は絶対かつ致命的にダメだっ!」

「あら?貴女もどうぞ。お名前は?」

「ナウナ。インターンです。今日からココのインターンをやってる」

「インターンさん。スーツでいらして。それじゃ」


モデルみたいな美女ルナレは去る。

歩く疫病神ナウナはガッツポーズ。


「週末はパーティよっ!やったね!」


その場の全員が頭を抱える。


第2章 南秋葉原条約機構(SATO)


ジャドー司令部。


「ムーンライトセレナーダーのスーツに光線銃の痕跡であるβ素粒子が付着してるハズ。だから、追跡アルゴリズムで…もしもし!レイカ司令官!」

「あ、ダマヤ分析官…聞いてるけど」

「上の空で?何かありましたか?」

「あのね、ラギィってね、ビリヤードがスゴーく下手なの」

万世橋警察署(アキバP.D.)のラギィ刑事?」

「今、恋人にフラれて落ち込んでるのっ!」

「ウレしそーですね」

「わかる?とにかく!ラギィらしくないワケょ。普段はタフなのに、凹んでるの。慰めながら仲良くなる、私の必勝パターンだわっ!」

「ヤタラ元気一杯だなw」

「そーゆー貴方もマリレを推してた時は夢中だったクセに」

「そりゃマリレのコト、あわよくばと思ってたからです。司令官は、ラギィ刑事が好きなのですか?ソレってゲイ…わ!事件だ!」


司令部内に警報が響き渡る!

"襲撃被害アラート"発令w


「地下アイドル通りだ」

「武器は?」

「待ってください。調査中…また、異次元人の武器が使われています!」

万世橋警察署(アキバP.D.)に通報!ジャドー特殊部隊"チーム6"およびヲタッカーズ、GO!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「うそでしょ?!」


強盗がハープのような形状の武器を振り回すや、路上のベンチやゴミ箱や車が…

突如フワフワと空中に浮き上がるwコ、コレは無重力発生装置か?飛行石かょ…


「遅かったな、アラサーヒロイン!未だ肌寒いのにセパレートのコスチューム御苦労!」

「その無重力発生装置、何処で売ってるの?私も欲しいンだけど!」

「頼めばウーパーイーツが届けてくれる!今なら、初回限定特典で警備の甘い金融機関の一覧表付きだ!」


現場に降りたヲタッカーズに強盗団が(うそぶ)く。

子分が逃走用のバンに札束を放り込んでるw


万世橋警察署(アキバP.D.)!全員、ソコを動くな!」

「おや?やっとおまわりさんの到着だ。ソレ!」

「お、おわ?おわわっ?!」


またまた強盗団のボスだが、今度はハープのような武器を…爪弾く?

イカツイ顔に全く似合わナイ所作だが、次の瞬間、目を疑うコトが…


サイレンを鳴らして駆けつけた万世警察(アキバポリス)のパトカーがプカプカと宙に浮く!

さらにボスが爪弾くと、警官を載せたママ、パトカーは蒼穹の空の果てへw


「助けてくれー!」

「待って!今、助けるから」

「く、苦しい!空気が…薄い…」


飛ぶ系ヲタッカーズのマリレがパトカーを追うが、早くも成層圏の果てw

既に真っ暗、パトカーの窓ガラスも曇り、ドアを壊して警官を救い出す!


