旦那ちゃんと嫁ちゃんのある日~「鬼〇の刃」を観た日の攻防~
ちゃんす。
某日、旦那ちゃんと嫁ちゃんは、あの超話題の映画「鬼〇の刃」を観に行ったのだった。
エンドロールが流れる中、旦那ちゃんは衝撃的なものを見てしまった。
(・・・嫁ちゃんが泣いている)
旦那ちゃんは、ほくそ笑んだ。
今こそ、反逆の時。
「いや~よかったね」
と、珍しく感動している嫁ちゃん。
説明しよう、大概の映画は嫁ちゃん、寝てしまうのだ。
「そう。確かに良かったけど・・・泣くほどのもんじゃ・・・」
二人は映画館を出で車に乗り込む。
旦那ちゃんは攻勢をかける。
「確かに、最後は感動した。ええ話だった。だからって泣かなくても」
「旦那ちゃん、泣かなかったの」
「はっ、俺くらいの男になると、そのくらいじゃ涙腺は崩壊しないよ」
「男の代表みたいに言うな。半分女心持ってるくせに」
「ぐっ」
旦那ちゃんここで攻勢は緩められない。
今回は勝つ。
「そういや、隣の席の子も泣いてたね・・・あーひょっとして、もらい泣き・・・」
「もらい泣きじゃない。純粋な涙よ!」
イケる。
俺は勝つ。
「そうかなー」
「・・・・・・」
「ん?」
「・・・・・・」
旦那ちゃんに悪寒が走った。
クル、キットクル。
「今日、出したでしょう」
「なっ、なんの話」
「久しぶりの仕事六勤明けの休み。嫁ちゃんのいない部屋・・・開放感・・・汗ばんだスマホ・・・」
「い、今はそんな話してないでしょ」
「私見たよ」
「なにを・・・」
「シコってるの」
「・・・へっ」
「カメラ・・・隠し撮りしてるよ」
「うっ、嘘だあ。ピンクティッシュだって証拠隠滅したし、バレるはずなんかないもん・・・ま・・・まさかっ本当に」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ドクン、ドクン、ドクン!
「へへへ、そう言うと、つい調子に乗ってベラベラと喋っちゃう旦那ちゃん、自白しましたね」
「な、なんと」
「必ずホシを挙げたっ!」
またしても、旦那ちゃん敗れる。
あと、一歩のところまで嫁ちゃんを追い詰めたのに、だが、これはまだまだ修行が足りぬということ。
風呂場で煉獄さんの奥義の型を真似る旦那ちゃんよ、お前はそれでいいのか。
いつか嫁ちゃんを出し抜くことが出来るのか。
そうだ全集中だ。
川の呼吸、一の型、河童の川流れっ!
・・・駄目じゃん。
行けっ!旦那ちゃん、明日を信じて。
またしても・・・。




