村は盗賊に襲われるためにあるのか?
指にコンパスの針刺さって
親指めちゃくちゃ痛い(T_T)
バミデスという心強い仲間を手に入れた俺は
前から考えていたことを実行することにした。
村を襲うのである。
ただモンスターを勇者と戦うために使っていると
強いモンスターと弱いモンスターのレベル差がついてしまう。
そうなるとレベルの高いモンスターを使用して
さらにレベル差がつく。
だからスライムなどはレベルが上がらなく
いつまでも本領を発揮することができない。
その問題を解決させるために思いついたのが
村を襲うことである。
いくら村人が弱く経験値が少ないからといっても
あんだけ人数がいれば
かなりの経験値が貰えるだろう。
そこで重要になるのはグループ分けだ。
バミデスが単独で暴れても村の1つや2つ壊滅出来るが
それでは問題解決にならない。
考えたすえグループ分けはこうなった。
第1小隊
バミデス
グリーンスライム×5
レッドスライム×4
第2小隊
リザードマン×5
インプ×5
第3小隊
ゾンビ×3
スケルトン×5
インプ×2
第4小隊
ハウンドウルフ×3
インプ×5
という感じになった。
レッドスライム1体とコボルトとブラウニーは留守番だ。
レッドスライムにはお土産として
生け捕りの村人を低温火傷させてやろう。
何時間で死ぬのか分からないが。
第1小隊はバミテスが暴れて
スライム達がおこぼれをもらうグループだ。
スライムは大人が武器を持てば倒せるレベルのモンスターだが
滅多なことでもなければわざわざバミテスに近づき
スライムを攻撃しようとするやつはいないはずだ。
第2小隊はバランスの取れたチームで
リザードマンの攻撃力と
インプの魔法で戦う。
第3小隊はある意味一番強い。
勇者にもなるとさすがにゾンビやスケルトンは怖くないが
普通の村人にとっては恐怖で動けないだろう。
第4小隊はハウンドウルフとインプで素早い攻撃をするグループだ。
ちなみに1グループは10体で構成されるためレッドスライムは余ったのであった。
さすがに空きがあってもスピード重視の
第4小隊に入れるわけにもいかない。
俺達は1週間訓練して作戦実行することにした。
ここはダンジョンの近くの村だ。
もちろん村人達は今日そのダンジョンから
モンスター達が襲いかかってくることはおろか
近くにダンジョンがあることすら知らない。
今日もこの村では村人達が自由気ままに生活している。
トーマスもその1人だった。
「今日の夜デートなんだ。」
「いいなぁトーマスは村長の娘さんを恋人に出来て。」
「逆玉の輿だな。」
「別に金目当てじゃないよ
本当に僕とアリサは愛し合っているんだ。」
「ヒューヒュー
でプロポーズはいつするんだ?」
「今日街に行った時にしようと思ってるんだ。」
「くっそ~ふられればいいのに。」
「ひがむなって
じゃあ俺は準備があるからまた。」
「せいぜい派手にふられてこいよ。
ギャハハハハ!」
「作戦通りにやれよ。
動けないが生きてるやつは生け捕りにしろ。
そして絶対死ぬなよ。」
「相棒俺がいたら大丈夫だって。」
「そうだな
全員出撃準備・・・出撃!」
俺の合図とともにモンスター達がなだれ込む。
バミテスが外にいた村人達を
かき爪で真っ二つにする。
蹴り跳ばす。
のしかかる。
頭から食らいつく。
ゾンビ達は家に入りその家の人達を
斬る。
殴る。
噛みつく。
インプは村を燃やし
ハウンドウルフは噛みつき
リザードマンは斬りつけていく。
たまに俺に襲いかかってくる輩もいるが
魔法で簡単にいなす。
何が起こっているんだ?
外が騒がしかったので出てみると
そこにはモンスター達がいた。
僕はいそいでアリサの家へ向かう。
アリサはゾンビに棍棒で殴られていた。
アリサは出血していて
殴られた顔は見るも無惨な事になっていた。
僕は助けに行こうとする。
「こっちに来ないで!
私はもうどっちみち助からないわ。
あなただけでも逃げて。」
「そんな・・・アリサを見殺しにすることなんて出来ないよ。」
「一緒に死ぬ必要なんてないわ。
あなたは生き残って私達の敵を討って!」
「でも・・・」
「いいから早く行って!」
「僕生き残るから!
そしてきっとアリサの敵を討つから!」
僕は走った。
モンスターが襲いかかってくるのも無視して走り続けた。
絶対強くなって敵を討つんだ。
そう心に誓って。
村から1人逃げていく男が見えた。
まぁそのまま逃がしていいだろう。
この襲撃にはダンジョンを有名にする目的もある。
そうして勇者が来るようにするのだ。
気付いたら村は全焼していて
村には燃えた死体しかなかった。
「相棒今回の作戦成功だぜ!
久しぶりに暴れて楽しかった~。」
ゾンビとスケルトンが捕虜を連れてくる。
10程度か。
あまり多くてもダンジョンに入れないので妥当な人数だ。
作戦成功した俺達は
強い勇者が来る前にダンジョンへ帰った。