パトカーは漆黒の宇宙へ消える…

まるで天空のパトカー?バルズw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


神田川沿いの崩れかけた廃ビル。

強盗団が白衣の女子と向き合う。


「無謀ょマイナさん。貴方、その内に捕まるわ」

「フン。この武器さえあれば、誰でも倒せる。怖いモンはねぇ」

「ヲタッカーズは手強いわ。ターゲットを小規模にすべきね」

「お断りだ。俺達は、デカく使って、デカく稼ぐンだ」

「私達の目的は違う。異次元人の武器で秋葉原のヲタクを変えたいの。先ず、恐怖を抱かせて、私達がリーダーとなる」

「秋葉原を支配したいのか?」

「違うわ。救いたいの」

「知ったコトか。俺達のコトが心配なら、また新しい武器をくれ。デカいのだ」


白衣の女子は、微笑みケースを開ける。


「マイナさん、賢く使うのょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


地下アイドル通りの強盗現場。

夜を徹しての現場検証が続く。


「しかし…反重力銃なんて初耳ょ」

「私の方で、残留物に電磁気を帯びた成分がないか、とりあえず分析してみる」

「ヲタクな部分はジャドーに任せるわ」


万世橋警察署(アキバP.D.)ラギィ刑事と話し込むのはアキバ防衛秘密組織ジャドーのレイカ司令官だ。


「少し元気になった?」

「みぞおちを蹴られた気分よ」

「ねぇ。報告書を描き終えたら遊びに行こ?ピンボールする?新しいタパスの店でも行く?」


健気に誘うレイカだが、ラギィは制服組から渡された書類にサインしたりで忙しそうだw


「気が乗らないわ」

「楽しまなきゃ。祝いましょう。今や貴女はフリーなのょ?」

「捨てられたコトを祝うの?」

「そうじゃない」

「じゃあ何?」

「一緒に楽しみたいの。きっと仲良くなれる」

「私達が?」

「そうょ。おかしい?」

「いいえ。でも驚いたわ」

「なぜ?」

「女性が好きなのね?」

「違う」

「そう。ごめん」

「いいえ。私はただ…」

「ゲイじゃない?」

「そうょ」

「否定する子は多いの。でも、下心があるのかなって」

「ないわ。私は、ただ…」

「捜査に進展があったら、お知らせします」


立ち去るラギィ刑事を見送りながら、複雑な表情を浮かべる(恋するw)レイカ司令官。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


再びワラッタ・ワールドワイド・メディアHQタワービル。編集スタッフの雑談w


「全く秋葉原のヲタク世論ってのは気まぐれだな。手に負えないぜ」

「ニュースを見たか?63%が秋葉原デジマ法の廃止を支持してる。ウチが"脳髄帝國"に対する批判記事を出したばかりなのに」

「"脳髄帝國"の狙いが明らかになった以上、もう客観的な記事なんて描けない。今宵は閉店だ。もう帰るか…おい、誰かインターンのナウナを見たか?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


備品室を開けた"誰か"は、エヴァがナウナに駅弁スタイルで脚を絡めてるのを目撃w


「おい!何してる?!いや、何してるかはわかってる…」

「何もしてない。誤解ょ」

「してるだろ?正解だ」

「行って」

「うーん地球だと火の星と違ってパワーアップするのょね。どんな子でも落とせちゃうわ」

「正気なの?」

「ご無沙汰だったし。ソレに海外ドラマを見たら、医者は病院でやり放題だったしね」

「とにかく!初日から勝手なコトし過ぎカモね」

「私だって頑張ってるわ。自分を抑えるのは容易じゃないのょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


またまたジャドー司令部。


「"我々が必要になる。われわれは脳髄帝國…"」


ハッキング画面を繰り返して見ながら、指鉄砲で遮光器土偶の画像を撃つダマヤ分析官。


「お前達はダサイ…わ!お久しぶりです!暫く御出張中とか伺ってましたがw」

「御無沙汰ね」

「司令官に御用ですか?あ、御用はテリィたんかな?」


深夜残業中のダマヤに声をかけたのは誰か?


「いいえ。貴方に用があるの。時間が出来てね。貴方にもタマには会いたくて」

「ウレしいけど思い切り怪しいな。実はPCが固まったとか?」

「いいえ…例の武装強盗だけど、次の標的はわかった?」

「今、データを収集して標的候補を割り出しています」

「アルゴリズムを見せて」

「はい…例えばですね。怪しい車が国立メロン準備銀行を偵察していたと言う通報が信頼するに足るか分析するとして…」

「結果は?」

「この通報はハズレでした。もっと怪しいトコロにジャドーの特殊部隊が張り込んでます」

「メロン準備銀行の線はナシ?」

「現時点では」

「そう。じゃそろそろ帰るわ。またね」

「は、はい」


怪訝な顔で見送るダマヤ分析官。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


メロン準備銀行は中央通り沿いにあるが、夜が早い秋葉原ゆえ深夜になると人影もない。

ソコへ黒いSUVが乗り付け、全ドアが開き、不思議な形の武器を持った強盗が飛び出す。


と、ソコへ…


街路樹の影から、黒装束に網タイツという殆ど昭和なクノイチ丸出しの人影が現れるw

手裏剣でも投げるのかと思ったらオヨソ場違いなバットを振り回し強盗に襲いかかる!


怒れるオバさん?

令和の主婦連か?


