哲郎
✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜
はじめに
性的被害の内容が含まれますので
同じような被害に合われた方は
フラッシュバックが起こる
危険性があります。
ご自身でご判断されてから
読まれて下さい。
✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜
Story ・1
私の人生では男性との出会いは
いつも偶然。
この部分は神様に感謝してる ♪
合コン、紹介、ナンパ
男女の出会いを求めて…
と、いった感じのことは
この年齢までなかった
自分でも
長いこと生きてきた気がするけど
ありがたいことに
彼氏がいなくて寂しい…
なーんて思った時期も、ない。
いつも、友人から言われる言葉
「ヒカリには、わかんないよぉ!
いつも、彼氏いるじゃん!」
うん…私、わかんない…w
けど、よく私を見てよ…
恋多き女とかじゃないよ!
浮気も嫌いだし。
出会いを求めている訳でもない。
ほら、ちゃんと私を見て…
1人で子供も育てて
けっこう苦労してるんだよ…w
なんだか文字にするとイタイ女に
思えてしまう…
けど、それが私だよ ♪
恋多き女さんから怒られちゃうよ。
男性との、出会いの事なんて
聞かれても
私にはわからなかった…
いつも偶然に出会うから…
✱
✽.。.:*
✱
哲郎という男の子を知ったのは
高校2年生の頃
哲郎とは同じ年齢の、同級生だったけど
私は看護科で
哲郎は普通科だった。
毎朝乗る電車には
同じ学校の子がたくさん乗っていて
哲郎はいつも4〜5人の
男女入り混じったグループでいる
私は、看護科の女子グループ
高校生2年生の頃は
少し大人になったような気分になって
みんな彼氏を作ったり
同じ電車の気になる男子の話しをしたり
急に色気付く時期だった。
ある日、友達の美穂ちゃんが
「彼氏ができたから会わせたの!」
って言いながら
私の手をグイグイと引っ張って
電車の席を移動して行った…
私は、美穂ちゃんの後ろを
転びそうになりながら付いて行く
辿りついた席は
哲郎達の普通科のグループの席
美穂ちゃんの彼氏さんは、照れ臭そうに
「剛っていいます…よろしく…w」
と、私に向かって笑った
美穂ちゃんの彼の剛くんは
少し顔が赤くなっていてかわいい♫
美穂ちゃんも手で口を抑えて笑っていた
普通科のグループは
みんな、男女問わず仲良しみたいで
美穂ちゃんと、その彼氏の剛くんを
ひやかすように
指で突っついたりしてたw
普通科の女の子の1人が楽しそうに
私にはなしかけてくれた♪
「もーーう!ラブラブを
見せつけられちゃったねーー!!w
私は、智恵!チーって呼んでね!
よろしく!この子はまきリンで
その隣が明美!こっちはサトル!
これは哲郎!」
ちーちゃんという女の子に
一気に覚えられそうもないほど
慌ただしく名前を紹介された…w
普通科のグループさん達は
みんな…私に合図を送るように
ピースサインをしたり、笑顔で
「よろしくねー!」
って、笑いかけてくれた…
私も慌てて、笑いながら言った
「あっ、私…ヒカリ!
みなさん、はじめまして!!」
話しかけてくれたチーちゃんが
「かわいい名前…いいなぁヒカリ!
私なんて知恵とか言ってるけど
本当は知恵子…
ありふれてるでしょ?w」
チーちゃんはヤンキーっぽいけど
笑顔がとってもかわいい♡
すぐに打ち解けられそうな
フレンドリーなチーちゃんの話に
みんなも笑ってた♪
男の子が1人、私の顔も見ないで聞いた
「どんな漢字を書くの?ヒカリって…」
少しかすれた、愛想のない話し方。
「えっ、あ、光!ヒカリって…
蛍光灯の光!そのまま
何て説明したらいいのかな…」
色々と、説明を考える。
「ふーん…。」
男の子は、ふーん。
って、そっけない返事をして
それっきり、私の、顔も見ない
チーちゃんが言った
「ごめんね!哲郎は愛想がないんだよ!
悪い奴じゃないからw
ピカピカのヒカちゃんね!」
「蛍光灯ってすごいな!
はじめて聞いたよ!その例え!w」
って笑ったのが、サトル君
その、私の顔も見ないで、そっけない態度で
私の名前を聞いた男の子が
哲郎だった。
哲郎は、仲良しの友達とは
すごく楽しそうに話すけど
それからも、私の顔を見ることは
ほとんどなかった。
哲郎って、ほんと、愛想のない人!
心の中で思った。
✱




