「なんでもやってみよう・なんでも見てやろう」
・・・と思ったので、親に座敷牢をねだってみた。
お笑いと冗談が大好きなぼくの親は、来年高校に進学する
ぼくのために家を増築する予定があるって言ってたし。
で。
増築の件で、建築屋さんがうちに来た時、
座敷牢が作れるかどうか、親に大笑いされながら
聞いてみたけど、普通の部屋よりコストがかかるらしい。
座敷牢というのは、地下とか使わない倉庫とか
あとは土地が余っているような場所に作るものらしくて、
昭和のはじめとかの時代なら、過疎であまり人の住んでいない
地方の、代々大地主を務めてきたすごくお金持ちの家なんかに
ある、イケてる狂気なやつが住まうエクセレントな場所さ。
庶民で普通なぼくん家じゃねー。うん。
無理ぽ。
クラスでもごく普通で良くも悪くも目立たない・目立てないぼくは
妄想するのは結構得意なほうだと思っている。
作家ってかっこいいじゃん。
売れれば芸能人みたいに大勢の人にさ、
ちやほやされてさぁ!
他の仕事みたいに初期費用って、かぎりなくゼロに近いっしょ!
お金要らないよ、テキスト打つだけでしょ。
それか大勢の人に読んでもらえる奇奇怪怪な話とかを
ノートなんかに書き留めておいて、昼寝て夜起きて
作品ができない時は家族に当たり散らすんだよね!
担当編集って人をゴミみたいにこき使うんでしょ?
パシリさせたことって今までの人生で、
ぼくはまだ一度も無いから憧れる!滾るよなー、スタイリッシュ!
作家ってかっこいい!ちょっと経験してみたいよね人生長いんだし
一度くらいはさ。リーマンとかの社畜になって最近ブラック多いし、
まあぼくみたいな平凡なのは作家とかなれないかもだけど
一応ね。学校でもやってみたいことはやってみろ、なんでも経験だ、
やって無駄なことは無いし、努力するのは良い事なんでしょ?
じゃあ、どんな経験だってぼくの人生の糧にはなるわけで
無駄なことなんかじゃ絶対に無いハズ。
どういうことしよう。
狂言自殺ってどうよ?高い建物の屋上の柵を乗り越えて、
柵の外をはだしでうろうろとか。そんで地上にネットが張られたのを
確認して嘘泣きしながら飛び降りてみたり?
カウンセラーにかかったり一日むずかしい顔をして
笑ったり泣いたり暴れたり、きっとああいうのを演じるのはだいじょうぶ。
楽しそ♪間違って他人を傷つけちゃったら少年法とかあるし守れるよね、ぼく。
作家って大きな嘘物語を生みだすのが仕事。大切なお仕事。
それができるかどうか。読む人をどんだけ飽きさせずに
自分が創作する嘘物語に没頭させられるかが「カギ」だと思う。
自分の妄想っていうか自分だけの世界に他人を引きずりこんで
「あ、こいつの書いてるやつ面白い」って。
多分、そういうふうにいろんな色の夢=嘘をみせてやればいいんだ。
でも普通なんだよね、ぼく。
もんのすごい大嘘とか大事件とか身近に起きたことや
見聞きした覚えが無い。これはゆゆしき問題じゃん。
ぼくん家の家族や近所の人って皆仲が良いし、通ってる学校の友達や先生も良い奴と
良い人しかいないから、狂気を演出するのがむずかしいぞ…。
これは勉強しないといけない。
ぼくはどうすればいいのか考えた。
そうだ!精神病院へ行こう!いや、怖いから廃棄されて今は営業(?)してない
精神病院に行ってどういうかんじか体験してみるっぺ!!!
ネットの巨大匿名掲示板や動画投稿サイトで人気の廃病院を
リサーチ、隣りの県によさげな医院みっけたので
行ってみることにした。
何持っていったらいいかな。
懐中電灯。ジュース。携帯。腹減った時用にお菓子とコンビニおにぎり。
今の時期だと虫もいるだろうから、とりま、吹きつけるタイプの
防虫スプレー・・・っと。
まだ夕方で、なんとなく西の空が赤くなりかけてる。
少し寝よ。そんで、夜になってから探索、サーチだ!
マーケティングリサーチだな!!!
脱水にならないようにスポーツ飲料飲んでちょいとお昼寝といきますか。