瞬間、呆気にとられた強盗団だが、手にした様々な武器から音波や電波や光線を発射!

たちまち周囲は、大音響が轟き、光線が飛び交う安いSF映画モドキの情景が展開スル。


「いやーん」


意外に可愛い声を上げて、音と光の大爆発の中をオロオロ逃げ惑う網タイツのクノイチ。


「意外にショボいヒロインだな。ソレ!」


強盗団のボスは、通りの向かいにあるタワーマンションを光線で上から下まで真っ二つ!

タワマンは、火を噴いて崩れかかり、居住者達を恐怖のドン底で絶叫と悲鳴が交錯スルw


「早く逃げろ!崩れるぞ!急げ!」

「おおっ!何てこった!そびえ立つ地獄だっ!」

「邪魔が入った。この隙にズラかるぞ!」


強盗団は遁走、遅れて万世警察と神田消防が到着、中央通りは全面閉鎖となる大騒ぎだ。

住民避難を誘導したクノイチが喧騒を離れて物陰でフードを取り、肩で大きく息をスル。


「危なかったわ。何てコト…」


おや?ワラッタの…サリアCEO?


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ワラッタ・ワールドワイド・メディアHQタワー地下の限られた人だけが知る秘密部屋。


「痛っ!もっと優しくしてょスズキくん!」

「サリア、死ぬ気か?」

「貴方にはわからないわ。私の気持ち」


部屋にいるのは、ワラッタ主筆のスズキくんと伝説のサリアCEOだが彼女は不在では?

ソレに、ふたりは結婚して…離婚したっけ?あれ?今はどーだっけ?束縛のない関係?


「じゃあ説明しろ。黒装束に網タイツって何だょ?しかも、武装強盗にバットだけで立ち向かうなんて」

「私は、ずっと脇役だった。メディアの後ろに隠れてた。その間、お友達は人助けをしている。私も貢献したい。もう待てない。コレが私のやり甲斐なの。コレなのょ」

「でも、君にはスーパーパワーがない。君は人類ナンだ」

「でも、きっと出来る。3人でなら」

「3人?」


スズキくんの背後から聞き慣れた声がする。


「昨夜の防犯カメラの映像をハッキングして見た。僕が君に教えたメロン準備銀行のね。しかし、コスプレがお粗末だな。ソレに、何だょこの"南秋葉原条約機構(SATO)"って?」

「ジャドーのダマヤ分析官?ココに何しに…ジャドーも"南秋葉原条約機構(SATO)"に気づいてるのか?」

「いや。未だ僕限りだ、君達夫婦のヒメゴトは」


ダマヤが示すタブレットには昨夜の中央通りの闘いと、命からがら逃げるサリアの画像。


「確かに私にはスーパーパワーはない。でも今では巨大企業に育ったワラッタの潤沢な資金がある。ダマヤ、貴方が私のスーツと武器を作って。そうすれば、SATOは闘える」

「いや、無理だろ」

「でも、ヲタッカーズは?」

「彼女達は、スーパーヒロインだ。サリア、君は単に金持ちなだけだ」

「ムーンライトセレナーダー達が秋葉原のために闘うのを見て思い出したの。彼女は、ヲタクのために闘ってる。私も闘いたい。秋葉原に命を捧げたいの」

「死ぬぞ?」

「私は、例え1人でも、バットを持ったイカれたクノイチを続けるつもり。そのための"南秋葉原条約機構(SATO)"ょ」

「ワラッタには、世界のヲタクに情報与えるという役割がアル。知性で悪と闘ってる。ソレも立派なコトだ。考え直すんだ、サリアさん。命を落とすぞ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


御屋敷の裏につくった"潜り酒場(スピークイージー)"。

閉店後、僕はミユリさんとマッタリ←


「テリィ様がドーナツ?珍しいですね?」

「うん。まぁ…ミユリさん、機嫌悪そうだったね。大丈夫?」

「ナウナったらクビになりかけて」

「えっ?アレだけ話したのに」

「全然真面目に仕事してないのです。働いたコト無いのかな?」

「異星人だしね。火の星…だっけ?」

「私は、10代でアキバに馴染む努力をしてました。今回は、彼女のIDを作る手配をして、インターンの手配も。メガネまで用意したわ。人助けをしたくなった時のために。必要な物は全て与えたのに、彼女は問題ばかり起こすのです」

