魔王エクテス
「大魔王!エクテスってどこにいるんだ?」
ダンジョンに帰るとすぐ俺は大魔王と通信した。
「エクテス?俺様そんなやつ知らねぇぞ。」
「大魔王様エクテスはこの前魔王になった人ですよ。」
「そ~だっけか?」
こいつめっちゃ腹立つ。
「えーとエクテス様ならここにいますね。
今地図を転送します。」
俺の元へ地図が送られてくる。
「サンキューじゃ行ってくる。」
俺はエクテスのいるダンジョンへ行く準備をする。
転移魔法は1度行ったことがあるところにしか行けないので
今回は徒歩だ。
「バミデスお前って飛べるのか?」
「魔力は結構使うけど相棒くらいなら乗せて行けるぜ。」
よかった。これで旅が楽になるな。
俺は留守の間敵が来たらどのように対処すればいいか
コボルトへ説明する。
バミデスを除けば人間の言葉が喋れるのはコボルトしかいないので
モンスター達に命令しておきたい時にはコボルトを使う。
そうだモンスターを強くするために宝箱を設置しておこう。
あいにくこのダンジョンには宝箱はないので木箱を作って
中には勇者達から奪った装備や指輪を入れておいておいた。
「じゃあバミデス行こう。」
俺達はダンジョンをあとにし
エクテスのダンジョンへと向うためバミテスの背中へ乗る。
バミテスの背中の上は風が当たり気持ちが良かった。
しかし椅子やシートベルトが付いてるわけもなく
ただ出っ張っている所を掴んでいるだけなので
得意になったバミテスが途中で宙返りをうった時には
俺は振り落とされそうになった。
あれは死ぬかと思った。
「ここがエクテスのダンジョンかぁ。」
見た目は俺達のダンジョンと変わらない。
このまま正面からはいると敵と見られて攻撃されるかもしれないと思いつつ
エクテスのダンジョンへ入る。
「わぁ!」
入っていきなり現れたのは石で出来た巨人・ゴーレムだった。
敵対心はないと思わせるために俺は手をあげておく。
「エクテス~いるのか~?」
ゴレームは俺の手を無視して攻撃してくる。
「バミデス!ゴレームを傷つけないようにしながら俺を守れ。」
バミデスがゴーレムの攻撃を受け流しながら時間を稼ぐ。
「ゴーレムやめろ。」
奥から声とともに魔王が出てくる。
声は変わってないのでエクテスなんだろう。
エクテスのダンジョンはきれいで広かった。
モンスターもゴーレムをはじめ
ミノタウロス・サイクロプス・トロール・サラマンダーなどと
俺には手の届かないモンスターばかりだった。
「お前も魔王になったんだな。」
「も?」
「あぁ俺も魔王になったんだ。」
「そうか。」
正直エクテスとは話にくい。
ほとんどつぶやくようにしか喋らないし
暗い顔をしているからだ。
「エクテスはいつ魔王になったんだ?」
「先週。」
「1週間でこんなすごいダンジョンどうやって作ったんだ?」
エクテスの魔王ライフは俺の想像を遙かに越えていた・・・・・・




