No.15
「さてと、ハンモックも出来たしそろそろ出てきていいぞ 幻人一号。」
俺の影から幻人一号が出てくる。ちなみに俺たちがこの城に着いた頃に俺の影に入ってきていた。影から影へと移動出来るのは便利だな、主に戦闘用のスキルとして欲しい。
「ハッ、コロモサマノゴメイレイドオリジョウホウシュウシュウヲオコナッタノデホウコクヲサセテイタダキマス。」
あれ?こいつ喋れるのか。驚きだ、てっきり紙にでも書かせて読もうと思ったのだが手間が省けたな。
「ホウコクハコレデイジョウデス。」
「........報告ありがとう、休んでいいよ。」
「ハッ デハシツレイシマス!」
長かった。とにかく長かった。まあ大事な情報だったから頭に入れておこう。えっと大雑把にまとめると......。
まず俺たちがいる都市、アーガスはナッス王国の都市の一つらしい。
ナッス王国は比較的平和な国家らしいがお隣のダッカス帝国とは犬猿の仲らしい。
ダッカス帝国以外の近隣諸国とは現在友好状態らしい。ただし、ナッス王国の東にあるライン大森林にはエルフの国があるので注意。
この国の通貨は安い順から
アーガスでは、奴隷販売があるものの、比較的他の種族への敵意は少ないが他の所では、敵意満載。
銅貨→銀貨→金貨→白金貨→王金貨 だ。
後、首都のベルベットや他の都市では迷宮と呼ばれるモンスターが湧く場所があるらしい。
ざっとこんなものかな。幻人一号の仕入れた情報で興味を惹かれるのはやはり迷宮とエルフの国だな。迷宮は、ラノベとかで大体はイメージ出来る。だがエルフの国はどんなのだろう?気になる。
コンコン
「フウスイ様、スカーレット様。御食事の準備が出来ました。」
「分かった。行くぞスカーレット。」
「はい。」
「おお来てくれたかフウスイ君。さあ、冷めないうちに召し上がってくれたまえ。」
「.....派手だな。」
用意された料理、そのどれもが料理に留まらず一つの美術品と見間違う程に完成されている。それでいて一品一品に違った個性があり、見ているだけでも楽しませてくるのだが、
この部屋に限った話ではないが煌びやかすぎるんだよな。これじゃあ落ち着いて食う事が出来ない。まあ、慣れる必要もないから、ここは我慢するか。
「そうそうトリアン草の代金.白金貨5枚を先に渡しておこう。」
「ん?確か市場価格でいいって言ったから3枚じゃなかったか?」
「残り2枚は投資みたいなもんじゃよ。将来有望な若者よ。さて早く食わんかい。」
「そうだな、いただくとするかスカーレット。」
「...はい。」
「ふう、美味かった。」
「....美味。」
どの料理も美味しく、それでいて飽きない味であった。ただ、海鮮類で出汁をとったであろうスープ。あのスープだけは口に合わなかった。不味いわけではなかったのだが独特な味だったので好きにはなれそうにないな。
他は満足の味だった。
「満足してくれたようで良かったわい。
さて、フウスイ君。君に一つ依頼をしても良いかな?」
「依頼?まあ面倒くさい依頼じゃなきゃ良いけど。」
「君なら楽にこなせる依頼じゃよ。ただ少し時間がかかる依頼なんじゃ。」
「時間がかかるのか......どのくらいかかる依頼なんだ?」
「まあ軽く見積もって2週間以上かかるの。
依頼内容は此処から西の方にあるフォックス大森林にしかいないペックルというモンスターを狩ってきて欲しいんじゃ。報酬は白金貨6枚じゃ。」
「軽く見積もって2週間かよ......。ペックルってどんなモンスター?」
「とにかくすばしっこくて体毛が緑色じゃから探知系のスキルとかがないと厳しいのじゃがお主の奴隷のスカーレットちゃんがいれば問題ないだろう。獣人は鼻が効くからの。」
「なるほど...。」
さてどうしたものかな。スキルを使えばそこまで時間はかからないが、ライン大森林ならエルフを見に行こうかと思ったのに。まあ此処で断るのは良くないな 何かこのジジイ企んでるし。 まあ幻人の報告では俺たちのために何かしようとしてるから暫く帰ってこないで欲しいんだろうなー。
「分かった、その依頼受けよう。」
ついでにスカーレットの戦いとかも見ておきたいしな。
本作が300ポイントいきました。
これも皆様の温かい声援のおかげです。
これからも本作を宜しくお願いします。