「困ったねぇ」

「まぁメガネは私が使えば良いのですが」

「…ミユリさんと出逢った時、僕は推しが出来てウレしかったなー」

「隠れスーパーヒロインでも?」

「そうとは知らなかったしね。だから、普通のヲタクと同じコトをしたかった。だから、地下ライブに連れ出した」

「…退屈でした」

「ヲタ芸も打った」

「…ラジオ体操かと思いました」

「ダーツもやった」

「…左手でやっても私が勝ちました」←

「だから、最終的に諦めた。趣味を押し付けズ、僕がやってるJAZZだけ聞かせた」

「 cool でした!」

「つまり、ナウナはミユリさんじゃない。ヲタクのやり方は合わないンだ。何が自分に合うのかは、結局自分で見つけるしか無い。どれが本当の自分か。どうあるべきか。全部、自分でやらなきゃダメなのさ」

「ナウナにメガネはやり過ぎでしたか?」

「ミユリさんほどには似合わない」


ソコへ、美しいモデル系の美女。

非ヲタクのセレブ美人は珍しい。


「ルナレさん!おかえりなさいませ、お嬢様…でも、もう閉店で」

「突然、ごめんなさい」

「コチラ、私のTO(トップヲタク)のテリィ様」

「ヘヴンコープCEOのルナレです。世間は狭いわね、テリィたん」

「その折はどーも」

「ミユリさん。前回、ヒロピンクラブのコトで色々あったけど、お役に立てたかしら?実は、今回、私は貴女に頼みがアルの」

「あら。私が巨大複合企業(コングロマリット)CEOのお役に立てるコトなんか、あるのかしら。何でしょう?」

「あのね。私、どーしてもムーンライトセレナーダーに会いたいの」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


廃駅となった東京地下鉄道万世橋駅ホーム。


「マイナさん。まさか貴方が私を呼び出すとはね」

「俺は、約束を果たした。今じゃ秋葉原のヲタクどもは俺達の武器を恐れてる。アンタの望む通りにな」

「結構。で、貴方の次なる望みは?」

「最後の標的だ」

「ルナレのヘヴンコープ?」

「…あ、知ってるのか?ヘヴンは、慈善パーティを開くらしい。秋葉原のセレブが集まる。宝石や金を身に付けて、向こうからやって来る。会場を襲えば、ヲタクどもは、ますます恐怖を抱くぞ」

「でも、主催するルナレは賢くて危険。彼女を敵に回してはダメょ」

「おいおい。俺達はヲタッカーズも倒したンだぞ」

「みくびらないで。パーティは自分の力で襲いなさい」


踵を返し、地上への階段を登る女子。

前に強盗に武器を渡した白衣女子だ。


「女を背中から撃つの?余程、欲に駆られているのね。別に責めはしないけど」


階段の途中で強盗を振り返る。

自分に向けられた拳銃を見る。


「私の使命は崇高なの。私は闘っているの。人類のために。人類の未来が、私達の使命の成功にかかってる。異次元人や宇宙人の影響力を必ずや排斥スル。私は"リアルの裂け目"と闘ってるの。その私が貴方を恐れるとでも?」


階段を1段1段降りながら、迫る白衣の女子。

異様な雰囲気に圧倒され拳銃をおろす強盗。


「ルナレは諦めなさい」


辛うじて言葉を返す。


「お、脅しても無駄だ」


第3章 裏切りのパーティ


ヘブンコープ秋葉原本社タワーの最上階。

夜の秋葉原を睥睨するバルコニーに人影。


「ムーンライトセレナーダー?」

「私に御用とか」

「来てくれてありがとう。実は…パーティに招待したいの」

「まぁ。あの私が壊した子ども病院再建の資金集めパーティ?ソ、ソレは断れないわねwでも、どうしても決行するのね?間違いなく武装強盗団の標的にされるわ」

「だから、貴女が守って。ムーンライトセレナーダーが来てくれれば安心だわ」

「危険をかえりみないの?前にもこんなコトがあったわね?」

「毎日を怯えて暮らせと?貴女ならわかるハズ。私は、正義のために全てを賭けて来た。貴女と同様、私も闘いたいの。ソレとも、私も兄と同様の悪党だと?」

「私は中身で判断します」

「なら、私を信じて。このパーティは中止に出来ない。力を貸して」

「そこまで言うなら。でも1つ条件が…」

「ありがと!是非ミユリと来て!」

「えっ?!でも、彼女って…アレで意外に忙しいし」

「で、貴女の条件って?何でも言って!」

「実は、使って欲しいバンドが…」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


パーティの開幕だ!


