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「ふう、何だったんだよ。やっぱ色恋は嫌いだな。」
俺は中学の時に初恋の人に告白して振られたんだ。スキンシップもそこそこで俺にしかせず他人得お引っ張ってくれるような優しい子だった。俺が人生の中で一番の勇気を出した行為だと思う。それくらいには緊張して心臓の鼓動と共に震えが止まらないくらいに武者震いも止まらなかった。けれども俺は振られてしまった。彼女には彼氏がいないこともキチン調べ込んでいたのに振られた。理由は好きな人がいるとのことだった。恋する乙女の眼だった。それから先は俺も察知することができた。けれども何故俺にスキンシップをしていたのか聞くと予想だにしない答えが返ってきた。幼馴染の西野 マリに友達になってくれるよう頼まれたからだそうだ。俺はそんなこと一言も頼んでいなかった。それなのにあいつはやったのだ。造られた友達が、与えられた友達が嬉しいと思えるのはせいぜい小学校低学年まで自我を目覚めさせた頃には自分で成し遂げることに喜びを覚える。だから人生を楽しめる。与えられ得られた友、それがどんなに惨めなことかを彼女は知らなかったのだ。
それから俺は大好きなゲームに走った。eスポーツの大会に応募し優勝できるくらいには上手くなり経済的にも親から自立していき部屋に引きこもるようになっていった。それでもあいつは俺を部屋から出そうとするので仕方が無く出ているわけだが、俺の中では不満だらけだった。そろそろ引っ越そうか考えていたところでもあったためある意味でアメリカ移住はちょうどよかった。
ピンポーン
「ん?今日はやたらと客が多いな。」
「すまない、トオル君は要るかね。」
見ると西野家の父親がそこに居た。
「はあ。」
居留守を使おうか迷ったが素直に話を聞くことにした。
「西野の親父さんが家に名に用だ?」
俺はとりあえず家に入れお茶を出した。
「すまないマリの奴が泣いて帰ってきたもんだからな。」
「暴力とかは奮っていませんよ。」
「それはわかっているマリから聞いた。アメリカに行くんだそうだな。」
「それがどうかしましたか。」
「単刀直入に言う。アメリカに行くのをやめてくれないか。」
「それは随分身勝手なお願いですね。」
「身勝手なのはわかってるけどマリには君が必要なんだ。」
「そうですかですがお断りします。」
いつまでもあいつと一緒にいるのは嫌なのだ。
「そうか、やはり無理か。あの子がもう少し素直に認められるといいのだが。」
「それは親バカにもほどがあるでしょうに。」
「それもわかっている。もう大人になってもいい歳だ。だが君の大人の部分にずっと甘えていた節があるそこが心配なんだ。」
その言葉はトオルの中で何かを切れさせるには十分過ぎた。