今や世界の有名ホテルにランクインしてる"THE 24 "のメインバンケット貸切w

何の因果か、僕が副業でやってるバンドに突然営業の話が舞い込みウレシい悲鳴←


あれ?ルナレのパーティなのか?コレw


「テリィたん!来てくれたのね。超満員ょ。しっかり音楽で盛り上げてね!」

「ルナレ!こんなデカいパーティだとは思わなかったwソレからギャラ、ケタが1ケタ多いから。とりあえず、半額返す」

「え?何?聞こえない。さぁパーティの始まりょ!あ、ミユリさん!ムーンライトセレナーダーを見た?」


シックな黒のフォーマルドレスのミユリさんがバンドスタンドに遊びに来る。

お、お。その腰まで入ったスリットは…御屋敷(メイドバー)のチャイナデーとか思い出すw


「あ、すぐ来るハズだわ…ってか、もう来てるし」

「え、何?」

「わぁゴメン!」


僕は、ドジ踏んだフリして、ハデに楽譜を撒き散らかすとメンバーが慌てて拾い集める…


「ムーンライトセレナーダー!」


その場の全員が床に散らばった楽譜に気をとられてる隙に、いつの間にやら…

見事に変身した(脱いだだけ?)ムーンライトセレナーダーがステージに出現w


「ヘヴンコープのルナレCEO。この度は私が壊した子ども病院の寄付集めパーティを開いてくれて、ありがと!」

「ムーンライトセレナーダー!待ってたわ」

「さぁ!私は怪しい動きがないか、舞台裏をパトロールしてきましょう」


会場中の視線を集めながら、舞台裏に姿を消すムーンライトセレナーダー。

会場内に意味不な拍手が湧くが…まぁルナレも拍手してるから良いのかな?


袖のドアから、こっそりミユリさんが出現w


「あ、ミユリさん!今、ムーンライトセレナーダーが来たわ!」

「えっ?ホント?会いたかったなぁ…あら?サリアさん?充電のため世界放浪中じゃなかったの?」

「ええ。でも、招待状をもらったので…」


ワラッタ・ワールドワイド・メディアのサリアCEOだ。珍しいなwしかも腕を吊ってる?


負傷者?

さらに…


「ナウナ!貴女、何しに来たの?」

「あ、ミユリ。また、私を怒るつもり?」

「え?もう怒らないけど」

「何で?」

「もう怒らないから。そのドレスは?」

「どう?」

「素敵だけど…」

「秘書のエヴァが長方形のカードをくれたの」

「え?ソレってクレジットカードってコト?」

「ヤッパリ怒る?」

「…い、いいえ」


今宵は、サックス2本に僕のバストランペットという変則3管バンドだ。

僕は、営業用の黒ネクタイをラフに崩しカウントを出し演奏スタート←


ダンスフロアに集まりだした人達をバンドスタンドから見下ろしながら演奏を続ける。

しかし、サリアCEOとナウナは唐突に現れたけど、何をしに来たのかな?多額の寄付?


サリアさんはともかく、ナウナに限ってソレは無いなとかボンヤリ考えてたらイキナリ…


どっかーん!


パーティ会場のド真ん中に火柱!テーブルが吹っ飛んでケータリングの料理が飛び散る!


「きゃー!」

「何事?」

「見て!武装強盗よっ!」


会場のバンケットコンパニオンが一斉にカツラを投げ捨てパーティドレスを脱ぎ捨てる!

下から現れたのは、完全武装の武装強盗団!手に手に変わった形の武器を持ち振り回す!


しまった!まさか女装して来るとはw


「こりゃスゴい!まさにお宝の山だ!」

「全員床に伏せろ!身につけてる宝石を全部このバケツの中に入れろ!今すぐ!」

「指輪、真珠、ダイヤ、時計、財布!全部寄越せ!素直に従えば死人は出ない!」


強盗団がバケツを持って回る…


「待って!私が来ないとでも思った?」

「ムーンライトセレナーダー、心待ちにしてたゼ。喰らえっ!」

「"チーム6"、一斉射撃!」


変装してたのは強盗団だけしゃないw


僕のバンドメンバーに扮してたアキバ防衛秘密組織ジャドーの特殊部隊が仮面を脱ぐ!

楽器ケースに模した武器コンテナから短機関銃、肩撃ちロケット弾、手榴弾、擲弾筒…


一斉に狙いを定めて強盗団に全力射撃!


爆煙と轟音が錯綜する中、強盗団の放つ光線をムーンライトセレナーダーの電撃が迎撃。

エネルギー同士の激突に大爆発が起き、発生した衝撃波が会場の全てをなぎ倒して逝く。


ムーンライトセレナーダーも強盗団も吹っ飛ばされて…ん?網タイツのクノイチもいる?

ナウナは、慣れた動きで妙な形の武器を振り回す…僕はテーブルの残骸の下に逃げ込む。


「貴方!邪魔よっ!どいて!」

「ルナレ?ややっ?コレは黒体発生機?」

「あ、テリィたん?そうょ上手く機能すれば良いのだけれど」


テーブルの下には先客がいて良く見たらルナレだw

パーティの主催者が、こんなテーブルの下で何を?


彼女は見慣れないメカを必死に操作中←


「コレ…黒体発生機だょね?」

「えぇそぉよ!だから、失敗は出来ないの」

「もしかして…このパーティは強盗団を誘き寄せる罠だったのか?」


黒体とは、完全放射体のコトで、強盗団の武器と平衡状態になると、放射線が吸収されるため強盗団の武器は全て使えなくなるのだ。


「周波数キャリブレーションは?」

「終わってるけど…誘導コイルが…」

「あ、ムーンライトセレナーダーが!」


黒体発生機の操作に手間取る内に、謎のクノイチが強盗団に狙われ光線銃の餌食…

…になる寸前にムーンライトセレナーダーが飛び出して盾となり一緒に吹っ飛ぶw


「ぎゃあああっ!」


既に何度も光線銃を見舞われフロアにのたうつムーンライトセレナーダー。

さらに、完全失神したクノイチとナウナ目掛け強盗団が引鉄に指をかける。


「くたばりやがれ!」


色とりどりの光線の十字砲火!その全てをムーンライトセレナーダーが電撃で迎撃スル!

ぶつかり合うエネルギーの奔流はギリギリ空中で均衡する…が、数の力で押され気味だw


「あ、あぅ…ダメ、持ち堪えられない!」

「ルナレ、ボタンを押せ!」

「神様!May the WOTAKU be with me!」


その瞬間、強盗団の全武器が彼等の手から弾かれるように飛び宙を舞って次々爆発スル。

黒体発生機の素晴らしい威力!僕まで誇らしい気分になり、テーブルの下から這い出す。


荒い息のムーンライトセレナーダーと目が合うw


「テリィ様?…ルナレさんとテーブルの下で一体何を?この浮気者!」


電撃の誤爆w


第4章 母娘の絆


翌日の万世橋警察署前。


一網打尽となった武装強盗団を蔵前橋通りにある重警備刑務所へと護送するコトになる。


「おい、ラギィ刑事!検察と話をさせてくれ」

「あら。検察もアンタ達に会いたがってるそうょ」

「あのな。俺は、あの異次元製の武器をくれた女を知ってルンだぞ」


武装強盗団は全員お揃いのオレンジ色の囚人服を着て引っ立てられている。

護送責任者のラギィ刑事は、護送車のバックドアを開けながらボスと話す。


「じゃ今、教えてょ」

「フザけるな。司法取引だ…ん?何か聞こえるぞ?」

「何?どーしたの?周辺警戒!」


警官隊が一斉に拳銃を抜き周囲を警戒スル。

しかし、怪しい動きはなく緊張だけが募る。


「やはり捕まったわね。貴方には何も喋らせないわ」

「や、やめろ!あの女の声が、俺の頭の中に…」

「さようなら」


ボスと手下達がバタバタと倒れる!


「救急班を!一体何が?」


その時、神田明神通りを通り過ぎるスモークガラスのベンツ。

その車内で、スイッチを押した白衣の女子に誰も気づかない。


「さぁ次ょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その頃、後に"ワラッタ洞窟(ケーブ)"と呼ばれるコトになるワラッタ・ワールドワイド・メディアHQタワーの地下にある秘密の部屋では…


「どうしてもヤるのか?その…"南秋葉原条約機構(SATO)"って」

「ええ。止めてもムダょ」

「そうか。じゃあ仕方ない。僕も微力ながら力になろう」


遂に、左右両手共に首から吊ってるサリアと心配そうなスズキくんの前でダマヤが約束w


「ダマヤ、どーしたの?なぜ気が変わったの?」

「サリアCEO。僕は、ワラッタにいた頃、デスクでひたすらファイアウォールを作ってた。セレブの赤ん坊の名前や彼等のショッピングの明細が漏れないようにね。重要な仕事じゃなかった。でも、今はジャドーでやり甲斐を感じている。だから、わかルンだ。正義を守る仕事は、1度やったら止められない」


不思議な結束感を共有スル3人。


「ソレに、もしサリアCEOが死んだら、僕はヒドく後悔しそうだ」

「ねぇスーツは?」

「実は、考えてあるから任せて。ただし!完成するまで絶対に闘ってはダメだ!OK?」

「わかったわ」

「で、スーパーヒロインの名前は考えた?」

「もちろん」

「教えてくれょ」

「今は教えないわ。時が来たら秋葉原に知れ渡るから」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


御屋敷裏の"潜り酒場(スピークイージー)"。


「ミユリ。私にはインターンは無理カモ」

「そうね。私もそう思う」

「怒ってない?」

「また、その内に怒るわ」

「そ、そーなのw」


ナウナを前に、ミユリさんは大きく溜め息w


「あのね、ナウナ。私、小さい時に何になりたいのかわからなかった。もちろん、家族が導いてくれたけど、最終的には自分で決めたわ。その方法を貴女に押し付けたの。つい張り切っちゃったのね。面倒を見たくて。でも、貴女は貴女。コレから、秋葉原で私とは違う人生を歩む。ソレで良いと思うの」

「じゃあ仕事は…」

「仕事は、しなきゃダメ絶対!でも、好きな仕事を選んで。いつでも力になるわ。私は、先輩だから。だから、貴女にコレをあげる。アキバのガイドブックょ」

「わぁありがと!おお、イケメンカフェ?」

「そのページはスルーして」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


同じ頃"異星人メイドカフェ"では…


「レイカ司令官?」

「今はプライベートだからレイカで」

「じゃ私のコトもラギィで….この前はゴメンね。言い過ぎたわ」

「私は、常に完璧を目指して来た。完璧な成績にキャリア。完璧な司令官として秋葉原を守る。でもね。1つだけ完璧に出来なかったコトがアルの」

「え?」

「デートょ。楽しめなかった。努力はしたわ。誘われたコトだってある。でも、嫌だった。親密になるのが。でも、ソレって生まれつきだと思ってた。苦手なだけだって。でも、ホントの理由は違うのカモ。もしかして、私は…そっちの…何て言うか、今の私は、同じコトばかりを考えているの」

「何?」


ラギィは、何処までも優しい笑顔だ。

レイカが自分の言葉で語るのを待つ。


「私は…もしかして、貴女が言ってた通りカモ」

「何のコト?」

「貴女が私について言ったコト…あ。やっぱり行かなきゃ!ゴメンなさい!」


店から飛び出すレイカ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


そして、ヘヴンコープにいるのは僕だ。


「ルナレ。罠を仕掛けてたのか。なぜ黙ってたの?」

「私は、正義の味方だと信じて欲しかった。テリィたんと…貴方にゾッコンのムーンライトセレナーダーに」

「…とにかく!武装強盗を止められた。ありがと」

「今後もよろしくね。あ、お客様だわ。またね、テリィたん」


ココで僕は追い出されたンだけど、地下駐車場に降りたら、ヤケに濃いスモークガラスのベンツが止まってて…今も印象に残ってる。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「ルナレ。ゴメンね、パーティーには行けなかったの」

「仕方ないわ。で、今日は何か用?ママ?」


振り向いたのは…白衣の女子w



おしまい

今回は海外ドラマでよくモチーフになる"異次元から来た武器"を軸に、その武器で武装した強盗団、強盗団に武器を渡した謎の科学者集団、秋葉原の悪に立ち向かう大金持ちのヒロイン、同じく巨大コングロマリットの美しきCEOなどが登場しました。


海外ドラマで見かけるNYの都市風景を、東京などに第2次コロナ宣言延長が決まった直後の秋葉原に当てはめて展開しています。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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